麗日、ヒロイン発揮?
後半に、若干の腐表現あり?(そんなつもりはない…)
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
ヴィランであるジェントル・クリミナルが造魔にされた事件は、迅速に、かつ静かに解決した。
結果的にはラブラバがゴーストライダーこと出久に助けを求めたことで、ジェントルは人間として復活できた。悪魔にさせられた間に何があったのかは分からないが、あの後に自首したことから少なくとも人生を見つめ直す機会になったのだろう。
『あのボンボンがあれだけで諦めたとは思えねーな。』
「うん。」
『あの男が完全に悪魔になっていれば、文化祭ってのに襲撃させていただろうが。まあその目論見も、あのチビ女を行かせたから失敗してる。男の魂が多少なり強かったのは想定外だっただろうぜ。アイツは人間をなめ腐りすぎだからな。』
「ふーん。ザラゾスは、なめ腐ってないんだ?」
『人間は脆弱だ。だが、その魂の力は侮れねぇ。人間界が魔界や天界と拮抗を保てるのは、単にその魂が秘めるエネルギーの無限性だ。』
ザラゾスが褒めるというのは珍しいかもしれない。
人間を下に見ているのは悪魔故だろうが、古代から生きているためその分人間の強さを知っているということでもあるのだろう。
『な・の・に! 個性なんてもんで魂が弱るのはいただけねぇな! 不味くなる!』
「そこ?」
どうやら個性社会到来を嘆く理由は、自分が取り憑ける人間がいなくなることの他にそれが理由らしい。
「それだと強個性持ちのかっちゃんとか、不味いんじゃないの?」
ザラゾスが爆豪を食べようとしていたことを思い出し、聞いてみる。
『ああ? 絶望で調味されたクソガキの魂の味を知らねぇからんなこと言える。ただ、このまま個性社会の時代が進めば多少の退化はありえるな。味は落ちるが喰えんことはない。』
「あっそう。」
『……嫉妬と執着でよりうめぇけどな。』
「えっ?」
『なんでもねぇよ。それよりか、お前祭事に、女と回るのか?』
「えっ?」
『だーかーら。女と予定は組まないのかってことだ。』
「えっ? なんで?」
『てめぇ! 仮にも男だろうが! しかも年齢的にもお盛んな時期に! チッ! 俺が下手に弄くったせいでそこら辺の情欲さえ抑えられちまったか…。』
嘆くザラゾスに、出久は頭の中でハテナマークを浮かべていた。
「誰かと文化祭か……。そうだな…、壊理ちゃん、誘ってみようかな?」
『そりゃ、保護者目線でか?』
「?」
『………………はあ…。』
なんかため息を吐かれてしまった。
「み、緑谷君!」
「えっ?」
そこへやってきたのは、麗日だった。
「あ、あのね…。」
「なに?」
「だ、出し物が…終わったら…、い、一緒に…文化祭見て回ってくれへん!?」
なぜか赤面してそう叫ばれた。
ポカンッとした出久だったが。
「いいよ。」
「ほ、ほんまに!?」
「壊理ちゃんも誘おうと思うんだけど、それでもいい?」
「いいよ!」
『ほ~?』
「……?」
『同い年と、幼女……か。』
「?」
『……趣味は悪かねぇな。』
「?」
クスクス笑うザラゾスの言葉に、出久はよく分かっていなかった。
その後、出久は麗日と一緒に壊理のところへ行った。
「文化祭?」
「そう。この学校の催しでね、たくさんのクラスが色んな出し物をするんだ。」
「…私…学校行ったことなくって…。」
壊理は、その個性のため暴走の恐れがあり、小学校にも行けず自宅学習だったのだ。
「それならいい機会や! 楽しいよ! すっごく!」
「本当?」
「うん、屋台とかも出て、食べ物もあるし、好きな食べ物ってなに?」
「……リンゴ。」
「じゃあリンゴ飴やね!」
「リンゴ飴?」
「甘酸っぱいリンゴを、甘ーい飴でコーティングしたお祭り屋台定番のものなんよ! 美味しいよ!」
「……。」
それを聞いた壊理の口からヨダレが…。
「一緒に回ってくれる?」
「うん…!」
壊理は、嬉しそうに笑い頷いた。
***
出し物が決まれば、バンド組、ダンス組とに分け、演出についても決めていく。
ちなみに爆豪は、その才能マンなところを発揮し、バンドのドラマーに。
轟はダンス組の方だが、氷を使って演出を組むことになっている。
出久は……。
「炎獣をぬいぐるみに入れられるってすごくない!?」
「いや、やめとけ!」
「なんでぇ? 使えそ…。」
「やめとけ!」
レオさんの詳細を知らず、ただ炎獣をぬいぐるみに宿らせることが出来ると聞いて、葉隠や芦戸が演出に使おうかと言い出そうとしたのを、切島が止めた。
「具体的に見させてもらってもないのに、やめとけって言われてもね~。あっ、緑谷くん! ちょっといい?」
「やーめーろー!」
「ん? なに?」
「炎獣が宿ったぬいぐるみ見てみたいの。いい?」
「いいけど。これでいい?」
そう言って出久はたまたま持っていたペンギンのぬいぐるみに炎獣を宿らせた。
すると、瞬く間にペンギンのぬいぐるみが、ムキムキマッチョな人型ペンギン(?)になった。
絶句する芦戸達を見て、切島はだから言ったのに…っと頭を抱えた。
「イイっ!!」
「はあ!?」
グッと親指立てる芦戸に、切島が驚いた。
「ねえ、緑谷くん! これ、ダンスとか踊らせられる?」
「やろうと思えば…。」
「おいおいおいおい! マジで使う気なんか!?」
「うーん……、でも出来たら、レオさん達は、壊理ちゃんの護衛にしたいし…。」
「あっ、そうかぁ…。残念。」
残念がる葉隠と芦戸の様子とは反対に、切島はホッとしていた。
ムキムキマッチョ人型動物ぬいぐるみが踊ったら、それはそれはカオスだろうからだ…。
「そういう奇抜なのはよぉ…。他科にやらせりゃいいじゃね?」
「それもそっかー。」
なんとか納得してもらえたようだ。
出し物と配役決まればあとは練習あるのみ。演出を成功させるため、体育館も借りるなど入念な練習を重ねた。
バンドで生演奏だけじゃなく、音楽関係の仕事をしている親を持つ耳郎による生歌も入れることになった。ハスキーボイスで音程も素晴らしかったのだ。
「これがデスメタルなら、緑谷君の超怖ボイスも入れるところだね。」
「やめろ、聞き続けたら精神がもたんて!」
「緑谷さん、ぬいぐるみはこれぐらいでいいのですか?」
一方で八百万が出久に頼まれてぬいぐるみを創造していた。
「ありがとう。いつでも稼働できるようにして…、文化祭当日に雄英のアチコチに設置すればいい。」
「おいおいおいおいおいおいおいおい! 一斉に動き出したりしねぇだろうな!?」
「だいじょうぶ。………………たぶん。」
「微妙な返事をするな!」
「まあ、念には念によね。気持ちは分かるわ。今のご時世何が起こるか分かったものじゃないもの。ぬいぐるみの設置、手伝おうか?」
「いいの?」
「いいわよ、これくらい。なにかあってからじゃ遅いもの。」
こうして練習の合間にぬいぐるみに炎獣を宿らせ、雄英のアチコチに設置した。
「念のため、荼毘も警護にあたってほしい。人に見つからないようこっそりと。」
『それはいいが、えらく過保護だな?』
「なにが?」
『…分かってないのかよ。』
は~、ヤレヤレと、荼毘は頭を掻いた。
『ザラゾスが呆れるのも無理もないな。』
「なにが?」
『あんたさぁ、幼女趣味?』
「はっ?」
『ぶっちゃけどーなの? 一緒に回る予定の同級生と、エリって子とどっちが大事?』
「どっちも。なんでそんなこと聞くの?」
『そーいう返答はズルいな。焦凍と、犬にはそんな対応しないくせに。』
「? 守る必要ないぐらいしっかりしてるじゃん。必要なら世話したり守ったりするけど。躾はいるけど、自力で自分の世話できるわけだし…。」
『っ…完全に猫犬扱い…っ。』
ザラゾスが笑いを堪えていた。
出久の認識ではそうらしい。
荼毘は、口元を指で触りながら目を細めた。
『哀れなもんだな……、焦がれているのに報われない。』
「?」
『焦がれた成れの果てが言うことか?』
『クックッ…、そうだな。』
「それはそうと、今日から頼むよ。逃がしても報告すること。」
『了解。』
荼毘はそう返事をして窓の隙間から外へ出た。
「緑谷…。」
そこへ轟がやってきた。
「なに?」
「………………アイツの方がそんなに頼れるのか?」
「? 荼毘のこと? 彼は炎獣だから使役しやすいけど…。」
「俺は…、役に立たないか?」
「なんでそうなるの?」
出久が呆れて言うと、轟はポロポロと泣き出した。
『おい、面倒くせーことになったじゃねーか。』
「泣かないで。」
「うぅ……、だって…。」
「あのね、轟君を頼りにしてないわけじゃないよ?」
出久は轟を抱き寄せ、頭を撫でた。
「でも、時と場合ってのがあるでしょ? 轟君はすっごく頼りになる。それは本当のこと。」
「………爆豪より?」
「かっちゃんは、基本言うこと聞かないし。」
『使い魔として使役するなら、聞き分けの良いお前の方がいいぜ。』
「ほら、ザラゾスもこう言ってるし。」
「……じゃあ、俺を…。」
「それはダメ。」
荼毘と同じように炎獣にしてくれという願いは速攻で却下。
「……デクの野郎…。本気でイヤならもっと強く拒否れや…。」
廊下の曲がり角に身を隠している爆豪が、その場に座り込んで轟と同じように出久に取り込まれる道に焦がれたことを振り払うように抱えた足に顔を埋めた。
ザラゾスや荼毘に指摘されても、分からない出久でした。
決して、そんな趣味じゃないですよ!?
エリちゃんがたまたまちっちゃかっただけの話で!
レオさんをはじめとした炎獣を宿したぬいぐるみは、力が発動するとムキムキマッチョになります。ペンギンだろうと、ウサギだろうと。
次回辺りで、文化祭に入りたい。
次の短編のネタにするなら?
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妖怪ウォッチ
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すまっしゅ!!
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それ以外の怪異や、妖怪など
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SCP
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いや、連載の続き書けよ