オリジナル回。
一転してホラー?
麗日が麗日じゃない。色々とキャラ崩壊です。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
麗日は、また夢を見た。
たぶん、あれは、4歳ぐらいからだろう。
幼い彼が無個性だと分かってから手のひらを返した周り、泣いている母親らしき人。
彼をいじめている筆頭は、いつだって金髪の彼のようだった。
『無個性の木偶の坊だから、デクな!』
やめて…
『道端の石ころがいっちょ前に夢なんて見てんじゃねーよ、クソナード。』
やめて……
『そんななにもできねー木偶の坊がいっちょ前になる方法を教えてやるよ。』
やめて!
『来世は個性が宿ると信じて…、ワンチャンダイブ!!』
爆発の個性で焼かれたノートが窓から落とされた。
場面が変わる。
緑の彼が廃ビルの屋上へと上がっていく姿。
誰か! 誰か止めて!
ダメだよ! ダメェ!
『天気が良くてよかった……。』
彼は光りの無い目で夕焼けの綺麗な空を眺めた後、屋上の端から足を踏み出した。
グシャリッ
場面が再び変わり、麗日の傍らに、血塗れの……。
すると彼の死体に炎が。
まるで優しく包み込むように燃え上がる炎によって、砕けた四肢や、流れ出た血の全てが包まれる。
やがて炎が落ち着いていくと、元通り綺麗な姿で眠っている彼が残された。
『悲しいか?』
彼の声ではない。もっと恐ろしいナニかの声だ。
『これは…、出久が体験した過去の記憶の残骸だ。一度死に、ゴーストライダーへと生まれ変わるまでの……。誰がコイツを殺した?』
爆豪……。
『そうだ。あのガキが殺した。幼馴染みの面した人殺しだ。何も知らないとは幸福なことだ。だが最悪の不幸でもある。お前達は何も知らずに爆豪という人殺しと過ごしていた。出久と…過ごさせていた。そして教団の騒ぎ、アイツはまた、出久を殺した。アイツは学ばなかった。また殺すだろうな。お前は…、見過ごすか?』
イヤ……。
『なら…、やるべきことは決まったなぁ?』
麗日は、目を覚ました。
布団から出て、ぼんやりと宙を見上げる。
「……………許さない!」
目に怪しい光りを宿した麗日がギリッと唇を噛み、部屋を飛び出して行った。
そして男子の階層にて。
ガンガンガンガンっと、激しく爆豪の部屋の扉を麗日が叩いた。
あまりのうるささに男子達が集まるほどに。しかし障子と常闇と出久と轟はいない。
「麗日さん? なにをやってるんだ?」
「出てこい出てこい出てこい出てこい出てこい出てこい出てこい出てこい出てこい出てこい!!」
「う、麗…日さん?」
ガンガンっと扉を叩きながら凄まじい形相で繰り返す麗日の迫力に男子達は引いた。
そして。
「うるせーーーーー!!」
爆豪が凄まじい怒りの形相で扉を開けた。
「人が寝てるときに、な…。」
爆豪が怒鳴り散らそうとした直後、麗日が爆豪の首を掴むように飛びかかった。
爆豪は後ろに倒されたが、咄嗟の判断で巴投げして部屋の中に麗日を飛ばした。
飛ばされながらも体勢を整えて四つん這いで着地した麗日。
「てめ、まるが…、っ!?」
起き上がって振り返った爆豪だったが、目の前に浮いているベットが飛んできたのを見て咄嗟の判断で部屋の外へ転がり出た。直後、出入り口に引っかかったベットが出入り口の両脇に衝突する。
ベットの上の布団が扉の外へ飛び、枕も転がった。
「何事だ!?」
「知るか!」
あまりのことに飯田が叫び、爆豪は分からないと叫ぶ。
すると飯田を切島がどかした。
「切島君?」
「くそか…。っ!?」
次の瞬間、切島が爆豪に殴りかかってきた。
爆豪はギリギリでよけ、顔の横を硬化した切島の拳が擦った。
爆豪がギッと切島を睨むと、ギロリッと切島が凄まじい殺意の灯った目で睨んできた。
麗日といい、切島も様子がおかしい。
続けざまに切島から攻撃され、爆豪は切島の眼前で爆破を起こして目くらましして飛び退いた。
「切島君、やめるんだ!」
後ろから掴みかかって止めようとする飯田の腹に、切島は肘鉄いっぱつをいれて倒した。
「ど、どどど、どうしたんだよ!? なにが…、何が起こって…?」
峰田が狼狽える。
「せ、先生を…、上鳴君? 瀬呂君?」
狼狽えながらも騒ぎを知らせようとして動こうとした青山の肩に上鳴と瀬呂がポンッと手を置いた。
「えっ? うぐっ!?」
直後、首に放電と、腹に一発拳が。たちまち青山は倒れた。
「青や…っ!?」
「!」
「悪いけど、誰にも邪魔させねぇから。」
「そーそー。」
瀬呂と上鳴は、いつものようにおちゃらけた笑みを浮かべながら、峰田と砂藤と口田を一瞬にしてテープで雁字搦めにして壁に貼り付けて拘束。
「お、お前ら…。」
「なあ、“ヒトゴロシ君”。」
瀬呂がいつもの顔で爆豪を見て言った。
「!?」
「そうだな、ヒトゴロシ。」
上鳴もいつもの顔で言った。
「なっ…、っ!」
直後に後ろ首を切島に掴まれ壁に投げられて叩き付けられた。
「ぃ…っ…。」
背中を痛めたが爆豪は切島を睨んだ。
すると切島の目が赤く一瞬光る。
その光りにゾッとした。あの光りには覚えがある。
サー・ナイトアイのいた街を襲った惨劇の元凶である、あの悪魔のような……。
「なんで、緑谷を殺しておいて、お前はのうのうと生きてやがるんだ?」
切島が軽蔑した声で爆豪に言った。
殺しておいて…、そう言われ爆豪がビクッとなった。
『爆豪…俺はお前のことは理解しているつもりだった…口が悪くても俺は全然気にしなかった…。だがよぉ…人として…漢として…テメェは、許されないことをした!!』
『お前は意外と真面目で良い奴だと思ってたのに、本当に残念だ…!』
『おちゃらけな俺でも許せない時があるからな…。』
『イジメは漢のするもんじゃねぇからな!! 剰えジサツさせるような奴は、俺は絶対に許さねぇ!!』
『安心しろ爆豪、俺達はお前みたいにヒトゴロシはしない。』
『これは『ケジメ』だ。緑谷につけた『深い傷』のな!』
「っ…そういうことかよ!」
ぶつけられる言葉に耐えつつ、この異常事態について考えていた爆豪は舌打ちをして切島に爆発を放った。
すると爆豪の部屋の出入り口を塞いでいたベットがどかされ、代わりに棚や机、椅子を浮かせた麗日が出てきた。
その浮かされた家具の攻撃を避け、爆豪は麗日の鳩尾に一撃入れ気絶させた。
「ブラックハートとかいう悪魔の差し金か!?」
「ちげーよ。」
麗日を壁に寝かせ、切島達を睨みながら聞くと、そうすぐに返された。
上鳴が四つん這いになると、頭の左右からバイソンのような角が生えてきて、筋肉が隆起し、服が破れて黄色と黒の体毛に覆われる。
瀬呂の体が柔らかく溶け出し、背中の服を破って殻が現れる。
切島の体がみるみるうちに硬化をはじめ、服を破りながら赤く染まり、顔が狼のように伸びて赤毛の尻尾が生える。
『『サンダービースト』!』
『…『エスカルファン』。』
『『デューロウルフ』!』
「ーーっ…!」
変わり果てた級友達の姿に、僅かに青ざめた爆豪が一歩下がる。しかし、その手に汗を溜めた。
そして通路を包むほどの大爆発を起こし、目の前を一時的にくらましてから背中を向けて走り出した。
爆風の中から、デューロウルフ(切島)が飛び出し、天井、壁と高速で跳びはね、さらにサンダービースト(上鳴)が、放電する角を突き出して突進してきた。
牛に近い鳴き声を上げながらサンダービースト(上鳴)が放電を放つと、寮内の電気系統がショートし、火花が散った。
「どうした!?」
ちょうど共同スペースにいた常闇が階段を転がるように降りてきた爆豪に駆け寄る。
「逃げろ!」
「? ……!?」
一瞬分からなかった常闇だが爆豪の後ろから襲いかかろうとした赤い人狼を見て、咄嗟に黒影で防いだ。
そこに階段の上から放電が襲い、黒影が縮んだ。
「この放電は…。」
「逃げるぞ!」
「話は後回しか!」
常闇は爆豪と共に寮の外へ走った。二人は追って来るサンダービーストの突進を寮の出入り口の扉を閉めて防いだ。
しかし凄まじい突進と角から放たれる放電により扉が破壊され、二人は吹き飛ぶ。
「あんのアホ面! 牛になったぐらいでこんな…。」
「どういうことだ? 上鳴…だと?」
「じゃあ、他にいんのかよ!?」
「くっ…、いったい…なにが起こって…!? 地獄の底より出でし、悪魔の所業か!?」
尻もちをついていた二人の間に、テープが飛んできたため、二人は左右へ転がって避けた。
ズルズルと寮の壁を這う、エスカルファン(瀬呂)が寄生虫に寄生されたカタツムリのような派手で長い目を伸ばして二人を見ていた。
角に刺さった扉の一部を頭を振って払い落とし、サンダービーストが角から放電させながらフンフンと鼻息を荒くする。
割れたガラスやコンクリの一部を硬化している足の裏で踏み潰し、デューロウルフがサンダービーストの横に立った。
「まさかとは思うが……、あとの二人は…、切島と瀬呂か?」
「……。」
冷や汗をかきつつ常闇が聞くと、爆豪は押し黙った。
それを肯定と常闇は取った。常闇は辛そうに顔を歪めた。当たって欲しくなかった答えだったからだ。
悪魔のことは聞いているし、リフィカル教団の事件以来、騒がれている非現実的だが現実に起こってしまったオカルトだ。
黒影(ダークシャドウ)という意思を持つ個性の常闇にしてみれば、意外とすんなり受け入れられる事情であったが、級友達がその巻き添えとなったのは素直に信じたくなかった。
悪魔となった人間を元に戻す方法は色々とあるらしいことは個人的に調べたりしたが……、多くの場合ハッピーエンドは望めない。
そういえば…っと常闇は、爆豪をチラリと見た。
爆豪はその視線の意味に気づいて歯を食いしばった。
爆豪は出久についていったインターン先で、悪魔となった人間と戦闘している。その時のことを視線で聞かれたのだ。だが、その悪魔、クラミスの結末を知る爆豪は……。
その時、デューロウルフが雄叫びを上げて、跳んだ。
二人は構えた。
だが、デューロウルフの体が一瞬ブワッと塵になりその中から本来の切島の姿が現れた。
「!?」
体勢を崩したデューロウルフが地面に転がり、だがまた異形の姿に戻る。
「爆豪! 常闇!」
「先生!?」
相澤が走ってきた。
直後、透明な粘液が相澤へ飛んできて、相澤は後ろへ飛び退いき、寮の壁に張り付いているエスカルファンを見た。
するとエスカルファンの姿も、先ほどのデューロウルフと同様に一瞬塵となり、本来の瀬呂の姿が現れ、張り付けなくなった瀬呂が地面へ落ちて気絶した。高い位置でなかったため怪我はない。
「まさか…。」
相澤が見て瀬呂と、一瞬ではあったが切島も元の姿へ戻ったことに爆豪も常闇もハッとした。
個性を抹消する相澤の目で見られて戻ったということは…、3人は、まだ人間だと。
クラミス(完全に悪魔となった者)とは違うと。
ならば、やるべきことはひとつだ。
「先生!」
「ああ。」
状況を理解した相澤が蹲っているデューロウルフを見ようとした直後、無数の家具が相澤に向かって飛んできた。
ハッとした相澤がその攻撃を躱した直後、彼の目に赤い粉末がかけられた。共同スペースに置かれていた七味唐辛子だった。
「麗日!?」
「アイツ…!」
いつの間にか気絶から立ち直ったらしい麗日が、相澤の目を封じたのだ。
目を押さえながら捕縛布を使う相澤は長年の経験で正確に操り、麗日を捕えようとする。
その瞬間、サンダービーストの放電が飛んできて目を封じられている相澤に命中し、痺れさせ、焼いた。
倒れる相澤にトドメを刺そうと、虚ろな目をした麗日が首に手を伸ばそうとすると。
横から障子が来て、相澤を掴んで奪い取るように保護した。
「タコ野郎! そのまま逃げろ!」
「先生の目がなければ…。」
残る二人を元に戻せない。
その間に立ち上がるデューロウルフ(切島)が吠え爆豪達に襲いかかり、サンダービーストと麗日が相澤を背負っている障子を狙った。
残る二人を元の人間に戻せるかは、相澤にかかっていた。
切島、上鳴、瀬呂は、完全に悪魔になっているのではなく、高度な魔術的な物で変身させられているだけです。
個性を怪物化させたようなものなので、相澤の個性抹消に弱い。
つまり、似て非なるもの、“モドキ”ですね。
以下、頂いた悪魔モドキの設定。
・上鳴
見た目は2本の角にバイソンを思わせる屈強な体に蹄、黄色と黒のカラー。能力は角から電撃を放つ。電撃は直線型、広範囲型などどんな状況下でも瞬時に対応できる。
また身体は硬く、どんな攻撃も傷一つつかないが衝撃が伝わるので中身は弱い。
名前はそのまま『サンダービースト』。(※そのままバイソン)
・瀬呂
見た目はカタツムリで目が飛び出ており背中に殻があり中に身を隠すことができる。カラー茶色。殻はダイヤモンド並みの強度を持つ。
両腕にも殻がありそこからテープが出る。テープを高速で射出することで鋭いカッターのような切れ味となる。
身体は軟体で粘着性物質が分泌しているため打撃や斬撃は効かないが炎系には弱い。
粘着性物質は口から吐き出して相手につけて身動きを取れなくすることができる。
名前は『エスカルファン』。
・切島
硬化の個性を前面に押し出されて、体の表面が鉱物のように硬い人狼。
体の鉱物は、ルビーであり、ダイヤモンドに次ぐ硬度と、宝石の中でトップクラスの耐熱性を誇る。
『デューロウルフ』。(duro(イタリア語で、硬く))
最初の段階では、切島だけをモドキにする予定でしたが、とある方の案で三人ともということになりました。
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妖怪ウォッチ
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すまっしゅ!!
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それ以外の怪異や、妖怪など
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SCP
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