ヒロアカ×ゴーストライダーネタ  連載版   作:蜜柑ブタ

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本編でも短編でも、あまり報われていない爆豪が報われる(?)ネタ。



予定していた内容じゃなくなったのはいつものこと……。


かなり酷い内容です。



爆豪は、あることを願い、叶えるために…………………?



原作キャラの死亡や、酷い目に遭う部分があります!!












それでもOKって方だけどうぞ。






いいですね?





IF短編  爆発ワンコの願い事がカナウトキ

 

 コポコポという水が湧き上がるような音と、濃いコーヒーの匂いで爆豪は目を覚ました。

「……クソ…。」

 目を開けた爆豪は、ムクリッと起き上がりながら頭をガシガシと掻き毟り、悪態を吐く。

 今日こそは、アイツより先に起きるつもりだったのに…。それが不機嫌の理由だ。

 

「おはよう。かっちゃん。」

 

 扉は壊れていて台所から丸見えになっている寝室から出ると、台所で朝食を用意していた出久が淡々とした声で爆豪に声をかけた。

 テーブルにはすでに簡単な朝食が用意されていて、爆豪が手伝う部分がない。コーヒーだってちょうどカップに注いでいるところだ。

 爆豪がそんな光景に余計に機嫌を悪くしていても、出久は気にする様子もなくコーヒーを注いだカップを二つ用意し終え、席に着いた。それに気づいた爆豪もムスッとしながら席に着こうとすると。

「顔洗ってきたら?」

「…うっせー、言われんでも分かっとるわ!」

 座る直後に言われ、カッとなった爆豪がそう悪態を吐きながらズカズカと洗面所の方へ行き、歯磨きと顔を水で洗ってタオルで拭いてから急いで戻って来た。

「今朝はサンドイッチだから、そんな急がなくてもよかったのに。」

「っ……、いちいちうるせーよ、クソデク!」

「ご飯は逃げないからだいじょうぶだよ。」

「この、馬鹿にして…!?」

「馬鹿にはしてないよ? じゃあ、いただきます。」

「ぐ…、い、いただきます…。」

 出久に淡々と諭され、出久が食事を始めたため、爆豪も他に言いたいことを飲み込み食事を始めた。

 サンドイッチに挟んであるハムは、ピリ辛の物で、わざわざ爆豪の好みに寄せて作ってあるのが分かり爆豪は心の中でムスッとしながら用意された朝食を全部平らげた。

 食事が終われば後片付け。出久は中身が見えているボロソファーに座り、皿の後片付けを爆豪に任せる。爆豪が何か仕事をしたがるのは知っているので何も言わずに任せているのである。

 二人分だけで少ない洗い物を終えると、爆豪も出久が座っているソファーの方へ行き出久の隣に座った。

 型の古いテレビには、朝と昼の間にあるニュース番組が映し出されている。

「まだ治まらないみたいだね。」

「そーだな。」

 毎日毎日同じ内容を報じるニュースに、出久は淡々と、爆豪は若干うんざり気味に言った。

 けれど番組の合間にはCMもあり、ニュース番組以外の番組だってある。少し前は本当にCMさえまともになく、似たような速報ニュース番組ばかりだったが、少しずつ世間が変わりはじめてきているのだろう。

「かっちゃんがよく見てた激辛特集が放送再開だって。よかったね。」

「別にうれしかねーよ。」

「なんで?」

「外に出る予定なんざねーだろーが。」

「……………………そっか……。」

「ふん…。」

 二人の会話はそこで終わった。

 長い沈黙と、テレビの音ばかりが聞こえる中で、ふと出久が立ち上がった。

「…行くのか?」

「うん。

「最近、多いな。」

「無念を抱いて死んでしまった人達の想いを僕らがどーこーすることはできない。」

「……だな。」

「でも…、せめてその無念を晴らしてあげるのも供養だと思うんだ。』

 出久の姿が炎に包まれ、ゴーストライダーの姿へと変わり、壁をすり抜けて外へ出て行った。

 部屋を明るく照らしていたゴーストライダーの炎が無くなり、やや薄暗い照明とベランダに通じるガラス戸から入る日の光だけ照らされた部屋に爆豪だけが残された。

 爆豪はしばらくテレビを見ていたが、やがて飽きてしまいテレビを消した。

 それから、冷蔵庫の中を確認したり、掃除をしたりして時間を潰した。

「…っ、いてぇ。」

 ささくれた木製の鍋の取っ手で、指先に小さな穴が空き、血がプクリと浮き出た。

 思わず傷ついた指を口に含み、ほんの少し出てしまったその血を止めようとした。

 舌に触れた鉄の味に、ピクリッと爆豪が硬直した。

 その瞬間に脳内に駆け巡る、抑え込んでいたはずの忌まわしい記憶。

 

 

 父親がある日、とある事件の犯人であるヴィランに背格好と個性が酷似していたため、突然ヒーローや警察の誤認逮捕で追い詰められ、職を金も信用も奪われた。そんな父親を支えていた母。

 

 しかし、誤解で後ろ指さされながらも生きようとしていた爆豪の家はさらに追い詰められた。

 

 爆豪から両親を奪ったのは、あろうことか誤認逮捕が起こることとなった事件の被害者達の遺族だった。

 

 被害者と同じように顔を焼かれ、その死に様や死ぬまでの過程を恨みと憎しみと共に動画や写真でネット上に広げられた。父親は酷たらしい拷問の末に殺され、母親は顔を奪われたが辛うじて息があったものの再起不能で病室から二度と出られなくなってしまった。

 

 ヴィランの子だと誤解されたまま、親戚にも、周囲にも見放され、それでも意地で生きようとゴミを漁り、泥水を啜り。

 

 誤認逮捕の元凶となったヒーローが褒め称えられている現場を見てしまい、彼らが名を上げる一件となった事件の話をマスコミが出したのを聞いて、いまだ家族の無実が晴らされていないと知って衝動をのままにそのヒーローを攻撃してしまい、けれど敵うはずもなく、親も親なら子も子だとばかりに取り上げられる材料にされて嘘っぱちのヒーロー達の糧になるのを酷く他人事みたいに感じた。

 

 今まで信じてきた…、目指していた光ある世界は、些細な誤解で呆気なく崩れ、すべてが敵になるほど酷くて汚いのだと、たった15歳で思い知らされた。

 

 その時、爆豪を押え付けていたヒーロー達を払い飛ばした存在が現れた。

 

 ゴーストライダーとなった出久だった。

 

 誤認逮捕の元凶となったヒーロー達は、ゴーストライダーが来たのは爆豪を罰するためだろうと思ったのだろう。逃げようとはしなった。

 

 しかしゴーストライダーが罪を味あわせる魔眼の力を使ったのは、爆豪ではなく、爆豪の父親を誤認逮捕することとなり、爆豪の家を崩壊させる元凶となったヒーロー達の方だった。

 

 罰を与え終えたゴーストライダーがロクに食事も摂れず痩せて弱っていた爆豪を抱き上げてその場から去っていった。

 

 爆豪の父親と誤認された事件の犯人は、そのヒーロー達が罰される前にゴーストライダーにやられており、当時の事件の真実と共に隠蔽されていた誤認逮捕のことも明かされ、当時の関係者達は真実を隠した犯罪者(クズ)として世間から徹底的に叩かれ、そして誤認逮捕で崩壊した被害者の家族の救済をとあちこちでデモが起こるなど社会現象となった。

 

 

 舌に感じた鉄の味は、出久(ゴーストライダー)に救い上げられる直後まで感じていたすべてのモノへの絶望の記憶の味………………。

 

 

「…………………かっちゃん………………。息して。」

「っーーーーーー!!」

 いつの間にか帰ってきていた出久が、過呼吸を起こし、床で痙攣していた爆豪を抱き起こした。

 まともに息が出来ないで、ボロボロダラダラと顔から出る液体を零して苦しむ爆豪の胸の上を癒すように出久は片手でさすった。

 出久の手から送られる癒やしの力を受けても、爆豪は中々落ち着かない。

 そんな爆豪に、まるで子供を寝かしつけるときに親がする子守歌みたいに出久が爆豪に語りかける。

「かっちゃんのお母さんの無念は聞き届けたよ。だから罰を与えたよ。君の家族や何もかもを奪った罪人達は、もう地獄行き。生きていても、もう地獄にいる。…………………だから、安心して、おやすみ……。」

「っ……。」

 爆豪の胸を撫でていた手で出久が爆豪の目を覆うと、やがて爆豪の呼吸が落ち着き、爆豪は目を閉じて意識を闇に沈めた。

 眠った爆豪の涙や顔から出る体液で汚れきった顔を綺麗に拭いてやり、出久は優しく爆豪を抱き上げて寝室に運ぶとベットの上に寝かせた。

『…………………お前は、甘いなぁ、出久ぅ?』

「うるさいよ。」

 出久の中にいるザラゾスが呆れたように言ってくる。

『その駄犬が、お前に何をしたのか忘れたわけじゃないだろうに。お前は優しさを被った鬼畜なところがある。善意と良心は、時に悪意を超えるほどに残酷だ。分かっててやってるだろ? 駄犬の母親の死と、その無念のための復讐なんざついでだった。本当は……。』

「…………………“僕”にも、よく分からないんだ……。」

『…………………ふーん?』

 不意に“以前の出久”が顔を覗かせたため、ザラゾスは気づかないふりして鼻を鳴らした。

 

 

『全部失って、自分の犯した罪で失ったモンを1個だけ取り戻すか……。叶ってよかったなぁ? 爆豪勝己?』

 

 

 安心しきった寝顔でベットの横に腰掛けている出久の右手を握って静かに寝ている爆豪に、ザラゾスが密かに笑う。

 

 

 爆豪が突然不幸のドン底に落ちた本当の理由を……、悪魔であるザラゾスだけが知っている。

 

 

 だって、悪魔は願いを叶える代わりに願いを叶える条件(代償)を求めるから。

 

 それがどんな内容であろうと。

 

 人間とは、どこまでも愚かで、弱いから、自分の願い(欲望)を叶えられるなら、どこまでも傲慢に、残虐に、願いを叶えたい自分自身さえ壊して捨てるのだ。

 

 そしてその願いのために犯した罪と罪悪感で、弱い人間は故意にしろ無意識にしろ自己防衛のために記憶をねじ曲げ、忘却することもある。

 

 

『爆豪……、お前は、ほんとーーに、愚かで傲慢で残虐な弱い人間の典型だったよ。せいぜいお幸せにな。』

 

 

 

 

 




最初は、別の短編でも書いた、個性を消す病気を流行らせる内容で考えていましたが、昨日唐突に思いつきでこの内容に。


爆豪家族には本当に申し訳ない!

悪魔が喜ぶ捧げ物には、親しい間柄の親友とか、恋人とか、家族が良いというのをどこかで見たのでこうなってしまった……。


爆豪のこの罪に対してゴーストライダーが動かないのは、ゴーストライダーが無念を抱いて死んでいった被害者のために復讐する存在であるから、怨みを買われていない爆豪はパーフェクトハルクみたいに復讐の範囲外になってしまうのかと……。
曖昧で申し訳ない……!
母親の光己も、父親の勝も、息子が原因だと知らずに別の相手に怨みと無念を抱いて死んだので息子は対象になっていない。これも要因かも?

それとも、爆豪がペナンス・ステアしなくても廃人になってないだけで生きながら地獄を味わっているからかも?
手を下すまでもなく、むしろ傍に置いておくことがもっとも苦しめる方法だから?


…………………こんな感じになってしまった。

次の短編のネタにするなら?

  • 妖怪ウォッチ
  • すまっしゅ!!
  • それ以外の怪異や、妖怪など
  • SCP
  • いや、連載の続き書けよ
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