ヒロアカ×ゴーストライダーネタ  連載版   作:蜜柑ブタ

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オリジナル回。



なんか急に麗日と、壊理ちゃんのヒロインイベントです(?)。



そういう恋愛イベは嫌って方は、読まない方がいいかも。たいしたことないですが。






それでもOKって方だけどうぞ。









いいですね?






SS67  恋せよ少女

 

「大事件だ!」

 寮の女子達の階層で、葉隠が騒いだ。

「雄英入学から事件続きじゃない?」

「そういうことじゃないの!」

 と、葉隠が言う。

「前々から怪しいとは思ったけど、あれは間違いなく確実!」

「それってお茶子ちゃんのこと?」

「なんで分かったし!?」

 蛙吹がズバリ言ったので葉隠が驚く。

「お茶子ちゃん、分かりやすいもの。」

「そうだよね。」

 なんのことはないと言う感じで言う蛙吹に、耳郎も同意。

「いや、あんな分かりやすい動きしてて気づかない方がおかしいとは思うわよ?」

 芦戸もそう言う。

「何の話ですの?」

「分かってない人いたー。」

 八百万だ。

「麗日さんがどうしたのです? 最近様子がずっとおかしいのですが…、まさか深刻な悩みが…?」

「うん。ある意味で深刻ね。」

「まあ! それは大変ですわ! ああ、だから最近授業が終わってもそそくさと自室にこもってしまうのですね! 顔を赤くしている場面も多いし、まさか体調の方も悪いのでは!?」

「研究熱心で観察力あるのに残念よね、ヤオモモちゃんは。」

「違うよ、八百万さん! お茶子ちゃんはね! 今、恋という病のまっただ中なんだよ!」

「えっ?」

「ほら、ズバリ言っても分かってもらえてないじゃん。」

「こ、恋とは…、あの恋ですの? 時に歴史を動かし、時に国をも滅ぼす、あの!?」

「分かるみたいだけど、なんか違うような!? いや、違わないけど!」

「麗日さんが、その恋を!?」

「そうなんだよー!」

「まあ! それは確かに一大事ですわ!」

「だよね!」

「余計なことしちゃダメよ?」

「えー、なんで! こういう時こそ恋を応援ってか、手助けしてあげるところじゃん。」

 蛙吹の言葉に葉隠がブーブー言う。

「余計なコトして今の関係が拗れて悪くなっちゃったら大変でしょ? ただでさえ、お茶子ちゃんの思い人は複雑なんだから。」

「そのような問題が…、いったどこのどなたですの? 麗日さんの思い人とは。」

「なんでピンポイントで分からないかしらね~。」

「緑谷君だよ!」

「えっ!? た、確かに麗日さん、緑谷さんを見るととても顔を…、ああ、そういうことでしたのね!」

 八百万は、やっと理解した。

 でも…、っと八百万は、表情を曇らせた。

「よりにもよって、なぜ緑谷さんですの? 彼は…。」

「それは言っちゃダメよ。」

 ゴーストライダーへの恐怖心から声を僅かに震わせる八百万に、蛙吹がそう言った。

 すると葉隠が、ふと。

「緑谷君って、恋とか云々感じるのかな?」

「さあ、どうだろう?」

 感情が薄い出久の様子を思い出し耳郎が首を傾げる。

「さあ、明日は寮の大掃除ってことだから早く寝ましょう。」

 そう蛙吹が言い、その場はお開きとなった。

 それぞれ寮の部屋に戻る中、葉隠は……。

 

「……こんな一大イベント逃すわけないじゃん。」

 

 っと、透明で見えない顔に、ゲヘヘヘっと、悪い笑みを浮かべていたらしい。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 “モドキ”にされた切島達による破壊の跡は、工事中ということだが、それでも寮を使っていればどうしても汚れてくる。

 っというわけで、使っている組の生徒による大掃除。

 部屋は私物があるため各自で掃除することになっているが、それ以外の共用部や男子、女子それぞれが使う廊下、階段などを掃除する。

 麗日が共用部の階段掃除を頼まれ上から下へ徐々に箒掃除をしていた時だった。

 階段上の横、そこの上に置かれていた小さいバケツがひっくり返り、ちょうど麗日の頭から体に水がかかってしまった。

「ひゃあ!」

 短くあげた悲鳴は、偶然にも他の者達には聞こえなかった。

「うへ~、ビシャビシャ…。」

 幸い入れたばかりの綺麗な水だったので臭くはなかった。

 濡れた体を見た時、ハッとした。

 白Tシャツを着ていたのだが、それが災いして下着が……。

 慌てて胸を腕で隠し、周りをキョロキョロと見たが見ている人はいない。

「早く着替えよう。」

 そう思って自室に急ごうとしたが、階段を移動すると男子達がいて、慌てて隠れた。

「ど、どうしよう…。」

 場所が悪く、男子達の間を通っていかないと自室に行けない。

 このままここにいてもいずれ男子達が移動してくるだろう。

 麗日が困っていると、後ろからパサッと背中から肩にナニかが被せられた。

「み、緑谷君…!」

 慌てて振り返ると、出久がいた。被せられたのは、体操服の上着だった。

「ここからなら、俺の部屋が近いね。」

「えっ?」

「タオル貸すから。」

 そう言われて腕を引かれて出久の部屋まで連れて行かれた。

 連れて行く途中で耳郎がいたので、事情を話し階段の水を拭くことと麗日の着替えを持ってきてくれないかと頼んだ。

 必要な物しか置かれていない障子の部屋とためはる殺風景な出久の部屋でタオルを借り麗日は濡れている頭を拭いた。

「あとで洗濯して返すね。上着も濡れちゃったし。」

「気にしなくていいよ、だいじょうぶだから。」

「ううん、そういうわけには…。」

 椅子に座らされている麗日は食い下がる。

「それにしても、耳郎さん遅いね。」

 出久がそう呟いて扉を見た。

 それを聞いてふと麗日は、気づいた。

 今、自分は出久と二人きりだと。しかも出久の部屋(寮)じゃないかと。

 それに気づいた瞬間、カーッと顔が熱くなって持っているタオルで顔を隠して俯いた。

「どうしたの? 寒いの?」

「えっ…?」

 知らず微かに震えていたらしい麗日の両手の上に出久の手が重ねられた。

 途端、麗日の体、いや周りだけが暖かくなってきた。

「最近、熱の調整を覚えようと色々と実験してみてるんだ。暖かくなってきた?」

「……。」

「麗日さん?」

「う、うん……。」

「もしかして…。」

「!」

 言われて麗日は、ドキッとした。自分の内心がバレたかと。

「もしかして、まだ体調悪い?」

 単純に心配されただけだったと知って、麗日は脱力した。

「だいじょうぶ?」

 その体を支えられて麗日は、ハッと我に返った。

「だ、だいじょうぶ! だいじょうぶだから!」

「ほんとう?」

「顔がちかっ! 近い!」

「えっ? そんなにイヤだった?」

「違うねん! 違うねん! 緑谷君が悪いんじゃない!」

「うん?」

「ドキドキしちゃうの! 緑谷君見るとドキドキしちゃうの! 私がおかしいだけ!」

「えっ?」

 早口でそう喚かれ、出久はキョトンとした。

 そこまでつい言ってしまい、麗日は、ハッと我に返り、青ざめた。

「あ…あああああ…! ごめんなさい!」

 麗日は大慌てで部屋から逃げようとすると、腕を出久に掴まれて止められた。

「なんで謝るの?」

「だ、だって…。」

「ドキドキするの?」

「……。」

「悪いこと?」

「それは…。」

「良いことなら、謝る必要なんてない。」

「っ……。」

「むしろ謝らなきゃいけないのは、俺の方だ。」

「えっ? わっ!」

 腕を引っ張られて気がつけば出久の胸に顔を押し当てられるようにされた。

「音…聞こえる?」

「!?」

「……ごめんね。俺…、心臓の音…無くなってる。」

 ドクンドクンと脈打つはずの生命の鼓動が、……そこになかった。

 でもね…っと出久が言った。

「きっと、音がしたら…、俺もドキドキしていると思う。麗日さんに、ドキドキしてるって言われて、嬉しいと思ったから。」

「ーーーーーっ!!」

「俺がまともに人間だったら良かったのに…。」

「そんなこと…。」

 麗日は、出久が一度自殺していることを思い出した。

 一度死んでいるから心音さえ……。

「俺は最悪に運が悪いよ。」

「えっ?」

「運が悪いからゴーストライダーになった。運が悪いから人間ですらなくなって、麗日さんの気持ちにも応えてあげることができない。」

「緑谷く…。」

「悪魔と関われば幸せになれない。…君に、不幸になってほしくないから…、っ。」

 するとムギュッと麗日が出久に抱きついた。

「なんで…、決めつけるの?」

「それは…。」

「決めつけないで…、そんな風に言わないで。それじゃあ緑谷君が…。」

「……。」

「緑谷君? あっ。」

 すると麗日を引き離し、出久が扉の方へ。音も無く。

 そしていきなり扉を開けると。

「うわわ!」

 扉に張り付いて聞き耳を立てていたA組男女がバランスを崩していた。

 麗日は、状況が読めず混乱したが程なく理解して赤くなった。

 もしかして全部聞かれていた!?っと。

「…耳郎さん? 着替えを持って来て欲しいって頼んだのに…。」

「ご、ごめん…、途中で捕まって…。」

 両手を合せて何度も謝る耳郎。

 

「お前達…、掃除は終わったのか?」

 

 そこに相澤が青筋立てて歩いてきた。

 今日中に掃除を終わらせないと全員除籍と言い渡し、強制解散。

「緑谷、麗日。」

「はい。」

「っ…。」

「……お前達も若いからとやかくは言えんが、きちんと目の前のことを片付けてからにしろ。」

「はい。」

「……うぅ…。」

 なにやってたのかは筒抜けらしい。麗日はプシュ~っと赤くなった。

「麗日さん。」

「は、ひぃ!?」

「……とりあえず着替えて。」

「あ…、うん…。」

 耳郎から渡された麗日の着替えを出久から手渡され、出久は部屋から出て行ってしまった。

 残された麗日は、少しぼう然としていたが、外にいる出久がコンコンっと扉を叩き『早くしないと先生が怒るから』っと扉越しに言われ、ハッとして急いで着替えた。

 

 なお、その後急いで大掃除が終わったのだが……。

 

 

 

 

「ふぇえええん! ごめんなさい~~~!!」

「ごめんですんだら、警察もヒーローも要らないわ。」

「そうだね。」

 

 共同スペースの絨毯の上で、葉隠が正座させられていた。

 なお、彼女の前には、蛙吹と出久が仁王立ち。

 葉隠は、足が痺れてピーピー泣いている。

 

「なあ? どうしたんだ? ありゃ…?」

「なんでも麗日にわざと水ぶっかけたらしいぜ?」

「事故じゃなく、葉隠さんの仕業だったのか。」

「同級生の恋を盛り上げたかった気持ちは分からんでもないがな…。」

 事情を知ってちょっと呆れつつも、男子達はちょっと同意したのだった。

「でもでも! 良い感じになったじゃん! ん、ぎゃあああああああ!?」

「そういう問題じゃない。」

 言い訳する葉隠の足を指でつついて悶絶させる出久。結構お怒りらしい。

「危うく麗日さんが傷つくところだったんだ。そこのところは反省しないと。」

「ごめんなさい~~~!! 反省してるからーーー!」

『本当に?』

「ひいっ! ほ、本当だよーー……。」

「緑谷ちゃん、怒ってるのは分かるけど、さすがに怖すぎよ。」

「…ごめん。」

 蛙吹に窘められ、出久は顔が半分ゴーストライダー状態になったのを手で押さえた。

「でも、透ちゃん、悪意じゃなくてもあんなことはしちゃダメよ。余計なことしちゃダメって言ったでしょ? ほら、もう足解いていいから。」

「うぅ…。」

「麗日さんは?」

「部屋に帰りましたわ。ところで…、緑谷さん。」

「なに?」

「…貴方は、麗日さんのことをどう思っていらっしゃるの? 大切にしますか?」

 ズバリ聞いた八百万の言葉に共同スペースに緊張が走る。

 出久は少し考えて。

「級友で…、大切な、人…?」

 

 次の瞬間、ボトッと音がした。

 

 見ると、壊理がライオンのぬいぐるみを落として目を大きく見開いて出久を見ていた。

「壊理ちゃん?」

「…うぅーーー!」

 みるみるうちに目に涙を溜めた壊理がライオンのぬいぐるみのたてがみを掴んで背中を向けて走り去ってしまった。

「あちゃーーー…。」

 大変なことを忘れていたと蛙吹が額を押さえた。

「おい! 同い年を取るか! 超年下を取るか! 人生の分かれ道だぜ、緑谷ぁ!?」

「なんで?」

「アホーーー!」

 A組のエロ担当峰田が、分かってない出久の横顔に張り手をした。

『とりあえず、あのちっこい娘の方の所に行け。下手に心に隙を作ったらそこを突かれる。』

「……。」

「おっ、おっ!? 壊理ちゃんの方!?」

 事の成り行きを見ているしか出来なかった者達は、出久の行動に驚きつつも、一部はまあ未熟な幼女の方を心配して取るのは妥当かとも思った。

 

 

 

 

 

 

 そして教員達の部屋のスペースにある、壊理の部屋の前に来た出久は、戸を開けようとしたが鍵がかかっていた。

「壊理ちゃん?」

 コンコンと戸を叩いて声を掛けてみたが返事はない。

「いるのは分かってる。……なんか俺、酷いこと言った?」

 本当に分かっていない出久。

『……ねえ…。』

「壊理ちゃん?」

『…お茶子お姉ちゃんのこと…好き?』

「えっ?」

 急に聞かれて出久はキョトンとした。

『……大切な、ヒトなんだよね? だから、好き?』

「えっと……。ごめん…、分からない。」

『分からない?』

「壊理ちゃん。俺は、ゴーストライダーだ。だから人間らしいところなんてどれくらい残ってるか分からない。心臓の音だってしない。ドキドキもなにもないんだ。」

『……。』

「でも……、麗日さんが俺に対してドキドキするって言われたとき、“嬉しい”って思った。もし俺に心臓の音があったら、俺もドキドキしてたかもって思った。壊理ちゃんは…、それがイヤだった?」

 出久がそこまで言い終わる頃、扉が開かれて中から出てきた壊理が出久の足に抱きついた。

「……壊理には…。」

「ん?」

「壊理には、ドキドキしない?」

「……。」

「私ね……、お兄ちゃんのことで胸がドキドキするよ。」

 一旦離れた壊理が、出久の手を掴んで引っ張り、自分の胸に押し当てさせた。

 トクントクン…っと、小さな心臓の音を感じた。微かに早いのはドキドキしているということだ。

「うん…、分かる。」

「私…負けないもん…。」

「ん?」

「お茶子お姉ちゃんに、…負けないもん!」

「……。」

 なぜそこで勝負事になるんだ、そしてなぜ麗日と勝負しようとするんだと、出久は口に出さず思った。

 ザラゾスは、そんな出久にひっそりと頭を抱えた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 その後、出久が部屋に帰ると扉の下の隙間に折りたたまれた紙が入っていた。

 峰田からだった。

 

『にぶちんなテメーを見てらんねーから手助けしてやる! この国には条件激難しいが、最大5人まで嫁を迎え入れられる制度がある! 詳しいことは自分で調べろ!』

 

 個性社会到来による個性を巡る問題やヒーロー、ヴィランなど、晩婚化、未婚、それによる少子化を懸念した政府が割と最近発足した婚姻の法律で、様々な条件さえクリアすれば一夫多妻制(5人まで)が許されるというのだ。

 なお、エンデヴァーの時代にはまだこの制度がなかったため幸いだったかもしれない。じゃないと当たり(※目的の個性を持つ子供)が出るまで娶られた女性達へ酷いことが起こっていただろう。

 

『……で? お前…まさか…。』

「………………………………………二人には仲良くして欲しいから。」

『ぶ…、ブハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 重婚制度について真剣に調べている出久に、ザラゾスは大笑いしたのだった。

 

 

 




麗日→初恋で恋愛ベタ。手探り状態。

壊理→ヤクザの孫娘故か年齢関係なく積極的。恋愛上手?


最後の方の重婚案は、ハーメルンで知り合った方にいっそ二人とも娶れればいいんじゃね?っと言ってみたところ頂いた案です。


次回でその話をしたいと思います。(月曜日更新を目処に)

次の短編のネタにするなら?

  • 妖怪ウォッチ
  • すまっしゅ!!
  • それ以外の怪異や、妖怪など
  • SCP
  • いや、連載の続き書けよ
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