でもあんまり進展してない…。
今回はある漫画に登場した悪魔を参考にしました。
ある意味で多部超強化?
死穢八斎會の戦力強化?
あと後半であるキャラが2人登場します。
なんか勢いで出しました。
でもキャラがうまく掴めてないので別人化してるかも…。
なのでもし間違っていましたら教えていただけると助かります。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
出久が多部の腹に手を伸ばし触れようとしたのだが、多部が突然椅子を蹴飛ばすように立ち上がって出久から距離を取った。
「多部?」
「どーしたんだよ?」
窃野と宝生が心配して声を掛ける。この二人は多部と同じく社会で酷い目に遭って今の居場所に来たという経緯から三人で仲良くしている。
「う…、う…。」
多部が目を見開いたまま白目を血走らせて、歯を食いしばって短く呼吸を繰り返している。その様はまるで恐怖に震えながら牙むき出す獣のようだ。
『おい、どこに逃げる気だ?』
ザラゾスの声が出久以外の人間には聞こえない音として多部に向けられる。
途端、多部の体が大きく跳ね上がる。猫がビビって後方に飛ぶように。
『なあ、おい? 仲良くしようぜ? 大人しくしないと…分かるよなぁ?』
「み、緑谷くん…?」
空気の悪さに思わず麗日がおずおずと聞いたが出久が何も答えない。麗日にはザラゾスの声は聞こえてない。
ガタガタと震えていた多部が逃げる機会を伺うように構えていたが、足下から這い上がってきた鎖によって雁字搦めになった。
多部の口から胃の中に潜んでいるものによるこの世のものではない叫び声があがりそうになったが、それを鎖によって防がれて黙らされた。
『格の違いぐらい分かるだろーが…、ハア…。』
「…ザラゾス。さっき大物って言ってたよね? 多部さんに何がくっついてるの?」
『あー、コイツはな。『地獄の大食漢ベヘモス』。魔獣って呼ばれてる生き物でも大物中の大物ぐらいの奴だ。』
「そんなのがなんで…。」
『理由なんて知らねー。たまたまだろうな。』
ザラゾスの口から語られたのは想像以上の超大物の怪物だったようだ。大物中の大物と言うぐらいなのだ。しかも多部に取り憑いている理由もたまたまだという。
「つまりどういうこと? 多部さんがベヘモス?」
『違う。ソイツの内臓に住み着いてんだ。位置的に胃袋だな。喰ったもんを横取りして、寄生虫じゃねーだろうに。』
「ほぼ寄生虫じゃん。」
『んなことはどーでもいい。こんなところで俺に出会ったのが運の尽きだ。そーいうことだから俺の下につけ。』
「酷いね。」
弱肉強食が強い世界である魔界。こういう運の良し悪しを良いように利用されるなんてザラだ。
多部の中にいるベヘモスはまさか人間界で魔界でトップクラス悪魔に遭遇するなんて想像もしていなかっただろうが。
『ちょっと引っ込んでろ。』
出久が返事をする前に意識を押し込められ、出久の体をザラゾスが使う。
鎖で拘束された多部はガタガタと震えながら涙目だった。体内にいるベヘモスがザラゾスに恐怖し、その恐怖心が多部の精神に影響しているのだ。
そんな多部にザラゾスが手を伸ばし、無理矢理口をこじ開けて右手をねじ込んだ。深い袋に手を突っ込むぐらい遠慮が全くない。手どころか、腕を形近くまで挿入され多部は拘束されたまま苦しさに暴れるがまともに身動きなんてとれない。そのため白目を剥いて涙とヨダレを絶え間なく垂らしながら苦しめられた。胃液なども混ざってるかもしれない。
多部と仲の良い窃野と宝生は青ざめてアワアワと焦り、治崎もさすがに顔をしかめている。
多部の体内を探っていたザラゾスだったがやがて手を止めてニヤッと笑った。
やっと腕を引き抜くと多部はゲホゲホと激しく咳き込んだ。
『俺の支配下に置いたから多少はマシになるだろう。』
ザラゾスはそう言葉を残して出久と入れ替わった。
出久が目にしたのは顔から出る液体で顔をグシャグシャにしてゼーゼーと荒い呼吸を繰り返している多部。慌ててタオルハンカチを出して顔を拭いてやり鎖を外した。
終わったと見た窃野と宝生が急いで多部に駆け寄って声をかけたり背中を摩ったりした。
「う…うぅ…? お腹…、すかない?」
落ち着きだした多部が自分の体の変化に気づいた。
最近強まってきていた飢餓感がかなり落ち着いていたのだ。まったく無くなったわけではないが食べたくて食べたくて暴走するほどではない。頑張れば我慢できる程度だ。
「ザラゾスから伝言です。」
「?」
「腹の中のベヘモスには今まで貴方を苦しめた罰として、好きなときに力を貸すよう呪いを与えたから好きに使え、……だそうです。」
「えー?」
「そのベヘモスってどんなバケモンなんです? 腹すかせる悪影響だけじゃないんですか?」
「えっと…、『地獄の大食漢』ってあだ名があるぐらいだから食べることに特化してる大口と…、胃の中がどこに繋がってるか分からない魔獣…だそうです。」
「えっ?」
多部のことを心配して聞いた宝生がベヘモスについて出久に聞き、その内容に多部達だけじゃなく治崎達も驚いて固まった。
「だから…、食べられたら…、どこに行くか分らないので…、下手をするとまったく訳の分からない別世界とか…、空気のない宇宙空間とか…、土の中、水の中…、指定もなくどこかに放り出されるみたいで…。」
「そりゃいくら喰っても満腹になるわけがないな。」
治崎がそうため息混じりに呟いた。
身近にそんな危険な怪物が潜んでいたこともそうだが、その怪物の能力も想像以上だった。
「飢餓感が悪化した原因は、恐らく近頃人間界に悪魔が出入りすることが多くなった影響ではないかということです。ベヘモスに寄生虫としての性質があるわけじゃないみたいですし、運悪く多部さんのお腹に繋がっていただけで近いうちに何かの拍子に暴れて多部さんの命を奪う形になっていたかもしれません。今回俺がこのタイミングで対処できたのは運が良かったと思います。」
「俺…もうだいじょうぶ? お腹空く…ない?」
「うーん…、個性の都合上完全に無くならないでしょうけど、少なくとも今みたいに軽くなるとは思います。それでも辛かったら別の呪いで軽減するようにしましょう。」
「こいつの個性は燃費が悪すぎるからな。頼めるときに頼んでもいいですか?」
「いいですよ。」
出久は治崎とそう約束を交わし、多部は自身に取り憑いていた強大な魔獣であるベヘモスがザラゾスに屈服して縛り付けられたおかげで酷くなる一方だった飢餓感を治され、なおかつザラゾスの命令によって従わされたベヘモスの力を自由に使うことも可能になった。
「悪魔とか他の人外と戦える戦力として数えていいと思います。」
「何から何まで世話になって申し訳ない…。」
「いいですよ。それに壊理ちゃんのこともまだ解決できないので、サボってるわけじゃないんですが…。」
「…壊理はその方が良いかもな。」
「えっ?」
「いえ、こっちの話です。」
治崎はボソッと呟いたことを関係ない話だという風に言った。
話は変わるが、なぜ治崎達が今回のフェスに手伝いに来ていたのか……。反社会勢力のヤクザ者が…。
早い話が今回出店している飲食店と食料品の製造元と流通業者が組長の昔馴染みで、クラミスによる事件で組長の危篤と組の存亡の危機によって繋がりを直す必要があったのだ。そのひとつとして手伝いである。昔は下の人員を労働力や店の守護に貸し出していたらしい。
しかしクラミスのせいで深刻な人員不足もあり、若頭の治崎まで病的潔癖なのを気合いで我慢して裏方で仕事する羽目になったのだ。
相当忙しいらしいようで同情するが何かしてやれることはないためどうしようもない。
しかし今回は飢餓状態が深刻になっていた多部の問題解決の手助けができたので協力は少しできたただろう。ついでに死穢八斎會側の人外への対抗する戦力ができたのだからかなり得であったかもしれない。
地獄の大食漢ベヘモスは、ザラゾスが大物中の大物と言い、自身に従属するよう抑え込むほどだ、戦力としては大きいだろう。
後日ベヘモスの制御についての訓練のことも治崎と多部に伝え、出久は麗日と共に治崎達から離れた。
なんやかんやあって、時間は昼になった。すっかり人が増え、飲食の屋台は大盛況だ。もちろんお持ち帰りできるお弁当やおむすび、巻き寿司や押し寿司などもたくさん売れているようだ。
「人増えたね! お米の消費が減ってるって聞くけど、なんだかんだでみんなご飯大好きなのかな?」
「フェスっていうイベントも相まってるかも。」
「それは言えてる! こーいうお祭りの時の屋台料理ってメッチャうんまいもん!」
「分かる。」
「どーもー。こんにちは、緑谷さん?」
「えっ? 今度はだれ?」
「今度はって…、そんな言い方は酷いな~。」
そこにいたのはどこかで見覚えがある爽やかなイケメン少年。
「…えーと?」
「覚えてないですか? 自分は傑物学園の2年、真堂揺(しんどうよう)です。今年の仮免の試験でご一緒だったんですよ。」
「見覚えがあるって思ったらそういうことか。ごめんね、すぐに思い出せなかった。」
「いえいえ、天下のゴーストライダーに見覚えてもらってただけでも嬉しいですから! ところで、もしかしてデートですか?」
「ふぁ!?」
真堂の言葉に出久の隣にいた麗日が過剰反応して赤面した。
それを見逃さなかった真堂は爽やかながらニヤついて出久に言った。
「可愛い彼女さんですね。まあ、俺の彼女には負けますが!」
「他人を下げる考えと言い方は嫌いだ。」
「おっとっと! 失礼しました!! ごめんなさい! 失言でした!」
「わっ! そ、そこまで謝らなくていいよ?」
自分の彼女が一番って感じで彼氏としてジョーク感覚でそう真堂が言った瞬間に、出久が真顔で淡々と人を見下げて誰かを持ち上げる行為は嫌いだと言ったため真堂は爆速で90度の超綺麗な反省の意思を示した。
「場を盛り上げるつもりのジョークだろうと相手が不快になったらただの暴力。」
「その通りすぎてグウのでも出ないな…。俺もまだまだだ…。」
顔を上げた真堂の顔に冷や汗がにじんでいる。ゴーストライダーである出久の不快を買ったのがよっぽど怖かったのだろう。
「真堂ー。なにしてんの? だれ?」
「あっ、ごめんよ。」
「あれ? あんたは…。」
真堂の彼女である少女が駆け寄ってきて出久の顔を見て顔色を僅かに悪くした。ダークヒーローとしての悪名と轟くゴーストライダーの出久の顔は他の学校に知れ渡っている。当然真堂の彼女もだ。
「さっき見かけて挨拶したんだ。紹介します、俺の彼女の中瓶畳(なかがめたたみ)です。」
「緑谷出久です。隣の彼女は同級生の麗日さん。」
「麗日お茶子です。」
「えっ…? うそ…、ねえ…揺くん…? これって…まさか?」
「そうらしいぞ?」
「なにそれなにそれ! なんかものすごいビッグニュースに立ち会っちゃった感じ!?」
「?」
「うひゃ~! 違うのに~! 誤解やねんって!」
「えっ? 違うの? なーんだ。それならそうと言ってくれればいいじゃん。」
「えー、違ったの?」
出久と麗日がまだそういう関係じゃないと知り、真堂と中瓶はとても残念そうにそう言っていた。
誤解が解けたが何か残念な気分になる麗日。
そしてふと出久の横顔を見る。出久はあまり表情を変えておらず、麗日のことをどう考えているのかがまったく分からない。
自分だけテンパっておかしい…と麗日が自己嫌悪に似た感情を持ち始めたとき。
盛大に腹の虫が鳴った。
誰の腹かと言うと…、出久だった。
「そういえばお昼ご飯まだだった。麗日さんはお腹だいじょうぶ?」
「わ、私も…結構空いてるよ!」
「食べてみたい物があるんだけどいい?」
「ええよ! 最初はうちの希望叶えて貰ったし、次は緑谷くんや!」
「じゃあ行こう。」
「俺達もご一緒していいです?」
「えっ?」
「えっ!?」
「いいじゃん。ダブルデートだね。」
「これも何かの縁だ。よろしく。」
「だぶるでーと…。」
「わー! 緑谷くん誤解しないでー!」
『いいじゃないか出久~。これを機会にこの初物の娘を…。』
「それはダメ。」
『チッ。』
ザラゾスの提案を速攻で却下する出久であった。
こうしてなぜか真堂と中瓶、出久と麗日の男女組でフェスを回ることになったのであった。
一方その頃。
「…………定時連絡するって言ってたのに…、さてはゴーストライダー関係だな…。」
「概ねその通りっぽいな。は~~~、あんんんのゴーストライダー狂いはどーしよーもねーな……。」
「アレさえなきゃ過労死待ったしなぐらいだったし、その点だけは良しとするべきっすかね…?」
死穢八斎會で治崎の留守を守っているクロノとミミックが治崎からの定時連絡がないことと、その理由を察知してため息を吐いていた。
多部の個性は強力ではありますが、如何せんデメリットが強すぎて、彼が登場したイベントの時が個性を持つことの不幸を煮詰めたみたいな内容だったので……。
何かメリットになる要素を捏造で追加できないかと考えた結果、地獄の大食漢ベヘモスという魔獣に結びつけるという設定作りに繋がりました。
参考にした漫画は『ラグナロク』という1巻のみの漫画ですが、私にとって大きな影響を受けた大好きな作品でした。
それに登場した地獄の大食漢ベヘモスの設定を参考にさせていただきました。
真堂と中瓶のカップルを出したのはほぼ勢いです。
どこかで出したいな~って考えてたらここで出せないかと思ったので……。
でも二人のキャラがうまく掴めていなくて…、爽やかなイケメン内面腹黒と、ミーハーでしたっけ?
しかも2年生で…。
出久に敬語なのはゴーストライダーだからです。怖いので不敬を買いたくないのでそうなっています。
次回は、ダブルデート(?)。
飯テロも頑張りたい。
予定では無かったですが、ヴィランの強襲とかも考えています。
そこで多部がベヘモスの力を初めて使うとかも考えています。
次の短編のネタにするなら?
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妖怪ウォッチ
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すまっしゅ!!
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それ以外の怪異や、妖怪など
-
SCP
-
いや、連載の続き書けよ