今回は真堂と中瓶のカップルと食事。
あとなんかひと悶着ありそーな状況に?
前回の壊理ちゃんとのデートの時のデジャブを目指しましたが、展開は違います。
前回活動報告で出した方がいいか悩んだ、色々な意味での問題児2人が乱入してきます。
最後の方で不穏な伏線。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
出久は自分の中でニヤニヤ笑っているザラゾスの気配を不快に感じていた。
「…………なんなの?」
『いやいや~? 別に~?』
出久が小声でザラゾスに問うがザラゾスはふざけたようにムカつく声色ではぐらかす。
「さすがに初日だからお客さん多いね。」
麗日のその声で出久は我に返った。
出久の目当てだった飲食店にはすでに長い列ができていた。しかしどこの店も列ができており列の少ないところを選ぶよりまだまだ客が増えるのだから並んだ方が効率が良いようだ。
というわけで麗日と、あと真堂と中瓶のカップルとで列に並ぶ。何も同じ店の列に並ばなくても…っと出久が聞いたが真堂らも同じ店のが良いと言ってこうなった。
だが店の売り物の都合で回転率が早くて列の進みは早い。そのおかげで想像より早く順番が回ってきた。
そうしてフェスのチラシを参照して出久が目星を付けていた飲食店で提供されていたお米料理である様々な種類のおむすびを購入できた。あと、セットメニュー価格で汁物も購入できる。
「種類多過ぎ~、迷っちゃう。」
「じゃあ半分こしよう。食べきれないだろ?」
「マジ? ありがと。」
なんて若いカップルらしくイチャつきを見せながら真堂達もそれぞれ購入した。こちらもお得なセットメニューを選んだようだ。
再び飲食できるエリアに着席。さすがに人が多すぎるため机と椅子が追加されていた。中には立ち食いしている人までいる。歩きながら食べることも出来そうな料理もあるので難しくはないだろうが。
「塩むすび選ぶって中々ツーだね。」
「そうかな?」
「飯の美味さが一番際立つからいいんだよ。ですよね?」
「一番おすすめってあったから。」
「あ、そーいうことか。」
つまり目当てだったのはこの塩むすびだったというわけだ。
塩むすびはまさにシンプルイズベスト。海苔さえ張ってない。米の品質と炊く技術、そして握る人間の技量で勝負するある意味メチャクチャ難しいおむすびかもしれない。
「んーーーー! うんまーーー!」
麗日も塩むすびを選んでいたが一口食べて口を思わず押さえて驚いていた。食べたがっていた大好物のお餅とはまた違った美味しい物を食べたときのリアクションだが、かなり美味しかったようである。
「緑谷くん、なんやろ!? コレってお米がいいからかな!? 炊き加減がいいからかな!? なんていうか…どう言えばいいか分かんないけど美味しすぎ!!」
「そうだね。とにかく美味しいね。何がすごいって言うのかは分からないけど。」
「もう1個塩にしとけばよかったー!」
「3個とも塩むすびでもよかったかもね。汁とすごい合う。」
「あー、それもよかったかも!」
やや小ぶりのおむすびがメインの売り物である店であるため汁物付きで3個セットで選べたのだが、他は違う味付けと具を使われている物を選んだ。
真堂と中瓶がジーッと塩むすびを堪能してる出久と麗日を羨ましそうに見ていた。
「そんな美味しいのか…、俺達も選べば良かったな。」
「帰りに持ち帰りセットで買うから。家族にもお土産買ってくるって約束してるし。選ぶの手伝ってよね」
「もちろん。俺の家族へのお土産選ぶの手伝ってくれるよな?」
「オッケー。任せて。」
「うん、炊き込みのも美味しい。鶏とゴボウと生姜かな?」
「おかかチーズもイケますよー!」
「それも美味しそうだね。」
「でしょ? 選べば良かったのに~。」
「天むすはやっぱ外せないって! エビプリップリっ! 野菜天のも選んでみたけど、超当たり!」
「あれ? 半分こは?」
「あっ、忘れてた。美味しかったから。」
「このネギ味噌ウマー! お米と超相性良すぎてなおかつお汁にも合うー!」
「それも美味しそうだね。ネギ味噌が別売りしてたからあとで買う?」
「えっ? いいの?」
「いいよ。今日は麗日さんの希望を叶えに来たんだから。」
「本当にありがとう!」
「えー? なになに? 緑谷さんが全部奢りってこと? 緑谷さんって彼女甘やかすタイプ?」
「そ、それはちょっと事情が…。」
「うーん、大事にしたいから甘やかしたいかな。」
麗日が本当のことを言えず困っていると出久がそう言って興味を自分へ向けさせた。
「わっ、SNSで”実は紳士”ってハッシュタグ付いてたけどマジじゃん!」
「女の子へのその対応もですけど、羽振りいいですね? その経済力はどこから?」
「この間ちょっと臨時収入が…。」
『俺の受け売りか? ん?』
「違うから。」
出久は女性の扱いについてザラゾスの受け売りかと言われたことを速攻否定するが、ザラゾスはニヤつきながら間違いなく自分の影響だということを知っているのでそれ以上は言わなかった。
フェスも午後に行われる予定のプログラムを拡声器で会場にお客さん達に伝える。
その内容にザラゾスが嫌そうに声を漏らす。
『あんの善意狂人がゲストか。』
「日本の農産業と食糧自給に関わるしね。偉い人から仕事が来たんじゃないかな?」
「最近オールマイト話題薄くない? CMとかも全然出ないし。」
「ゴーストライダーの認知が広まりすぎて影薄くなってるって噂は本当かなぁ?」
真堂がチラッとオールマイトの影を薄くした原因と思われる出久(ゴーストライダー)に真相を求めるが、出久は知らないと首を横に振った。
ゴーストライダーはそういう世間へ自分を売り出すことや名誉を得ることを目的に活動はしていない。復讐を求める被害者がいなければ大きな活動をせず、様々な分野で仕事もしないし依頼も断る。壊理と出かけた先の遊園地でショーに飛び入り参加したのはミルコの頼みを壊理が聞き出久に頼みを受けて欲しいと頼んだからだ。壊理がいなかったら間違いなく断っていただろう。それぐらい仕事を受けない。
激動の時代の移り変わりもありかもしれないがゴーストライダーが目立ちすぎて活動範囲が限定的であるにも関わらずオールマイトがかすみ始めたのは事実。
今のオールマイトの知名度は…強いて言うなら、『最近テレビに出なくなったね~。まだいたんだあの人』ってぐらい。ブームが去った芸能人みたいな…。
ニヤニヤしていたザラゾスがオールマイトの話題でテンションが下がったようだ。そんなにオールマイトが嫌いなのか。そこまで肌に合わない人間だと感じているのか。
食事を終えた後、オールマイトが登場する催しを見に行ってみた。
『私が来た!!』
オールマイトの定番である言葉と共にオールマイトが田植えする時の農家さんファッションで登場。
影が薄くなりつつあっても知名度はまだまだ大きいのでオールマイト登場に集まっていたお客達から大きな歓声が上がる。もちろん携帯端末のカメラで写真や動画を撮りまくる人々もいる。
「うわぁ、やっぱ生で見ると迫力が段違いだ!」
「オールマイトって雄英で教師してるんでしょ? だから生オールマイトなんて珍しくない?」
真堂と中瓶がそう言い、オールマイトが教師として赴任している雄英在学の出久と麗日を見た。
「それを言ったら困る話だけど。」
「ああいうのはたまに見るから有り難みがあるんじゃないかな? 珍しい稀少動物も宝石も滅多に目にしないから価値あるわけだし。」
真堂が中々にキツいことを言って肩をすくめる。
「緑谷しょーーねーーーん!!」
「わっ。」
「きゃあああ!?」
そこにオールマイトが跳んできたて出久達のすぐ近くに着地した。
いきなりのことに周囲にいたフェスの来客達がざわめき、そして中には出久の姿を見て『あっ!』と声をあげていた。
「おや! 麗日少女も! このイベントに遊びに来ていたのかい!?」
「オールマイト、仕事中でしょう? あと頼みは断りますよ。」
「冷たい! そしてまだ何も言ってないでしょ!? そしてなんで分かったの!?」
「なんかこの流れにデジャブを感じて。」
「どこでー!?」
出かけた先で声を掛けられて仕事への協力を頼まれる…、遊園地でのミルコとのアレとほぼ同じだったのだ。だがあの時は壊理を間に挟んで了承したわけだが。
「そ、そこをなんとか…!」
「断ります。」
「出演料はずむから!」
「間に合ってます。」
「どういう条件ならOKなの!?」
「そもそもの話で、今日はこのフェスを楽しむための外出なんですよ? それに水を差して、クソほどに邪魔になってるのと、あとついでにあなたがご自身の知名度と影響力を考えもせずに俺に直接頼み事してるってことがこちらにとってとんでもなく大迷惑行為になってるってことを考えていないので。」
「あ…、ご、ゴメンネーーーーー!!」
「ふむふむ…、無表情、淡々口調の方がダメージもデカくなると…。さすがだなぁ。生マイトがメチャクチャ頭下げてちゃってるよ。」
「メモするなって。ついでに自分の腹黒強化に使おうとすんなって。」
持ってた手帳に素早く出久のネチネチトークの様子をメモしていく真堂に中瓶がツッコミを入れた。
「デーーークーーーーー!!」
「は?」
『おー、来た来た。遅かったな。』
「緑谷!!」
出久をそのあだ名で呼ぶ怒声のような声のあとに、出久を呼んで飛びかかってくるように抱きついてきた赤白の頭。
「…………お留守番は?」
「……。」
「お留守番は?」
コアラみたいに抱きついている轟をそのままに2回同じことを聞く出久。
「爆豪くん…、もう寮の掃除終わったん?」
「爆速で終わらせたわ! んなことより俺に断りなくなんも言わずにどっか行きやがったデク探す方が重要だわ!!」
「うわぁ……、でもなんでココにいるって分かったの?」
「ああ!? んなもん俺を撒けると思ったのが間違いだわ!」
「クラスメイトを脅したんでしょ? もしくは拷問自白強要。」
「な、んでそれを…、あっ…。」
「かっちゃん。」
出久の言葉であっさり何をやって出久達の居場所を掴んだのかを吐いた爆豪がハッとして、ギギギッ…と音がしそうなほどゆっくりと出久の方を見た。
出久は無表情だが、背景に怒っていますオーラの描写が見えそうな冷たい目で爆豪を見ていた。
麗日は爆豪を哀れみつつ、仕方ないことだと爆豪がどうなろうと手を貸さない構えだ。なにせ罪のない級友を暴力で自分本位の必要な情報を吐き出させるなんて、少し前に出久に怒られた事を繰り返したのだから。
「ぁ……う…。」
爆豪の顔が青くなるどころか血の気が引いて白くなって冷や汗をダラダラと垂らした。あとよく見ると体も震えている。置いてかれたことを怒って吠えまくっていた大型犬から、一瞬にしてチワワになったように見えなくもない。
「お留守番もろくすっぽできない轟くんの躾直しと、君へのお仕置きが足りなかったみたいだから、………………ね?」
「ーーーー!?」
「爆豪しょーーねーーーん!?」
出久が冷たい目をそのままに含みのある笑みを浮かべたのを見て、爆豪が恐怖の限界で倒れた。
「オールマイト。」
「えっ!? なんだい!? 今それどころじゃ…。」
「俺の代わりにこの2人使ってください。」
「えっ?」
「実力を知ってるなら役不足にはならないでしょう?」
「緑谷…。」
「ちゃんと出来たらお留守番の件と…、あと“あそこの賠償”のことも協力するから。」
「分かった!」
一瞬にして切り替えた轟が出久から離れた。
この後すぐにオールマイトに介抱されていた爆豪を出久が一発ド突いて叩き起こし、爆豪と轟がフェスになだれ込むときに一部破壊したフェスの備品やら焦がした店の一部やら凍らせた影響やらの賠償と責任についてあとで話すことになること、罪滅ぼしの一部としてオールマイト出演のイベントの飛び入りゲストに行けと伝えた。
真堂と中瓶は、爆豪と轟のことは仮免試験の時に見ていたが、改めて間近で見てついドン引きしてしまった。特に爆豪に。
ザラゾスは出久の中で事の成り行きを見て笑っていた。
だがその一方で。
『………ひと騒動あるな、コレは。』
微かに感じる人ならざるモノの気配を感じながら、それが解放されて起こるであろう騒動を出久に伝えずに待つ。
古めかしい陶器のツボをリュックサックに入れて隠している頭に深くパーカーを被った小柄な男がフェスの会場へ入る。
俯いた顔は見えないが、近寄ると微かな声でブツブツと何かを呟いていたが賑やかなフェスの会場の誰も気づかない。
リュックサックの中の陶器のツボは封印用の御札で密封されているにも関わらず、たまに中に詰められた物が身動きを取るせいでカタカタと勝手に動いていた。
今回は無理矢理にオールマイトを参加させてしまいました。
ミルコに続いて誰かヒーローを…って考えて、オールマイト以外に思い付かなかった……。
シンリンカムイもゲスト登場させるか悩み中。米=植物繋がりで。
オールマイトの名声というか、世間からの熱狂度合いは、ゴーストライダーの登場によって低迷しつつあります。
現在の情勢の都合もあって平和の象徴よりも徹底的な私刑人への支持が集まってしまっているためこのような状況に。だがしかしステインとは全く違うジャンル扱い。
ゴーストライダーは英雄としてのヒーロー像を追求していないですから。
爆豪と轟は、今回のお出かけの時にそれぞれ。
爆豪はリフィカル教団の一件での罰での架せられた寮の掃除をしてた。(ただし早く終わらせて出久を追いかけた)
轟は留守番。(でも寂しさに耐えられなくて結局できなかった)
そして最後にザラゾスが感じたこれから起こるであろう人外による騒動の予感。
そして謎の男が持ち込んだ何かが入った壺。
前回の遊園地でのイベントと違い、アドリブを使って何も知らない一般人に知られずに片付けられず、事件として周知される大騒ぎになる予定です。
次の短編のネタにするなら?
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妖怪ウォッチ
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すまっしゅ!!
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それ以外の怪異や、妖怪など
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SCP
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いや、連載の続き書けよ