お仕事が今週はそこまで忙しくないだと!?
ならば構想は固まってるしさっさと書いてしまおう!!
と思い立ったが吉日と言わんばかりに書いてみたところ、思ったよりも筆が乗って書けてしまいました。
どうなんでしょう?構想と時間さえしっかり確保できていればこんなものなのですかね?
今回は鎮守府までの道中を描きます。
夕陽が水平線にほぼ沈んで辺りを夜の暗さが包み始める頃。
ほうしょうは、航空機輸送任務を終えて帰投中の飛鷹の艦隊と合流して、このまま宿毛湾泊地まで同行していた。
飛鷹と隼鷹が今(巻物の中に転移させて)輸送している九六式艦戦は、機種転換が遅れた海軍航空基地のものだったようで、往路は零戦を積んでいたようだ。この後泊地で解体して資材にするらしい。
しかし思えばよくその巻物の中に艦載機を積めるものだ。最初巻物を使って発着艦をすると聞いた時は、何をバカなことを、と思ったのだが実際に目にすればもう何も言えなかった。目の前で勅令という言葉の書かれた魂のようなものを、巻物に滑らせるように動かすと、艦載機の絵が光って実機となり実際に飛んでいくのだから。空いた口がしばらく塞げなかった。ちなみにそれを見た見張り妖精さんは涙を1Lほど流しながらずっと拍手し続けていた。
「ところでまだ聞いていなかったけど...ほうしょうさんってどんな船なんだい?その...全然聞かない単語がよく聞こえたから。」
復路の道中、速度を上げて横についた時雨から質問をもらう。そりゃそうなるか。相手のことやこの世界のこと、聞くことばかりで全く自分の情報などあげていなかったのだから。
「私は日本国海上自衛隊、第一護衛隊所属の軽空母、『CVL-1 ほうしょう』です。とは言っても、これだけ聞いてもさっぱりだと思いますが...。」
「うん...ごめん、よく分からないや。」
「推測ですが、おそらく別世界から来た、と言った方が正しいでしょう。貴女達のいるこの世界とは違う世界から...ね。」
小さく頷きながら話を聞く時雨。前方では飛鷹と隼鷹、秋雲にヴェールヌイと4人が何やら軽い口喧嘩のような話をしながら泊地に向かって進んでいる。単縦陣で来てたはずなのに、もはや陣形などないこの状況で少し後ろで並んで話す2人。この話は4人との距離や声量の大きさからおそらく聞こえていない。いわば、2人だけの話の状態。
「まず、海上自衛隊という組織も聞いたことがないと思いますから、そこから話しましょうか。第二次世界大戦が終わった後に日本で発足した、いわば日本という国をひたすらに守るだけの最低限の武力を持った、こちらからの先制的な攻撃は一切認めない軍隊...それが海上自衛隊です。軍隊と言ってしまっては、また叱られてしまいますね。」
最後の「軍隊」という言葉に苦笑いを浮かべながら話すほうしょう。一時期自衛隊を「国防軍」という名前に改名しよう、なんて話も出たには出たのだが、結局有耶無耶にされて未だに軍隊と名乗れない。憲法第9条の条文のままに当てはめれば違憲、だが解釈は違うなどと繕ってグレーゾーンに立たされた板挟みの組織。
そんな背景を知らない時雨は、その軍隊と名乗れないことに疑問符を浮かべている。
「第一護衛隊というのは、その海上自衛隊の中の一編成です。横須賀を母港とした艦隊で、今はむらさめさんやいかづちさんなどがいらっしゃいます。」
「村雨、その世界でも生きてるんだね...なんだか、嬉しく思うよ。」
「残念ながらしぐれという艦はまだいないですが...きっと来ますよ。メイビー。」
「いないのは残念だけど、フォローの仕方が少し適当じゃないかな?」
「な、何のことでしょう...?」
はぐらかすほうしょう。それを目を瞑ってまるで絵文字に出来そうな顔で見つめる時雨。気にせずほうしょうは話を続ける。
「そしてCVL-1というのは艦種記号と艦番号のことですね。CVLが軽空母の意味で、私は1番目に就航したのでCVL-1という記番号が与えられたのです。艦名は平仮名でほうしょう。これは言わなくても分かると思いますが、大日本帝国海軍の鳳翔から持ってきた名前です。基本的には大日本帝国海軍にいた艦艇の名前を取ってくることが多いですね。」
「そうなんだ...こういう話聞くの、なんか面白いからずっと聞いてたくなるよ。」
「...時雨さん、もしかしてパラレルワールドの話とか聞くのお好きですか?」
「どうだろう?でも何もない日はそういう話のまとめをよく読んでたりするから、やっぱりそうなのかな?」
「だと思いますね...もしよければ、今度もこのお話しましょうか?」
「...! うん、聞きたい...!」
目を輝かせて大きく頷く時雨。帰路の間にほうしょうと時雨の間には、少しばかり友好な感情が芽生えたようだ。今度にしよう、という約束を交わし、別の話題に移っていた。
彼女達の話がどんどん弾んでいく中、ほうしょうサイドの妖精さんの動きといえば...
「うがあああぁぁぁぁぁあっ!! 通せ!!通すんだこのやろう!! 俺はあの会話に混ざりたいんだうおおおぉぉぉおおっ!!!」
「おい、誰かこいつを止めるのを手伝え!」
「落ち着けってお前! 今行ったところで百合の間に挟まる男状態になってボコされる未来が待ってるんだから!!」
「くっそ、HA⭐︎NA⭐︎SE!!!」
「夕飯はどこー...?」
感情が暴走列車に飛び乗りした見張り妖精さんを複数の妖精さんが身体をロックして引き止める構図が出来ていた。
深夜、某所。
「くっ...流石にちょっと、まずいかしら...」
真っ暗な視界に囲まれた海の上、大きく被弾した村雨と峯雲がそこにいた。
峯雲はもはや大きく被弾しており、喋ることもままならない。今は村雨の肩に手を回し抱えられてなんとか生きながらえている。村雨自身も艤装が大きく損傷し、何処から敵が撃っているかもよく分かっていないため、回避することしか今は出来ない。燃料も少なくなりつつある。自分もいつ更に被弾して、この海の下に...出来ることなら考えたくはない。
「峯雲さん、しっかり...! もう少し耐えてくださ...っ!」
すんでのところで飛んできた弾を躱す。ちょっとだけでも気付くのが遅れていたら、また被弾して自分も動けなくなっていたかもしれない。着々と相手の命中精度が上がってきている。次発が撃たれたら、もうどうにも出来そうにない。
どうしてこんな目に遭わなければならないのだろうか。十分な修理・補給をされないままに何度も何度も行ってこいと言われ、同じ仲間が沈もうと関係ない、それが当たり前かのような運用をするあの提督。今回だってそうだった。自分こそまだ良かったが、峯雲は会敵してもまともに戦えない状態で出撃を命じられた。あの人には、痛みを分かち合う心というものがないのだろうか?
直感が告げる、もうすぐ次発が飛んでくる。そうなれば自分は思うように動けなくなる。ここで艦生を、人生を終えることになる。
「こんなところで、終わってしまう、の...?」
嫌だ、沈みたくない。けど自分ではもう何も出来ない。
助けて、という願いを心の中で呟く。だがおそらくこの願いも届かずに終わってしまうのだろう。
最後まで抵抗はするが、意は決しよう。そう思って先程から弾が飛んでくる方角をじっと見据える。そして最後の時を待つ。
次の瞬間、音が聞こえた。
しかし、聞こえてきたのはこちらに向かって発砲される音ではなく、爆発の音と深海棲艦の断末魔の声だった。
何が起きたのか全く分からないところに間髪入れず、横から声がする。
「はいはーい! 大丈夫?もう1人の私」
そこには、見慣れぬ艤装を纏った
投稿時間が投稿時間なので結構眠たいです((
次回の間に泊地に到着させたいですねぇ...。
前回ですが、投稿が遅くなったにも関わらず読んでいただき、ありがとうございました。
感想も書いていただき感無量です、むしろ今までで一番多く感想が来るとは...。