クリスマス大遅刻です。
書きたいことは多々ありますが、それは後書きに回します。
今回は日常編です。
これは、冬の寒さが厳しさを増す中の、ある特別な1日のおはなし。
「3-4、分かっているな?今回は任務だ。遊覧で来てるわけじゃないぞ。」
「分かってるよ...それより、任務の後絶対にチキンくれるんだよね...?」
「...相変わらず聞いてんだか聞いてないんだか。」
ブラッドハウンド隊は青い空を駆ける。だがそれは決して遊覧で来ているのではない。
「しっかし、よく考えつきましよねぇあんなやり方...。」
「それだけ必死こいてんだ。使える手は何であろうと使う。追い詰められた相手ががむしゃらになって抵抗するのと一緒だ。」
話をしているうちに目標が見えて来る。相手は、白色の零戦2機。
「
時は少し遡って数時間前...。
「―はぁ。任務、ですか。」
「ああ、飛鷹から密告が入ってな。隼鷹がまた秘密裏に酒を運んでいるらしい。知っての通り今隼鷹には禁酒令が出てる。」
「またですか...。しかも秘密裏って...よく気付きましたね...。」
「乱雑に置かれているゴミの山からたまたま航路表が出てきたらしいんだ。わざわざ遠征時に本来のルートから寄り道をしてまで回収するらしい。」
秘密裏に運びたいのであればもっとマシな場所に計画書を隠せなかったものか...。そして何故隼鷹という人物は酒が関わると大人しく出来ないのか...。ほうしょうは呆れて頭を抱えた。
「...それで、私は何をすれば良いのでしょう?」
「輸送に使われる機体の妨害をしてくれ。妨害の方法は問わない。本来なら他の子に任せるべきものだろうが、発覚したのがつい2、3時間ぐらい前でな...。時間がないんだ。あの機体を使った方がギリギリ間に合うと思ってな。」
「妨害...それは撃墜も方法のうちの一つで?」
「...貴重な機体だ。出来るだけそれは避けてほしいのだがな...。やむを得ない場合は構わない。」
「...分かりました。やってみましょう。」
「こんな日に急な要望をしてしまってすまないな。本来ならみんなと一緒にワイワイする方が良いと思うが...。」
「もう何度目の違反でしょうね?身に分からせた方がいいと思いますよ。」
「...そうだな。」
こうして、隼鷹の密輸妨害作戦が急遽始まった。
「―はぁぁ。うちの子供ら、元気にしてっかな...。」
「なんだいなんだい、ホームシックかい?」
「まぁー仕方ないですよ。今日はなんせ12/25、クリスマスですから。子供たちにとっては夢のイベント。親も子が喜ぶ姿を見るのは嬉しいことですから、連絡すら取れない今じゃこうなっても。」
「...あんたらは独身だから分からんだろうな。」
「いやだなぁ、私だって彼女ぐらいいますよ!画面から出てきてくれませんけど!」
泊地のある一角でほうしょうの妖精さんたちは語る。
世界が変わってもクリスマスの季節は訪れる。元の世界を想い気を重くする妖精さんに普段通りに過ごす妖精さん、クリスマスに盛り上がる妖精さんもいれば、普段から尊さに負けているのにクリスマスという特別な日にしか見れない艦娘たちの様子に、自分の残機を減らしている妖精さんと、様々だ。
「―至急至急。ほうしょう搭乗員は直ちに出撃準備を整え、出撃ドックへ集結せよ。繰り返す―。」
どんな日だろうと、どんな状況だろうと、任務が入ればそれが優先事項になる。アナウンスが鳴り終わる頃には、先程まで妖精さんたちが溜まっていた場所には、まるで最初から誰もいなかったかのようにガランとしていた。
出撃準備を終え出港したほうしょうと搭乗員妖精一同。道中で今回の妨害任務に関する情報をほうしょうから説明される。
今回の任務は、隼鷹が公然の秘密のもと運んでいる、酒を積んだ零戦を隼鷹の下まで辿り着かせないよう妨害すること。目標の機体が隼鷹のもとまでたどり着いてしまうとどうしようもなくなるので、時間との勝負だ。そしてその計画に気付いたのが数時間前。準備にも時間がかかっているので、残り1時間程度しか時間が残されていない。
こちらに進路を変えて着艦させるには時間が足りなさ過ぎる。おそらく中隊を発艦させて急がせたところで、接触する頃には隼鷹の間近だろう。そのため、ある一部分に限り射撃の許可がほうしょうから降りた。
「それで、今回の目標群コールサインですが...」
「コールサインはサンタ、それでブラッドハウンドをこんかいだけブラックサンタ、なんておもしろくない?」
一人の妖精さんが声を上げると、周りが賛同し始める。子持ちの妖精さんは、子供の夢を潰しているような気がして苦虫を噛み潰したような表情をしているが。
「...まぁ、それで良いならそれで行きましょう。」
コールサインは正直何と呼ぼうが影響はしない。下手に却下しても士気に関わるのでそれで呼ぶことにした。ほうしょう自身も、子供の夢を潰しているような気がして申し訳なく思っている節はあるが。
「ひだりぜんぽー、こうくうきをしにん!」
「お、来た来た〜♪ これでクリスマスのお伴は良さそうかなぁ〜...♪」
妨害作戦が展開されているとは知る由もない隼鷹。先に回収地点に到達し、酒をぶら下げた零戦が来るのを今かと待っていた。そこへ知らされる見張り妖精さんからの情報。クリスマスを過ごす妄想を膨らませながら双眼鏡を覗き込むと、見えた。通常のものに比べてかなり大きめの増槽を抱えながら。
それと時をほぼ同じくして、ブラックサンタ隊も零戦の輪郭を捉えていた。
「あれか。酒抱え込んでる場所。」
「不恰好なほどにでかい...けどこっちからすれば小さい...。」
「バンプor...チキン...。」
「...それ季節が違うし絶対かけてるよな3-4?」
「分かっているな?一撃離脱だ。一回で確実にあの部分だけを仕留めろ。ドッグファイトにもつれ込んだらチャンスはない。」
「了解っすよー隊長。」
「ラジャー...。」
「
F-35Bの編隊がぐんぐん速度を上げていく。目標は零戦の下に積まれた酒の増槽。
ドッグファイトにもつれ込むと、予定外の箇所に着弾する可能性もあり危険なため、気付かれてない範囲から一気に近付き目標だけを叩く一撃離脱の戦法だ。チャンスは一度きり。
「
先導する2機が始めに、それぞれの増槽へ銃弾を打ち込む。それで落ちなかった場合はすぐさま先導が急降下し、後続の2機に追加で増槽を落としにかかる。残る1機はバックアップとして、落とし切れていない増槽を完全に落とす。
だが、結果としてはバックアップを必要としなかった。
始めに打ち込まれた機銃掃射で、増槽に引火。慌てた零戦側が増槽を切り離したため、一つは1回目でノックアウトした。なお、引火による本体への損傷は、撃った側・撃たれた側、双方とも奇跡的になし。
残る1つも1回目で中身が漏れ出し、すぐさま第2波の攻撃で増槽に大きなダメージが入ったことで、増槽を落とすまでには行かなかったが到着までに残量を0に出来るほどの大穴を開けた。
バックアップとして来た機体がそれぞれの戦果を確認し、問題ないと判断して報告を流す。
「ブラックサンタ3-5、サンタはプレゼントを落として行ったようだ。再攻撃の要なし。」
「了解した3-1。ご苦労。」
「悪い子には妨害という名のブラックサンタからのプレゼントがありますよってね。」
「ほうしょう。
「...え?え?」
突然のことに固まる隼鷹。それもそのはず。ここにはいるはずのない灰色の悪夢が見えたのだから。
自分のご褒美になるはずだった高価な酒は引火、または燃料投棄状態にされ、儚くも散っていく。
しばらく双眼鏡を覗き込んだまま固まっていたが、頭上を通過する灰色の悪魔の音で意識を叩き戻され、ひとまずこの後のことを考える。
「なんで...何でここにいるのあれぇ...?そ、それよりもともかく、失敗しちゃったのは仕方ないとして早く戻った方が...いやでもあれもしかしてちょっとだけなら拾えるんじゃね...?」
動揺を言葉にする隼鷹に言葉が投げかけられる。
「それでしたら、私のところで良いお酒が入りましたので、ご一緒にどうですか?」
「お、それいいねぇ〜。それなら一緒に混ざ...ってアイエエエエ!?ホウショウ、ホウショウナンデ!?」
そこにいたのはほうしょう...ではなく、鳳翔の方だった。
にこやかな笑顔を浮かべているが、怒っている雰囲気が周りに漂っている。
「何でって、迷子になっていたみたいだったのでお迎えに来たのですが...まさか迷惑だったなんてことは―」
「いいいいいいいえ!?とんでもないです、ありがとうございます!!ちょうど迷っていたところだったので...あ、あは...?」
「...ひとまずあの零戦は周辺の僚艦を探すのに出していたのでしょう?早く回収して泊地に戻りましょうか?今日はクリスマスですし、説教をするつもりはないので大丈夫ですよ。」
「はいいいい!分かりましたあああ!!」
ビシッと敬礼する隼鷹。本来酒の回収用だった零戦を手早く着艦させ、鳳翔と2人、ぎくしゃくした雰囲気の中泊地へ戻るのだった。(ちなみに遠征に出ていた僚艦は、別の艦娘に連れられ先に帰投していた様子。)
その夜、泊地のクリスマスパーティーは決行され、泊地の艦娘たちは大いに盛り上がっていた。その中、鳳翔も今日は特別だからと高価なお酒を嗜んでいたが、その注ぎ役をしていたのが隼鷹だった。説教こそ無かったものの、目の前に飲み甲斐のありそうな酒があるのに飲めない生殺しの状態に、翌日生気が抜けていたとか。
また、酒の運搬に使われていた零戦にも多少の改造がされており、翌日元に戻す作業が北上の元へ送られ、「こんな年末に仕事増やすねぇ!?」と多少怒り気味だったとは北上の後日談。
Santa ClausのClausと形容詞のCloseが発音似てるよね、という思い付きの元書いた日常編でした。
さて、本編の進捗ですが、正直に言いますと進捗皆無です。
普段は、艦これやウマ娘といったゲームや仕事をこなしつつ、ぱっと浮かんだ構想を小説に落とし込んで仕上げていく、という書き方を取っていますが、今回何やってても構想が何一つ浮かばないので何も書けていません。
正直見切り発車で書いているというのがまず見直すべきところですが...それをしてしまうと執筆のハードルが一層高くなってしまうのでしない方針です。
とにかく無理やりにでもまた書いていこうと思うので、2ヶ月ぐらいしばらく待っていただけると幸いです。
また、感想の返信も書けていませんが、簡潔に言えば自信の無さから書くのを少し躊躇っています。またゆっくり返信していくので、それまでお待ちください。
話は変わって、今年一年はどうでしたでしょうか?
私の方は艦これでは初のオール甲達成、小説では気付いたら1年以上執筆を続けていたという事実に驚いています。気分の移り変わりが激しい奴なので正直すぐに打ち切りになる可能性も全然ありましたが...応援の言葉が執筆活動をここまで繋げてくれたと思います。本当にありがとうございます。
このシリーズとはまた違うものも執筆中ですが、このシリーズと比べてペースが超スローなのでいつ書き上がることか...w
ウマ娘やオリジナルに今手をつけていますので、興味がありましたらまた出た時に読んでいただければと思います。
長くなりましたが、今年はどうもありがとうございました。来年もまたこんな奴の小説を楽しみにしていただければ嬉しいです。
それでは、良いお年を。