友人が女の子になっていましたがどうにか平和です   作:ヒューキ

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1話 本物or偽物

「……とりあえずお茶でいいか?」

「あ、ああ……」

 

 うちはマンションで共用スペースである廊下で騒ぐのもあれなのでとりあえずリビングにあげたはいいが(よくない)、熱いお茶と冷たいお茶を淹れながら色々どうしたものかと考える。

 まず1つ。本当に織斑一夏が女の子になってしまったのかどうか。原作の方には間違いなくこんな展開はなかった。だとすると別の誰かが織斑一夏の名を騙っていることになる。それならそれでまだいい。追い出せばいいし。こっちの方が楽まである。

 問題は2つ目だ。まじで女の子になっていた場合。もうほんとどうしろと。原因が思い当たらないわけもないではあるがそうなってくるとまた厄介。ほんと朝からろくなことがねーな(二度目)。とりあえずは1つ目から片付けてくぞー(白目)。

 

「ほれいつものお茶だ」

「あ、ありがとう」

 

 お盆に熱いお茶の入った湯呑と氷を浮かべた冷たいお茶のコップを載せたまま一夏に差し出す。一夏(仮)が手に取ったのは……湯呑の方だな。こんな7月中旬のくそ暑い中、普通なら冷たいお茶をとるだろう。だがしかしこいつは湯気が昇っている熱いお茶の方を選んだ。そんなやべーやつ俺は1人しか知らん。つまりは

 

「マジで一夏なんだな……」

「だからさっきからそう言ってんじゃん……」

 

 本人は俺が仕掛けたことに気づいていないようだが……というか気にしている余裕がないというべきかこれは。両手で湯呑をもってちびちびと飲んでいる。改めて顔を見るとほんとに可愛い。目の色とか一夏の面影が若干残ってはいるものの、目尻や眉尻が下がっていて男だったころの面影はほとんどない。今は学校の制服を着ているのだが、街中を歩いたら誰もが振り向く可憐さがある。……まずい、意識しだすと顔がまともに見れん。若干目を合わせないよう一夏の向こう側をみるようにしつつ状況を整理する。

 

「……確認だが。起きてたら女の子になってたんだよな?」

「……おう」

「なんか最近おかしなモン食ったとか?」

「そんなうかつなことするわけねーだろ……」

「だよなぁ……」

 

 だとするともうほぼ確定で原因が1つしかない。どう考えてもあの天災ウサギの仕業だ。もうヤダこの時点で頭が痛い……!絶対特段の理由とかなくノリと勢いで一夏くんを一夏ちゃんにした感じがする。もうこんなんおふぁっきんですよ。面倒ごと作りだしやがって。……あ。天災うさぎで思い出した。

 

「一夏、お前千冬さんに連絡とったか?」

「…………やっべ焦りすぎて忘れてた!」

「バカァ!!!」

「しかも携帯も家にわすれてきちまった」

「てめーこの野郎!!!!!」

 

 このお馬鹿!よりにもよってこんなタイミングで何してんだ!くっそいつもなら余裕でアイアンクローの刑に処してるがちょっと美少女相手にアイアンクローは気が引けるのでとりあえずデコピンで妥協。強めにやったせいかいてっとのけぞる一夏。アイアンクローじゃないだけましと思え。

 

「……ないモンをどうこう言っても仕方ない。俺の携帯から電話するか……」

「ご、ごめん……」

 

 今取りに帰らせるのも面倒だし、といって登録してある番号にスピーカーにしてかける。本来なら一夏から言ってっもらった方がいいが、声が変わっている今は俺が話した方が余計な面倒ごとは起きないはず……静かな部屋に電話のコール音だけが響く。千冬さん出てくれ頼む・・・・・・!

 

『……どうした叶』

 

 当たり前だけどめちゃくちゃ機嫌の悪い声。多分仕事行く前と思うんですけど時間的に。ということは寝起きですね間違いない。

 いつもならビビって噛みそうになるが今は緊急事態。状況を説明してちょっと来てもらおう。

 

「すいません千冬さん。俺の家に来てください、一夏が大変なんです」

『……何?』

「おそらく束さん絡みです」

『1時間で行く』

 

 ぶつっ。早い。まぁ千冬さんが来てくれるのならこれはもう勝ち確でしょ。勝ったな風呂入ってくるしてもええやろ。

 

「とりあえずどうにかなりそうだな」

「ああ……でも俺、これからどうなるんだろ……」

「それも含めて千冬さんに来てもらうんだよ、俺もまだ混乱してるし、朝ごはんでも食いながら千冬さんを待とうぜ、一夏もまだ食ってないだろ?」

「……うん、そうだな」

 

 うなずいて弱弱しく微笑む一夏。うーんコレは儚い系美少女ですね間違いない。じゃなくて。いまだに一夏ちゃんに慣れずに思考が明後日の方向に現実逃避しそうになるのを理性で抑える。とりあえず朝食でも作って落ち着こう。

 料理は久しぶりだが何とかなるだろ。

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