インフィニット・ストラトス~無敵の刑事は今日も飛ぶ~   作:とあるP

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とあるPです。

今回でクラス対抗戦が終了します。

それでは本編どうぞ!


第5話 セカンド幼馴染とクラス対抗戦(後編)

楯無(シスコン)から()のフォローをするのを断った次の日。修司は1人廊下を歩いていた。

 

女の園にいるからには、1人になりたい時もある。そんな欲求に駆られて宛もなくブラブラしていた。そのはずだったが…

 

(つけられているな…)

 

死角になる部分から誰かがついて来る。大方昨日断った生徒会の面々だと修司は思った。ここで巻くのは容易だがそれだと後々面倒くさい。

 

そう思った修司は少しだけ泳がせておくことにした。

 

やがてアリーナに来てしまい、どうしようかと考えていた時に箒とセシリアが一夏の特訓をしていた。来るクラス対抗戦に向けての特訓らしい。

 

「む、修司さんか」

 

「あら、修司様ではありませんか」

 

「本当だ、修司さんどうしたんですか?」

 

「いえ、ちょっと散歩をしていたところですよ。それよりも、クラス対抗戦に向けての特訓ですか?」

 

「そうなんだよ。修司さんも手伝ってくれよ!箒とセシリアの教え方だとわからなくてさぁ」

 

「なにおう!私のどこがわからないと言うのだ!」

 

「わたくしの理路整然とした教えでは不満ですの!…せっかく修司様との時間を使って教えているのに」

 

「だったら2人の教え方を、一度修司さんに見せてもらったほうがいいと思うぜ」

 

そう言って、箒とセシリアは修司に先ほどまで一夏に教えていた様に修司に説明した。2人の教え方は一夏の言う通り酷いものだった。

 

先ず箒は擬音が多く感じたままに、話している。これではIS初心者の一夏にはわからない。

 

次にセシリアだが、彼女の場合理論的或いは数値的に話している。確かにISはハイパワーセンサーやPIC(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー)により、姿勢制御、加速、停止などの3次元的な動勢を行うことが出来る。

 

しかし、2週間そこそこでISに触れた人では到底理解できない。それを踏まえてどうするべきか修司が悩んでいると、アリーナにある人物が現れた。

 

「あら、一夏何やってるのよ?」

 

「鈴か。ちょうどよかったISで教えて欲しい事があるんだよ」

 

そこにピンク色のISスーツと専用機《甲龍》を纏っていた鈴がいた。一夏はアリーナに入った時にISについて教えて欲しいと呼び止めてきた。

 

それに意を唱えたのは箒だった。

 

「敵の施しなど受けん!私がISを教える!」

 

「え、でも…」

 

「良いから、行くぞ一夏!」

 

「ちょ、ちょっとまてよ。箒!」

 

そう言って、アリーナを出て行くのであった。明らかに箒には焦りの色が見えていた。それは、鈴への対抗意識なのか、他の事なのか知る由もない。

 

「なによ、あそこまで敵視しなくてもいいじゃない」

 

「まぁまぁ、そこまで言わなくてもいいじゃあないですか」

 

「そうですわよ鈴さん。余り目くじら立てると顔に小皺が増えますわよ」

 

「フン!それよりも、修司は今ひまなの?」

 

「僕ですか?ひまっちゃあひまですけど…」

 

「なら、ちょっと相手してよ。一夏には逃げられたけど修司が相手になるなら全力でできそうだけど」

 

「え~と…」

 

修司は隣にいるセシリアに目を向けていた。そこには、青筋を立てて(断らないとどうなるか、ワカッテイマスヨネ)と言わんばかりに睨んで来た。

 

「すみません。どうやら先客がいるので、この続きはクラス対抗戦後でもいいですか?」

 

「何でよ!」

 

「理由は2つ。1つ目は、アポイントメントもなしにいきなりすぎます。こっちの準備も出来ていない状態で始めても怪我の元になります」

 

「2つ目は、今はクラス対抗戦に向けて、一夏くんが練習しているのに2組の代表である鈴さんの手の内を知りたくありません。…それでもやるって言うのなら、遠慮はしませんけどね」

 

修司は静かに闘志のオーラを纏わせていた、それを悟った鈴は考えを改めるのであった。

 

「えっと…止めておきます…」

 

「賢明な判断ですね。その代わりにクラス対抗戦が終わったら、訓練に付き合いますよ」

 

「は、はい!」

 

そう言って、鈴は1人アリーナの空へと飛び出していった。それを見届けた修司はセシリアを連れて食堂に向かって行った。

 

「では、行きましょうかセシリアさん」

 

「あの~修司様?」

 

「はい?何でしょうか?」

 

「先ほどおっしゃっていた、先約と言うのは?」

 

「あ~セシリアさんとのお茶会ですよ。先ほどの一夏君に説明していた事について色々教えて、欲しい事がありましからね」

 

「はい///」

 

その一部始終を見ていた楯無はびっくりしていた。いくら生徒会長と言えど、あの闘志は並大抵の努力で発せられない。

 

(どんだけ強いのよ~しかもバレてるし…今日の追跡はここまでにしようかしら)

 

そう思って帰ろうとした時、別の方向からものすごいプレッシャーを感じていた。ギギギとブリキが錆びた音を立てながらそこを見てみると…

 

「お嬢さま何をしていらっしゃるでしょうか」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

「う、虚ちゃん…」

 

「あれだけ、会議に遅れるなとおっしゃっていましたよね…」

 

「いや~それは「それに!」はい!」

 

「「山田修司は様子を見る」と言ってたのはお嬢様でしたよね…」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

「はい…」

 

「今日と言う今日は許しません。とことん話し合いますよ」

 

「いやー!2時間正座だけは勘弁して~」

 

虚に首根っこを掴んで引っ張って行かれる姿を見ていた生徒が言うには「いつも通り」と言っていた。

 

一夏の特訓後に修司は約束通りセシリアとの対談という名のお茶会を行った。流石はイギリスの代表候補生だけあって、論理的思考や多角的に物事を捉えている。

 

教え方も上手くお茶会で出された紅茶やスコーンなども旨く、王室御用達の物だと聞いた瞬間鳥肌が立つくらいだった。

 

そして、夜も更けて部屋に戻る途中に見知った人がいた。水色の髪に自信なさげに俯いており、丸メガネの子と言えばこの子しかいなかった。

 

「簪さん?」

 

「…あ、貴方は修司さん?」

 

「こんばんは。どうしたんですか?」

 

「…ちょっと相談に乗ってほしい事があって」

 

「そうですか…余り長丁場にならなければどうぞ」

 

「…わかりました」

 

修司は周囲を見て誰もいない事を確認し簪を中に居れた。空いている席には書類や仕事道具が所狭しと並んでいた。

 

空いている箇所と言えば、ベットしかなかったのでしかなくベットに座ることになった。

 

「すみませんね。仕事途中だったもので」

 

「いいえ…修司さんは社会人なんですか?」

 

「ええ、これでも一端の刑事です」

 

「刑事さん…凄いですね」

 

「けど、今は皆さんと同じIS学園の生徒ですよ。だから、気兼ねなく相談してくださいね」

 

「そうですか」

 

「ココアでいいですか」

 

「…はい、ありがとうございます」

 

そう言って、暖かいココアを簪に手渡した。「美味しい…」と言って、簪は安心していた。そして、自身が落ち着いたタイミングで話し始めた。

 

「私には、お姉ちゃんがいるんです。けど、その人は完璧で何でもそつにこなしてしまいます。ISだって一人で完成させたって言ってました。私はそんなお姉ちゃんが好きでしたし、憧れでもあったかもしれません…あの時までは…」

 

「……」

 

「ある日の事でした。お姉ちゃんはお父さんと一緒に出掛けていて、夜遅くに帰ってきたんです。いつもなら疲れていても真っ先に駆け寄って来るんですけど違っていたんです。そして、私にこう言ってきたんです」

 

『あのね簪ちゃん。簪ちゃんは何もしなくていいから』

 

「ショックでした。私はお姉ちゃんの何なのか、憧れの人から何もするなと言われて…」

 

「……」

 

「そこから私はお姉ちゃんを避ける様になりました。ISに関しても1人で作り上げて「私はこんなにも出来るんだ」って証明したかったんです」

 

「…本当にそうですかね?」

 

「え?」

 

「今の話しを聞く限り、楯無さんは、何か理由があるから何もしなくていいって、と言ってたと思っているんですよ。それに簪さんはお姉さんに認めてもらう一心でISを組手立てているんですか?」

 

「…うん。お姉ちゃんがそうしたように」

 

「それは、無理があります」

 

「どうして!」

 

「どう頑張っても1人で、ましてや学生である君がISを完成させるのは限界があります」

 

「……」

 

「仮に1人でISを完成させたとしてもそれは、篠ノ之博士くらいの頭脳と能力がないと無理です」

 

「じゃあ、どうやってお姉ちゃんはISを完成させたんですか?」

 

「多分ですけどISのコアとなるシステムは自作でしょうね。その他の武装や構想は仲間たちがいたから、完成させたと思います」

 

「そんな…」

 

簪は空になったコップに視線を落とし、暫く自問自答をして1つの疑念が浮かんで来た。

 

「それじゃあ、あの時の事は何だったんですか…」

 

「その後にお姉さんと話した事はありますか?」

 

「一度もないです…」

 

「なら、先ずは話し合いをしないと。お互い溜まっている物を吐き出さないと話しは進まないと思いますよ」

 

「でも、話し合ってくれるかどうか…」

 

「…仕方ないですね」

 

そう言って、修司は何処かに電話をかけた。少し話してから電話を切ってある場所に行こうとした。

 

「さて、行きますか」

 

「何処に行くんですか?」

 

「整備室です」

 

「整備室に?こんな夜遅くですか?」

 

「大丈夫ですよ。ちゃんと織斑先生の許可は取ってあります。まぁついて来てください」

 

簪は疑問に思いながらも修司の後を追って整備室に向かうのであった。整備室に入って行くと、そこには修司達より先に来ていた楯無が待っていた。

 

「簪ちゃん!」

 

「…お姉ちゃん」

 

簪は一瞬楯無を見たが目を逸らせてしまった。それを見た修司は出て行き、2人っきりにさせた。

 

「え!」

 

「ちょっと!」

 

『いい機会ですから、お互い腹を割って話したらどうしょうか?』

 

「ちょっと修司さん!」

 

「…騙したわね」

 

『騙したなんて人聞きの悪い言い方しないでくださいよ』

 

「フン!いいわよそんなに言うならとことん話し合いましょう」

 

「…私は貴女に言うことなんて何もない」

 

そこからは、互いに罵詈雑言の嵐となった。やれ、おたんこなすだとか、分からずやとか、果ては取っ組み合いまで発展した。それでも修司は仲介せず、ただ黙ってドアの前に立っていた。

 

そして、音が静かになったので中に入ろうとした時2人の泣き声が聞こえて来た。どうやら、鬱憤は吐き出したようだ。それを確認した修司は静かに自室に戻って行った。これで大丈夫になったはずだと。

 

 

 

 

 

 

次の日。1人で朝食を取りに食堂に向かっていると、後ろから簪が現れた。

 

「…おはようございます。修司さん」

 

「おはようございます。簪さん」

 

「昨日はありがとうございました」

 

「はて?僕は何もしていないですよ」

 

「…そんな事ないですよ。お姉ちゃんとの仲を取り持って下さって、ありがとうございました」

 

「それは、君とお姉さんが正面から話せたおかげです。僕はその背中を押しただけです」

 

「…フフフ、ならそうしておきますね」

 

「ええ、そうしてください」

 

「それで、これから何処に行くんですか?」

 

「朝食を取りに食堂に行きますよ」

 

「なら、一緒に行ってもいいですか?///」

 

「別にいいですよ」

 

「やった…あ、ありがとうございます」

 

そう言って、簪さんは修司と一緒に食堂に向かうのであった。しかし、その後ろから来たのは癒子・清香で、どうやら朝練の後に合流した所に修司を見つけたと言ってる。

 

仕方なく4人で食堂に行くことになったが、簪は頬を膨らませて不機嫌だった。

 

食堂に着くと、一夏と箒、鈴の幼馴染メンバーが仲良く?食事をしていた。そして、修司が朝食を持って席に座ろうとしたら…

 

「お姉さんもま~ぜ~て!」

 

「…お姉ちゃん」

 

「楯無さん?」

 

「お姉さんも一緒に食べたいんだけどいいかな?」

 

「お姉ちゃんは別の「別にいいですよ」…修司さん」

 

「せっかく仲直り出来たんですから、無下に断るのもどうかと思いますよ」

 

「…修司さんがそう言うのであれば」

 

「何々?また1人追加されるの?」

 

「そうですよ。いいですかね清香さん、癒子さん?」

 

「いいですよ!みんなで食べた方が美味しいですからね!」

 

「なら、お姉さんは修司君の隣ね!」

 

「あ!ズルいですよ!」

 

「私だって修司さんの隣に座りたいんですよ!」

 

修司の隣を確保すべく、躍起になっている3人を尻目に見事勝ち取ったのは、騒ぎを聞きついて食堂に現れた静寐だった。第4勢力によって勢いをなくした4人は仕方がないと思い沈静化したのであった。

 

 

 

 

そして、時は進み放課後。いよいよ明日はクラス対抗戦である。各クラスの代表者は調整に余念がない。

 

かくゆう一夏も最後の追い込みをしており、セシリアによるPIC講義、箒による剣技、修司による対射撃特化ISへの対策も行われていた。

 

「でやぁぁぁぁぁー!」

 

「遅いですよ。モード烈火、『ファイヤー・バード』」

 

赤いM27から撃たれた弾丸は、文字通り火の鳥となり、上下左右から一夏に向かって襲い掛かった。

 

「ちょ!それは卑怯だ!」

 

「言ったでしょ。勝負の世界に卑怯も正義もないと!」

 

そして、ホーミング性があり尚も追尾してきた。このままでは一夏はやられてしまう。そう悟った時、一夏は一か八かの賭けに出た。

 

「くそー」

 

「さぁどうします?」

 

「こうなったら、ウォーーー」

 

「!」

 

一夏は白式のスラスターを全開にし爆発的なエネルギーを放出し加速した。瞬時加速(イグニッションブースト)を成功させたのである。その気力に修司や箒とセシリアも驚いていた。

 

「凄いぞ一夏!」

 

「ええ、そうですね修司様?」

 

「そうですね」

 

「え?何が?俺なんかしたのか?」

 

当の本人は気づいていないが、とりあえず高等テクニックを学んだだけでも、良しとしようと思うのであった。その後は整備科の人に整備依頼をして、各々は解散する事になった。

 

 

修司も部屋に帰って、仕事(主に警察組織への報告書作成)をしなければならない。疲れている老体に鞭を打って部屋の前に辿り着いた。そして、部屋に入ったがそこには…

 

「おかえりなさい、ご飯にします?お風呂にします?それともわ・た・し?」

 

「お、おかえりな…やっぱり恥ずかしいよお姉ちゃん///」」

 

「お。おかえりなさい…やはり、殿方に向けてやるのは少々恥ずかしいですね///」

 

バッタン

 

(あれ?俺って疲れているのかな?何かいたような…)

 

そう思った修司は今一度部屋の番号を確認してみる。そこは、紛れもない修司と神楽の部屋番号で合っていた。仕方ないのでもう一度入ってみた。

 

「おかえりなさい、私にします?ワタシにします?それともわ・た・し?」

 

「お、おかえりなさい…私にうう///」

 

「は、はぅ~///」

 

「…何をしているんですか?」

 

「ほら、いいから早く入って入って!」

 

「ちょっと待ってください!わかりました!わかりましたから、押さないでください」

 

強引に部屋に入って来させらた修司は、これが夢ではないことがわかった。なぜか3人共バニーガールの姿になっており、簪と神楽は恥ずかしがっていたが、楯無はノリノリであり2人を囃し立ていた。

 

「どう?リアルJKのバニー姿は?」

 

「どうっ?と言われましても…とても可愛らしいですよ」

 

『!!』

 

この反応に3人は天にも昇る勢いで喜んでいた。そして、部屋の中からいい匂いが漂って来た。

 

「この匂いは?」

 

「修司さん夕食がまだだと思って、私達3人で作ってみました」

 

「凄いですね。いいんですか?」

 

「もちろんよ。遠慮なく食べてね」

 

「それじゃあ、頂きます。…うん!美味しい!」

 

「やった…」

 

簪は小さくガッツポーズを取っていた。そして、次々に料理を平らげてしまう。それを見ていた3人も食べたくなったのか、気付けば修司と一緒に料理を食べていた。

 

お腹もいっぱいになった所で今回の件について話し始めた。楯無と簪に至っては仲直りのお礼で神楽に至っては部屋に帰って来たら、突然楯無に付き合って欲しいと言われて着替えさせられていたと言っていた。

 

「完全にとばっちりじゃあないですか!」

 

「それに関しては、悪いと思っているわ。けど、神楽ちゃんのバニー姿可愛かったでしょ?」

 

「そうですね。確かに可愛かったですよ」

 

「はぅ~///」

 

「けど、ウチの簪ちゃんには敵わないけどね」

 

「お姉ちゃん!」

 

「アハハ…」

 

そう言って、今日はお開きになった。帰り際に楯無から呼び止めてられた。そこにはあっけらかんとした楯無ではなく、何処か真面目に接する人になっていた。

 

「まずは、お礼申し上げます。私達姉妹の仲を取り持って頂き感謝します」

 

「いえいえ。僕が好きでやっていただけですから」

 

「そうでしたね。それとこれは私個人の話しになるんですけど…」

 

「何でしょうか?」

 

「修司さん年上でしたのね。てっきり年下だとばかり思っていました」

 

「あ~そうでしたね。ここでは、1年生ですからね」

 

「不躾な態度を取って申し訳ございませんでした」

 

「大丈夫ですよ。最低限の礼儀があれば、目くじらは立てませんから」

 

「そう言っていただけると幸いです」

 

「だから、いつも通りの口調で大丈夫ですよ」

 

「それじゃあ、これからもよろしくね修司さん!」

 

「ええ、こちらこそよろしくお願いします」

 

「あ、お姉ちゃん」

 

「うん?何かな簪ちゃん?」

 

「あの…一緒に帰らない?ダメかな///」

 

「簪ちゃん…うん!うん!いいよ!一緒に帰ろう!」

 

そう言って、姉妹仲良く帰って行った。それを見送った修司は部屋に入ったのだが、そこには…

 

「ぴょんぴょん!…ふぅ可愛く出来たでしょうか?あ!」

 

「アハハ…」

 

「ち、違うんです!後生ですから!」

 

「ワカッテイマスヨ…ソレジャアマタデスネ」

 

「ですから!誤解なんですよ!」

 

なんと、神楽が先ほどの着ていたバニー姿でウサギの動作をしていたのだ。それを見た修司は暖かい目で部屋を出て行いき、部屋に入って変な空気になるよりは、1人で寝た方がいいと思って4月の寒冷える廊下で寝るのであった。

 

 

 

 

クラス対抗戦当日。この日は朝から晴れており絶好の大会日和であった。そして、組み合わせ抽選の結果以下の様になった。

 

第一試合

織斑一夏 VS 凰鈴音

 

第二試合

フォーレスト・ケイシー VS 更識簪

 

第一試合から1組と2組の対決になっていた。簪は第二試合からのスタートらしい。そして、試合が開始される前に修司と箒は一夏のピットに居た。

 

「修司さん俺頑張ります!」

 

「ああ、頑張ってね。応援しているよ」

 

「うむ!一夏頑張るのだぞ!」

 

「じゃあ、僕は戻っているよ」

 

そう言って、修司はピットを後にした。しかし、修司の足取りはフラフラしていた。

 

「ゴホ、ゴホ、まさかこの歳になって風邪を引くとはなぁ…これじゃあ千冬に顔向けできないな」

 

どうやら昨日外で寝てしまい風邪を引いたらしい。それを心配してきたのは、【シルバーバレット】のIS人格であった。

 

【マスター、大丈夫ですか?】

 

(ユリカか…大丈夫だ。大したことない)

 

〈そうだよマスター。あんまり無理しないでね?〉

 

(サンキュ、ルージュ)

 

〔主殿。風邪の時は喉に焼きネギを巻くといいらしいぞ〕

 

[…ユークリウッドさんのそれは迷信です。マスター大人しく薬を飲んで休んでいてください]

 

(だけどイノリ。これから一夏達の試合がある。年長者としては見ておかないと…)

 

《でもそれでマスターちゃんの風邪が悪化したら元子もないよ…》

 

(…ありがとうユイ。わかったよ。この試合が終わったら、千冬に言って休むようにするよ)

 

《うん!それまでユイ達が保護機能を使ってマスターちゃんの身体をサポートしておくね!》

 

そう言って、会場であるアリーナに向かうのであった。既にアリーナは超満員になっており会場の熱気は開始からMaxになっていた。

 

そんな中清香たちは最前列を陣取っていた。そこには、申し訳ないと俯いていた神楽もいた。

 

「あ、修司さん!こっち、こっち!」

 

「いや、待たせてすみませんね」

 

「あの、顔色が悪いようですけど大丈夫ですか?」

 

「大丈夫ですよ。ありがとうございます静寐さん」

 

「…無理しないでくださいね」

 

「分かっていますよ。ナギさん」

 

「……」

 

「神楽さん」

 

「…はい」

 

「そう落ち込まないでください。勝手に廊下で寝落ちした僕が悪いんですから」

 

「でも!」

 

「なら、罰としてこの試合が終わったら看病お願いできますか?」

 

「はい!」

 

「やっぱり、修司さん具合悪いんですね…」

 

「え~かぐっちだけずるい!私も修司さんの看病したい」

 

「こらこら、病人の前で騒がないの」

 

「…わかりました。なら皆さんよろしくお願いしますね」

 

『はい!』

 

そう言って、アリーナに視線を向けると丁度試合開始の合図をするところであった。そして、ゴングが鳴って試合が開始した。

 

先に出たのは鈴であった。双天牙月を振るい一夏との距離を縮めて来た。負けじと一夏も雪片弐型で応戦する形となった。

 

しかし、鈴は一旦距離を取り、肩の浮遊ユニットから見えない何か(・・)を放出して、その衝撃で一夏のSEが減った。

 

「あれが、第三世代甲龍の武装《龍砲》ですか…」

 

龍砲とは、空間自体に圧力をかけて砲身を生成、余剰で生じる衝撃それ自体を砲弾化して撃ち出す。砲身も砲弾も眼に見えないのが特徴。その上、砲身斜角がほぼ制限なしで撃てる代物である。その龍砲に一夏は悪戦苦闘するもの、徐々に躱す回数が増えて行った。

 

「ちょっと!なんで当たらないのよ!」

 

「わかったんだよ鈴。お前はそれを打つ時必ず打つ方向に目線を向ける。それさえわかれば簡単に躱せるんだよ」

 

「ムキー!」

 

「だから、貰ったぜ!」

 

「しまった!」

 

一夏が零落白夜を決めようとした次の瞬間

 

 

 

ドゴーーーーン!

 

 

 

アリーナのバリアが破られて真っ黒なISが飛び込んで来た。しかも、一体だけではく隣のアリーナにも同じISが飛び込んで来た。

 

そして、左右の腕を突き出し、そこから極大のビームを射ってきた。

 

「マズイ!」

 

 

ドガーーーーン!

 

 

「キャーーーーー!」

 

辺は一瞬でパニックになった。無論皆出入口のドアに殺到したが、なぜかドアは開かなかった。

 

「ちょっとなんで開かないのよ!」

 

「誰か助けてー!」

 

「これはまずいですね…」

 

「…修司さんどうすればいいの?」

 

「ちょっと待っててください」

 

涙目で縋ってくる清香達をなだめつつ修司は千冬に連絡を取っていた。

 

「もしもし、織斑先生ですか?」

 

『山田か!どうした!』

 

「謎のIS出現により、アリーナのドアがロックされました。解除をお願いします」

 

『そうしたいのは山々なんだが、何者かにハッキングされている。だから、少々時間がかかる。それまで持ち堪えてくれ』

 

「具体的にどれくらいかかるんですか?」

 

『早くて30分だ…』

 

「遅すぎます!間に合いません!」

 

『すまない…』

 

「わかりました。あとで反省文とか書くので許してくださいね」

 

『ちょっと待て…』

 

そう言って、修司は通信を切った。そして、M27を取りだしみんなに下がるように行った。

 

「最初から全力だ!『モード:金剛』」

 

金色の弾丸を装填し、天に向かって撃った。そして、白色のISを纏った修司は両足から警棒を取りだし合金製のドアの真正面に立った。

 

「下がって!!ハァーー…セイャー!」

 

上段の構えから一閃。見事に合金製のドアが真っ二つになった。それを見ていた女子生徒は一斉に駆け込もうとしたが、危険と判断した修司は避難誘導をした。

 

「危ないから押さないでください!」

 

「凄いです修司さん!」

 

「ありがとうございます。ですが、1箇所に集中するのは危険です。ですので、もう2箇所のドアを破壊してきます。清香さんと静寐さんはここで避難誘導をお願いします」

 

「はい!」

 

「わかりました!」

 

「ナギさんと神楽さん、癒子さんは僕に付いてきてください」

 

『わかりました』

 

そして、2箇所目のドアを破壊しに向かい、破壊後にナギと神楽に任せて最後のドアに行こうとした。

 

しかし、最後のドアはアリーナの対岸にある。向かうにはアリーナの中を突っ切る必要がある。ISを纏っている修司は問題ないが、癒子はISスーツを纏っているが、あのビーム光線を通り抜けなければいけない。

 

「くそ!…仕方ないです。癒子さんはここで待っててください」

 

「嫌です!」

 

「癒子さん?」

 

「私は行きたいです!修司さんと一緒なら大丈夫な気がしますから」

 

「癒子さん…わかりました。では、振り落とされないようにしっかりと、捕まっていてくださいね」

 

「はい!」

 

「行きますよ!」

 

修司は癒子を抱き締めると、ビームが飛び交うアリーナの中を飛んだ。途中一夏と鈴には驚かれたが何とか対岸に向かい、3箇所目のドアを破壊した。

 

「それじゃあ僕は、もう1機のISの相手をしてきます。癒子さんはここにいて、避難誘導をお願いします!」

 

「わかりました!修司さん気を付けてください」

 

そう言って修司は敬礼して、隣のアリーナに向かって行った。その途中何度か咳き込む事があったが、何とか隣のアリーナに着いた。幸い人はいなかったが謎のISは一夏達のアリーナに向かっていた。

 

「不味いな!とりあえずアイツに連絡するのは癪だが仕方ねぇ」

 

修司はある人物の番号をコールして、すぐさま個人秘匿回線(プライベートチャンネル)を起動する。

 

『もすもすひねもす~修ちゃんのアイドル束さんだよ!』

 

「今、速攻で切りたくなったが我慢してやる。束あれはなんだ?」

 

『あれはねぇ、大昔に束さんが趣味で作ったISでね~何処かに隠して置いたけど見つかちゃったね』

 

「バカヤロウ!大事なもんなら傍に置いておけよ!」

 

『反省はしていない』

 

「よし決めた。終わったら千冬から説教してやる」

 

『ごめんなさい!アイツの弱点を教えるから勘弁して~』

 

「しょうがねぇ…で、弱点ってなんだ?」

 

『アイツはね……無人機なんだよね』

 

「は?」

 

『だから、無人機なの!思っいっきりぶっ飛ばしても問題ないよ!』

 

「本当だな。なら、遠慮なくできる!」

 

「今度はこいつだ!モード:土龍」

 

金剛から黄色の弾丸を装填し、天に向かって撃った。そして、黄色のISを纏った修司はS&W M29を2丁取出し、早打ちガンマンの要理で続け様に発砲した。

 

「これでもくらいやがれ!」

 

ドドドトドと連射していくが全く歯が立たなかった。仕方ないと思った修司はモード:金剛にチェンジして、接近戦に移行した。

 

「ウォーー!」

 

剣道の要領で向かって行ったが一方の腕で防がれている間に、もう一方の腕をしならされて襲いかかる。その繰り返しだった。このままでは埒が明かないと思った修司は広い場所ではく狭い場所で戦おうと決意した。

 

「こっちだ!木偶の坊!」

 

案の定敵ISは修司を追ってアリーナから通路に出てきた。それを見た修司はここぞとばかりに、得意の剣道で挑んだ。このまま行けば勝てると少しの慢心が生まれてしまった。それがいけなかった。

 

「よし、一気に畳み掛ける!ゴホ、ゴホ」

 

風邪を引いている事を忘れていた修司は一瞬咳き込んでしまい隙を与えてしまった。当然この隙を見逃さない敵である。

 

「しまった!ぐはぁ!」

 

敵ISの攻撃をもろに受けた修司は壁に激突し、大きくめりこんでしまった。そこに少量であるが、ビーム光線が降り注ぎみるみるうちにSEが減っていく。何とか離脱したが、SEが4割を切っていた。

 

このままだとまずいな。

 

[…マスター私を使ってください。イリュージョニストであれば、反撃のチャンスがあるかもしれません]

 

わかった。

 

そう言って、黒い弾丸を装填し、自身に向けて撃った。白色から黒色に変わりモード水鬼となった。

 

「モード:水鬼」

 

『イリュージョニスト』

 

敵ISは修司に襲い掛かるが、空振りに終わる。それもそのはず、それはイリュージョニストによって映し出された幻なのである。本物(修司)は敵ISの背後に周り攻撃を仕掛けていた。

 

「鬼さんこちら手のなる方へってか!それじゃあ、終わらせるぜ!」

 

再び修司は銀の弾丸を装填し、通常モードに戻った。そして、M27をある一点に向けて狙いを定めていた。

 

「ISも人体もここ()を撃たれたら終わりだよな!バーン!」

 

そして、M27から放たれた銀の弾丸は見事に敵ISの頭を貫通させた。そして、バチバチと火花が散り爆発した。ここで初めて修司は安心していた。

 

とりあえず…終わったか…

 

【はい、敵IS沈黙(ロスト)を確認。再起動することはないでしょう】

 

なら、良かった…一夏は?

 

〈あっちも終わったっぽいよマスター〉

 

そうか…

 

『主殿!大丈夫か!』

 

《マスターちゃん!》

 

わりぃ…すこしだけ…ねむ…る…

 

[…大丈夫ですかマスター!]

 

 

 

イノリの声も虚しく修司は倒れてしまった。別のアリーナでは、一夏と鈴の連携により敵ISを沈黙させた。なお、箒が放送室に侵入しあわや大惨事となる所を、一夏が瞬時加速(イグニッションブースト)を決めて事なきを得た。

 

一夏達の決着から10分後。アリーナに続く連絡路で倒れている修司を、更識姉妹が発見し織斑先生指導の元保健室に運ばれていった。

 

 

 

謎のIS襲撃から2日後。今も修司は保健室のベットで横になっていた。それを心配そうに見つめる人達がいた。

 

「修司さん…」

 

「大丈夫よ簪ちゃん。修司さん頑丈だから」

 

「けど、お姉ちゃん。もう2日も目を覚ましていないんだよ…」

 

「そうだよね…」

 

「私何だか心配で…それに、会って間もないのに気になり始めちゃって…」

 

「簪ちゃん、それってもしかして…」

 

「うん。私修司さんの事が好きになっちゃった…」

 

「けど、修司さんは「わかっている」簪ちゃん…」

 

「例えこの恋が結ばれなくても、私は修司さんが好き」

 

「そっか…簪ちゃん()か」

 

「え!お姉ちゃんそれって…」

 

「まさか姉妹揃って同じ人が好きになるなんてね♪」

 

「お姉ちゃんもなんだ…」

 

「ええ、最も私の場合は人柄や強さに惚れたんだけどね///」

 

「私は…何だかヒーローみたいにカッコイイ所が好き///」

 

「そっか…ならこれからは恋の好敵手(ライバル)ね!負けないわよ」

 

「が、頑張る!」

 

 

そう言って、互いにけん制し合う更識姉妹であった。

 

 

 

修司が倒れて3日目。ようやく目覚めた修司は「オペレーション:大奥」メンバーの元、手厚い看病を受けていた。本人は日頃の疲れがたまっていたと言っているが、皆修司にアピールする為にしていたのだ。

 

 

 

IS学園地下室。ここには乱入してきたISが2体横たわっていた。

 

「解析結果出ました。やはり、登録されていないISコアが使用されていました」

 

「そうか…しかし、束の奴なぜこんな物を」

 

「え、これ作ったの篠ノ之博士ですか?」

 

「アイツしかいないだろう。兎に角この件は機密事項ということでいいですね。轡木学園長()

 

「ええ、その方がいいでしょう。かえって混乱を招くよりは秘密にしてる方が一番です」

 

そう言っているのは、IS学園の用務員にて理事長の轡木 十蔵(くつわぎ じゅうぞう)である。公の場では妻が行っているがIS学園で一番の権力者と言えば彼しかいないであろう。

 

「それよりも、撃退してくれた方は大丈夫でしょうか?」

 

「織斑は軽い脳震とうをしておりましたが、一昨日より授業に復帰しております」

 

「そうではなくて、もう1人の方ですよ」

 

「はぁ、山田に至っては昨日目が覚めましたので、明日より復帰いたします」

 

「そうですか。彼には期待していますからね。早く元気になって欲しいですね」

 

「そう…ですね」

 

「もしかして、意中の彼が心配ですかな織斑先生」

 

「な!お戯れを!私と修司さんはそんな…」

 

「おや?私は一度も山田君とは言いませんでしたよ」

 

「くっ!///」

 

謀られたと思って千冬は顔を真っ赤に染めるのであった。勿論真耶も少なからず思う部分もあった。

 

「隠さなくてもいいですよ。私の妻も元教え子でしたからね」

 

「理事長…」

 

「それに、今後このような事が起こらないように、周りを固めてしまうのもいいかもしれませんね」

 

「それは…どういう意味でしょうか?」

 

「さぁ~それは、皆さまにお任せしますよ。兎に角私は傍観者に徹します」

 

そう言って、意味深な事を言って十蔵は地下室から出て行くのであった。

 

 




更識姉妹がヒロイン候補になりましたね。それと、3組の代表者ですが、今後は出てくる予定はありません。

次回は日常編(G.W)を1つ挟んで金銀の登場です!

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