インフィニット・ストラトス~無敵の刑事は今日も飛ぶ~   作:とあるP

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とあるPです。

今回は修司の職場復帰とそこで、待ち受ける事件の話しです。

それでは本編どうぞ!


第6話  GWと職場復帰

4月のクラス対抗戦が終わって、世間一般はGW休みに入った。無論IS学園の生徒達も、この休みを使って実家に帰省する者や、遊びに出掛ける者、学園に残る者と様々な人達がいる。

 

その中で修司はとう言うと…

 

 

 

「それじゃあ、行ってくる」

 

「気を付けてねお兄ちゃん」

 

「なに、仕事してくるだけだから大丈夫だよ。それに、家の状態も確認しておかないとな」

 

「うん。わかったよ」

 

「じゃあ、千冬。真耶のこと頼んだぞ」

 

「ああ、わかった」

 

「お前も部屋掃除しとけよ」

 

「う、うるさい!」

 

「ハハハ!じゃあな」

 

 

そう言って修司はIS学園を後にした。そして、霞ヶ関の警視庁ビルに入っていく時にある人物達と出会った。

 

「お疲れ様です!特命係の杉下警部、冠城巡査」

 

「おや、山田君ではありませんか?」

 

「おう、山田か。元気そうだな」

 

「ええ、お二人共これからどちらへ?」

 

「ええ、新宿でちょっとした事件がありましてね。その現場に向かう所ですよ」

 

「右京さん彼にも手伝って貰いましょうか?」

 

「冠城君、山田君は今来たばかりです。彼には彼の仕事があるので後にしましょう」

 

「そうでしたね。また、あそこにどやされるのは嫌ですからね」

 

「アハハ…」

 

「それじゃあ、僕達はこれで」

 

「はい。お仕事お疲れ様です」

 

 

そう言って杉下達と別れて久しぶりに自分の所属部署に行くのであった。

 

 

『捜査一課』

 

 

 

ここでは、殺人や強盗など凶悪犯罪を扱っている。そこで修司は学園在住も発生した事件の帳簿を見ていると、いつものメンバーがやって来た。

 

「おう、山田元気だったか?」

 

「修司久しぶりだな?」

 

「お久しぶりです。伊丹巡査部長、芹沢さん」

 

「よせやい。伊丹でいい。それより、お前IS学園に通っているんだってな」

 

「はい。と言いても、二度目の高校生生活ですけどね」

 

「先輩。こいつ女子生徒とイチャイチャしていて鼻の下伸ばしているんですよ…」

 

「よせ。仮にもISを操作できる男なんだぞ。今では貴重な存在なんだから、本来であれば公安とか本庁のエリート組で現場まで出張ってくる必要がないんだ」

 

「けど、伊丹さん。僕はやっぱり現場が好きなんですよ。自分の手でホシ(犯人)挙げる(逮捕する)、その感覚がいいんですよ」

 

「偉い!偉いぞ山田!」バシバシ

 

「痛いですよ。伊丹さん…」

 

「それなら、一日も早く現場復帰するように新宿の廃工場の事件片付けるぞ」

 

「それでしたら、さっき特命係の2人が行きましたよ」

 

『なにーーーー!』

 

「こうしちゃいられねぇ!行くぞ!芹沢!山田!」

 

『は、はい!』

 

3人はパトカーを飛ばして現場である、新宿に向かうのであった。現場では既に鑑識による実況見分が始まっていた。そこに、特命係の杉下と冠城が居た。

 

「特命係の杉下警部と冠城~」

 

「相変わらず仕事が早いですね~」

 

「先程ぶりですね。杉下警部、冠城さん」

 

「おや、早速現場復帰ですか山田君」

 

「山田も大変だな。帰って来て早々現場復帰とは。そんなに一課は人がいないのか?」

 

「フン!ウチの山田はそんなに軟な身体をしていないからな」

 

「そうだ!修司はなお前らとは違うんだぞ」

 

「何で、芹沢が威張っているんだよ」

 

「まぁまぁ、今は事件解決をしましょうよ」

 

「そうですね。IS経験者の山田君の意見を参考にしたいのですが…いいですかな?」

 

「ええ、いいですよ」

 

 

そう言って、杉下はある壁にある傷跡に注目した。それは、深さが3~4㎝くらいある大きな傷跡であった。

 

「ありがとう。まず、ここの壁にある傷ですがね~どうも人間技ではないように思えるんですよ」

 

「確かに、ここまで深くえぐれることは出来ませんね」

 

「おっしゃる通り!そして、もう一つは犯人の足跡が無いんです」

 

「そうですね。ところで、この廃工場には何が隠されていたんですか?」

 

「工場の管理会社である、ABC運送に聞いて見たところ、ここには数十体の運送用に改造されたISが安置されていたそうだ。それが一晩で無くなっただんだ。それだけじゃない」

 

「ええ、それに開発中のISに必要であったISコア2つも同時に強奪されています」

 

「数十体のISとコアを同時に、しかも見つかることなく強奪されたんですか…」

 

「はい。我々ではISは対応外なので些か難儀にしている所です」

 

「それで、僕の出番ってわけですか」

 

「ああ、忙しいところ悪いな」

 

「いえ、ISを悪用する輩に負けませんよ!」

 

「頼もしい限りですね」

 

「ちょっと待った!何勝手に決めてるんですか!」

 

「そうですよ!それに、盗難であれば、ウチ(一課)ではなく、他の課をあたってください」

 

「と言う訳で、帰るぞ山田」

 

そう言って、伊丹達は帰ろうとする。しかし、山田はその場に残り現場の空気を感じたいと言った。伊丹は「早めに切り上げてこいよ」と念を押されて先に帰るのであった。

 

「すみませんねぇ~僕らの事件に付き合って頂いて」

 

「いえ、僕も杉下警部と冠城さんの捜査方法を学びたいですからね」

 

「ありがとうな。さて、現場整理行こうか」

 

「はい!」

 

そして、3人で現場に戻って来た。既に鑑識達はいなく、辺りは物静かになっていた。

 

「それでは、今一度整理してみましょうか。まず、犯人はこの倉庫のドアを切り裂き侵入。中にあった数十体の運送用に改造されたIS。それに開発中のISに必要であったISコア2つも強奪して行った」

 

「さらに、足跡がないときた。これらから推測される答えは?」

 

「ISを使用した可能性があるですか?」

 

「ええ、山田君の言う通りです」

 

「しかし、ここには防犯カメラもあったはずですよ」

 

「その件については、今アイツに調べて『ピリリリ、ピリリリ』噂をすればですね。もしもし、どうだった?」

 

『どうだったじゃないだろ!冠城亘!この僕をコケにしてただじゃあ済まないぞ!』

 

「落ち着け、今ここには修司もいるんだ。そんなカッカすんな」

 

『な!どうして山田修司がいるんだ!アイツはIS学園に居るんじゃないのか?』

 

「G.W.を利用して現場復帰しているんですよ。勤勉ですね~」

 

「そう言うことですよ。青木さん」

 

『はっ!そんなんだから、特命係にいいように使われているんだぞ』

 

「…お喋りはそこまでにしてもらいましょうか。それで青木君。例の件はどうなりましたか?」

 

『この優秀なボクにかかれば、こんな事件ものの数分で、解決出来ますけどね…と言いたいことですが、今回は骨が折れました』

 

「と言うと?」

 

『映像を解析していたら、大きなジャミングが働いて鮮明には出来なかったんですよ。けど、音声なら拾えたので今から流しますね』

 

 

そう言って、3人はスマホのマイクに耳を傾けた。すると

 

『…そげ、は…。よし、つ…んな。…っしゅうだ。キューーーイン…』

 

「なるほど、大体検討はつきました」

 

「ありがとうございます!青木さん」

 

『べ、別にお前の為にやった訳じゃあないからな』

 

「何言ってるんだよ…」

 

「今度、飲みにでも行きましょう。その時は学園の事話しますよ」

 

『ほ、ほんと』ブツ

 

青木の答えを聞く前に冠城が電話を切った。そして、修司は確信した。これは、ISを使用した犯罪であると。こんなの束や千冬が許す訳ないと思った。

 

そして、現場の傷跡に触れて、待機状態であるシルバーバレットの深層へと潜り込んだ。

 

 

 

悪いな、休んでいる所呼び出してしまって

 

【いえ、マスターからの相談ごとなら大歓迎です】

 

《うんうん、それでマスターちゃんどうしたの?》

 

なに、ちょっと手を貸してほしいと思ってな。この傷跡どう思う?

 

『どうとはどう意味だ主』

 

どのISで傷を付けたかわかるか?

 

[…任せてください。私達のコアネットワークを使えば直ぐに割り出します]

 

ありがとう

 

〈わかったよ~!ここから100㎞先にあるここと同じ規模の工場にあったよ~〉

 

【敵は3人。打鉄を違法改造しています。奪われたISとコアもまだ使用されていません】

 

了解

 

そして、杉下と冠城を見て、修司は「ちょっと、出かけてきます」と言った。それを察した杉下は「余り無茶をしないでくださいよ」といい、冠城は「何かあった連絡しろ」と言った。

 

 

深夜。修司はルージュから受けた場所にやって来た。そこには、奪われたISとジュラルミンケースが1つ置いてあった。余りの警戒の薄さに修司は罠だと思ったが、飛込しかなかった。

 

ケースの周りに3人の女たちがいて、手には銃が握られていた。修司は辺りを見渡して外階段から中に侵入できるルートを見つけ出した。

 

早速音を立てずに2階へ上ると、ビルの配電盤を見つけた。そのブレーカーを落として侵入しようとした。

 

「ったく~それにしてもオータムの姉さんも人使いが荒いぜ」

 

「たった3人でIS数十体とコアを奪って来いとか言うんだもんな」

 

「けど、違法パーツ使えばあのオータム姉さんを倒せるかもしれないよな?」

 

「あ~ダメダメ、この前それで挑もうとしたバカが返討ちになったからよ」

 

「何だよ…うん?」フ

 

「どうした!急に真っ暗になったぞ!」

 

「落ち着け!闇雲に撃つな」

 

「ぐは!」

 

「キャロル!」

 

修司は1人を気絶させると残る2人とケースを奪おうとしたが、突然明かりがつき始めた。

 

「な、なに!」

 

「どうしてここに男がいるんだ!」

 

「マズイ!」

 

その次の瞬間バババババと乱射された。修司は直ぐに物陰に隠れた。

 

 

どうしてすぐに明かりが付いた!

 

「どうやら、ネズミが一匹潜り込んだようだね」

 

『オータム姉さん!』

 

「キャロルは?」

 

「ダメです。気絶しています」

 

「仕方ないね」

 

「な!」

 

「足手まといはごめんだよ」パァン!

 

「馬鹿野郎!」

 

オータムと言われた女が気絶しているキャロルに向けて発砲したが、修司が咄嗟に抱きかかえ事なきを得た。しかし、無事ではなかった。

 

「ぐ!」

 

【マスター!】

 

 

どうやら、運ぶ際に1発の弾が右太ももを掠めてしまったらしい。太ももから血が出てきたが、今はそれを気にしている暇はない。最悪コアを奪取し容疑者を逮捕しなければならない。

 

物陰に隠れている間にもどんどん出血していく。修司は一か八かの賭けに出た。

 

 

ユリカ聞こえるか

 

【はい、マスター】

 

今から、俺が突っ込む。その間にここのビルシステムをハッキングして明かりを消してくれ

 

【分かりました】

 

イノリ、お前はここの位置情報を杉下さん達に知らせてくれ

 

[…わかりましたマスターは?]

 

 

最悪コアが入ったケースを奪取する。出来るかどうかわからんがな…

 

[…了解です]

 

【マスター。準備完了です】

 

 

よし、行くぞ。3…2…1…GO!

 

 

ユリカとタイミングを合わせて修司は飛び出した。そして、周囲が暗くなって3人が驚いた一瞬を付いてケースを回収して、元の場所に戻って来た。

 

暫くして、目が慣れてきた3人は物陰目指して発砲して来た。しかし、修司とキャロルはそこにはいなく、ビルの外に出ていた。それに気付いたオータム達は血眼になって探していたが、見つかることはなかった。

 

「チィ!どこ行きやがった!」

 

「マズイよオータム姉さん!サツが来る」ファンファン

 

「どうする!」

 

「こうなったら、ずらかるよ!行くぞ」

 

そう言って、3人は警察が来る前に逃げ出すのであった。幸い、修司も近くを巡回していた警察官に助けを求めて一件落着…とは行かなかった。

 

あの後助けた女性は末端の人間であり、組織全体を壊滅させるにはまだまだ時間がかかるようだ。また、強奪されたISも3体ほど、無くなっていた。

 

 

 

修司は警察病院で手当てを受けて、女の聴取は翌日の昼からとなった。疲れた足取りで久しぶりの実家に帰ると倒れる用にベットで眠るのであった。

 

 

 

 

 

翌日。昨夜の出来事が噓のように街は賑わっていた。そんな中で修司は警察庁に入っていた。聴取は伊丹が行っていた。

 

「お前らはどうしてISを盗んだ」

 

「知らない…あの人からそうしろって言われて、やっただけ…」

 

「噓を付くな!」

 

「噓じゃあない!私は知らなかったんだ…」

 

その後のマジックミラーでは杉下と冠城そして、修司の3人が見ていた。

 

「確かに彼女は嘘を言っている風ではありませんね」

 

「ええ、それに彼女は『あの人』と言ってました」

 

「と言うことは、黒幕がいるってことですね」

 

「そうなりますね~いゃ些か難儀な事になりそうですね…」

 

今日の聴取は以上となった。しかし、修司は気になる点があったので、彼女と会ってみた。暗くて見えなかったが、彼女は緑髪で肌は色白。目が蒼くスタイリッシュな体型だった。キャロルは修司を見た時、泣いていた。

 

「どうしたんですか?」

 

「あの時は…助けてくれて…ありがとうございました」

 

「いぇ、警察官として当然の事をしました。それに、ケガは男の勲章って言いますからね」

 

「貴方の様な男の人がいればいいんですけどね」

 

「いると思いますよ。少なくとも僕は1人知っていますよ」

 

そう言って、頭の中に無鉄砲だが自身の危険よりも、仲間を守る信念の強い馬鹿(一夏)を思い出した。

 

「しかし、貴女は罪を犯した。その事をしっかりと反省してください」

 

「はい!私もう悪に手は染めません」

 

その後キャロルは罪を改めて婦人警官としてデビューし、修司の後を追ってIS学園に入学してくるが、それはまた別のお話し…

 

 

一仕事終えて実家に帰って来た。時刻は夜遅くになっていた。明後日にはIS学園に戻る為、最低限の料理だけ作って夕食を食べている時に電話がかかって来た。相手は…

 

「もしもし、どうした真耶」

 

『どうしたじゃなーーーーーい!』

 

「おわ!うるせーよ」

 

『どれ程心配したと思っているのお兄ちゃん!』

 

「はぁ?どうしてだよ」

 

『今日ニュースを皆で見ていたお兄ちゃんの名前がでてきてね。それで撃たれたって聞いたから、もういてもたってもいられなくてさぁ』

 

「あ~けど足を掠っただけだから大丈夫だよ」

 

『……』

 

「真耶?お~い!」

 

『修司さん?』

 

「その声は千冬か?真耶はどうしたんだ?」

 

『さっきの話しを聞いて気絶したんだろう…隣で伸びているからな』

 

「そっか…何か心配かけちまって悪かったな」

 

『いや、修司さんが警官になると聞いていた時から覚悟はしていたさ、それは仕方ない事だ』

 

「ありがとな。そっちに帰ったら3人で上手い飯でも食べに行くか」

 

『そうだなぁ。勿論修司さんのおごりだろなぁ?』

 

「う!わかったよ。それじゃあ、もう切るぞ」

 

『わかりました。真耶の事は任せてください』

 

「ああ、頼んだ。それじゃあ、おやすみ」

 

『ええ、おやすみなさい』

 

 

千冬との電話を切って、修司は報告書作成の続きをした。一日でも早くIS学園に帰れるようにする為である。

 

 

 

翌日。早速この前のIS強奪事件の報告書を伊丹達に提出し、空いた時間を利用して特命係に出向いていた。そこに角田課長がやって来た。

 

「おはようございます」

 

「おや、もう怪我は大丈夫なんですか?」

 

「ええ、頑丈だけが取り柄ですから」

 

「そこが山田のいい所だもんな」

 

「おう山田じゃないか。お前もヒマになったのか?」

 

「そんな事ないですよ。角田課長こそ、油売っていて大丈夫ですか?」

 

「まぁ、俺の所は優秀な部下ばかりだからな、ここに居ても大丈夫なんだよ。どうだお前も一杯?」

 

「折角ですが、僕はコーヒーよりこっち派なので」

 

そう言って、特命係に置いてあったコーヒーメーカーからコーヒーを注いで飲む角田に対して修司は、ポケットからお茶を取り出すのであった。

 

「相変わらず、お茶がお好きなんですね」

 

「ええ、子供の頃からの癖で…」

 

「僕は、ロンドンにいた頃から紅茶が好きなのでいつもこれ(紅茶)ですよ」

 

「ロンドンで思い出しました。同じクラスにイギリス代表候補生が居まして、試合をしたんですよ」

 

「おや、もしかしてセシリア・オルコット嬢ですか?」

 

「ご存知ですか?」

 

「ええ、オックスフォードに居た時にオルコット家の晩餐会に誘われましてね。そうですか…あのセシリア嬢が君と試合をするとはね」

 

「右京さん何だか訳ありな言い方ですね」

 

「いえ、子供の頃は純粋な子だったんですけどね」

 

「けど、試合をして分かり合えたので良かったです。今度会ってやってください」

 

「ええ、そうですね」

 

 

 

 

 

その頃ロンドン・オルコット家

 

「へっくちん」

 

「あら、お嬢様風邪ですか?」

 

「そんな事なかったはずですわ。誰か噂でもしているのかしら」

 

「もしかして、日本にいる杉下さんでしょうか?」

 

「久しく聞いていませんでしたね。あの方は今どちらにいらっしゃるんですの?」

 

「確か警視庁の特命係に居るとの情報がありましたね」

 

「そうでしたのね」

 

「ええ、あとお嬢様の思い人も刑事だと聞きましたよ」

 

「はい!修司様は刑事をしているんですよ!分かりますかチェルシー!」

 

そこにいたのは、オルコット家でメイド長をしているチェルシー・ブランケットであった。セシリアとは幼馴染の様な関係である。今はIS学園に帰国する準備をしていた。

 

「ですが、他にも思い人がいるのでは?」

 

「ええ、ですからこの夏が勝負ですわ!」

 

「ここからは、メイド長ではなく幼馴染として言うわね。セシリア。あの方の事本当に好きなの?」

 

「え?」

 

「あの方は貴女よりも年も離れているのよ。わかる?貴女がよくても世間体が気になり、諦める様に説得するはずよ」

 

「……」

 

「私としては、セシリアの幸せを第一に考えたいけどね」

 

「わたくしは…」

 

「うん?」

 

「それでもわたくしは、あの人が修司様の事が好きです!この気持ちに嘘はつきたくありません!」

 

「セシリア…」

 

そこには、オルコット家当主でも、貴族の子でもなく、ただひたすらに恋に焦がれる女の子であった。その覚悟にチェルシーが折れた。

 

「そうですか。貴女の事だから駆け落ちしてでも添い遂げる勢いなのね」

 

「ええ!そこは譲れませんわ!」

 

「…わかりました。ならセシリアの好きなように行きなさい。私は影ながら応援しているわ」

 

「ありがとうございます。チェルシー」

 

「それで、お嬢様。どうやってその方を落とすつもりですか?」

 

「そうですわね…クラスにい何人もいらっしゃいますし、織斑先生や山田先生も狙っていましたからね」

 

「え!山田先生は家族ではないのですか?」

 

「調べてみたところ、先生と修司様は血のつながりのない兄妹ですの」

 

「これは、難敵ですね…」

 

「ええ…そうなのですわ…」

 

 

 

 

イギリスでひと悶着があったことを知らない修司は特命係と角田課長と談笑していた。そして、伊丹達からOKが貰い。明日にはIS学園に戻ることになった。

 

そこで、特命係の2人行きつけの小料理屋で飲むことになった。場所は「花の里」。ここにいる女将が出してくれる料理が絶品でよく通っているらしい。

 

 

「うん!美味しいですよ。この鱧の刺身とか絶品ですね」

 

「ええ、毎度毎度ここの料理には楽しみにしています」

 

「あら、珍しいですね。杉下さんが私の料理を褒めるなんて」

 

ここのオーナーであり女将の月本 幸子(つきもと さちこ)さん。彼女曰く「ついていない女」とのことである。一度特命係にやっかいになっていたが、ここ「花の里」で働くことを決意した。

 

「おや、僕が言うことがそんなに信じられませんか?」

 

「杉下さん天邪鬼ですからね」

 

「ええ、右京さんこう見えても素直になれない部分が、多いですからね」

 

「心外ですね~山田君もそう思いますか?」

 

「僕は何とも言えませんね」

 

「そうか?偶には素の自分を見せてもいいんじゃあないか?」

 

「そうですかね。ただ…」

 

「悩み事ですか?」

 

「ええ、素の自分を出して怖がれてしまうと…」

 

「そりゃあそうですよ」

 

「え?」

 

「貴方はもいい大人です。向こうは学生。歳も倍以上の差があるので怖がれるのは当然です。大事なのはどうしたら相手に受け入れて貰えるかですよ」

 

「杉下さん」

 

「僕も言えた義理はないんですけどね。ですから山田君」

 

「はい」

 

「何か悩んでいるのなら、頼ってもらえると嬉しいですね」

 

「全力とまでは行かないが、バックアップはするつもりだ」

 

「ありがとうございます。杉下さん、冠城さん」

 

 

そう言って、箸が進む料理を堪能して行った。

 

 

 

あくる日。自宅を後にした修司はIS学園行きのモノレールに乗り学園を目指していた。そこで、丁度セシリアと出会った。

 

「おはようございます。修司様」

 

「おはようございます。セシリアさん。良い休暇でしたか?」

 

「ええ、長らく本国を離れていると大変な事になりますからね」

 

「そうでしたか」

 

「修司様も大変でしたね。お怪我はございませんでしたか?」

 

「仕事中に銃弾を掠めた程度でしたけど、大丈夫です」

 

「ええ!それ大丈夫ですの!」

 

「もう大丈夫ですよ」

 

「でも…」

 

そこで、修司は昨日杉下に言われたことを思い出した。

 

「ありがとうな。セシリア」

 

「いえいえ…え?」

 

「この喋り方変か?」

 

「い、いえ…」

 

「そっか、ならいいけどよ。もし怖かったら言ってくれ。直すから」

 

「そ、そんな事ありませんわ!寧ろそちらの方がカッコイイですわ///」

 

「ありがとうよ」

 

「あ///」

 

そう言って、セシリアの頭を撫でた。まるで子供をあやす様にした事に嫌がれるかと思ったがそうでもなかった。寧ろセシリアの顔がどんどん赤くなっていくのであった。

 

「ただ、こことは他の人には内緒にしておいてほしい」

 

「どうしてですの?」

 

「いきなり変わったら、変に思われるかもしれないからな。時期を見て話すよ」

 

「ええ、タイミングは修司様にお任せしますわ」

 

「わかった。そら、行こうぜセシリア」

 

「はい!///」

 

そして、セシリアの手を取りながら修司は教室に向かうのであった。

 

 




次回からは金銀の2人が登場しますよ!

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