インフィニット・ストラトス~無敵の刑事は今日も飛ぶ~   作:とあるP

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とあるPです。

今回は金銀との出会いになります。

次回はタッグマッチトーナメントです。(前中後編の3部構成になる予定です)

それでは本編どうぞ!


第3章 金銀とタッグマッチトーナメント戦
第7話 金と銀の双璧


第7話 金と銀の双璧

 

GW明けの教室では一夏と修司に対しての態度はいくらか柔らかくなっていた。最初の方は異性や年上であって接し方に対して手探り状態のクラスメイトだったが、クラス代表決定戦や対抗戦などの出来事を経て男性操縦者への接し方が変わっていた。

 

最も、修司に関しては未だに素の状態をさらけ出していない。長年社会で培ってきた対人スキルで平等に接している。…ある人物を除いてだが。

 

(それにしても、修司様があんな喋り方だったなんて…素敵ですわ///)

 

そんな修司の背中を見ているセシリアは未だに朝の出来事が抜け出せなかった。心配した修司がセシリアを見ているとぽ~と頬を染めており、上の空だった。

 

そんな状態で真耶から驚きの発表があった。

 

「皆さん、今日はこのクラスに転校生がやってきます。なんと2人です」

 

この時期に転校生とは珍しいと思っていた修司であった。だがここは、臨機応変に対応していくと心の中で決めていた。そんな事を露ともしらず、転校生の2人が入って来た。

 

1人は金髪にアメジストの瞳にスラッとした体型であり、なんと一夏と修司と同じ男性操縦者(・・・・・)の制服を着ていた。

 

「初めまして、シャルル・デュノアと言います。ボク(・・)と同じ男性操縦者が居ると聞きました」

 

「き…」

 

「マズ!」

 

『キャーーーーーーーーーー!』

 

「ぐぉぉぉぉ~」

 

「あ、頭が割れる~」

 

女子たちのハイトーンボイスに間に合わなかった2人は頭が割れるくらいのダメージをおった。

 

「綺麗系の王子様きたーー!」

 

「織斑君がイケイケ系なら修司さんは紳士系、そしてデュノア君は守ってあげたい系だよね~」

 

「私、生まれて来てよかった…」

 

「お母さん、今度のお盆休み帰ってくるからね。おはぎ持って」

 

修司と一夏は(そんな設定があるのか!)と言うとしたが、この声の中で通る事もなく、静かになるのを必死に待っていた。

 

「誰が騒いでもいいと言った馬鹿どもが!もう1人いるだろ」

 

そう千冬から言われてしまっては、黙っておかないといけないと後で何を言われるか分からないので女子たちは静かになった。そして、もう1人の銀髪で眼帯をしている女子生徒の自己紹介が始まった。

 

「ラウラ、自己紹介をしろ」

 

「は!教官!」

 

「ここでは、織斑先生と呼べ」

 

「はい。ラウラ・ボーデヴィッヒだ!」

 

「…」

 

「…」

 

「あの…以上ですか?」

 

「以上だ」

 

一夏並みの自己紹介をしたラウラは、一夏の前まで行くと憎悪と悔しみを孕んだ目で一夏を睨みつけた。そして…

 

「貴様がいなければ…」

 

「へ?」

 

パーン!

 

頬を叩く音が教室内に広がった。ラウラが一夏に張り手を喰らわせたのだ。一夏は気が緩んでいたので対処出来ず、なすがままに受けてしまっていた。

 

「な、何すんだよ!」

 

「認めない!私はお前があの人の弟など断じて認めない!」

 

修司も止めに入ろうとしたが、ラウラは脇を通り過ぎて自分の席に座ってしまった。それを見た真耶は助ける様に修司を見ていたが、生徒である修司は何も出来ずにいた。

 

その後、千冬が何とか場を収めたが一部の生徒からは「やり過ぎだ」等の声が出ていた。

 

 

そして、SHRが終わり次は2組との合同IS授業になる。女子生徒達は着替えるため一夏と修司はアリーナにある更衣室まで行かなければならない。

 

「織斑、山田、デュノアに更衣室までのルートを教えてやれ。これから必要になってくる」

 

「はい」

 

「わかりました」

 

「君たちが男性操縦者何だね。ボクは「あ~そういうのは後にしてくれ」え?」

 

「すみませんが、これからここが女子更衣室になるんですよ。僕達はアリーナにある更衣室まで行かないといけないので」

 

「そ!しかも次の授業千冬姉の授業だから遅れると厄介何だよ」

 

「だから、走りながら場所を教えるので付いて来てください」

 

「う、うん」

 

そう言って、一夏を先頭にデュノアと修司達は教室を出ていた。教室を出ると、どこからともなく女子生徒達が現れた。

 

「キャー!織斑君と山田さんよ!」

 

「噂の男性操縦者もいるわ!」

 

「金髪!しかもイケメン!」

 

「フヒヒ…薄い本が厚くなるわ」

 

最後のとんでもない発言をした子は後で注意しておくとして、このままでは確実に遅れてしまう。それを避ける為修司はあることをした。

 

「あ!あそこに織斑先生が!」

 

『え!どこ?』

 

「今です、一夏君、デュノア君!」

 

「はい!」

 

「え!」

 

修司が注意を逸らしたおかげで一瞬のスキが出来た。そこに注目している間に修司達は走り出した。しかし、女の子達も負けてはいなかった。

 

「あ!逃げたぞ!」

 

「者共であえ!であえ!」

 

またしても女子生徒達が押し寄せて来たので修司は最後の賭けに出た。

 

「仕方ありませんね。失礼」

 

「え?っきゃ!」

 

『あーー!』

 

何とシャルルの身体と足を抱くようにして持ち上げたのだ。いわゆるお姫様抱っこだった。更に女子生徒達を巻くためにとんでもない事をした。

 

「ええ、山田さん!」

 

「喋ると舌を噛みますよ!」

 

そう言って、ラグビー部張りの俊敏な動きをして、難なく包囲網を突破したのだ。そんな事をしているうちに授業開始10分前となった。遅れて一夏もやって来た。

 

「ひどいですよ修司さん!俺を置いていくなんて!」

 

「すみません…ああしないと、間に合いませんから」

 

「確かにそうだけど…」

 

「ねぇ、山田さん?///」

 

「はい?」

 

「そろそろ、降ろしてもらえないかな?///」

 

「ああ、こりゃあ失敬」

 

シャルルを降ろして3人はISスーツに着替えるのであった。そして着替えながら自己紹介をした。

 

「俺は、織斑一夏って言う。気軽に一夏って呼んでくれ」

 

「僕は山田修司と言います。よろしくお願いしますね。デュノア君」

 

「ボクはシャルル・デュノアと言います。こちらこそよろしく。一夏、修司」

 

「ああ、よろしく」

 

そう言って、一夏とシャルルは握手をした。ついでに修司と握手したが、その時修司は一瞬違和感を感じた。

 

「?どうかした?」

 

「いえ、何でもありませんよ。それよりも早く着替えてしまいましょう」

 

「そうですね…うんしょ」

 

「きゃ!」

 

一夏が上着を脱いだ時にシャルルは慌ててロッカーの裏に隠れてしまった。疑問に思った修司と一夏であったが時間を押しているので、先に着替えて生徒達が待つグランドに行こうとした。

 

数十分後着替え終わったシャルルが出て来ると、一夏と修司も一緒に出てきた。

 

「あれ?修司と一夏?どうしてここにいるの?」

 

「なに、今更行っても遅刻確定だからな」

 

「それなら、男3人で怒られた方がいいと思いましてね」

 

「修司…一夏…ありがとう」

 

 

そして、3人仲良く遅刻し千冬はこの事に対して激おこぷんぷん丸だった。罰として放課後反省文20枚とグランドの整備が命じられて、授業がスタートするのであった。

 

千冬はセシリアと鈴に前に出るように指示してきた。

 

「これより、実践的な授業を行う。その前にオルコット、凰前に出ろ」

 

「え~!」

 

「全くどうしてこんな事をしなければなりませんの…」

 

「いいのか?お前たちアイツ(一夏、修司)の前で良いところを見せたくないのか?」

 

『!!』

 

その瞬間、乙女脳にスイッチが入った。

 

「仕方ないわね!代表候補生の実力見せてあげるわ!」

 

「ええ!腕がなりますわ!」

 

これを見た修司は(女の子って…)と思うのであった。

 

「それで!セシリアと戦えばいいわけ?」

 

「まぁ、鈴さん相手なら前菜にもなりませんからね」

 

「まぁ待て、お前たちの相手は「止めてくださ~い」ほら来たぞ」

 

そこには、暴走したISが一機、こちらに突っ込んで来た。それを見た千冬は頭を抱えていた。

 

「はぁ~山田。あれを止めてみろ」

 

「了解しました」

 

そう言って、修司はIS【シルバー・バレット】を纏いISに向かうのであった。あわやぶつかって大惨事の所で止めることが出来て安心していた。

 

「あわわわ!誰かとめて~」

 

「よっと!落ち着け真耶」

 

「あ、お兄ちゃん。ありがとう」

 

「たっく…よくそれで教師が務まるなぁ」

 

「べ、別にいいでしょ///」

 

そう言って、修司は真耶を抱きながらグランドに降りようとした瞬間であった。

 

【マスター!高熱源体接近!】

 

なに!

 

ユリカがそう言い終わると、修司の顔の横をビーム光線が通り過ぎていく。あと一歩遅かったら怪我だけでは済まない状況だった。

 

「オホホ、外してしまいましたわ」

 

「セ、セシリアさん…」

 

「ナンデショウカ…シュウジサマ」

 

その笑顔に光はなく、あるのは明確な殺意しかなかった。そう感じた修司はゾッとした。

 

「あと数センチずれていたらどうなっているか分かっているんですか!」

 

「フン!」

 

「オルコット。その辺にしておけ…山田をいじめるのは後からでもいいだろ」

 

『主殿、あれは八つ当たりと言うものか?』

 

ああ、そうだな…後で覚えていろよ千冬め…

 

そんな事を露も知らない千冬は概要を説明した。

 

「今から、オルコットと凰には、山田兄妹と戦ってもらう」

 

「ええ!大丈夫ですか?」

 

「なに、直ぐに負ける」

 

そう言って、修司と真耶、セシリアと鈴の両者は位置についた。スタートと同時に仕掛けて行ったのは、鈴の方だった。

 

「始め!」

 

「いっくわよ!」

 

「行きます!」

 

修司は通常モードで鈴と戦っていたが、これでは不利と判断してすぐさまモードチェンジをした。

 

「ちょうどいいわ!クラス対抗戦の手合わせと行こうかしら!」

 

「そうですね。ならこっちにしますか!モードチェンジ『金剛』!」

 

M27に金の弾丸を装填し撃ちだされ修司のISに当たると、銀色から白色に変わっていた。

 

「色が変わった!」

 

「行きますよ!」

 

そして、足に取り付けていた警棒を2本取り出すと、一気に鈴と乱打戦になった。鈴も双天牙月を出してきたが、手がつが多い修司が勝っていた。

 

「強い!」

 

「まだまだ行きますよ!」

 

更にエンジンが暖まって来た修司は時折キックやパンチを交えて鈴と打ち合いをしていた。

 

「なら、これならどうかしら!」

 

「!」

 

鈴は修司から距離を取ると、龍砲の発射体制を取った。それを見た修司は同じ様に離れてモードチェンジをしていた。

 

「それなら、これです!『モードチェンジ:烈火』!」

 

M27から赤い弾丸が放たれて修司のISに当たった。そして、装甲の色が白色から赤色に変わった。

 

「また変わったの!」

 

「行きます!『ファイヤー・バード』!」

 

 

M27から撃たれた弾丸は、文字通り火の鳥となり、上下左右から襲い掛かかった。それでも、鈴は必死に回避運動をしたが、ホーミング性が高いため回避出来る事なく攻撃を受けてしまった。

 

《凰、もう十分だ、降りてこい》

 

「…分かりました」

 

「鈴さん。ありがとうございました」

 

「ええ、ありがとうね修司」

 

そう言って、修司と鈴は握手して地上に降りてくるのであった。ちょうどセシリアと真耶のバトルも大詰めを迎えていた。

 

「そこですわ!」

 

「まだまだです!」

 

セシリアの弾道を辛うじて予測した真耶はそのままレイン・オブ・サタディ×2丁取出し乱射するのであった。流石のセシリアも予測できなく、数発を食らってSEが3割程低下した。

 

「やりますわね。流石元日本代表候補生ですわね…けど、修司様の隣にいるのは私ですわ!」

 

そう言って、4基のビットを飛ばして真耶に襲い掛かった。けど、真耶もバカではなかった。しっかりと対策をしていた。

 

そんな中千冬は隣にいたシャルルに、真耶のISについて解説するように指示した。

 

「それじゃあデュノア。山田先生が使用しているISについて解説してみろ」

 

「はい。山田先生が使っているのは、量産機の教員用IS「ラファール・リヴァイヴ」です。しかし、あれは山田先生用に改造されたものですね」

 

「そうだ。あれで山田先生は元日本代表候補生まで登りつめたんだ…そろそろ決着が付きそうだ」

 

そう言って見ると4基のビットが不規則な動きをし始めた。明後日の方向に飛んだり、同士討ちをする物まで現れた。

 

「何ですの!」

 

「どうやら効いてきたみたいですね…」

 

「一体何が…」

 

「さって、そろそろフィニッシュです!」

 

4基のビットが使えない今セシリアはスターライトmkⅢだけしかなくなった。かたや武装が豊富なラファール・リヴァイブ。勝者は火を見るよりも明らかだった。

 

デザート・フォックス×2をセシリアに向けて降伏するように促した。

 

「降伏しますか?」

 

「…はい。わかりましたわ」

 

《オルコット。十分だ、降りてこい》

 

「…了解いたしましたわ」

 

そう言って、セシリアと真耶はグランドに降り立った。

 

「以上で模擬訓練を終わる。今後はIS学園の教師には敬意を払うように」

 

『はい!』

 

「よし、それでは実践訓練を始める。各専用機持ちはリーダーとなり指導すること」

 

千冬の号令で生徒達が各々の場所に向かって行った。当然、一夏と修司、そして、シャルルの所に人が殺到した。

 

「織斑君ISについて教えて!」

 

「あーずるい!わたしも!わたしも!」

 

「第一印象から決めてました!」

 

『よろしくお願いします!』

 

「え!?」

 

そう言って、5~6人から握手を求めらていた。シャルルのチームも同じで困惑していた。当然そんな事を千冬が許すはずもなく全員が怒られた。

 

「馬鹿者!出席番号順にさっさと別れろ!!遅れたチームはグランド10周だぞ!」

 

そんな事をしたくない子達は出席番号順に散らばるのであった。

 

「やったー!織斑君と同じだー!」

 

「宜しくねセシリアさん!」

 

「凰さん、さっき修司さんと戦ってみてどうだった?」

 

「デュノア君!よろしくね!」

 

「…ボーデヴィッヒさん…よろしくね」

 

ラウラの班だけはなぜか意気消沈していたが、修司も専用機持ちなので教えることになった。そこには、静寐とナギ。そして、1人サファイアブルーの瞳をもち、銀色のショートカット、絹糸の様な色白肌の女の子が居た。

 

「宜しくお願いしますね。静寐さん、ナギさん、それと…」

 

「ハイ、ワタシ「エカチェリーナ」言いマス。ロシアと日本のハーフデス。ヨロシクお願いシマス」

 

「カーチャーは修司さんが来る前から来てるんだよ」

 

「そうだったんですね」

 

「ダー!」

 

『こんにちは、僕の名前は山田修司と言います。歳は君より上だけど気軽に話しかけてくれても良いからね。エカチェリーナさん』(流暢なロシア語)

 

『こちらこそ。それとワタシの事はカーチャーと呼んでくださいね。修司』

 

「!」

 

「…修司さん何者なの?」

 

「なに、昔ちょっとかじっていましたので、それなりに喋れるんですよ。それよりも、早く始めましょう」

 

『はい(ダー)!』

 

そう言って、3人はIS起動から歩行訓練・飛行訓練まで一通りの事を行った。しかし、そこで事件が起きてしまった。

 

「はい、いい感じですよ。それじゃあ次は…あれ?」

 

「あ!やっちゃったな~」

 

「シズネ?どうしたのデスカ?」

 

何と、次の操縦者ナギに渡す前に静寐がラファールを立ったままにして降りてきたのだ。

 

「困ったな…仕方ないですね。ナギさん、ちょっと失礼しますね」

 

「え?、っきゃ!」

 

『あーー!』

 

「ハラショー!」

 

時間が惜しいと思った修司は、ナギをお姫様抱っこしてラファールのコクピットまで運んだのだ。周囲からは大声が上がったがそんなのを無視した。

 

着くころにはナギの顔は真っ赤になっていた。

 

「はい、着きましたよ。ナギさん?」

 

「///」

 

「大丈夫ですか?」

 

「…だ、大丈夫です///」

 

「そうですか。それじゃあ僕はいきますね」

 

「あ、あの!」

 

「はい?」

 

「…出来たら、今日のお昼一緒に食べませんか?」

 

「それは、皆さんと?」

 

「…いえ、修司さんと二人っきりがいいです…」

 

「う~ん…」

 

「…ダメですか?」

 

「いえ、大丈夫ですよ」

 

「…ほ、本当ですか!///」

 

「はい。それじゃあ訓練頑張りましょうね」

 

「…はい///」

 

そう言って、ナギの訓練が始まった。なお、その日は一番の成績を出したという。

 

 

 

 

お昼休み。早速修司とナギは食堂で定食を買うと「天気がいいから外で食べませんか?」と言う修司の提案に乗って、2人は屋上に向かって行った。

 

しかし、そこに先客がいたのであった。

 

「あれ?皆さんどうしたんですか?」

 

「ああ、修司さん。実はシャルルの奴が一緒にご飯を食べたいって言いだしたんで屋上に来たんですよ」

 

そこには、一夏とシャルル。そして、鈴と箒もいた。どうやら皆で食事中だったらしい。

 

「修司さんも飯ですか?」

 

「ええ、ナギさんとお昼の約束をしていたので来たんですよ」

 

「そうなのね。セシリア達は?」

 

「見ませんでした『あー修司様!』うん?」

 

そこには、セシリア達(静寐、清香、神楽、癒子)が屋上のドア前に立っていた。

 

「食堂にいなかったので探しましたわ!さぁお昼にしましょうか?」

 

「あーすみません。今日はナギさんと食べる約束をしていたんですよ」

 

「…うん」

 

「そうですか…なら、明日は一緒に食べてくださいまし!」

 

「ええ、他に予定がなければですけど…」

 

「絶対ですわよ!」

 

セシリアは約束を取り付けると屋上を後にした。その後修司はナギと一緒に食べて他愛のない話をしていた。

 

 

 

 

 

 

その日の放課後。修司と神楽の部屋に、大きなボストンバッグを持って千冬とシャルルが現れた。

 

「四十院。部屋変更の時間だ」

 

「え?来週の話しでは?」

 

「急に決まったんだ。それに、これ以上男女が一室にいるのは、不味いと思ってな。すまない…」

 

「そうですか…分かりました」

 

「織斑先生。少しだけ時間を貰ってもいいですか?」

 

「山田?いいだろう。1時間後にまた来る。それまでに荷物をまとめておくんだな」

 

そう言って、シャルルと千冬は部屋から出て行った。そして、神楽は荷造りの準備を行った。

 

「神楽さん。手伝いますよ」

 

「ありがとうございます…」

 

さっきまでの状態が噓のように落ち込んでいた。無理もない。片思いの人とそれなりの時間を共有できたのに、それが出来なくなってしまうのだから。

 

そんな事を尻目に荷造りは着々と進んで行った。そして、全ての荷造りが終わった。

 

「ふぅ、これで最後ですね」

 

「はい…」

 

「神楽さん?」

 

「私…修司さんと離れたくないです…」

 

「神楽さん…」

 

こんな時どうすればいいのか修司には分からなかったが、泣かせないようにした。

 

「ったく。しょうがねぇなぁ」

 

「え?」

 

「ほら、こっち来い」

 

「修司さん…」

 

そう言って、神楽を抱き寄せると頭に手を置いて撫で始めた。

 

「昔な、真耶が泣きそうになった時こんな風にあやしていたんだよ」

 

「あ、あのありがとうございます///それよりも!

「あ~この口調だよな。今までは遠慮していたから素の喋り方をしていなかったからな」

 

「では、どうしてですか?」

 

「まぁ、神楽に遠慮する必要がなくなったと思ったからな」

 

「…そうですか」

 

「嫌か?」

 

「い、いえ!///こっちの方がいいです」

 

「そっか。良かった」ナデナデ

 

「///」

 

撫でられて嬉しいのか、神楽は安心しきっていた。

 

「なぁ神楽。偶にでいいから遊びに来い。いつでも相手してやるからよ」

 

「は、はい///」

 

「だから、そんな悲しそうな顔するなよ。な」

 

「わ、わかりました!」

 

「なに、永遠の別れじゃあないんだからな」

 

「…なら、最後の我が儘を聞いて頂けますか?」

 

「おう、俺で出来る範囲ならな」

 

「…でしたら、強く抱きしめてください///」

 

「…こ、こうか?///」ギュ

 

「ええ///」

 

「///」

 

「フフフ、これは良いものですね///」

 

「ま、まぁな…」

 

「あら?照れていらっしゃるのですか?」

 

「そ、そんな事ないぞ!」

 

「フフフ///なら、そうしておきましょう」

 

そうして、千冬とシャルルが戻って来るまで2人はひとしきり抱き合っていた。

 

 

 




冒頭でも言いましたが、次回からタッグマッチトーナメントが始まります。


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