真剣で我流に恋しなさい!   作:コブー

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第13話 風間ファミリーと我武者羅

「勇・往・邁・進!」

 

「我・武・者・羅!」

 

 

川神学園の通学路で一子がタイヤを引いて走って、タイヤの上に瞭太が座っているのである。

 

「寝たきり生活だったからシャバの空気がうめぇ!」

 

未だに両腕が折れてる瞭太。決闘の翌日は1日ゴロゴロしていたが2日目は散歩と言う名の一子の修行に付き合っていた。

 

「一子!そこの角を右ね」

 

「うん!・・・って私はタクシーじゃないよ!!」

 

「ちゃんとタクシー代を払うからさ。はい!お菓子どーぞ!」

 

「わーい!」

 

 

一子を簡単に手懐けてる瞭太だった。

 

 

「おい!いたぞ!!」

 

 

「「ん?」」モグモグ

 

2人仲良く お菓子を食べてると柄の悪い連中がやって来た。

 

「お前が川神百代を倒した奴だな?俺達と勝負しろ!」

 

やはり瞭太の名は知れてるが瞭太は相手する気は無かった。そもそも最初から相手するつもりは無い。

 

「いや俺 両腕が折れてるし」

 

怪我が完治してないから相手するつもりは無いのだが・・・

 

「知るか!!いいから俺達と勝負しろ!!」

 

「ちょっと!!怪我人を無理矢理 闘わすなんて卑怯よ!」

 

「うるせぇ!!」

 

相手は瞭太の事情を無視して挑もうとするが・・・

 

「面白そうな事をしようとしてるな?」

 

「義姉様!」

 

風間ファミリーの皆と百代がやって来た。

 

「ハッ!誰かと思えば負け犬の【元】武神じゃないか!」

 

「しゃしゃり出るなよ敗北者!!」

 

「お前の時代は終わったんだよ!次は俺達の時代だ!ヒャッハー!」

 

 

「・・・・・」ギリッ!

 

 

京は不良達に歯軋りして睨むが百代がこんな目にあってる原因を作った瞭太にも睨む。

 

しかし京は頭では理解している。同じ武人なら瞭太自身は何も悪くないと・・・だけど心の何処かで瞭太を認めたくなかった。

 

「(おーおー。然り気無く睨んじゃって怖いね~・・・さてと・・・)」

 

 

しかし当の本人は京の視線はどーでもよかった。

 

 

だけど瞭太もまだまだ未熟だった・・・

 

 

「おい。相手してやるよ」

 

 

「あ?今俺等の相手をするって言ったか?」

 

 

「言ったさ。聞こえなかったか?」

 

 

「言ったんだな?上等だ。テメェら!相手にしてくれるってよ!!コイツ満身創痍だから次の武神は俺達だ!!」

 

 

「「「ウオオオオオ!!!」」」

 

 

不良連中は喜んでいたが百代が瞭太に問い詰めてた。

 

「お前は完治もしてないのに何を考えてんだ!?」

 

「何をって・・・連中をぶちのめすんだけど?」

 

「お前は両腕が折れてるんだぞ!!・・・昨日だってお前に挑もうとする輩がいたんだ。お前が満身創痍なのに・・・そんな輩は私が潰したが」

 

「物騒な気配を感じてたから何だと思ったらそーゆー事か・・・百代」

 

「何だ?」

 

 

「俺はお前に勝った。それは事実だ。・・・俺は回りに何を言われようが知った事じゃない。例え卑怯な手を使って勝ったとか言われようが知った事じゃない。・・・回りの連中が何を言おうが俺と闘った百代が俺の事を知ってれば満足なんだよ。・・・だけどな百代・・・」

 

 

瞭太から闘気が溢れる。

 

 

「俺はまだまだ未熟者だ・・・怒り任せに決闘を挑んでしまうが・・・」

 

 

瞭太の顔は怒りに満ちていた。

 

 

好敵手(百代)をバカにされて黙ってると思ったら大間違いだ

 

 

「お前・・・」

 

 

受ける気が無かった決闘を受けた理由は百代をバカにしたからだった。

 

 

 

「それに両腕が折れてる相手に大勢で挑むゴミに負けるつもりは無いね」

 

「何だとテメェ!!」

 

今の瞭太には不良連中相手に武人として相手をする積もりは無いようだ。

 

 

 

 

 

 

ー変態大橋ー

 

場所を変態大橋に移動して瞭太と不良集団が対立する。

 

「(とはいえ両腕は折れてるから【打ち上げ花火】や【剛力無双拳】とか使えないし・・・足技でやるしかないか・・・そうだ!!新必殺技があった!!)」

 

 

「テメェら!やってしまえ!!」

 

「「「「ヒャッハー!」」」」

 

 

不良連中は瞭太に走り出そうとするが瞭太は開始と同時に右足を大きく後ろにあげた。

 

 

 

 

橋の上で風間ファミリーが闘いを観戦していたが・・・

 

 

「離せ犬!!両腕が折れて満身創痍の武人に多数に挑む愚か者達に鉄槌を!!」

 

「落ち着きなさいよクリ!」

 

正義をモットーにしてるクリスは闘いに加勢にしようとしていて、一子がクリスを止めていた。

 

確かにクリスの言葉は最もだ。両腕が折れてる瞭太に対して無理矢理に闘わせようとしてたので許せる訳がない。

 

 

「でもよ モモ先輩を倒したなら余裕じゃないのか?」

 

風間(キャップ)が瞭太を見て言う。

 

「まだ2日目です風間さん。両腕が折れてるって本人は言ってますけど瞭太さんはあばら骨とかにもヒビがあるんです。それなのに相手の決闘を挑む理由は・・・」

 

「私の事をバカにしたからだろうな」

 

「姉さん」

 

「瞭太は自分の為に闘うんじゃなくて義姉様の為に・・・」

 

百代は京の側に立って言う。

 

 

「お前が瞭太を睨んでた時に瞭太は京の視線に気がついてた」

 

「・・・」

 

「だけどアイツは【知った事では無い】って感じだっただろ?【回りの評価より闘った相手が自分の強さを分かってて貰えれば良い】って瞭太が私に言ったんだ」

 

「・・・」

 

「同じ武人ならアイツから何か感じるだろ?」

 

「・・・恐ろしいくらいに真っ直ぐ」

 

「アイツは・・・瞭太は・・・拳で語るとアイツの事が分かるようになるし見てればアイツの武も分かるさ」

 

「・・・」

 

百代に言われた京は瞭太の闘いを見る

 

 

「何だ?右足を大きく後ろにあげたぞ?」

 

「何をするんだろ?」

 

ガクトとモロが瞭太の行動に疑問を感じる。

 

 

 

「我武者羅流 旋風脚(せんぷうきゃく)!」

 

 

 

後ろに振り上げた右足を思いっきりその場で蹴るが・・・

 

 

「何も起きないじゃねぇか!」

 

「空振りシュートじゃねえの?」

 

「ダッセー!」

 

「ギャハハハハハハ!!」

 

 

何も起きてないから不良連中は高らかに笑うが既に瞭太の攻撃は始まっていた。

 

 

「ん?何か風が吹いてきたな?」

 

「な、なあ。さっきから風が俺達に集まってないか?」

 

「集まってるもなにも・・・」

 

「風が集まりだしてる!?」

 

 

不良連中の回りに風が吹き始めたのだ。そして・・・

 

 

「「「「ぎゃああああああああ!!?」」」」

 

 

不良連中が居た場所に巨大な竜巻が発生して不良連中を吹き飛ばした。

 

 

ボチャン!!

 

 

吹き飛ばされた不良連中は川に落ちた。

 

 

「はい!終了!!」

 

 

瞭太は何事も無いように言った。

 

 

 

 

「「・・・・・」」

 

ガクト、モロは目の前の光景にポカンとして・・・

 

「スッゲー!!何が起きたんだ!!?」

 

風間は目の前の光景に目をキラキラさせてた。

 

「気を纏った蹴りの風圧で竜巻を発生させたんです」

 

由紀江が何が起きたか説明する。

 

「瞭太の武は我流。我流だから初見殺しとか見た事のある技を使うんだ。私の決闘の時は あの技は使っては無かったが・・・」

 

「瞭太さんは恐らく その場しのぎで必殺技を編み出して闘いをしますし、まだ見た事の無い必殺技を多数持ってるでしょう」

 

改めて瞭太の凄さに感服する由紀江だった。

 

「・・・」

 

クリスは瞭太の闘いを見て自分も気づかぬ内に闘気が溢れてた。

 

彼女も武人として百代を倒した瞭太が気になってはいた。学園の噂では卑怯な手を使って勝ったとか そんな噂があるが先程の闘いを見て確信した。

 

瞭太は己の実力で武神を倒したと・・・。

 

そして自分も彼と闘いたいと・・・。

 

 

「私も負けてられないな」

 

「ね、姉さん」

 

大和は百代の眼を見て気づいた。今まであった孤独の雰囲気が無くなってたのだ。

 

本当は自分の手で百代を何とかしたかったが、目の前にいる我武者羅の武人によって彼女は変わった。

 

 

「・・・」

 

京は瞭太の事は最初は許せなかった。だけど京も1人の武人。瞭太の闘いを・・・瞭太の武を見て気づいた。

頭では理解している。しかし心の何処かで認めたくなかった。自分も1人の武人。彼が自分より上手だった。先の百代にも言われた通り京は瞭太を睨んでたが瞭太本人は完全に知った事では無かった風だった。

 

「・・・」

 

複雑な心境の京だったが・・・瞭太の実力は認めるしかなかった。

 

 

 

 

そんな最中 瞭太は・・・

 

 

 

「(うぎゃあああああ!!?あばら骨に悲鳴ががががががががががが!!?)」

 

蹴りを放った衝撃で あばら骨にダメージがあった。

 

 




瞭太が放った技のイメージはイナズマイレブンの【サイクロン】です。

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