モンストキャラの日常 作:トマト大西
アルカディア達がスマホの中を確認した時より少し前…
ホームズとワトソンは町唯一の図書館に向かっていた
「しかしどうして急に図書館に行くなんて言い出したんですか?」
ワトソンが隣で砂糖水(滅茶苦茶濃い)を飲みながら歩いているホームズに聞く
「…門について調べているとなかなか興味深いことがわかってね」
「それは?」
「どうやら異界はひとつじゃないらしい」
「ひとつじゃない?」
「あぁ、宇宙警察…クエリーというんだが話によると彼女はこちらに逃げ込んだはずのホールズという犯罪組織のトップを追って来たらしいんだ」
「ホールズですか…名前似てますね」
「んでクエリーは追っている途中にホールズに発信器をつけたんだと。でとうとう追い詰めたって時に急に門が現れてホールズ共々門に吸い込まれたらしい」
「吸い込まれた?門は掃除機か何かですか?」
「さぁ?門がクエリー達を呼んでいたのかもしれないな…まぁそれはおいといて門から出たらホールズは消えてるわ発信器は反応消えてるわ散々だったらしい」
「でもそれがなんで異界が複数あるという結論になるんですか?」
「うむ、実はないたんだよ」
「?何がですか?」
ホームズは砂糖水を飲み干し、一息ついて立ち止まる
「クエリー以外にこちらに来た…そんな奴がね」
「!?しかしそんな情報聞いたことないですよ!?」
「だろうね。彼は巧みに自らの正体を隠していたよ…まさか本人がコスプレしてるだなんて誰も気づかないだろうね」
「コスプレということはこちらの世界でも一般的に知っている人がいるものですか…」
「そう。簡単にいえば最近流行りの異世界転生の逆みたいなものだな…まぁ彼は死んでないがね」
「…それでその彼とは?」
「君も聞いたことがあるはずだ…彼の名はロイゼ…こことは異なる世界で勇者と呼ばれた英雄だよ」
ロイゼ…そう聞いた瞬間、ワトソンは飲んでいたお茶を吹いた
「ゴホッ…ロイゼ!?あのロイゼの大冒険の!?」
「まぁそうだろう。彼もクエリーと同様に突如現れた門に吸い込まれたらしい」
「マジですか…ということはディル・ロッテも一緒に!?」
「君そんなに暑くなるようなあれだったっけ?…ディル・ロッテが誰か知らないけど彼はここに来たとき一人だったらしい」
それを聞いた瞬間ワトソンは誰が見てもわかるレベルでガックリと肩を落とした
「ぇ…ロイゼとディル・ロッテのイチャイチャが生で見れると思ってたのに…」
「そんな落ち込む!?」
「そりゃ大冒険ファンなら誰でも見たいと思いますよ!いいですか?そもそもロイゼはただ勇者の血が流れていること以外は普通の村の少年だったんですよ!それをガッチェスがディル・ロッテにドラゴンになる呪いをかけてそれを直すためにロイゼが冒険に出る…それがロイゼの大冒険のあらすじです!あらすじからわかるようにディル・ロッテはロイゼの大冒険のヒロインなんですよ!彼女は気弱でただ音楽を奏でることが好きなロイゼの幼馴染…そんな彼女がロイゼがピンチの最終局面、自身の呪いを受け入れてドラゴンの力を使いロイゼを助けるんですよ!今まで気弱だった少女が幼馴染のために、勇気を出して!その後呪いは完全には直せず満月の日にしか人間に戻れなくなってしまうけどそんなディル・ロッテを受け入れて共に暮らそうと手を差し伸べるロイゼ…あぁ!思い出したらもう一回やりたくなってきた!ホームズ!帰って今からやってきていいですか!?」
「ダメに決まってるだろ」
「なんでですか!」
「なんでいいと思ったんだよ」
「だって図書館に行っても大したこと話さないでしょ!?」
「…その図書館に異界の門の何処かに繋がっている鍵を持っている司書がいるんだよ」
「…鍵?」
「そ、もしかしたらその鍵が君の好きなロイゼの大冒険の世界に繋がっているかもよ?」
「いや、自分が行くのは違うんですよ。私は外からあの冒険を見たいんですよ」
「…そういうものか?」
「そういうものです」
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「しかしここにいるんですか?その鍵を持つ司書は」
「あぁ…恐らく彼女だな」
二人はカウンターで書類をいじっている司書に近づき話しかける
「失礼、よろしいかな?」
「…?はい?」
「私は探偵をやっているものだが…君がエリュシオンであっているかな?」
そこにいたのは銀髪で眼鏡をかけたいかにも司書な女性だった
「えぇ…確かに私がエリュシオンですが…あの奥で話を聞きますので…」
そうエリュシオンがいい、二人を奥につれていく
奥の会議スペースに通された二人はエリュシオンが座ったのを確認するとソファーに座る
「えぇと私に話しとは?正直何かをやったという自覚はないのですが…」
「いやいや君が何か犯罪を犯したとかそういうので今日は来てないから安心してくれ」
「はぁ、では何です?」
「うむ、率直に聞こう。君は異界の鍵を所持しているね?」
ホームズがそう聞くとエリュシオンは少し考えて
「…異界の鍵?はて何のことやら…」
と言う
「何か心当たりとかはあるかい?」
「心当たりもなにも異界の鍵って何なんですか?もしかしてからかってます?」
「いや、君が知らないならそれでいい…時間を取らせて悪かったね。帰るぞ」
「え?もうですか?まだここに来てからそんなたってないですけど」
「我々にはやるべきことがあるだろう?」
ホームズが指でトントンとエリュシオンから見えないようにワトソンの腰を叩く
「…わかりました。ではエリュシオンさん。私たちはこの辺で」
「はぁ…」
バタンとドアを開けてホームズとワトソンは部屋を出ていく
部屋には少し険しい顔をしたエリュシオンだけが取り残された
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ワトソンは事務所に付くなりキャンディをなめだしたホームズに今日のことについて聞く
「で?どうしてあそこで緊急撤収の合図を?」
あの腰を指で叩く動作は二人で決めていた合図だった
「…あのエリュシオン。あれは間違いなく黒だ」
「!?どうしてですか?ホームズが言う鍵とやらもなかったですけど…」
「あったんだよ。見事に本棚にね」
「?ありましたか?まさか本に偽装してたとか?」
「いや、彼女が常に持っていたあの本…あれが鍵だよ」
「それはまたどうして」
「私が鍵について聞いたとき、彼女は微かに本を強く握ったんだ。それに目線も一瞬だが本に向かっていた」
「なるほど…でも確信はできないですよね」
「だから鍵を持っているかは定かではないがあの動作は間違いなく黒だろう…恐らく今夜にでも動き出すぞ」
ワトソンはそんなことあるわけが…と半信半疑で部屋に戻っていった
翌朝、朝刊の見出しにはこう書かれていた
『深夜にいったい何が!?図書館強盗』
ホームズのキャラムズい…