【完結】川口息吹は憑依転生者な器用貧乏だけどかわいい   作:風早 海月

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第25話 ぅゎょぅι゛ょっょぃ

1回の裏、ツーアウトノーラン。点差はゼロ。

 

咲桜の攻撃力は強打のチームとはいえ、熊実とは大きく異なる。熊実は長打によって点を伸ばし、咲桜は小さな当たりの乱発と持ち前の足の速さで塁を駆け抜ける。

よって、清水さんは咲桜の特徴を消しかねない存在ではある。なぜなら……彼女が打てばランナーが消えるから。

 

 

1番小関さん。

ライト方向へ当てるも、前進守備を敷いていた外野に打ち取られる。スリーアウト。

 

ランナーがいるのといないのとでは、ピッチャーにかかる負担やプレッシャーは異なる。点差ゼロになったとはいえ、咲桜のランナーほどプレッシャーのかかる相手はいない。理沙先輩も制球が落ち着きはじめて、低めに収まりはじめた。

私は追い込まれる前に打ってくれた咲桜打線に少し感謝する。私みたいにちょっと卑怯な小技は使ってこなかった。そのおかげで理沙先輩の投球数は23球で済んでいる。逆に咲桜のエース松原さんは既に46球も投げさせた。球数を投げさせられるというのはかなりのスタミナを食うのだ。理沙先輩がまだまだ投げられる球数なので、これは助かった。

 

「理沙先輩、お疲れ様です」

「ごめんね…あんなビッグイニングだったのにふいにしちゃったわ」

「大丈夫ですよ。次は稜からですから…稜が出塁出来れば私が必ず返します」

 

芳乃からは次打席からはホームランよりも二塁打三塁打を狙って打って欲しいと要望を受けている。これは先程の清水さんと同じ理由だ。

さらに二塁打三塁打ならばフォースの状態を回避出来るので、相手にプレッシャーを与えられる。

 

 

 

2回の表、新越谷の攻撃。

 

3番の稜。

ボールの上っ面を叩いた上に、流し方向へ緩い打球となる。打球が転がる先は県内最高遊撃手の田辺さんの守備位置へ。ショートゴロ。

 

 

4番の私。

この状態なら、三塁打が欲しい。なら打つべきはライトの奥、ライト線ギリギリ。

ライト線方向へ引っ張って…あ。弱かったわね…二塁で止まっておきましょう。

ワンアウト二塁。

 

 

5番理沙先輩。

レフト前に落ちる打球。一・三塁に変わる。

 

 

6番光ちゃん。

意表を突いたスクイズの指示。投球スタートから私は三塁を蹴る。外すことは出来なかった様で、光ちゃんは丁寧にサードへ転がす。私はホームイン。光ちゃんはセーフティのようになってらギリギリセーフ。

ワンアウト一・二塁。

 

 

7番白菊。

初球から振って、引っ張り方向にゴロを出してしまう。

ショート田辺さんが捕球して、そのままグラブトス。サードが捕球して、三塁アウト。サードは一塁送球一塁アウト。6-5-3のゲッツーとなる。

スリーアウト。

 

これはまずい…咲桜に守備の流れが出はじめてる。芳乃に視線で光ちゃんを出すか問うけど、悩んでいる。私は声をかけることにした。

 

「どうするの、ここで打たれたらあっちに流れ持っていかれるわよ」

「…うん、でもここは理沙先輩で引っ張りたい」

「ここで負ければ次の試合もないわ。そんな大前提忘れてない?」

「……そうだね…ここは……光先輩の方がいい」

「みんな、集まって!」

 

私は芳乃を説得すると、守備に向かおうとするみんなを引き止める。

 

「シートを変更するよ!」

 

芳乃はみんなにシート変更を伝える。

珠姫がレフトに。

理沙先輩がサードに。

光ちゃんが投手に。

私が捕手に。

それぞれ変更する。

 

 

球審に伝えて、シートを変更。

 

マウンドに立った光ちゃんの球を受ける。

うん、コントロールも悪くない。

 

私は光ちゃんに球を手渡しに行く。

 

「ノーランで6回まで投げるつもりでよろしくね」

「あはは…がんばるよ」

 

 

 

2回の裏。

2番北内さん。

左打ちの彼女には、外角低めにスライダー、内角高めにシュートをそれぞれ投げて最後にスプリットで空振りを奪う。ワンアウト。

 

 

3番田辺さん。

内角高めにストレート、同じコースでスライダー、外角低めにシンカーで仕留める。ツーアウト。

 

 

4番末原さん。

低めにスプリット。2球目もスプリットだけど初球より外側。最後はストレートを内角高めに。バットはボールの下を通って三振。

光ちゃんのストレートはバックスピンが良いので、上に浮あがる。だからストレートも変化球と言っても過言ではない。

 

「ナイピ!」

「うん、息吹ちゃんのリードのおかげだよ」

「そう?ありがと」

 

これで光ちゃんは三者連続三振だ。

 

 

 

3回の表。

8番主将。ライトへゴロヒットを打つ。ノーアウト一塁。

 

 

9番珠姫は送りバントの構え。内野はかなりの前進守備となる。

これは恐らく先程もバントだったため、バスターの危険が少ないと判断したのだと思う。だけど…投球開始から内野はさらに前進。珠姫はサードの頭上を超えるプッシュバントで出塁した。ノーアウト一・二塁。

 

 

1番希。

安定のセンター返しで満塁へ。

 

 

2番菫。エンドランを満塁で仕掛けた芳乃の策略は功を奏したの…かな?

レフトへのゴロで、三塁にいた主将は快足飛ばしてホームイン。レフトはサードへ送球、アウト。さらにショートへ送球してアウト。ファーストにさらに送球したが、際どいプレー。

 

「アウト!」

 

…トリプルプレーやん。1打点トリプルプレーが両立って…なんて珍しい……いや、そもそも1回の時点で頭おかしいし、関係ないか。

 

 

 

 

3回の裏。

5番丸山さんから。

内角高めストレート、内角高めスライダーでツーストライクに追い込んで、変化量の多いシンカーで逃げるように三振を誘う。

 

4人連続で三球三振。

 

 

6番錠さん。

左打者なので、スライダーから入ってついでスプリット。ツーストライクに持ち込んでから、もう一度、今度はシンカーをゾーン外に外して空振りを誘う。今まで全てがゾーン内だったので、錠さんは先入観で振ってしまった。

 

5人目の三球三振。

 

 

7番瑠璃さん。

スライダーを瑠璃さんに当てるギリギリに投げる。避けてボール。

第2球、低めのスプリット…って打った!

 

「セカンっ!」

「任せて!」

 

やはりミート力が凄い。手元で落ちる球なのによく当てる…セカンドゴロでスリーアウト。

 

「2連続で三者凡退!ナイスよ」

「うん、ありがとう。それより、息吹ちゃん次ネクストだよすぐ外さないと」

「ありがと」

 

光ちゃんが防具を外してくれる。

 

 

 

 

4回の表、3番稜から。

 

稜はセンター前に返して、ノーアウト一塁。

 

 

 

続いて4番の私。

は歩かされた。ノーアウト一・二塁。

 

 

5番理沙先輩。

芳乃から重盗のサインが出る。

 

そういえば、咲桜はさっき重盗を時差式で行ったけど、あれはサインが出てなかったんじゃないかと思う。なぜなら、同時にやった方が両方アウトという結果にはならないから。

 

清水さんの送球は丁寧にサードの瑠璃さんの捕球しやすい低めに収まり、稜はアウト。私は二塁に到達する。

 

理沙先輩は2球目をゴロでショートに。誤ってスタートしてしまった私は二遊間に挟殺プレー…だけど、ここは芳乃のコピー。って無理があったようで、流石に田辺さんに仕留められた。ツーアウト一塁。

 

「ごめん、判断ミスしたわ」

「ドンマイ!まぁ2点リードしてるし、大丈夫だよ!」

 

そんなことないのは芳乃もよく分かっていた。攻撃の勢いはどんどん止まってきている。ここでもう1点欲しいところだった。

 

 

6番光ちゃん。

ライト前に飛ばす。これでツーアウト一・二塁。

 

 

7番白菊はレフトフライに倒れてスリーアウト。二者残塁。

 

 

 

4回裏。

8番ピッチャー松原さん。

5球で三振にうちとる。

 

 

そしてやってきた9番清水さん。

ここで私は球を手渡しに行く。

 

「どうする?さっきの理沙先輩から奪った本塁打はまぐれじゃないわよ」

「うん…とりあえず際どいコース投げて、カウント悪くなったら歩かせる…でいいんじゃないかな」

「分かった。スプリット主体でいくわ」

 

私は戻って低めに構える。

 

(スプリット、外角低め。変化少なくていいから速いの)

(うん、やってみるよ)

 

スプリットは外角低めにストンと落ちる。ストライク。

 

(シンカーで外そう)

(真ん中くらいでいい?)

(ええ、それくらいの方が手を出してくれるかも)

 

第2球を清水さんはハーフスイング。球審はボールを宣告。

私はハーフスイングの塁審確認をアピールする。

球審が一塁審を指さす。

一塁審はアウトの動作をする。

球審はカウントの訂正を行う。ツーストライク。

 

(これはラッキーだったわね。今のが外角中ほどだったから、もう少し低めにゾーンに入るようにシンカー)

(うん)

 

同じようなコースに見えて、実はストライクゾーンに入っているという球だ。

 

第3球を投げた…

 

 

 

カンッ―――!

 

 

 

 

大きく当たった打球は左中間に飛んでいく。

 

が、主将のダイビングキャッチでセンターフライとなる。

 

 

 

 

続く1番小関さんも三振にうちとって三者凡退。

 

これで3イニング連続で三者凡退とした。

 

 

 

 

 

なに、光ちゃん強くない?

……そういえば幼女先輩って、ファンの間で呼ばれてるのよね、あっ(察し)

 

 

ぅゎょぅι゛ょっょぃ

(サブタイ回収)

 

 

 

 

 





すみません、今週は更新が出来ない可能性があります。
今日もちょっと忙しくてなんか味気無くなっちゃいましたよね…


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