【完結】川口息吹は憑依転生者な器用貧乏だけどかわいい   作:風早 海月

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第7話 なんか新越谷強くない?なにこれ?

ゴールデンウィークの合宿で、各々の課題をこなし、とうとう練習試合に。

 

第1試合は大鷲高校対新越谷。

第2試合は新越谷対藤和Bチーム。

第3試合が藤和Bチーム対大鷲高校。

 

新越谷の試合の打順と守備位置と試合経過を記そう。

え?なんでこんな口調なのか?なんかね…とりあえず試合結果見てちょうだいよ。

 

打順と初期守備位置

1 希(一)

2 菫(二)

3 珠姫(捕)

4 主将(中)

5 私(左)

6 理沙先輩(三)

7 稜(遊)

8 白菊(右)

9 詠深(投)

 

第1試合

    1 2 3 4 5 6 7 計

大鷲  0 2 3 0 1 0 0 6

新越谷 2 0 1 0 0 1 1 5

 

ちなみに原作では9-4で敗戦するはずだった。

 

 

第2試合

    1 2 3 4 5 6 7 計

新越谷 1 0 0 0 1 0 3 5

藤和  0 0 1 1 0 2 0 4

 

まだね、第1試合は許せるのよ。負けてるし。なんで第2試合勝ってるの?ちょっとよく分からないわ…

 

ちなみに、私は両試合に合わせて3イニングに登板して、第2試合でセーブを記録した。コピー投法を1球づつ選手を変えて打ち取るのはなかなかに爽快だった。私のパワーの許す限りの球速しか出ないけど、本来出来ない1球ずつで投手を変えているようなものなのだから当然打てる人は少ない。三振5個を取り、失点ゼロと、クローザーとしては最高の形となった。

 

うん、何故かね、主砲の打率がおかしいのよ。私はともかくとして、希と主将の打率がイッちゃってる。あ、私のOPSも2.000超えてる。まぁほら、まだ試合数少ないし、仕方ないよね。

 

ちなみに今までの3試合を数値にすると…

   打率 打点 塁打数 OPS

私  .750  5  12   2.333

主将 .750  5  13   1.833

希  .615  0  11   1.462

珠姫 .364  1   4   0.780

 

参考に全国区レベルの捕手である珠姫を載せたが、この異常性が分かるだろうか。ちなみに希は得点圏打率これで0です。

 

対戦したチームは決して弱くはない。ベスト32~16レベル。私はともかくとして、主将と希はヤバい。ってか主将の得点圏打率.875で、打点5…原作よりやばない?私なんかした?……もしかしてだけど、初心者の相手が半分になった分余裕が出来て…とか?うわ、すごいな…

 

ちなみに私の主観と偏見だけど高校野球では、打率3.3割、出塁率5.2割が欲しいところ…って思ってたんだけどさ、余裕で超えてるんだけど。何この生き物(私含めて)。

 

 

 

合宿を終えて、次の週。それまでの練習に投手陣の制球力や球速向上のためのメニューと、打撃力向上のメニューが加えられた。

 

そんな中、私は月曜日の練習を藤井先生と主将に断ってから練習を休んだ…というより、特殊な任務を開始した。そう、光先輩を誘拐…訂正、勧誘するのだ。

 

普段行かない棟の行かない階。そっと足を忍ばせる。

そこからは野球部の練習グラウンドが見渡せるポイントなのだ。

 

「はぁ…」

 

ため息を零しながら練習場を眺める幼女先輩光先輩。

 

…ふっふっふ……そんなに無防備だと抱きしめちゃいますよ〜。ヤバい、かわいすぎる。いや、珠姫と稜もちんまりしてるけど、なんか違うんだよね…なんか…分かるよね?ね?

 

後ろからそっと近づいて、思いっきり抱きしめる。

 

「ひゃぁ!?」

「川原光先輩ですね?」

「だ、誰!?」

「1年の川口息吹です」

 

光先輩を解放して、半歩下がる。

 

「あ…野球部の…双子の子」

「双子の姉の方ですよ」

「わ、私に何か?今野球部練習中じゃあ…?」

 

光先輩はチラリとグラウンドを見ながら続けざまにそう問いかける。

 

「ええ、練習中ですね。練習を毎日毎日ここから見てるかわいい先輩が気になって来ちゃいました」

「ええ、と?」

「川原光先輩、一緒に野球をしませんか?去年からのメンバーは2年生の2人以外いませんし、雰囲気も全然違うはずです」

 

なんせ、芳乃のためのチームみたいなものだし…実際、野球のことについてはほぼ芳乃が実権を握っている。多分監督が監督らしくなるのは芳乃の引退後だね。

 

「でも…」

「大丈夫です。みんな優しいから受け入れてもらえますよ」

 

それでもうじうじしている光先輩がめんどくさくなってきて、仕方ないと、何も言わずに光先輩をお姫様抱っこでグラウンドへ持っていくことにした。

 

「ひぃ!?わ、私筋肉質で重いよ!?」

 

みんなよく知らない事なんだけど、お姫様抱っこって意外と出来ちゃうもんなんだよ?

……前世で筋トレの重り代わりにお姫様抱っこして走るっていうことを思いついた先輩がいて、野球部のムキムキ同士がお姫様抱っこするという誰得な状況になったことがあり…その時にその先輩が言っていたのだ。要は重心と……

 

「骨格の支え方です!」

 

ちなみにその先輩はいわゆるヤリチ〇で、性行為の限界を知るために人間の骨格と筋肉についてのスペシャリストとなったらしい。こいつアホや…って思ったわ。ちなみにその先輩、相手は男女問わずだった…らしい。

 

 

 

「キャプテン、連れてきました!」

「…お、おお…」

 

主将は何故か微妙な顔。他のみんなも、苦笑いやら顔を赤くするとか…なんで?

 

「あの…降ろして…」

 

顔を真っ赤に染めた光先輩が小さい声でお願いしてくる。うん、かわいい。……なるほど、みんな光先輩のかわいさにやられちゃったのね。

 

「なぁ、人ってあんな簡単にお姫様抱っこできるのか?」

「私に聞かれても知らないっすよ。先輩こそ理沙先輩とどうなんすか?」

「いや、私たちはそんな関係じゃ…そもそも理沙は重―――ぐッ」

 

なんかコソコソ主将と稜が話していたら何故か理沙先輩が主将に肘鉄を入れた。

光先輩が顔を赤くしながら私を見上げる。かわいすぎ。キュン死してまう。

 

「あんたね…そろそろ降ろしてあげなさいよ。それに、誰よその子」

 

菫が、2年生とは知らずに言う。まぁこんなにかわいいし仕方ないよね!私はしぶしぶだが、光先輩を降ろす。

主将には予めある程度話はしてある。

 

「2年主将の岡田です。入部希望で大丈夫?」

「ええっと…その…はい」

「じゃあ適当にポジションとか自己紹介お願いします」

 

光先輩の周りにみんな集まっている。

 

「川原光、2年生です。去年はあの状態で…結局入部しないで外部の軟式チームにいました。ポジションはメインが投手で、サブに外野手が出来ます。よろしくお願いします」

「2年生!」

「なんか希っぽいな」

 

二遊間凸凹コンビが思わず零す。

 

「私たちも2年だけど…話したことないわよね?」

「何組?私たち四組」

「六組。棟違うし会うこと無いよね」

 

光先輩がタメ口で落ち着いて主将と話してると胸が痛いです!これが恋なのですか!野球漬けで彼女どころか初恋もせずに死んだせいで分かりません!

…まぁ冗談はともかくとして、これでピッチャーは4人。

 

先発に詠深、中継ぎに光先輩、抑えに私、控えで理沙先輩。これは強い。

「幼女は強かった」というガガーリンの言葉も正しい(錯乱)。

 

 

 

この日からチームに加わった光先輩。

フリー打撃ではかっ飛ばし、投げては球種の多さで圧倒する。

ストレートは回転がよくかかっていて、変化球はチェンジアップ・スライダー・シュート・スプリット、さらに練習中の変化球にシンカーとワンシームがある。打者との駆け引きで打ち取るタイプの投手。

高校野球でこれだけの変化球を持つのは相手にとってなかなかに厄介だと思う。変化球なんて決め球ともうひとつあれば良い。例えば詠深はそのタイプ。あの球とツーシーム。カットボールも持っているけど、あまり良くないためあまり使わないのよね。それに対して光先輩は練習中も含めて6球種の変化球を持つ。変幻自在の変化球に打者は凡打続出でしょう。

 

とはいえ…4人の投手の相手をする珠姫の負担はかなり増えている。そのため、打順を下位打線に置くことを週末の練習試合で試すことに。

 

 

松経高校と総州学院高校。

 

まずは試作した打順で先の松経高校との対戦し、その結果で総州戦での打順を変える。

この日、眠れる虎を起こしてしまったのかもしれないと、私は本気で考えてしまうほどには信じ難いことが起こった。

 

まず第1試合は松経高校対総州学院高校。

次の第2試合からが新越谷の練習試合だ。

 

第2試合メンバー表

1 希(一)

2 菫(二)

3 私(左)

4 主将(中)

5 理沙先輩(三)

6 光先輩(投)

7 珠姫(捕)

8 稜(遊)

9 白菊(右)

 

詠深は第3試合を完投させるために温存。私はとうとう3番になった。

 

第2試合

    1 2 3 4 5 6 7 計

新越谷 3 0 3 0 0 0 0 6

松経  0 0 1 0 0 3 0 4

 

この試合で光先輩は、6投球回4失点1奪三振で投球数83球を投げ抜いた。

さらに、打撃では3打席1三塁打2犠飛で2打点。大振りなスイングで、コントロールも良い。打撃面ではうちの打撃ヤバい3人に比肩するだろう。

 

これを受けて第3試合。

 

第3試合メンバー表

1 希(一)

2 私(二)

3 光先輩(左)

4 主将(中)

5 理沙先輩(三)

6 珠姫(捕)

7 稜(遊)

8 白菊(右)

9 詠深(投)

 

今度は珍しいことに私が菫の代わりになった。送りバントなど、珍しく感じた。これも多分可能性の1形態…芳乃の考えてることよく分からないけど。菫は上位打線としては打率があまり良くない。もちろん2番としての適性は高いけど、長打も打てる(私が)2番という選択肢のひとつ。

 

    1 2 3 4 5 6 7 計

総州  0 0 0 2 0 0 0 2

新越谷 1 0 2 0 1 0 X 4

 

詠深は、6投球回2失点4奪三振で投球数81球を投げた。最終回で三者連続単打を受けてノーアウト満塁になってしまって、私と交代。セカンドには菫が入った。三振とサードゴロからのゲッツーで詠深の防御率に貢献した。

これで私は2試合連続でセーブを記録することとなった。

 

…なーんかほんとに抑えとかセットアッパーになってきてないかしら?

まぁ敗戦処理係にならなくて良かったけど…ね。おかげで防御率今のところ0.00とヤバい。

 

そして何よりもっとやばいのが、光先輩。言うの避けてたけど、もう逸らす話題もないから言うけどね、この二試合終えて打率10割なのよ。

6打席 4打数 4安打 3打点 2犠飛

2三塁打 1二塁打 打率1.000

OPS 2.197

 

まぁ、2試合だからね。まだ偏ってるんだよね。主将と希の打率も6割ちょいで落ち着いた(?)し…きっとそうだよね(目逸らし)。

 

だからあえて言おう。

 

 

 

 

なんか新越谷強くない?なにこれ。

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