ONE PIECE アンリミテッドドリーム ~羽ばたく天使と夢の狭間に~ 作:陰陽の使者
十人目
~???島~
「ん…」
朝起きる。空を見る。いつもと変わらない風景。
「…お坊ちゃま、おはようございます。」
ああ、やさしい執事さんが来た。
「…おなかすいた。」
「それはそれは。今日は何をお召し上がりしますか?」
「ん…トーストとベーコンがいい。」
「かしこまりました」
執事さんが部屋から去ろうとするが、ふと足を止める。
「そういえば、知ってますか?お坊ちゃまの仲間は、昨日の夜二人も増えました。」
「…ふーん。」
「とても強そうな方々ですから、ぜひ後でお会いしてください。」
「…うん。わかった。」
「では。」
そういい残し、執事さんは消えた。普通の日常だ。
さて…今日は何をしようかな…
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~新世界のどこか、サウザンドサニー号真上~
「…ん~異常なし、っと。なかなかいい出来ね。」
空中でおかしな乗り物に乗りながら、つぶやく一人の女性。隣に、真っ黒い鳥が宙を舞う。
「…よし。スカイバーのテストフライトはこれぐらいにして…あら?」
ふと、真下の船に注意を向ける。いや、船じゃない。その真正面の海だ。
何か海から泡が吹き出てる。何かしらと思うまもなく…
ザッパーーーーン
「…おお。海王類じゃんか。」
船ごと持ち上げるほどのでかさの頭を出し、巨大のまだら柄の怪物が現れた。そのでかさかと言うと…
「おお、おまえか。どうだ、それ?」
「ん、完璧よ。感謝してるわ。」
「あったりめーだ!このス~パ~な俺様の手に取っちゃ、どうってことねえ!」
船がが、空中の女の子に届くぐらいの高さへと持ち上げられるぐらい大きい。
「オイ、暢気に話してる場合か!食べられちゃうぞ!」
「うわぁぁぁぁぁ!!く~~わ~~れ~~る~~~!!」
「大丈夫、この位置なら、船は食べられないわ…海に落ちなかったら、の話だけど。」
「怖いこといわないでよ!何とかしなさい!早く!」
「は~~~~~~~いい!あなたのご命令なら、死んでもかまいません!ほらくそマリモ、おきろ!」
「ああ!けんか売ってるのか、エロガッパ!」
「にょほほ、しかし突然現れたから、思わず心臓飛び出ると思いましたよ。あ、私、心臓ないんですけど。」
海王類は、かなり凶暴だったが、それに対しての反応はさまざま。大慌て状態の人もいれば、まったく動じない人もいる。船の上は、まさに十人十色。
で、肝心の十人目は…
船のライオンの形の船首から、大声で叫ぶ。
「オイ、魚!ここからおろせ!船が進まなくなっちまったじゃねえか!」
「ちょっと、なに言ってのよ!海王類だよ、しかも新世界の!」
「ああ、今までのと断然格が違うぞ!!」
「挑発しないでくれ~~~」
「私、消化されるのはいやです!あ、でも、骨は消化されないんでしたっけ。」
悲惨に命乞いする三以外、ほかはにやりとする。
「へ…ちょうど退屈だった。相手してやる。」
「マリモは引っ込め!俺が徹底的に調理してやる!」
「今週のオレはス~~パ~~~!!オレ様に任せろ!」
「ふふ。後悔させてもらうわよ。」
「よし!ぶっ飛ばす!」
掛け声に対し、海王類はかなり怒りのこもったうなりだす。
たった一人、何も言わない人物がいた。空を飛んだ女の子は、静かに船のレールに歩き…
「よっと。」
船から飛び降りる。
「!?」「ちょっと!」
驚きの掛け声の間に、海王類は集中を船から、落ちる女の子に向ける。巨大な口を開け顔を乗り出し、船が落ち始める。
「ちょちょちょ!落ちる~~~~!!」
「いや、落ちるのは初めてじゃないだろ?」
「ちょっと黙れ!」
グオオオォォォォォ!!
女の子を口の中に入れ、口を閉じる寸前のところで…
「剃!」
バクンと閉めるが、女の子はそこにはいない。閉まった口の、真下に現れた女の子は、海王類の首めがけて…
「指銃!!」
指を使った強烈な一撃。余りの痛みに耐えず、海王類はあっさり気絶する。顔が海の底へ沈み始めるところで…
「月歩!」
空を歩くように、女の子は落ちる船のデッキに戻る。タンと着陸して。
「戦闘員アイル!ちょっと活躍しました!」
ザッパ~~~~~ン!!
船が水面にぶつかるのと、海王類が沈みきるのが同時におき、大きな水しぶきが、船をぬらす。
「ああ!よくやった!」
ずっと船首から動かなかった、笑いながら女の子をほめる麦わらの船長は。
「ふん…それぐらいやらなきゃ、戦闘員の名は預けねーぜ。」
三本の刀を腰に差した、マストに腰掛た片目のもう一人の戦闘員は、。
「まったく、本当勝負馬鹿は…女の子とは思えないわ。」
露出度の高い水着と腕のログポーズを付けたは、あきれたように腕を上げる航海士。
「まったく、あなたのそれを舞う姿はいつもきれいです、アイルちゃん!もう惚れ直しました!」
ハート型のタバコを吐き、ラブラブダンスを踊る黒をまとうコック。
「よーし、よくやった!俺様の「魚捕り計画」は大成功のようだな!」
異常なほど鼻の長く、見透かした嘘を語る狙撃者。
「ええ、そうなのか!すげ~~!」
傾いた十字架の帽子をかぶり、あっさりと信じてしまう青っ鼻の医者。
「ふふ。やっぱり六式使いは侮れないわね。」
読んでいた本から目を上げ、やさしく笑ってくれる考古学者。
「ん~、ス~パ~!やっぱお前の空中戦は見ものだ!」
体を機械化して、腕を振り上げた決めポーズをする船大工。
「ヨホホホ!まったくあなたの戦い姿に、目を疑います。疑う目はないですけど。」
骨しか残ってない体で、しょうもないジョークで自分で笑う音楽家。
「カァ、カァ!」
女の子の肩にとまり、まるで褒めるかのように元気よく鳴く黒いカラス。
「みんな…ありがとう!」
それらをうれしくてたまらなくて、笑ってしまう灰色のパーカーをまとった、もう一人の戦闘員。
「よおし、野郎ども!冒険を続けるぞ!」
「おお!」
元気良い叫びとともに、猛獣の王を記した船は、今も広く、残酷な海を渡る…