ONE PIECE アンリミテッドドリーム ~羽ばたく天使と夢の狭間に~   作:陰陽の使者

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ちょっとパラレル設定アリです。ご注意ください。


10-5+2

トラファルガー・ロー。

 

ルフィとゾロと同じ時期に、超新星と認められた大海賊。

 

「死の外科医」の異名を持ち、ハート海賊団を率いる若き船長。

 

王下七武海になる前にルフィを超える懸賞金440、000、000を掛けられた男。

 

かつて、四皇「百獣のカイドウ」を略奪する為、私たちと同盟をくんだことがある。異名とは逆に、思いやりの人だと覚えている。

 

目の前の男の、地獄へ行きましたという顔。左手に持った巨大な刀。両手の指に刻まれた「D・E・A・T・H」の刺青(タトゥー)。髪の毛のほとんどを隠すひょう柄の帽子。

 

間違いない。

 

「久しぶりだな!トラ男!」

 

「ああ…しばらくだな。」

 

木から降り、私達に歩み寄るロー。その表情は、やつれとイラつきが混ざったように見えたけど、気のせいかな?

 

「こんなところになにしてんだ?観光か?」

 

「その性格は相変わらずだな。」

 

「そうか、元気か!ししし!」

 

ルフィ…本当に相変わらずね…

 

「お前の他の連中は何処にいる?」

 

「ん?みんなのことか?」

 

ルフィが戸惑う中、代わりにゾロが答える。

 

「まだ船番のはずだぞ。何か問題ある…」

 

「すぐ戻れ!」

 

久しぶりの命令と、厳しい口調に全員驚く。

 

「何でだ!せっかくここまで来たのに?」

 

「話は後だ!船へ案内しろ!」

 

ルフィの気持ちは分かるけど…計画性のローのこの慌てたような態度は、ただ事でない証拠。私も、多分チョッパーも、だんだんただ事じゃないと分かってきた。怖いのは嫌だけど…仲間をを見失うのはもっと嫌だからね!

 

問題は、あの冒険バカ二人が納得してくれるか…

 

「ああ、分かった!」

 

「エエ!」チョッパーの驚きは私も分かる「いいの、ルフィ!」

 

「ああ!トラ男は信じていいやつだ!」

 

「いや、そっちじゃなくて…」

 

「ともかく行くんだろ?」

 

何と!ゾロも行く気?

 

「だったら行くっきゃねーだろ。男なら、自分の道を切り通せ!」

 

「お…おう!」すっかりチョッパーもやる気満々になってしまった。そういう関係、よく分からないな…

 

「よし。確か道は…」

 

「チョッパー、ゾロを頼む。」

 

「よしきた。」

 

「な…」

 

「そしてあんた!」次に私は、ローを問い詰める。「私達を落とし入れる罠じゃないでしょうね?」

 

「…心配しなくとも、今お前たちを仕留めようと、得る物は無い。」

 

「そんないい加減な事が通用すると…」

 

「もう一度言う。」

 

「…!」思わず怯んでしまった。

 

別にローが怖かった訳じゃない。仕方が無かった。

 

あんな目つきをされても…

 

()、仕留めようと…」ローは、目を隠すように帽子を調節し、先に進む。「得る物は無い。」

 

…何があったのかしら…?ローがあんなんなるなんて…

 

「そうか!じゃあ早く行くぞ!」

 

…全く緊張感の無い…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

剃刀(かみそり)!」

 

高速で敵陣を飛び抜き後ろに回り込み、鎌姿の黒丸を構える。

 

黒烏爪(トライクロウ)!」

 

三回転で飛ばされる黒い斬撃は次々と敵を貫き、消滅させる。

 

「うおおおお!」

 

あっちもやる気で敵を全滅させる。一回彼の戦いぶりを見たことあるが、やっぱり生で見るととすごいな、この人。こっちも燃えちゃう!

 

「おい、アイル!そっちはどうだ!」

 

「ええ、敵は簡単にやっつけられる!数はともかく。」

 

「よし!一気にやるぞ!アイル、飛べ!」

 

「!分かった!」

 

彼の狙いを一瞬に悟り、空に逃げる。その隙を見て、男は、巨大な攻撃を放つ…

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「きゃあぁぁ!」

 

突然森の中から巨大な爆音が響き渡る。熱風が吹き荒れる。

 

「どうなってるのよ、この島!」

 

「ああ、たぶん、あいつだ。」ローは落ち着いて走る。

 

「あいつって?」

 

「一応、同盟の仲間だ。麦わら屋と面識のある男だ。」

 

「?」

 

「オイ、ありゃ海岸じゃねーか!」

 

ゾロの叫びで、われに返る。いつの間にか森は薄れ、白い雲が見えてくる。よかった、これで安全でセーフなサニー号へ…

 

「ありゃ?」

 

ルフィの間抜けな声にみんなが反応する。ただし、それはルフィに対するものじゃない。

 

目の前が信じれなくて、立ちすくんでしまったのだ。一人除いて。

 

「…ここで間違いないのか?」

 

「…その…はずなのに…」私はあまりのことに驚いてしまった。

 

そこには白々海がそびえていた。水のように流れる雲が、砂浜に寄り、その手をそっと引く。その風景は、出かけたときとまったく同じ。

 

しかし…

 

「サニー号が…ねぇ…!」

 

その海に浮かんだはずの、私たちの船は、姿も影もなかった。

 

「なんだ…みんな、移動しちまったのか?」

 

「なんだ、みんなも冒険見つけたのか?ずるいな!」

 

「バカ!勝手に船を動かす訳ないじゃない!」

 

「でも、それじゃ、みんなどこいったんだ、ナミ!」

 

「知らないわよ!ほら離してチョッパー!考えがまとまらない!」

 

「…やはり遅かったか。」一人落ち着いたローがつぶやく。

 

「ちょっと!どういうことなのか説明しなさい!さもないと100万ベリー罰金よ!」

 

「金の話してる場合か!」

 

ゾロの突っ込みを無視し、ローは冷静に、しかし緊張した空気で説明する。

 

「詳しくは知らねえが…この島には、妙な空気が漂ってる。」

 

「…ああ。不思議霧か?」

 

「まあ、それもあるが、本当の問題は、「気配」だ。」

 

「気配…そういえば。」

 

ルフィもゾロも、島の真ん中に目を向ける。そうか…「見聞色の覇気」で何か察知したのかも。

 

「この島に誰かがいる。それは確か。」ローは続ける。「そして厄介なことに…この世界を揺るがすほどの力を持つものらしい。」

 

「そんなすごいやつらなのか!?」チョッパーが耳を疑うが…

 

「仮に、新世界を後悔してた俺が…ここにいる。」

 

そうだ…ローは船ではなく、潜水艦を使って航海してる。それで打ち上げ海流(ノックアップ・ストリーム)を昇れるとは思えない。ローがたどり着いた方法は…

 

「まあ…おきたらここにいた、と言っても、信じてもらうつもりは。」

 

「うん、信じる。」

 

「早いよ、ルフィ!」…と、叫んだけど…

 

いわれてみれば、それしか納得のいきそうな方法がない。なにしろ、ここは夢幻の島。名前からして、ありえそう…かな?

 

「まあ、それはおいといて、だ。麦わら屋のことだ。仲間が心配だろ?」

 

「もちろんだ!」ルフィは強く叫ぶ。仲間思いの彼だから当たり前だ。

 

ゾロもチョッパーも、私も強くうなずく。今まで困難を乗り越えてきたみんなを、今、ここで見捨てるわけには…

 

「やはり…じゃあ、ついて来い。」ローは再び森へと向かおうとする。

 

「どこ行くんだ、トラ男?」

 

「お前の仲間を連れ戻すのなら…こっちに「戦力」が必要だ。」ローはつぶやく。「運のいいことに、もう一人、この島に連れてこられた男がいる。かなり頼りなる人物だ。」

 

「へえ、そんなすげえのか?」

 

「それと、お前たちと面識のある人たちだ。特に麦わら屋。」

 

「あ、居た!おーい!」

 

突然空から砂浜に華麗に着地し、羽を素早く服にしまう。烏は彼女の肩に止まる。

 

「アイル!どこ行ってたのよ!」

 

「ごめんごめん。黒丸が勝手に行っちゃうもんだから。」

 

カァカァ!!

 

「余計なお世話だ!って言ってるぞ。」

 

「それと、ちょっと馴染みと会って来たし。あ、ローさん、久しぶり。」

 

「アイル。そいつはもしかして…」

 

「ああ、話なら聞きましたよ、同盟を組むの。」

 

「え?そうなのかトラ男!」

 

アイルはどうやら、別の人物から事情を聞いたらしい。

 

「でも楽しみですね、麦わら・ハート海賊同盟。それもあの人も加わるとね。」

 

「あの人…さっきローの言ってた…」

 

「あ、来た!おーい!」

 

森から歩いてきた男は、ルフィより少し背が高く、なんか頼もしい存在と感じた。がっしりとした腹筋が丸出しで、ベルトからナイフをぶら下げたショーツの姿。帽子には二つの印があり、片方笑顔、片方怒りの顔と言う対称性を見せる。

 

ルフィは、まるで時間が止まったかのように立ちすくんだ。驚きと懐かしみの瞳はじっと、男のそばかすとウェーブの黒髪を見つめる。「おまえ…」

 

「…変わらねえな、ルフィ!」

 

…炎のように強く燃える、兄の瞳…

 

「エース!!」

 




もしも、あの時エースは生きることが出来たなら。

そんな思いで書いた章です。
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