ONE PIECE アンリミテッドドリーム ~羽ばたく天使と夢の狭間に~ 作:陰陽の使者
トラファルガー・ロー。
ルフィとゾロと同じ時期に、超新星と認められた大海賊。
「死の外科医」の異名を持ち、ハート海賊団を率いる若き船長。
王下七武海になる前にルフィを超える懸賞金440、000、000を掛けられた男。
かつて、四皇「百獣のカイドウ」を略奪する為、私たちと同盟をくんだことがある。異名とは逆に、思いやりの人だと覚えている。
目の前の男の、地獄へ行きましたという顔。左手に持った巨大な刀。両手の指に刻まれた「D・E・A・T・H」の
間違いない。
「久しぶりだな!トラ男!」
「ああ…しばらくだな。」
木から降り、私達に歩み寄るロー。その表情は、やつれとイラつきが混ざったように見えたけど、気のせいかな?
「こんなところになにしてんだ?観光か?」
「その性格は相変わらずだな。」
「そうか、元気か!ししし!」
ルフィ…本当に相変わらずね…
「お前の他の連中は何処にいる?」
「ん?みんなのことか?」
ルフィが戸惑う中、代わりにゾロが答える。
「まだ船番のはずだぞ。何か問題ある…」
「すぐ戻れ!」
久しぶりの命令と、厳しい口調に全員驚く。
「何でだ!せっかくここまで来たのに?」
「話は後だ!船へ案内しろ!」
ルフィの気持ちは分かるけど…計画性のローのこの慌てたような態度は、ただ事でない証拠。私も、多分チョッパーも、だんだんただ事じゃないと分かってきた。怖いのは嫌だけど…仲間をを見失うのはもっと嫌だからね!
問題は、あの冒険バカ二人が納得してくれるか…
「ああ、分かった!」
「エエ!」チョッパーの驚きは私も分かる「いいの、ルフィ!」
「ああ!トラ男は信じていいやつだ!」
「いや、そっちじゃなくて…」
「ともかく行くんだろ?」
何と!ゾロも行く気?
「だったら行くっきゃねーだろ。男なら、自分の道を切り通せ!」
「お…おう!」すっかりチョッパーもやる気満々になってしまった。そういう関係、よく分からないな…
「よし。確か道は…」
「チョッパー、ゾロを頼む。」
「よしきた。」
「な…」
「そしてあんた!」次に私は、ローを問い詰める。「私達を落とし入れる罠じゃないでしょうね?」
「…心配しなくとも、今お前たちを仕留めようと、得る物は無い。」
「そんないい加減な事が通用すると…」
「もう一度言う。」
「…!」思わず怯んでしまった。
別にローが怖かった訳じゃない。仕方が無かった。
あんな目つきをされても…
「
…何があったのかしら…?ローがあんなんなるなんて…
「そうか!じゃあ早く行くぞ!」
…全く緊張感の無い…
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「
高速で敵陣を飛び抜き後ろに回り込み、鎌姿の黒丸を構える。
「
三回転で飛ばされる黒い斬撃は次々と敵を貫き、消滅させる。
「うおおおお!」
あっちもやる気で敵を全滅させる。一回彼の戦いぶりを見たことあるが、やっぱり生で見るととすごいな、この人。こっちも燃えちゃう!
「おい、アイル!そっちはどうだ!」
「ええ、敵は簡単にやっつけられる!数はともかく。」
「よし!一気にやるぞ!アイル、飛べ!」
「!分かった!」
彼の狙いを一瞬に悟り、空に逃げる。その隙を見て、男は、巨大な攻撃を放つ…
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「きゃあぁぁ!」
突然森の中から巨大な爆音が響き渡る。熱風が吹き荒れる。
「どうなってるのよ、この島!」
「ああ、たぶん、あいつだ。」ローは落ち着いて走る。
「あいつって?」
「一応、同盟の仲間だ。麦わら屋と面識のある男だ。」
「?」
「オイ、ありゃ海岸じゃねーか!」
ゾロの叫びで、われに返る。いつの間にか森は薄れ、白い雲が見えてくる。よかった、これで安全でセーフなサニー号へ…
「ありゃ?」
ルフィの間抜けな声にみんなが反応する。ただし、それはルフィに対するものじゃない。
目の前が信じれなくて、立ちすくんでしまったのだ。一人除いて。
「…ここで間違いないのか?」
「…その…はずなのに…」私はあまりのことに驚いてしまった。
そこには白々海がそびえていた。水のように流れる雲が、砂浜に寄り、その手をそっと引く。その風景は、出かけたときとまったく同じ。
しかし…
「サニー号が…ねぇ…!」
その海に浮かんだはずの、私たちの船は、姿も影もなかった。
「なんだ…みんな、移動しちまったのか?」
「なんだ、みんなも冒険見つけたのか?ずるいな!」
「バカ!勝手に船を動かす訳ないじゃない!」
「でも、それじゃ、みんなどこいったんだ、ナミ!」
「知らないわよ!ほら離してチョッパー!考えがまとまらない!」
「…やはり遅かったか。」一人落ち着いたローがつぶやく。
「ちょっと!どういうことなのか説明しなさい!さもないと100万ベリー罰金よ!」
「金の話してる場合か!」
ゾロの突っ込みを無視し、ローは冷静に、しかし緊張した空気で説明する。
「詳しくは知らねえが…この島には、妙な空気が漂ってる。」
「…ああ。不思議霧か?」
「まあ、それもあるが、本当の問題は、「気配」だ。」
「気配…そういえば。」
ルフィもゾロも、島の真ん中に目を向ける。そうか…「見聞色の覇気」で何か察知したのかも。
「この島に誰かがいる。それは確か。」ローは続ける。「そして厄介なことに…この世界を揺るがすほどの力を持つものらしい。」
「そんなすごいやつらなのか!?」チョッパーが耳を疑うが…
「仮に、新世界を後悔してた俺が…ここにいる。」
そうだ…ローは船ではなく、潜水艦を使って航海してる。それで
「まあ…おきたらここにいた、と言っても、信じてもらうつもりは。」
「うん、信じる。」
「早いよ、ルフィ!」…と、叫んだけど…
いわれてみれば、それしか納得のいきそうな方法がない。なにしろ、ここは夢幻の島。名前からして、ありえそう…かな?
「まあ、それはおいといて、だ。麦わら屋のことだ。仲間が心配だろ?」
「もちろんだ!」ルフィは強く叫ぶ。仲間思いの彼だから当たり前だ。
ゾロもチョッパーも、私も強くうなずく。今まで困難を乗り越えてきたみんなを、今、ここで見捨てるわけには…
「やはり…じゃあ、ついて来い。」ローは再び森へと向かおうとする。
「どこ行くんだ、トラ男?」
「お前の仲間を連れ戻すのなら…こっちに「戦力」が必要だ。」ローはつぶやく。「運のいいことに、もう一人、この島に連れてこられた男がいる。かなり頼りなる人物だ。」
「へえ、そんなすげえのか?」
「それと、お前たちと面識のある人たちだ。特に麦わら屋。」
「あ、居た!おーい!」
突然空から砂浜に華麗に着地し、羽を素早く服にしまう。烏は彼女の肩に止まる。
「アイル!どこ行ってたのよ!」
「ごめんごめん。黒丸が勝手に行っちゃうもんだから。」
カァカァ!!
「余計なお世話だ!って言ってるぞ。」
「それと、ちょっと馴染みと会って来たし。あ、ローさん、久しぶり。」
「アイル。そいつはもしかして…」
「ああ、話なら聞きましたよ、同盟を組むの。」
「え?そうなのかトラ男!」
アイルはどうやら、別の人物から事情を聞いたらしい。
「でも楽しみですね、麦わら・ハート海賊同盟。それもあの人も加わるとね。」
「あの人…さっきローの言ってた…」
「あ、来た!おーい!」
森から歩いてきた男は、ルフィより少し背が高く、なんか頼もしい存在と感じた。がっしりとした腹筋が丸出しで、ベルトからナイフをぶら下げたショーツの姿。帽子には二つの印があり、片方笑顔、片方怒りの顔と言う対称性を見せる。
ルフィは、まるで時間が止まったかのように立ちすくんだ。驚きと懐かしみの瞳はじっと、男のそばかすとウェーブの黒髪を見つめる。「おまえ…」
「…変わらねえな、ルフィ!」
…炎のように強く燃える、兄の瞳…
「エース!!」
もしも、あの時エースは生きることが出来たなら。
そんな思いで書いた章です。