ONE PIECE アンリミテッドドリーム ~羽ばたく天使と夢の狭間に~ 作:陰陽の使者
ポヨポヨ
~アイル視点~
「ん…ふああ…」
思いっきり腕を伸ばす。ん~、よく寝た~!!
ん~、何か船のベッドと違う感覚…
ああ、上陸したんだっけ…キャンプか~。よくエースさんたちとやったけど、ルフィさんたちとは初めてやることだよね~。
えーと、ここどこだっけ…
ツン…
「あ、黒丸。」
私の肩にはいつの間にか相棒の烏が乗っかっていた。なぜかしつこく私の頬をつついてる。彼のくちばしは妙にとがってるから、いやだっていつも言ってるのに。
ツンツン
「もう…何なのよ…?」
「ようやく起きたか、黒天使屋。」
「…?」
聞き覚えのある声。何だっけ…なんか寒いのと、暑いのを思い出す…
「しゃべる熊さん…」
「寝ぼけるな。」ボカ!
「いったぁぁぁ!!」激痛が頭から体中に走り、まるでナミさんと酒を飲んだ次の朝のような感じだ。「ろ、ローさん!そんな強く叩かなくても…」
「お前の間抜けさは麦わらレベルか?周りを見ろ。」
間接的にルフィさんに悪口を言ったローにムッと突っ張るが、すぐにローの言ってることがわかる。
まず、ここは寝てた森じゃない。変わりに、果て無き草原に、ぽつぽつと大僕が視界を広がってる。
二つに、その草原のところどころから無数の透明な球が湧き出て、フワ~っと空を舞う。
不思議な景色だが…そこで私は、似たような風景を見たことがあるとわかった。
「…シャボンディ諸島?」
「お前もそう思うか…いい思い出がないな。」
「うん…私たちも…」
麦わら海賊団の、初めての大きな敗北…
って、悲しい思い出に思いふけてる場合じゃなくて。
「でも、どうして?私たち、確かナクロワにいて、で、空島で、しかも新世界なのに…」
「おい、落ち着け。それより、麦わらたちは…」
「あ、そうだ!こういうのあったっけ!ほら、トランスタウンで赤の男爵と戦ったときの…」
「何を言ってる…ともかく、まずはあれを何とかできないか?」
「え?」
ローが指差す場所を見ると、…
「うっは~~!」
「おもしれ~!プヨプヨだ~!」
「く…こりゃなかなかの訓練に…」
「すごい…ウェザリアの
「へへ…おもしれーな、こりゃ。」
シャボンを投げまくるルフィ、それに乗っかりトランポリンのように飛び回るチョッパー、なぜか一つのシャボンで刀を振り回すゾロ、シャボンを手に取りその性質を興味深く観察するナミ。それを全て見守るエースは、こっち向いた。
「おお、起きたかアイル。おい、ルフィ、もうやめにするぞ!」
「ええ、やだ!もっと遊ぶぞ!」
「そうだそうだ!」
子供っぽいな。チョッパーくんもすっかりノリノリ。しかし、ルフィをよく知ってるエースもそう簡単に引き下がらない。
「そうか…じゃあ、この肉、もらって…」
「ああ、まて!俺が食う!」
ちょ…エースさん、どこから出した、その巨大な骨付き肉!しかもルフィさん、反応早いですよ!
「…えーと。」
「相変わらずだな…白ひげ海賊二番隊隊長とは思えん…」
「そ、そうでしたね…確かに。」
彼の戦いぶりや、仲間を守るために逃げぬ姿は見たことあるけど…こう、人間性を疑うほどの間抜けな姿を見るのが圧倒的な私にとっては、ローの呆れ感を分からなくもない。やっぱりルフィさんの兄と言う感じがする…
「ほんとはあれより礼儀がいいんですけどね。」
「…ああ。うっすらと思い出すな、ああいう姿。」もうすっかり驚く気力も失ったローは、硬直したままつぶやく。まさに「死の外科医」状態。
「ん!」ようやく私に気づいたのか、エースと肉を奪い合いを始めたルフィは、こっちに手を振る。
「おい、アイル、起きたか!超楽しいぞ、ここ!肉もうめえし!」
とたんにエースに巨大な肉の破片を奪われ、伸びる腕で取り返そうとする。
…まあ、あんまり悩んでも体に傷だしね。
「さっき寝たばかりだけど…もうちょっとくつろぎますか。」
「!てめえまで…」
「知ってるわよロー。私の仲間が心配かどうか、でしょ?」
図星かどうかは置いといて、私は奪い合う兄弟に振り向く。状況が状況で、その光景も余りいいものとは言えない。
でも、まあ…
「大丈夫よ。ルフィがあんな楽しそうだし。」
「…本当に、どっちが振り回されるのか…」
ついにローも落ち着く気になるらしい(普通の人なら、くつろぐチャンスに飛びつくはずが…)。とある大木に腰掛け、手を後ろにおいて頭を乗せる体勢で、「お前も、どうせはじめっからその気だろ?」
「そのとおり!」
すかさず両翼を生やし、腕を伸ばす。
「こんな空気のおいしいところで、羽休めをしてられますか!」
「…やれやれ。」彼女がいたところに静かに落ちる羽を見て、ローは暗く微笑む。
「あの時も、こんな感じだったな。退屈はしなさそうだ…」
「ふああああ…おはよう。」
「おはようございます、おぽっちゃま。実は…」
「…侵入者がきたみたい、って?言わなくても分かるよ…」
「そうでございましたね。いかがいたしましょう?」
「…とりあえず、新入りたちに任せたら?相手も相手だし、飛び切り強そうな奴を。」
「かしこまりました。では、すぐに。」
「…すぐに壊れないようにしてね。こっちも…楽しみたいから。」