それから夕方になりクアンタは島の捜索を続けていた。
「これで…島の方は全て見終わったか?」
クアンタはそういうと殺した熊を捌いた。クアンタは漁師なのである程度の動物は捌くことは出来る。
「さて…それじゃ焼いて食うか。」
クアンタは器用に火を付け、海岸で熊の肉を食べた。すると一隻の小船がやって来た。
「あ~ひでえ目にあったぜ…身体は麦わらの野郎に取られるし、こんな辺鄙な場所に漂流するし最悪だぜ。」
そう言って小船から顔を出したの赤っ鼻の中年の男だった。ただしその中年の男は胴体と脚がなく頭と手足のみと言う奇妙な身体だった。
「誰だ?」
「んん?この島の住民か?」
「いや俺も今日漂流した者だ。」
「ふーん…成る程…と自己紹介が遅れたな。俺様の名前はバギー!道化のバギーだ!」
「俺はベスト・D・ニュー・クアンタ。クアンタと呼んでくれ。海王類専門の元漁師だ。これ食うか?」
そう言ってクアンタはバギーに熊の肉を差し出す。
「ああ食う…ところで海王類専門の漁師だってのは本当か?」
「ああ…もっとも、さっき悪魔の実を食べたから廃業にしたがな。」
「そりゃ大変だな…俺も悪魔の実を食ってこんな目に会うし…」
「そう言えばこれからどうするんだ?」
「ってスルーかよ!…まあその件については明日にでもこの島を出て俺は元の胴体と脚を取り戻すつもりだ。」
「俺もしばらくの間、同行するぜ。いいか?」
「おお!いいぜ!むしろそうしてくれ!!(海王類を日常的に倒せる奴が同行すりゃ…俺も安心して他の島に行ける!)」
「それじゃ俺はもう寝るぜ。」
「ああ、それじゃ…」
二人はその後朝早くこの島から出発して無事に他の島へと辿り着いた。
「おっ…!?クアンタ、見ろよ!」
バギーがそう言って見たのは大会の宣伝用の看板だった。そこには宝の地図が景品と書かれていた。
「宝の地図か…まあ俺には必要ないが腕試しにはちょうど良いか。」
「俺が看板見つけたんだから宝の地図はくれよ!」
「俺には宝の地図なんざ縁はないしな。優勝したらやるよ。」
「サンキュー!クアンタ。」
バギーがそう言って礼をすると二人の背後から一人の魚人がやって来た。
「笑わせるな…」
その魚人は痩せマッチョで無駄のない筋肉をしており、ピラニアを思わせるような歯と目をしていた。
「誰だ?」
「俺の名前はアラジ。元太陽の海賊団の団員だ。」
「なんだと!?てめえはあの太陽の海賊団だったってのか!?」
アラジの自己紹介に驚いたのはバギーだった。太陽の海賊団は七武海のジンベエ率いる海賊団であり、少なくともそこらの海賊なら知っている名前だ。
「元、だがな…」
アラジは元を強調し、遠い目をしていた。
「しかしなんで抜けたんだ?バギーの反応からして見ても相当な海賊団だろう?」
クアンタはアラジに興味単位でそう聞いて見た…
「タイガー船長が病気で死んだからだ…」
ここでアラジの言うタイガー船長とは…フィッシャー・タイガーのことを指しており、世界貴族の奴隷解放をした張本人であり、太陽の海賊団の初代の船長でもある。二代目は当然ながらジンベエである。
「それを継いだ後継者についていけなかったってことか?」
「いや…ジンベエの兄貴は確かに良かった。だがあの人はタイガー船長以上にはなれない…そう考えた俺は船を出てタイガー船長以上の逸材を探している訳だ。まあ少なくともお前達ではないと思うがな。」
「それで大会に出ると…」
「そうだ。この宝の地図は…悪魔の実の隠し場所とも言われている。」
「なんだと!?」
ここでバギーが驚く…悪魔の実とは少なくとも1億ベリーで売れるような物で伝説の実とも言われている。それ故に悪魔の実の能力は強力な物が多い。事実海軍でも上層部のほとんどは能力者である。
「成る程…他の連中は宝の地図の手がかりのみとはいえ悪魔の実を欲しがるのは当たり前か。」
「そう言うことだ。中には俺が求めている逸材もいるかもしれない…」
「そんなのはごく稀だぜ?」
「…何にせよ俺はこの大会に出る。じゃあな。」
そう言ってアラジと別れた。
その後クアンタは大会の申し込みをして予選会場へと向かった。
「予選を始める前に注意事項を説明します。」
1、マラソン形式で審査員に最後までついてこれた者のみが予選通過者となる。
2、登録者への妨害等は認めるが審査員に攻撃したら即失格となる。
3、死ぬことがあるので、死んでも文句は言わない。
「以上です。これらに質問のある方はいませんね?」
ここでクアンタが手を挙げた。
「1についての質問だ。何m走るんだ?」
「それにはお答え出来ません…他には?」
ここで全員が手を挙げす、質問は無しとなった。
「質問の受付を終わります…では皆さん私について来て下さい。」
審査員はそう言って走りだし、予選が始まった。