もし炭治郎のところにしのぶさんが来てたなら? 作:卵かけ太郎
「知ってる?冨岡くん。世界にはゴリラって言う動物が居て、群を形成して手先が器用で、頭が良くて仲間意識が強くて優しい生き物が居るのよ。」
「…そうか」
姉さんと冨岡さんが何か話している。
「つまり、胡蝶しのぶはゴリラということか……(薬学に通じて人望も厚い柱の妹ということで首は切れないが強いぴったりだな)」
「だれがゴリラですか!!」ゴッ
しのぶ渾身の一撃
この時、しのぶの鞘に入った状態の突きは水柱の反応速度を超え、的確に眉間を捉え意識を刈り取った。
「早く見つけないと。」
結果、冨岡さんの代わりに鬼の目撃情報から、こんな山奥まで来たが、ポツンと立っていた民家はすでに鬼の被害に遭っていたため急いであたりの捜索をしていた。
「禰豆子堪えろ!!頑張れ!!」
少し遠くから、少年の声が聞こえる。
「!!急がないと」
見つけた!!襲われていて、覆いかぶさる様な状態。この状況では、突きで毒を注入できないわね……なら
「頼む、鬼になんてなるな!頑張れ!!禰豆子!!」
「ガァアアアアア!!ガッ」
鬼の肩口を斬り、前蹴りを放ち無理やり距離を取らせる。
「大丈夫かしら?」
「あなたは……」
「私は鬼殺隊。鬼を殲滅するための組織の人間です。」
鬼に警戒しながら、答える。
「!!待って下さい。禰豆子……妹は違うんです。まだ誰も殺していない。家には、知らない誰かの匂いがしていた。だから違うんです!!」
「そうですか……妹さんでしたか。なら優しい毒で殺してあげます。恨んでもらって構いません。ですが誰も殺していないなら、殺してしまう前に私が殺します。」
「なら、俺が止めます! 殺してしまう前に。だから」「甘いこと言わないでください!!」「つっ!?」
「先ほど殺されかけた人間が!!一方的に押さえつけられた人間が!!鬼を抑えられるわけないでしょ!!」
少年に声をかけ、刀を向けると
「…ガァアアア」
少年との間に割って入るように、鬼が襲撃してきた。
「禰豆子!!」
「しまった!?」
まずい。この位置では、先に彼が鬼にやられる……えっ?
「グウウ」
威嚇するように、こちらを警戒する動作……先程斬った怪我もまだ治っていないところを見ると、まだ飢餓状態ということ……はぁ……もうこれでは、姉さんに注意することができませんね。一度刀を納刀する。
「禰豆子、わかるのか?」
「ぐううがぁあああ」
こちらに向かってくる鬼の少女に、再度抜刀して突きを放つ。
「少し眠っていてくださいね。」
倒れる彼女を支え、地面に寝かせると少年が駆け寄ってくる。
「禰豆子!!」
「大丈夫です。眠っているだけです。」
「どうして……確かにあなたは、禰豆子を殺そうとしていたはずなのに……」
「えぇ、初めはそうでした……ですが、あなたの妹さんは飢餓状態にもか関わらず、あなたを狙いもせずあなたを庇い私に攻撃してきました。そこに、他の鬼とは違うかもしれない可能性に賭けて見たかったのかもしれません。」
「……ありがとうございます……ありがとうございます……」
緊張の糸が切れたのか、泣き出してしまう少年。
「いえ、あなたも辛かったでしょう。大丈夫、今はたくさん泣いてください」
それから数時間後
「ありがとうございます。埋葬まで手伝ってもらって。」
「いえ、私が間に合えばこんな事にはならなかったかもしれません。本当に申し訳ありません。」
「そんな、あなたは悪くありません。むしろ、感謝しかありません。」
「そう言ってもらえると、私も救われます……では、これからのことを話しましょうか……」
これからのことを話そうとしたところで、
「……鬼殺の剣士になろうと思います。」
「いいのですか?とても辛く、苦しいことが待っていますよ。最悪、死んでしまうことだって当然のようにあります。」
「鬼狩りになれば、おのずと鬼の情報が入ってきます。それが、禰豆子を人間に戻すことへの一番の近道だと思うので。」
「そうですか。覚悟に変わりはないですか?」
少年は真っ直ぐこちらを見て、
「はい!!」
覚悟を込めて、力強く返事をした。
「ところで、お名前はなんというのかしら?」
「俺は、竈門炭治郎です。よろしくお願いします!!」
「はい炭治郎くん。私は胡蝶しのぶです。」