もし炭治郎のところにしのぶさんが来てたなら? 作:卵かけ太郎
蝶屋敷に炭治郎と禰豆子が来る少し前
いつものように蝶屋敷の薬品庫で仕事をしていると
「アオイ…ちょっといいかしら」
「はいカナエ様どうしました?」
この屋敷の主人である花柱の胡蝶カナエ様がやってきた。
「ここならいいかしら、アオイには話しておくわね…今度蝶屋敷にしのぶが任務先で見つけた鬼とそのお兄さんがやってくるわ。」
「えっ…」
鬼がくる?
「アオイには辛いことをさせてしまい、ごめんなさい…」
「……はぁはぁ」
最終選別での記憶が蘇り体が震える……
「アオイ…」
カナエ様が心配そうに声をかけてくれる。
「……はい大丈夫です。」
カナエ様としのぶ様には返しきれない恩がある…きっと大丈夫…信じられる。
「無理そうなら、本邸ではなく離れの方で生活していいからね、一部屋用意するわ。」
「はい…ありがとうございます…」
慣れるまでは、そこで生活しようかな…
翌日
「(しのぶ様が帰ってくるまで数日ある…それまでに覚悟が決まるかしら…」
少しばかりの荷物を持ち、新しい部屋の整理を行なっていると
「アオイ?」
「カナエ様?どうかなさいましたか?」
「ごめんなさいあなたに窮屈な思いをさせてしまうわね…」
「いえそんな、私が臆病すぎるのがいけないんです。」
「アオイ…そんなこと言わないで、誰だって怖いものはあるわ。それに無理になれる必要はないのよ。怖いものは怖い、それでいいじゃない。」
「そうでしょうか?」
「えぇそうよ。」
カナエ様の言葉で少し気が楽になった。
「じゃあ私はしばらくしたら単独で任務があるから、しばらくの間蝶屋敷のことをよろしくね。」
「はい、カナエ様も久しぶりの単独任務なので、お気をつけて。」
「うん、アオイありがとう。じゃあ行ってくるわね。」
「はい行ってらっしゃいませ」
その日の夜、カナエ様は上弦に遭遇し重傷を負って帰ってきた…
しのぶ様と水柱様が間に合ったお陰で肺に怪我を負ったが、生きて帰って来てくださった。
カナエ様の看病が始まった。しのぶ様の治療で容体は安定しているが目を覚ますまで安心できない為、付きっきりの看病を行う。時折しのぶ様が本邸にいるらしい鬼とその兄に会いに行く、行動を制限させる意味もあるようで、二人とも此方の棟までやってくることはなかった。
そしてカナエさんが負傷してから二日後、
ピクッ
「カナエ様?」
微かに動いたカナエ様に声をかける。
ゆっくり目を覚まして
「うーん…アオイ?」
「カナエ様!!隠の方しのぶ様を呼んできてください!!」
「おはようアオイ…」
「カナエ様…よかった…よかったですお目覚めになられて…本当に。」
「ごめんねアオイ…心配かけちゃったわね。」
「目を覚ましてくれただけで十分ですカナエ様、もうすぐしのぶ様も来ますから。」
「えぇありがとう…アオイは炭治郎くんにはあったかしら?」
「…いえ正直まだ決心が付かないです…」
少し見かけたが真面目そうな人なのはわかるが、どうしても鬼を連れていると言う先入観が拭いきれない。
「そうね、ゆっくり慣れて行きましょう。直接は話していないけど、真っ直ぐでいい子よ…」
「はい…」
「じゃあそろそろしのぶたちが来るわね。離れてもいいわよ。」
「すみません、一旦失礼します。」
「えぇありがとねアオイ。(心の傷はなかなか癒えないわよね…)」
結局会わないまま数日が過ぎ、ある日カナヲと呼ばれる女の子がやってきた。少し気になって夜、兄の方が神楽舞を披露するから観に来ないかとカナエ様
が誘ってくれたが結局断ってしまった。だが、少し気になり遠巻きに見てみることにした。
ドン シャン ドドン ドン
息を呑んだ、激しく力強いそれでいて優しい太陽のような優しい舞、
「なんであんな舞を舞える人が鬼を連れているの?」
理解ができない…
結局その日も会うことができなかった……
また数日過ぎ、柱合会議でしのぶ様とカナエ様と例の二人が出かけてしまった。
「会議の間カナヲのこと頼んでもいいかしら?」
「はい、任せてください。」
少し気になっていた子との会う機会に少し心が踊る。
「私は、神崎アオイよ、よろしくねカナヲ!!」
「……」
無反応である。
「聞こえないのかしら?カナヲ?」
「……」
「朝ごはんまだよね?食べるわよね?」
「……」
「……」イラァ
「……」
「はぁご飯作るから一緒に食べるわよ。」
「……」コクン
「じゃあいくわよ。(命令は聞くのかしら?あんまり良くないわね…)」
二人で朝食を食べて少したった後
「カナヲは、神楽見たの?」
「……」コクン
「どうだった?」
「…………すご…かった……」
初めて話したわね。でも…
「そっか…やっぱり凄かったよね…」
どうしてだろう……
会って話せるようになれるかな……
もう少ししたら………
その日の夜、兄の方が気絶して帰ってきた。柱就任のお祝いを言ったあと、しのぶ様に理由を聞いたら、
「この朴念仁を〜制裁しただけですから〜」シュッシュッ
拳を振りながら、いい笑顔で話してくれた。何をしたらしのぶ様を、ここまで怒らせることができるのだろうか……
「しのぶ様すいません、聞いてもいいですか?あの兄弟の兄は、どう言う人なんでしょうか?」
「えっアオイ?もしかして炭治郎にナンパでもされました?」
「えっナンパ?されてませんけど……(そんなことする人なんですか?)」
「あっいや、ならなんでもないです。そうですね、どうしようもなく…優しい人ですよ、自分の危険も顧みず相手の背中を押してあげることができる優しい子です、そしてそんな優しさが私は大好きです。」
さっきの笑顔と違って心の底からの笑顔で答えてくれた。
「(あれ…しのぶ様?)」
少し勘ぐりそうになった所で、
「アオイは、まだ炭治郎に会ったことがないんですよね。」
「っつ……はい……」
「そうですか…一度会ってみるのがいいと思いますよ?」
「そう…でしょうか…」
「えぇ私…人を見る目はあるんですよ。」
しのぶ様は、今までより優しく笑うようになった気がする…
変わった原因はきっとあの人のせいだろな…会えば私も変われるかな?
「明日会ってみようと思います。」
「!えぇ夕方にでも会って見ましょうか。」
次の日の夕方、しのぶ様とカナエ様が大喧嘩してご破産になった……
また次の日、いつものように仕事をしていると、
「はぁ結局昨日は会えなかったな…」
ふと後ろから声をかけられる。
「あの!!神崎アオイさんですか?」
絶叫まで後2秒…
アオイちゃんはまだ最終選別直後でトラウマ発生中なので、鬼を連れていることが理解が出来ず拒絶してしまうが、しかし心根が優しいため、なんとか会おうと努力するだろなと思いこの形にしました。