もし炭治郎のところにしのぶさんが来てたなら?   作:卵かけ太郎

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第十四話

カンッ バキッ

 

「「!!」」

 

二人の激しい技の衝突により木刀が中程でへし折れてしまった。

 

「えっこれは…」

想定外の幕切れに思わず止まる、アオイ

 

「はい!!じゃあここまで!!」

すかさず、間に入り終了させるカナエさん

 

「そうね、今回は引き分けね」

それに続くように、しのぶも止めに入る。

 

「はい、わかりました、カナヲもいいか?」

 

「……」コクン

 

「では今回の勝負結果は引き分け、以上で全試合終了です。」

2人の同意を見届け終了の宣言がアオイからされる。

 

「うん、カナヲよくやったわ!!」

「…… 惜しかったな、次はもっと水流飛沫のような足運びでを重視した、技を覚えよう。」

 

「……はい。」

2人の師匠からの講評を受け次の目標を決める。

 

「炭治郎、勝てなかったわね。」

 

「はい…カナヲの方が後から訓練しているのに、勝てませんでした。」

 

「よくやったわ、カナヲの才能は凄まじいものがあったわ。」

 

「でも…それを言い訳にしたくありません!!」

 

「そうよね、なら次は勝つわよ。(相手の才能を言い訳に自分の努力を否定できないわよね。)」

 

「はい!!もっと訓練します、次は勝ちます。」

次の目標を定める師弟

 

 

その後、炭治郎とカナヲの対決も終わり、夜になり、蝶屋敷の一室で久しぶりに姉妹で話す、カナエとしのぶの姿があった。

「これで二人の対決は終わったけど二人とも凄かったわね。」

 

「そうよ、炭治郎はすごいの私の継子だもの。」

 

「ふふっ知ってるわよ。(こんなに楽しそうなしのぶは久しぶりだもの)」

 

数分の談笑の後カナエから話を切り出した。

 

「しのぶ……あのね私、柱を引退しようと思っているわ。」

 

「姉さん…やっぱり肺の調子が良くないのね。」

 

「やっぱり分かるわよね。」

 

「当然じゃない、私が主治医なんだから。」

 

「そっか立派になったわね。なら、しのぶこれを。」

あらかじめ用意していた、包みをしのぶに渡す

 

「これは?」

 

「この前仕立ててもらった羽織よ。」

 

包みを開けると姉さんと揃いの羽織が入っていた。

 

「姉さん、この生地はもう無いって…」

 

「呉服店の店主様にお願いしてみたら作ってくれたのよ。」

 

「そんな…それってすごく高いんじゃ無いの?」

 

「それは気にしないの、私からのお祝いだから。」

 

「うん、ありがとう、姉さん」

 

「えぇ、着て見せてくれないかしら。」

 

「うん、着てみるわね。」

 

包みから出して羽織に袖を通す。

 

「どうかしら?」

 

「やっぱりよく似合っているわ。」

 

「姉さん、ありがとう。」

 

「明日、炭治郎くんにも見てもらおうね?」

 

「えっ…」

 

「どうしたの?」

 

「どうしよう恥ずかしい…」

顔を真っ赤にして俯く。

 

「(えっ、なにこの反応可愛い)似合っているから大丈夫よ。」

 

「でも…」

 

「そんなに奥手だと炭治郎くん誰かに取られちゃうわよ?」

 

「?炭治郎は私の継子よ?誰かに取られたりしないわよ?」

 

「(…えっうそでしょ……)あぁまぁそうね…」

 

「変な姉さん? でもそうね、明日から着るようにするわ。わざわざ見せにいかなくても、見ることになるもの。じゃあ今日は寝るわね。姉さんありがとう、おやすみなさい。」

 

「えっ、えぇおやすみなさい。(この子…大丈夫かしら?)」

カナエは自分の妹の鈍感ぶりを少し心配して夜は更けていく。

 

 

炭治郎は自室にて

「禰豆子…目を覚さないのか…」

 

「スースー」

 

「(しのぶさんは、眠っているだけでいつかは目を覚ますと言ったけど、その兆しは全然無い…もしも目を覚さなかったら…)だめだだめだ、そんな弱きになるな禰豆子を人間に戻すんだろ!!」

不安になる心を追い出すために声に出して己を鼓舞していると、廊下から声をかけられる。

 

「……炭治郎少し、いいか?」

 

「冨岡さん?はい、大丈夫ですよ。」

 

「…今日は助かった。」

 

「(助かった?あぁカナヲの訓練のことかな?)いえ、こちらこそ手合わせしてもらって助かりました。」

 

「…そうか、俺はこれで胡蝶カナエの護衛も終えるからしばらく会うことはないだろう。」

それだけ言ってその場を離れようとする。

 

「あっ待ってください、なら最後に冨岡さんは強くなるために何かしている事はありますか?」

 

「……鍛錬に限る…だがお前の場合は、鼻がきくのだろう? なら長所を伸ばせ、嗅覚を鋭くしてみろ、俺の師匠もそうしていた……」

冨岡さんはそれだけ言うとその場から離れていった。

 

「嗅覚をですか…はい!ありがとうございます!!」

 

 

 

翌日

 

「よし、準備できたわね。」

しのぶは、朝の準備を終え鍛錬場に向かう。

 

「(炭治郎は、どう思うかしら…変に思われないわよね…)」

 

ブン!!ブン!!

素振りの音が聞こえてきている。

 

「炭治郎、おはよう。」

 

「しのぶさん、おはようございます。」

 

素振りを中断して炭治郎がこちらの方に振り向く。

 

「(どう思われるかしら…)っつ」

 

「しのぶさん?どうかしましたか?(何やら困惑した様子ですが…)」

 

炭治郎の顔を見ると目に手ぬぐいを巻き視覚を断った状態で素振りを行なっていたのである…

 

「炭治郎?なぜ目隠しなんて、してるんですか?(よりにもよってなんで今日なのよ!!)」

 

「義勇さんから、俺は嗅覚が鋭いから、長所を伸ばせと助言をしてもらいました。」

 

「そっそう…だから目隠しをしてるのね。(はぁ見てもらえませんでしたね)」

 

「あれ、しのぶさん少し落胆してます?どうかしましたか?」

 

「(えっどうしてわかったの?)なっなんのことですか?」

 

「いや、そんな匂いがしたんで。」

 

「どんな嗅覚してるんですか!!」

 

「あれ、しのぶさん知りませんでしたっけ?」

 

「知らないわよ!!少し嗅覚がいいなぁってぐらいのものでしたよ。」

 

「えっそれはすみません。」

 

「もういいわよ!とりあえず手ぬぐいを外s…はっ(今ここで外させたら私が羽織見せたくてたまらないみたいに思われる)」

 

「はい、すぐ外します。「待ちなさい、そのまま訓練を続行します。」えっ?はい?わかりました。」

手ぬぐいを外そうとする炭治郎を慌てて止める。

 

「ではそのまま素振りを続けてください。」

 

「はい!あれ、しのぶさん今日いつもと服違います?」

 

「えっ、いや、そんなことありませんよ。(どう言う鼻をしているんですか!!と言うかなんで嘘ついちゃったんですか私は!!!)」

 

「(なんだろう…動揺している匂いがする。無理矢理聞くのは良く無いよな…)そうですか?ならいいですけど…」

 

「(なんで今日はグイグイ来ないんですか!!、前までは首を突っ込んできたじゃ無いですか!!あぁ〜私がお説教したからですね!!、炭治郎偉い!!)」

 

「(酷く混乱してる匂いがする、流石に心配になってきたぞ)……すみません、手ぬぐい外しますよ。」

 

「えっ、ちょっと待って。」

 

すぐに炭治郎は手ぬぐいを外してしまう。

 

「よかった、特に心配するようなことは起こっていませんでしたね。あっしのぶさんその羽織、カナエさんとお揃いですね!!、とても似合ってて可愛いです。それに凛として見えて、よりしのぶさんの美しさが際立ってますよ。」

 

「………」顔を真っ赤にしてプルプル震えてるしのぶ…

 

「(……しまった怒らせたか?可愛かったは生意気だったか?)えっと…「炭治郎!!」はい!!」

 

「今日は、目隠しをした状態でいつもの訓練をしていてください…」

 

「はい!!」

それだけ言うとかき消えるように、その場を離れるしのぶ。

 

「……しまった。完璧に怒らせてしまったかもしれない。」

 

「そんなことないわ炭治郎くん!!」

「うわぁ!!、カナエさんどこから!!」

 

突如、物陰からカナエさんが出てきて声をかける。

 

「あれはしのぶの照れ隠しね!!、間違い無いわ!!!」

 

「照れ隠し…ですか?」

 

「えぇ姉力が高い私には手に取る様にわかるわ。」

 

「姉力…ですか……」

 

「えぇ炭治郎くんの長男力も大したものだけど、私の姉力の前には無力よ。」

 

「そっそんな俺の長男力では、敵わないんですか…(今まで俺は長男として良くやってきたつもりだったが、カナエさんには敵わないのか…)」

 

「ふふっなんて…冗談はさておき炭治郎くん、しのぶには話してあるけど私は柱を引退するわ。」

 

「引退……身体の調子が良く無いんですか?」

 

「えぇ肺の怪我で全集中の呼吸の維持が辛くなってきてしまっているのよ。」

 

「全集中の維持?」

 

「えぇしのぶも義勇くんも行なっているのだけれど、全集中・常中と言って全集中の呼吸を常に行う技よ。これの維持が怪我をしてから困難になっているの。」

 

「(俺の知っている隊士の方は全員行えるのか…あんなに辛い全集中の呼吸を常に行うなんて……)鬼殺隊自体はやめないんですか?」

 

「えぇしのぶがまだいるし、カナヲも義勇くんと一緒に育てないと。」

 

「そうですか…」

 

「あっ後しのぶに言ってないけど、私とカナヲはこの屋敷を出るわ。」

 

「えっなんでですか!? しのぶさんが悲しみますよ…」

 

「大丈夫よ。義勇くんの所でカナヲの修行をするためだから、2年もすればまた帰ってくるわ。それにちょくちょくこっちにも顔を出すわよ。」

 

「……そうですか、しのぶさん認めてくれますかね…」

 

「そこは私が頑張るわ、私の姉力はとても高いのよ?」

すこし茶目っ気を出すカナエさん

「…ハハッそうでしたね!」

 

「じゃあそろそろいくわね、鍛錬頑張ってね。炭治郎くん」

 

「はい!!ありがとうございます!!」

 

「後、しのぶのことお願いね。あの子寂しがりだから。」

 

「はい!!」

 

この7日後、しのぶさんを説得してカナエさん達は蝶屋敷を離れた。

 




しのぶさんを誉め殺して顔を真っ赤にしたかっただけの人生
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