もし炭治郎のところにしのぶさんが来てたなら?   作:卵かけ太郎

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第二十二話

「ガァアアアアアアアア」

 

「だめだ暴れないでくれ!!お願いだ、あなたに誰も殺させたくない!!」

 

暴れる男性を押さえつけていると騒動を聞きつけた警官隊の人がやってきて俺を引き離そうとしてくる。

 

「やめてくれ!!拘束具を持ってきてくれ!!お願いだ、この人に誰も殺させたくない!!」

 

揉み合っていると特殊な匂いを感じたと思ったら辺りに花のような紋様が広がり警官隊の人たちを引き離していく。

 

すると二人の男女が現れ、

「あなたは…鬼になった者にも人という言葉を使ってくださるのですね…そして助けようとしている、ならば私もあなたを手助けしましょう。」

 

「あなたは…何故ですか?あなたの匂いは…」

 

「えぇ私たちは鬼ですが医者であり、鬼舞辻を抹殺したいと思っています。」

 

そんな話をしていると背中の箱から禰豆子が出てきてしまう。

 

「禰豆子!出てきちゃだめだ。」

 

「!!あなたは鬼を連れているのですか?」

 

禰豆子が警戒しながら俺の前に立つ

「禰豆子大丈夫、この人たちは大丈夫だ」

「うー?」

 

「ではこの方々を連れて移動しましょう。」

 

「(女性から嘘をついてる匂いはしない…)わかりました。」

 

鬼にされてしまった男性は女性の血鬼術で眠らせることで運ぶことにした。

 

「奥さん大丈夫ですか?応急処置ですが、この傷薬と包帯を使いますね?」

 

「おい、こっちの傷薬を使え。そこいらの傷薬をより効果があるだろ。」

 

「いえ、俺の師匠が調合した薬は、すごいですから大丈夫です。」

 

「はっ珠世様の傷薬がそこいらの薬に負けるわけないだろ。さっさとこっちを使え。」

 

「むっ、しのぶさんの傷薬だってとてもいい薬です、効果もすごいです。」

 

「愈史郎、鬼狩りさん、とりあえず応急処置が先です。鬼狩りさん、そちらの傷薬見せていただいてもよろしいですか?」

 

「あっすみません、はいどうぞ!」

傷薬を珠世と呼ばれる女性に渡すと、少し手に取り確認する。

 

「!!すごいですね、こちらを作った方、この調合比率…完璧です。はっきり言って天才…才能で言えば私の比ではないですね…」

 

「はい!!ありがとうございます。」

 

「そんな…珠世様は素晴らしい、そこいらの医者もどきに負けるわけがない!!」

 

「いいえ愈史郎、私は時間があっただけ…この傷薬を作った方はそれより少ない時間でこの傷薬を作り上げたはずです。素晴らしい方ですね、あなたの師匠は。」

 

「はい!!」

 

そう言いながら手早く奥さんの治療を行い、包帯を巻く。

 

その間、愈史郎と呼ばれた人は俺のことをひたすらに睨みつけていた。

 

「…では行きましょうか。」

 

珠世さんと愈史郎さんの案内で近くの屋敷に案内される。

 

「では愈史郎、この方を地下に拘束してきてください…申し訳ないのですが…」

 

「はいわかりました、珠世様。」

 

屋敷についたら珠世さんは奥さんの治療、愈史郎さんは旦那さんの方を地下に連れて行った。

 

それから少しして、

 

「では改めて、まだ名乗っていませんでしたね。私は珠世と申します、その子は愈史郎、仲良くしてやってくださいね。」

 

ふと愈史郎さんの方を見るとものすごい形相をしている。

 

「では確認しておきます、あなた達は現在人を食べていますか?」

 

ドン

近くにいた愈史郎さんに殴られた。

 

「貴様、俺たちが鬼だからとその辺の鬼と同じように人を襲っていると言いたいのか!!」

 

「よしなさい、愈史郎。当然の確認です、正直に言いましょう。私は以前人を食べていました、鬼舞辻の呪いがあった頃は夫と子供を食い殺しています、ですが現在は呪いも外れており、不快に思われるかもしれませんが金銭に余裕のない方から輸血と称して血を頂いています。もちろん彼らの体に影響のない範囲でです。」

 

珠世さんからとても悲しそうな匂いがする、しかし嘘をついてる匂いは欠片もしない…

「申し訳ありません、とても辛い話をさせてしまいました。」

深く頭を下げてお詫びする。

 

「いいえ構いません。」

 

「愈史郎さんも申し訳ありません。」

 

「…ふん」

 

「では、珠世さんひとつ聞きたいことがあります…」

 

「なんでしょう?」

 

「鬼を人間に戻す方法はありますか?」

 

「……それは、あります。」

 

「!!ほんとですか」

その場で珠世さんに聞く。

 

「えぇどんな傷や病にも必ず薬や治療法があるのです、ただ今の時点では鬼を人に戻すことはできない、ですが私たちは必ず治療法を確立させたいと思っています。」

 

「…俺に手伝えることはありますか?」

 

「はい、まず禰豆子さん、あなたの妹さんの血を分けていただきたいです。それともう一つこちらは過酷なことをお願いしてしまいますが、なるべく強力な鬼、鬼舞辻の血が濃い鬼の血を集めてもらいたいです。」

 

「珠世さんが血を調べることで薬が完成するのであれば、俺はやります。」

 

「ありがとう…炭治郎さん。」

 

「はい!!」

 

ギン!!

愈史郎さんがすごく睨んできた。

「まずい!!伏せろ!!!」

 

愈史郎さんが声を上げると、壁を貫通してなんらかの飛来物が飛んできた。

 

「禰豆子伏せていろ!!(飛来物は鞠…)落とせるか?」

 

『ヒノカミ神楽 烈日紅鏡』

 

左右広範囲の斬撃二振りで飛来した鞠をまとめて切り飛ばすと動きが止まり攻撃が止む。

 

「今の技は!!」

珠世さんが何か言ったが、外から鬼の匂いがしてくる。

 

「キャハハ、矢琵羽の言う通りじゃ、何もない場所から突如建物が現れたぞ!!」

 

あの子が投げたのか?

 

鬼の匂いはもう一つある…

 

「禰豆子、今のうちに奥で眠っている女性を外の安全なところまで運んでくれ!!」

 

「むん!!」

 

返事をして奥に入っていく禰豆子を見送り、穴の空いた壁から外を見ると再び鞠を投げようと構えている。

 

「キャハハ!見つけた!見つけた!!」

 

再び鞠を投げてくる。

 

「(珠世さんと愈史郎さんがこのままだと危ない…)鞠を落としつつ、首を切る!!」

 

『ヒノカミ神楽 日暈の龍・頭舞い』

飛んでくる鞠を回避をしながら、鬼の少女に肉薄するが、

 

「バカが!!矢印が見えないのか!!避けろ!!」

愈史郎さんからの声で攻撃を止めると、突如鞠が空中で曲がる。

ギン!!

「なっ!!」

刀で鞠を弾き間合いを少し離し回避に専念する。

 

「キャハハ楽しいのぉ楽しいのぉ」

 

「おい鬼狩り!!俺の目を貸してやる!さっさとあの鬼を倒せ!!」

そう言うと、愈史郎さんが札を一枚こちらに飛ばしデコに張り付くと鞠から伸びている矢印が見えるようになる。

 

「!愈史郎さんありがとうございます!!」

 

格段に戦いやすくなり、鞠を回避しながら再び肉薄したところで

「キャハハさっきと同じではないか、なら遊びはおしまいではないか!!」

 

『ヒノカミ神楽 幻日虹』

ザン

さっきと同じように鞠が軌道を変えてきたところを、回避して首を落とす。

 

「えっ?」

ドサッ

自分の首を切られたことを知覚した鬼の少女は

 

「なんで?一体いつ…もう遊べないのか?もっと遊ぼ…」

そういいながら、鬼の少女は消えていく。

 

すると完全に消滅する前に珠世さんが、体から血液を採取した。

 

「炭治郎さん、この短刀を使ってください…これを鬼の体に刺せば自動的に血液を採取してくれます。」

 

差し出された短刀を受け取り、

「(まだ外に鬼が一体いる…)わかりました。珠世さん、愈史郎さん後一体外にいます、倒してくるので避難させた女性をお願いします!!」

 

「わかりました、お気をつけて…」

 

「あぁ」

 

壁の穴から外に出ると禰豆子が戻ってきた。

 

「禰豆子ありがとう」

 

「ムー」

 

「あと鬼が一体いるからちょっと倒してくるな。」

 

「ムン」

 

禰豆子と話していると木の影から矢印が飛んでくる。

 

「禰豆子!避けろ!!」

 

「ムン!!」

 

左右に分かれて禰豆子が跳躍して一気に木の影まで飛ぶと男の鬼が木から落ちてくる。

「今!!」

落ちてきたところに合わせて攻撃を仕掛ける。

『ヒノカミ神楽 飛輪陽炎』

 

「(早い迎撃が間に合わない…、だがそんなわかりやすい横振り半歩後ろに下がれば回避できる、それでこちらの技を食らわせて終わりだ)そんな攻撃当たるか!!」

 

回避のため後ろに飛ぶが切先が突如として揺めき伸びてきた。

「バカな!!」

目測を誤り首に刃が届く。

 

ザン!!

 

ドサッ

 

「はぁ禰豆子のおかげで簡単に倒せたな…(近くのは容易ではなさそうだったし)禰豆子ありがとな、おかげで助かった。」

 

「ムン!!」

胸を張り返事をする。

 

「だけどあんまり無茶はしないでくれよ、にいちゃんは心配だからな?」

「ムー」フリフリ

「心配いらないって?するに決まってるだろ、俺は禰豆子のにいちゃんなんだから」なでなで

頭を撫でながら答える。

「ムー」ジトー

何故か少し怒ったような匂いがする。

「どうした?なんで少し怒ってるんだ?」

「ムー(そう言うのはしのぶさんにやって!!!)」

ふんとそっぽを向き、屋敷の方に走って行ってしまう。

「あっちょっと待ってくれ禰豆子!!」

追いかけるように屋敷に戻る。

 

 

「珠世さん、外にいた鬼の血です。」

短刀を取り出し珠世さんに渡す。

 

「ありがとうございます炭治郎さん、ところで聞きたいことがあります。あなたのあの剣技は一体?」

 

「あれは、日の呼吸と呼ばれる呼吸法ですね、俺はヒノカミ神楽って呼んでますが…」

 

「まさか縁壱様と同じ剣技……ふふっははっあははは最高です!!!炭治郎さん!!!」

だきっ

珠世さんが抱きしめてくる。

 

「えっちょっと!!」

ギン

愈史郎さんがすごい形相で睨みつけてくる。

「おい、珠世様から離れろ!!!」

愈史郎さんも引き離そうとして揉み合いになる。

 

「ちょっ禰豆子!すまない、助けてくれ!!」

 

ジトーー

禰豆子がいつかぶりだろうかすごく冷たい目をしている…

 

その後なんとか珠世さんは冷静になり、

「お恥ずかしいところをお見せしました…」

 

「いえ…大丈夫です。」

 

「では、私たちはこの地を離れます。よろしければ禰豆子さんを私たちが預かりましょうか?戦いの場に連れていくよりは安全だと思いますが?」

 

「ムー」ぎゅっ フルフル

炭治郎の手を掴み首を振る。

 

「禰豆子……ありがとうございます。でも俺たちは一緒に行きます、家族とはもう離れません…」

 

「そうですか…わかりました。炭治郎さん、あなたは私の希望ですお気をつけて…後あなたの師匠にこの手紙を渡してもらいたいです。」

 

「はい、わかりました!!」

 

「じゃあさっさと行け、俺たちは痕跡を消してから行く。」

「はい!!」

 

二人に別れを告げて屋敷を後にする。

 

 




次回は善逸と再会ですね
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