もし炭治郎のところにしのぶさんが来てたなら?   作:卵かけ太郎

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第二十五話

「いいか、伊之助?一方的な暴力を振るうのは良くない。自分には理解出来なくても、相手にも相手の言い分があるんだ。それに善逸が刀を抜かず、拳も振るわなかったのは決して弱いからではないんだぞ。」

 

「はぁ?なんでだよ!!」

 

「隊律で隊士同士の不要な争いを禁ずる、そう決まっているからだ、いいか?」

 

「……おぅ」

 

「よし!偉いぞ伊之助。」

 

「だが今度お前に勝負を挑むからな!!その時は覚悟しておけ、いいな!!」

 

「あぁわかった、その時は全力で相手をするよ。」

 

それから屋敷の中の人を埋葬して(その時伊之助が埋葬を知らなくて一悶着あったが)山から降りることになった。

 

「正一くんを離せ。善逸!!」

 

「いやだ!!俺は正一くんに守ってもらうんだ!!強いんだぞこの子は!!」

 

「離してください。善逸さん!!」

しばらく揉み合い一向に離す気配がない善逸

 

「はぁ……善逸……」

一旦手を離し、善逸に声をかける。

 

「なっなんだよ…炭治郎……?」

 

「いい加減にしろよ?」

 

「ちょっと!なんで拳を握っているの!?わかったよ…離すよ……」

渋々、正一くんから手を離す善逸

 

「よし、じゃあ本当に下山するぞ。」

善逸と伊之助に声をかける。

「うん」

「おう」

 

「お世話になりました。俺たちは、自分たちで帰ります。」

清が代表して挨拶する。

 

「そうか、気をつけて帰るんだぞ。」

別れの挨拶をしていると、てる子が近づいてきて…

ダキッ

「おっと、どうしたてる子?」

てる子を受け止め目線を合わせるためしゃがむ

 

「炭治郎さん…ありがとうございました。あの…その…」

なかなか話を切り出せない、てる子

「てる子今日は、頑張ったな、偉いぞ。てる子が大人になったらきっと素敵な女性になるんだろうな。だから俺達は絶対にてる子達のところに鬼達を行かせたりしないから安心していてくれ。」

頭をポンと撫でる。

「うぅ〜はいありがとう、炭治郎さん大好きです!!」

それだけ言うと清たちの方にかけて行き下山していく。

「あぁありがとう!!気をつけて帰るんだぞ!!じゃあ行こうか、伊之助、善い…つ?」

三人を見送ったあと振り返り善逸を見ると、

 

「テメェ何てる子ちゃん口説いてんだ!!俺達が鬼に追われている間、何してくれてんの?バカなの!!」

般若のような形相で掴みかかってくる。

「何を言ってるんだ?口説いていないぞ?」

 

「天然であんなこと言うのか?とんでもねぇ炭治郎だな!!」

 

「ちょっと待て、意味がわからん…別にてる子はそんなつもりないだろ。」

 

「バカなの、そんなつもりがなくて大好きなんて言葉使うか!!もう我慢ならない成敗してやる。」

ついに刀を抜き追いかけてくる。

 

「うわぁあああ待て、善逸落ち着け!!」

堪らず走り出し下山する。

「おっ競争か負けねぇぞ!!!」

三人で一気に山を降り、途中鎹鴉の案内で藤の家紋の家に連れて行かれた。

 

「休息、休息!!休ンデヨシ、休ンデヨーシ」

「ようやく休んでいいのか、初任務からずっと休みなしだったからいい加減疲れたぞ。」

「…ケケケ」

「ケケケってまぁいいか…」

 

鎹鴉とそんな話をしていると門が開き、中から小柄な老婆が出てきた。

「鬼狩り様でございますね、どうぞ…」

中に通されると、食事と布団を用意してくれて

「では、お医者様をお呼びします。」

医者の手配までしてもらえた。

 

医者に診てもらい、三人でご飯を食べている時、

 

俺は無傷だったが

 

「善逸と伊之助…肋の骨が折れてるなんて…」

 

「多分、炭治郎が殴ったせいだぞ…」

 

「ごめんな伊之助。」

 

「俺の怪我は伊之助のせいだけどな…謝れ」

 

「断る。」

「謝れよ!」

「断る!!」

「伊之助?」

「…悪かった…」

「はぁ…いいよ。」

「よし、偉いぞ伊之助、俺の分の天ぷら食べていいぞ。」

 

「はっいいぜ、もらってやる。」

そう言いながら手掴みで炭治郎の天ぷらを攫って行く。

 

「ゆっくりでいいから箸も使えるようになろうな。」

 

そんな話をしていると善逸が別の話を切り出した。

「なぁ炭治郎、誰も聞かないから聞くけど、お前の持ってる箱の中身……鬼だよな?どうして鬼なんて連れているんだ?」

 

「善逸…知っていたのか、わかってて庇ってくれたのか。ありがとう、善逸は本当にいい奴だな。」

「おまっそんなに褒めても何も出ねぇぞ!!」

善逸は照れながら答える。

 

「箱の中身のことだけど、俺の妹が入っているんだ…」

 

「妹?」

 

「あぁ俺の生きている最後の肉親だ。」

 

「最後って…そうか、なら守れてよかったよ。」

 

「あぁ本当にありがとう…」

 

キィ

 

すると禰豆子の入った箱が開く。

 

「えっ箱開くの?あんなに重い箱なのに鍵とかついてないの!!」

 

ひょこ

箱から顔を出す禰豆子

「えっ?」

 

「うー」

「禰豆子おはよう」

炭治郎の近くに来たあと善逸の方を見て

「うー」フリフリ

手を振る

 

「えっ何この子可愛い…」

「善逸、どうした?」くいくい

様子のおかしい善逸が気になるが禰豆子に袖を引かれる。

「どうした?」

「うーうー」

善逸の方を見て何かを伝えようとしている禰豆子

 

「?あぁさっき守ってくれたお礼をしたいのか?」

「うー」コクン

「じゃあお礼一緒にしような、善逸ありがとう。」

「うーうー」ペコっ

「可愛いすぎる!!!」ドックン!!

許容量を超える禰豆子の動きに善逸、気絶!!

 

「ぜ善逸?おい善逸!!大丈夫か?おい善逸!!善逸うううううう」

「うーうー」つんつん

 

気絶した善逸を布団に寝かせ、その日は疲れから全員早々に眠った。

 

それから藤の家を拠点に数日間、付近の任務を二つほど片付け、善逸と伊之助の怪我が治った頃、再び三人での合同任務が入ってきた。

 

 

産屋敷邸

 

「よく戻って来たね……私の剣士達(子供たち)は、ほとんどやられてしまったのか。十二鬼月がいるかもしれない…柱を向かわせる、義勇、しのぶ。」

 

「「御意」」

 

「義勇は新婚なのにごめんね。」

 

「いえ、問題ありません。すぐ終わらせて帰ります。」

 

「そうですね、早く終わらせて帰りましょう。」ニコニコ

 

「カナエの用事で一度蝶屋敷に寄った時にアオイから聞いたが…やめたほうがいい。」

 

「なんでですか義勇さん?私の笑顔そんなに気持ち悪いですか?」ニコニコ

 

「……(聞いてはいたが…これは重症だな…)いや…早く任務に行くぞ。」

 

「そうだ、しのぶ。那田蜘蛛山には、しのぶの継子も入山して 『ドン』 いるよ。」

 

言い切る前にしのぶは部屋を飛び出す。

 

「御館様、義妹が失礼いたしました…」

 

「いいよ、気にしなくて。それにしても、あんなに慌てて出て行くなんて…しのぶも変わったね。」

 

「そうですね…」

 

「あんな風に言ったけど炭治郎なら、ほとんど心配ないんだけどね。」

 

「そうでしょうね、下弦ぐらいになら十分に対応可能だと思います。あれだけ過保護に育てたらそうなるでしょう。」

 

「とても優秀な継子達で私も心強いよ。」

 

「はっそろそろ俺も、カナヲを連れて那田蜘蛛山に向かいます。」

 

「うん頼むよ。義勇。」

 

部屋を後にする義勇を見送ったあと、

 

「ふふっ」

 

「お父様?どうしました?」

 

「うん、剣士達(子供たち)が楽しそうにしているのがすごく嬉しくてね…結婚して子供を作ったり、好きな人の気を引こうと色々努力している。そんな普通を行ってくれることが、堪らなく嬉しいんだ。」

 

 

 

 

 

 




次回那田蜘蛛山編です
すいません、土日の投稿時間は夕方になると思います
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