前回の続きになります。
それではどうぞ。
「えっと……体育館に行くには……2階から渡り廊下を通って実習棟のほうに行くのが一番近道、かな?」
「だな」
「階段をあがって渡り廊下を通るだけなのに、体育館がめちゃめちゃ遠く感じるね……」
つぐみと巴が体育館までの最短ルートを確認し、ひまり体育館までの道のりが遠く感じるのは何故?と不安な表情。
「この階段から上にあがるのが一番近そうだな」
「うう……」
「ひーちゃん、どしたのー?」
2階への階段に着くと、ひまりが考え込む。
それを見たモカがどしたのかと訊く。
「モカが言ってた七不思議、思い出しちゃって……」
「ちょ、ひまり! ひまりのせいであたしも急に思い出しちゃったじゃん!」
「だ、だってぇ~~!!」
さっきまで忘れてたのに、その一言で先程の七不思議を思い出してしまった蘭。
「まさかひまり、七不思議を信じてるのか?」
「なんか、妙にリアルだし……巴は信じてないの?」
「あ、アタシは、信じないぞ! 迷信、迷信!」
「迷信ねー……あれ? モカちゃんが言ってた階段の七不思議ってなんだっけー?」
巴の反応を見て、なんかおかしいなあと思った夏々。
そういえば階段の七不思議があるってモカが言ってた気がしたのを思い出した。
「ああ、階段の段数が増えてるって話のことか~」
「そうそう。それそれー♪」
「今やっとわかったの!?」
「ひーちゃん、気にしすぎだって。階段が突然増えるわけないじゃん~?」
「もぉ~! こんなに気にしてるのも全部モカのせいなんだからね!」
まぁ確かに、最初に七不思議を言い出したのはモカなのだが……
「ていうか、いつもの階段の段数なんて知らないし、増えてても気づかなくない?」
「確かに……」
「普通の人は気にしないもんねー?」
巴と夏々が頷く。
「モカ、たまにはいいこと言うじゃん」
「へへー。モカちゃん、実はいつもいいこと言ってるんだけどな~」
「そんなモカちゃんには、ボクの手作りパンをあげよう♪ 蘭ちゃん達も食べてよ♪」
「わ~い♪ ナナの手作りパ~ン♪」
「「「……」」」
何処から取り出したのか、夏々は5人にパンを渡す。
モカはともかく、蘭達4人は見慣れてる筈なのに、パンを取り出す仕草をする夏々を見た事がない。
しかもパンだけじゃなく、紙パックタイプの飲み物も一緒に取り出す為、仕組みが全く解らないのである……
「夏々君のパン……やっぱり美味しい。私も頑張らないと! そういえば学校の階段、確か12段だったと思う。私、生徒会の仕事で校内の清掃をよくするんだけど、掃除してるうちに階段の段数覚えちゃって」
つぐみが夏々の手作りパンを食べながら、階段の段数が12段だった筈だと言った。
「つぐ……その情報は知りたくなかったよ……」
「階段の数……知ってしまった……」
ずーん……と落ち込む巴とひまり。
それを見て、慌てて謝るつぐみ。
「階段は12段……ねえ、みんな。数えながら上がってみない? そうすれば、七不思議は嘘だってこと証明できるよね」
蘭が妙案を出した。
確かに、それなら七不思議は嘘だという事も証明できる。
「でも、数えてみて13段あったら……?」
「そ、その時はその時! ……ていうか、階段が増えていようが別にあたし達の身に何かおきるわけじゃないし」
ひまりの言葉に蘭は、その時はその時だと言った。
「確かに~。蘭もたまにはいいこと言うじゃん?」
「いつも、だよ」
そんなこんなで階段を数えながら上がる事にした6人。
「10、11……」
「12! やっぱり、七不思議なんてうそ……」
だったんだ。と、ひまりが言おうとした時……
「13!」
巴が13と言った。
「も~、巴、冗談言わないでよ~!」
「え?
ひまりが脅かさないでよ~と付け足す。
しかし巴は何も言ってないと言った……
「今『13』って言ったよね?」
「いやいや、そんなこと言ってないって」
蘭が確認するかのように訊くが、巴は言ってないと首を横に振る。
「あたしにもトモちんの声、聞こえた~」
「私にも聞こえたよ」
「ボクにもトモちゃんの声、聞こえたよー? 『13』って」
モカ、つぐみ、夏々が言う。
「……早く、先進もう!!」
「そ、そうだね! あはは~、進もう進もう! レッツゴー! ゴーゴー!!」
「ひーちゃんが壊れてしまった……」
「……この先、何も起きないといいなあ……」
「そうだねー、何も起きなければいいねー?」
何も起きなく無事に体育館まで着けるのかどうか、不安なつぐみなのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。