ぜろのふたばさ   作:どっとはるか

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ARMSのほうでプロットに重大な問題を見つけてしまったので修正中
しばらくこっち
勢いで作ってたけれど、方向性が決まってきたのでタグを修正


タバサ「これは治療」

「な、ななな! だ、だめよそんなの!?」

 

「へひっ!?」

 

「はひ……っ!? だ、だから! わたしは駄目だって――」

 

 取り戻したと思っていた理性は、彼女の仕草であっという間に壊れた。

 

 かわいい。素直にヴァリエールを間近で見てそう思うこの気持ちは、男の本能なのだろうか。女の時には全く無かった、ムラムラと沸き立つ欲望に歯止めが聞かなくなっていく。そんな自分を、私は止められない。少し治まっていたはずの私のあそこから生えたそれは、再び激しく起き上がっていた。

 

 興奮の沈下と共に、理性で包めていたはずの怒りは、彼女をめちゃくちゃにしたいという邪な感情へと変わっていた。これの責任をとらせるという建前を言う度に赤面するヴァリエール。それがまた、たまらなくいじらしい。

 

 ……いい匂い

 

 流れる風に乗って漂う彼女の香りを感じていると、いつまでたっても欲望が収まらない。男の人は普段、こんな風に女性を見ているのだろうか。だとすれば、ギーシュはすごい奴かもしれない。四六時中女の子と一緒にいて、股間を大きくもせず、理性をコントロールし続けているのだ。魔法を扱う為の精神力はドットでも、性欲を押さえ込む精神力はスクウェアだと思う。モンモランシーの態度を見る限り、他の女の子にうつつを抜かせど、キュルケのように夜の遊びに興じてはいないだろう……とんでもない精神力だ。逆に私は、初めての気持ちのせいな、この男の性欲をコントロールできない。初めて魔法を放った時を思い出す。流れ出る精神力を、全く止められないまま全力で放ったように、股間から流れる性欲が、全力全開で体を支配していく。

 

「貴女がいい」

 

 何を言っているのだ私は。欲望を何とかしたいだけなのに、まるで気があるようなことまで口走っている。ただ私は、今この場でヴァリエールとしたいだけなのに、最低過ぎる。

 

 ……ヴァリエールもそこまで顔を赤らめないで欲しい。()ではなく()を用いたのは、それでときめく子がいた話の本の引用にすぎない。

 

 とうとうたまらなくなった私の体は、何もかも忘れて彼女に襲いかかった。あの男へのどす黒い恨みすら、性欲には勝てなかったことに驚きを覚える。

 

 だが、またしても予想外なことが起きた。こともあろうに、ヴァリエールは逃げるどころか逆に、おもいっきりわたしのそれへ背中とお尻を押し付けてきたのだ。

 

「えい、えい! この、このこのっ!」

 

 彼女の反撃で、電気が身体中に走った。これはまずい、ここを擦ることがどう言うことなのかは、女性の頃からわたしも知っている。でも、自分でしたことなど無い。毎日が命がけでそんな気になる余裕はなかったし、お風呂で洗うときですら怖くて、丁寧に、感じないように洗っていた。キュルケなんかは男の相手をするからこそ、ちゃんと綺麗にと思いっきりほじほじしてたけれど、痛くないのだろうかと思ったものだ。

 

 それから私は、自業自得とはいえキスに続き、初体験をまたヴァリエールに奪われた。達する、というのはこういうことなのだろう。幸か不幸か、召喚した韻龍がトドメなので、事故と考えても良いし、後で責任逃れに使えるかもしれないと、明滅すら世界を見ながら私は不思議と凪いだ頭で考えていた。

 

 もう、どうにかしようという気もちは全く無かった。むしろ罪悪感がすごい、はしたない女と彼女に思われてないだろうか。それは困る……使い魔になってしまった以上、関係の悪化は避けたい。

 

「ごめんなさい」

 

 韻龍を追い払い、私は彼女に謝罪した。あのお喋りそうな龍に聞かれるわけにはいかないことも、これから話すつもりだったのだ。しかし、どうやらヴァリエールを誤解させてしまったらしい。私はわだかまりを解くために、さっきまで私の体に起きていたことを一から説明して、もう一度頭を下げた。

 

「もう良いわよ……お互い水に流しましょう?」

 

「……ありがとう」

 

 許してくれた彼女の態度に安堵して気が抜けた私は何故か、少しだけ嬉しさを感じていた。

 

「へ? ちょちょちょ、ちょっとタバサ!」

 

 和む余韻もなく、ヴァリエールが狼狽え始めた。久しく感じた気持ちをぶち壊されたのが少し腹立つものの、彼女の怯え具合は尋常ではない。

 

「また、大きくなってきてるわよ!?」

 

「えっ!?」

 

 かなり場違いな、柔らかい声を漏らした気がするが、彼女の狼狽の原因は私であり、良い気持ちになっている場合ではなかったらしい。気がつけば、股間からまたむくむくと、力を取り戻しつつある。

 

「ど、どうしよう……」

 

 情けない声で彼女に助けを求めてしまったが、既に頭には先程の感情がせり上がってきている。このままでは、また欲望に飲み込まれてヴァリエールを襲ってしまう。

 

「ど、どうしようって……や、やっぱり誰かをもう呼ぶしか!」

 

「ダメ、待って!」

 

 開かない扉を開けようとする混乱したヴァリエールを、開かない扉なのに逃げられるのが怖くて必死に彼女の手を掴み、離そうとしない私がそこにはいた。

 

「た、タバサ、放して!」

 

「やだ」

 

「ちょ……」

 

 

「助けて……ルイズッ!」

 

「―――――っ!!」

 

 気がつくと何故か、彼女を名前で呼んでいた。湯だった頭では必死すぎて、もう態度を取り繕えなかったのかもしれない。誰にも知られたくない一心で、私は彼女にすがっていた。今度は前から、彼女に亡者のよう抱きついている。生えた先と、少し上にある彼女の股がキスをした気がする。あぁ、考えることまで何か変態じみてきてないだろうか。男の人はすぐこんな風に考えてしまうのだろうか、ギーシュってやっぱりすごい。

 

「きゃ……っ!? ど、どんどん熱く……どうしたら、どうすれば?」

 

「うあぅ……は、はぁ……ルイズぅ」

 

「タバサ、はっ……!? そ、そうよ!」

 

 股をもじもじさせながら、本能に耐えて唸ることしかできなお私と違って、ルイズは何かを思い付いたらしい。先程の尻で反撃する発想といい、少し不安だ。しかし、今はそれにかけるしかない。断言できる、今の私は頭がバカになっている。いっそお尻でもう一回してもらえば良いのでは、なんて対症療法しか思い浮かばない。

 

「大きくなると熱くなるんだから、冷やすのよタバサ! あなたの得意な風の、氷の魔法で冷やすの!!」

 

 ルイズの考えも、対症療法だった。しかし、確かにこれなら彼女に迷惑はかからないし、熱傷のように熱いこれも、冷やせば戻るかもしれない。普段は体温と大差ないのだから、そこまで冷やせればむしろ、戻る可能性も高い。

 

「……ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ハガラース」 

 

「ちょ、ちょっと!? そんな複雑な魔法じゃなくて、まずはコンセイションとかから――」

 

「ダメ! 時間をかけてたら、きっとまた貴女を襲ってしまう!!」

 

「!」

 

 心の中にある僅かな理性が、生えた熱々のそれを擦り付けられることで、チリチリと焦げ千切れていくような気持ち悪さを感じるのは、ルイズを心配したからだろうか。残る理性をフルに動員して詠唱を完成させ、出来上がった魔法を放った。

 

「ジャベリン!」

 

 私の作り出した巨大な氷柱が、絨毯を貫き床に突き刺さる。それは床板までを砕いたものの、固定化のかけられている寮塔の石材を貫くことは出来ず、粉々に砕ける。

 

「あ」

 

「タバサ!?」

 

 突如、世界が揺れた。たくさんの精神力を放出した後の気の弛みに、心を蝕む股のこれが反応したのかもしれない。理性が崩れる。

 

 私は慌てて砕けた氷を手に取り、忌々しさを感じ始めたそれへあてがった。

 

「んひぅ……!」

 

 手に伝わるそれよりも、圧倒的な冷たさをそこに感じた私の心臓が跳ね、呼吸が止まる。

 

「はっ……あ、ふ……くっ!」

 

 無理、無理無理無理! 冷たすぎる、痛すぎる。

 

「る、ルイズ……」

 

 私は、その手にあった氷を、ふらふらとルイズへと手渡すと、ペタリと座り込んで、自分のスカートをまくりあげた。

 

「な、た、タバ……っ、何を!?」

 

「おねがい、私のここに、それを……っ」

 

「な、んななななな!」

 

「自分でしたら、離しちゃう」

 

「そ、そんなこと言われても……」

 

「早く……もう、理性が……もたない」

 

 情けなさと、恥ずかしさで泣きながら、大切なところをさらけ出した。甘えるような、自分にとっても懐かしい声で、彼女を見上げる。

 

「……わかったわ」

 

 私の思いは今度は届いたらしい。ルイズは氷片を握る手に力を込めるとしゃがみ、ぴとりとそれへ当てがった。

 

「ふ、あっ、う……!」

 

「ちょっとタバサ、逃げちゃダメよ!」

 

「だめ、無理……」

 

「ええい、もうっ! わかったわよ、こうしてやるんだから!!」

 

 座ったままでも、思わず後ずさってしまう私へ叫んだルイズは、手近にあった氷片をもうひとつ取り、両の手の中にそれぞれ持つと、私のそれをパンで肉を挟むように包んだ。

 

「ん……ひぃう!! あ……ぁ!」

 

 握ったそれを氷越しでも離さないように、ルイズの手にちからがこもる。あまりの冷たさに私の嗚咽が漏れる、ここ数年ずっと使っていなかった、喉の奥が大きく開き、絶叫を出そうと喉が震えた。

 

「さ、サイレ……あああああ――――っ!!」

 

 いたいのに、どこか艶のある。そんな自分で聞いたことのない声が部屋を駆け巡る。まずい、使い魔にかまけている二年生は誰も居ないかもしれない。だが三年生や一年生は解らない。まだ授業中のはずでも、サボりが居ればこの声を聞かれてしまう。しかし、サイレントの呪文を唱える余裕は、体にも心にも残っていない。

 

「ふ、ふぐ……っ、ふぐっ……!」

 

 仕方なく私は自分の手で口を塞ぎ、声を押し殺した。勢い余り、口を塞ぐときにメガネを弾き飛ばしたことで、世界がぼやける。早く、早くこの地獄が終わって欲しい。

 

……お願いだから早く、早く!

 

「あ……やった、やったわタバサ! あなたのそれ、どんどん小さくなってくわ!!」

 

 暫くして、萎びるように私のそれは縮み始めた。ルイズの案は、どうやら正解だったらしい。

 

「よかっ……た」

 

「ふう、一時はどうなることかと思ったわ」

 

 達成感が二人を満たしていた。文句も、恥ずかしさもなくルイズが笑い、つられて私も笑った気がする。

 

「ルイズ」

 

「な、何よ……」

 

「ありがとう」

 

「お、お礼はもう良いわよ……結婚はあれだけど、使い魔を見捨てるなんてメイジ失格だし――た、タバサ!?」

 

 体から力が抜けて、崩れるように床に横になる私を見て、慌てたルイズが顔を覗きこんできた。私を心配して、瞳を揺らす彼女の顔が美しい。そんなルイズを欲望で汚さなくて済んだことに安堵もする。

 

「大丈夫」

 

「そ、そう……」

 

 安堵した彼女の顔は、戸惑う顔よりひときわ着れに思える。

 

 ああ、そういうことか……。

 

 正直、キメラを相手にしたときよりも、何だか別の意味で疲れた。例えはしたないと言われようと、私はもうスカートや、下着のずれを直す気力なんてない。そのまま放置して、それへと視線だけ送ることにする。

 

「それにしても、なんでまた急に大きくなったのかしら?」

 

 ルイズもそれが目に入ったのか、ちらりと顔を私の股へと向ける。もう、彼女に見られて恥ずかしいという壁は、とっくに砕け散っていた。むしろ、氷越しとはいえ、触って? と言ってしまった……今更である。見ないでといったのは数十分前だった気がするが、もはや無かったことも同然だ。

 

 それと、どうしてこれが再起立したのか、理由については見当がついている。言うべきか、言わざるべきか。悩んだ私は、彼女へ告げることにした。

 

「それは多分、貴女が好きだから」

 

「へえ。わたしが好きだと、こう……なる――はあぁっ!?」

 

私は、自身が整理をつけられてない気持ちのままに、ルイズへと思いを告げた。

 

「それって、ど、どどどどういう意味よ! あんた、まさかまだおかしくなってるじゃないでしょうね!?」

 

「今は正常」

 

 その証拠に、泣いたり叫んだりおねだりしたり、変な顔になっていないはずだ。

 

「な、ならどうして……す、好きとか言うのよ」

 

「もし、私が男に生まれてきていたら、きっと貴女に一目惚れ」

 

「ひ、一目惚れって……」

 

「おまけに首ったけ」

 

「は、はう……うぅ。何よそれ、意味解んないわよ。」

 

「でも、男の気持ちを私は知らない。女のままな私の心は、慣れないこの気持ちをどうして良いか解らなくなる」

 

 恐らく、急に生えたこれが、男性の感情、欲望、本能を私に芽生えさせている。しかし、私は男になったのではなく、股間にそれが生えているだけであり、股には女性のもちゃんとついている。つまり、体や心、脳は女のままなのだ。

 

「だ、だからわたしを見て暴走?」

 

「多分」

 

 男のタバサには、ルイズの全てがストライクなのだろう。しかし、それに女のタバサはついていけていない。推測でしかないが、暴走の原因はきっとこうだ。

 

 こくりと頷く。医者や先生ではない私は、どう例えれば良いのか解らない。それでも無理に例えるのなら……今の私は、赤ん坊へ思春期の男性の記憶や、感情を植え付けたような状態だと思う。襲い来る好意と性欲。そんなもの、何も知らない赤ん坊にどうにか出来るわけない。

 

 私の話を聞いてなにかを考えたあと、ルイズがまた慌てる。

 

「ちょ、ちょっと……今は大丈夫なの!?」

 

「今は、平気」

 

「ど、どうしてかしら?」

 

「疲れてるから」

 

「そんな理由なの?」

 

「倦怠期の夫婦」

 

「ふ、夫婦って……まだ何もわたしとあなたは始まってないわよ」

 

「例え話」

 

 本でよく見かける、浮気に女が走る原因だ。疲れて帰る夫は、性欲よりも疲労のほうが勝る。フロ、メシ、ネルというルーンみたいな会話しかしないものもあったし、間違いないだろう。

 

「おやすみ」

 

「い、いきなり寝ないで!? まだあなたと話すことたくさんあるし、韻龍と約束だってあるじゃないの!」

 

 確かに、ルイズへ話したい、いや、話さなければならない私のことはたくさんあったはずだが、初めての男の子を経験した私に、そんな余裕はもうない。後にしようと目を閉じる。

 

「ああ、もう! 床なんかで寝たら駄目よ!!」

 

「平気、野宿には慣れている あなたは私のベッドを使って」

 

「の、野宿って……ううん、やっぱり駄目よ。」

 

「どうして?」

 

「それは……そう、あんたはわたしの使い魔として色々頑張ってもらうからよ。 疲れたままでいられたら、困るじゃない!」

 

 ぐいぐいと、ルイズが私をベッドまで引っ張ろうとするが、いくら私が小さくても彼女の腕力では無理だ。魔法を使えないということは知っていたが、いざ実際目にして見るとその不便さを思い知らされる。

 

「ふぬ……っ! この!」

 

「そんなに気にすることじゃない」

 

「わたしが気にするの! 使い魔とはいえ貴族のあなたを床に捨てて、自分だけベッドなんて……は、そうよ!」

 

 本日三回目、またルイズは妙案を思い付いたらしく、笑みをうかべるが、その顔は今日見た中で一番悪戯じみていた。

 

「タバサ、わたしがレビテーションで運んであげる」

 

 青ざめた私は、残ったちからを振り絞り、彼女とベッドへ入った。

 

 韻龍の文句で起こされたとき、近くにあるルイズの顔を見た私は興奮してしまい、回復してしまった股間を治めるはめになる。その際、もう一発ジャベリンを放ちルイズに頼み、情けない声をあげたのは言うまでもない。




ベットリしたものは、次に持ち越し
目まぐるしく起きるイベントに疲れ、頭が変になりつつあるせいもありますが、ルイズも何か別のものに目覚めつつあるようです

前回のだと最初に考えていた生えてないただのタバさと変わらないなと思い、生えてるんだからとはっちゃけることにしました。
何でもやりまくりだと、タバサの初めてがすごくどうでも良い相手か、コミックLOまっしぐらなので、そこは調節するつもりです。
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