霧煙る朝 とても大きな屋敷で一人の男は目を覚ました。
広いキングサイズのベットはとてもフカフカしており二度寝を誘う…。
「…」
再び目を閉じようとしたその時だった。
「旦那様…朝ですよ」
執事の ハイド リベルトが小さく呟く。天窓から除く顔 メガネ越しから緑色の切れ目な瞳 少し長い髪は 揺れている。整った顔は小さく三日月のような微笑を浮かべていた。
こいつ、いつの間に部屋に入ったんだ?...仕方なく体を起こし寝巻き姿のまま、等身大の鏡の前に立つ。
真っ黒な髪は耳元まで綺麗に切りそろえており 瞳はキラキラと宝石のように透かしならが鏡の中の自分と目が合う。ゾッとするほどの優美な白肌はシミひとつ無い。 そして特徴的なこの赤い瞳は お父様譲りだ 。
魔法を使う際 大抵の者は杖が必要だが俺にはそれが必要ない。
指を、パチンっと鳴らすと 寝巻き姿のローブは一瞬で品がある黒コートに変わる 目にかかる髪は オールバックで綺麗に纏められた。
その容姿はまるでアンティークドール されど彼は生きている
威圧感を少し抑え ハイドに視線を移す。
「今日の予定は」
無機質な部屋で 低音甘いボイスが響く、少し肩を揺らしたハイドは何事も無かったように「お客様がお見えになります。」っと返事を返した。
この屋敷は先代の頃からずっと佇んでおり 残してきた功績も数え切れないほどある。 そんな俺は 業務をこなしつつ暇を持て余している
ゆったりと黒革の椅子に座り、机に置かれた手紙に視線を移す。
「...読め」
後ろに立っていたハイドは失礼しますと一言述べ、ペーパーナイフで手紙を開ける そしてスラスラと読み上げた。
「今になって教科書を使うことになろうと...は...」
眉間にシワをよせ面倒くさそうに口開く
「面白そうではありませんか」
ハイドが意地悪く笑みを浮かべる...全くこっちはいい迷惑だ。
子供のお守りなんて...俺はこう見えて成人男子だ...。
「旦那様 杖をどうぞ」
どこからか漆黒の杖を出してきたハイド...この杖は ハンノキと黒薔薇で出来ている杖。所有者に対して絶対的な忠誠心を抱きそして何よりも攻撃力に特化している杖。
「必要ない」
キッパリと断るが執事はニコッと笑い 無理やり杖を握らせてきた。
「クロード様 学校では杖が無いとダメです」
だが断ると言わんばかりに杖を押し合うが最終的に仕方ないと思い
久しぶりに軽く 杖を振るう。
すると屋敷中から大鍋や教科書、羊皮紙、インク、羽ペン等が次々と宙を舞い部屋に運び込まれ、拡張魔法と重量軽減魔法の掛けられた黒いトランクに入ると、最後にパチンっ!と金の留め具が掛けられた。
「チッ...行くか」
自室から出ると高貴な廊下を歩き 客間へ足を運ぶ。
扉を開けばそこには既に 客人が紅茶を嗜んでいた。
「久しぶりだな アルバス」
ドサッとソファーに腰を落とすと足を組み軽くアルバス ダンブルドアを睨む。
古狸め
「あいかわらずじゃのぉ」
ふぉふぉふぉっと楽しそうに笑う。
「こちら、スコーンとカスタードジャム 付け合せにキャラメルをお持ち致しました。」
たったこの数分でお菓子とお茶を用意してきた ハイド こいつの作るスイーツは誰よりも美味しい むしろこいつが作ったもの以外は口にしない。
スコーンのさくさくとした食感とカスタードのソースとキャラメルソースふわ、とろ、と舌を楽しませる。
ティーカップを手に取り紅茶を味わえば味わい深い香りが鼻腔を擽った。
「こうしてアフターヌーンティーを楽しむ自分だけの時間が無くなるのは些か不満だ」
「クロード様らしいですのぉ」
暫く紅茶を楽しみ中身を空にするとダンブルドアがおもむろに頭を下げた。
「ワシじゃハリーを守りきれん この通りじゃ、クロード様のお力を借りたいのじゃ」
少し沈黙が続いた後に俺は口を釣りあげてにんまりと笑った。
「俺は高いぞ 無論城では個室な」
拒否権は与えない それが俺のやり方だ 。ダンブルドアは俺の手を握ると個室ぐらい容易いと述べホグワーツに姿くらましで、帰って行った。