日の呼吸を使う武士、月の呼吸を使う武士が幻想入り 作:take8025
巌勝「私は気にした事が無い、確かにジメジメしているが、差程暑くなく、過ごしやすいと思うのだが」
縁壱「そうですか」
木々に咲いていた桜の花弁が散り、春の過ごしやすさが消えていき、幻想郷にはどんよりとした雲が青空を隠し、雨が時に弱く、時に強く猛烈にと、場所は問わずに降り注ぐ。
縁壱宅
縁壱「また雨が強くなってきたか...」
慧音「しまった...差程遠くないから別に良いだろうと思って傘を置いて来たのが失敗だったな...」後日に行う授業の打ち合わせの為に縁壱宅へ
縁壱「傘なら幾らでも貸そう、少し待っておれ」
縁壱は玄関に向かい、傘の本数を確認する。
縁壱「あれ?ここに必ず置いている筈の傘が無い...?何故だ...?昨日は確かにここに置いていた筈...」
慧音「無いのか?」
縁壱「すまぬ、無いようだ...」
慧音「困ったな...」
「こんなに雨が酷くなるなんてー!!!」
「「ん?この声は...」」
アリス「あ!縁壱雨宿りさせてもらっても良いかしら?!」
縁壱「構わぬ」
アリス「ありがと! 物凄い濡れたわね...」
慧音「劇をしに来てたのか?」
アリス「いいえ、人形を作る為の材料を買い出しよ」
縁壱「少し待っておれ、拭き布を持ってくる」
縁壱「ほれ」
アリス「ありがとう」
縁壱「身体が冷えきっているなら風呂も用意しておいてやるが...どうする?」
アリス「あら、覗く気かしら?エッチね♪」
縁壱「エッチ?何だそれは?「破廉恥だな」そういう事か、アリスよ、何をほざいておるのだ?覗く気なぞ毛頭無い、覗いた所で何になる?私に何の利があるというのだ?そんな事をすれば周りから白い目で見られるだけだ、他意はない、風邪を引かれても困るのでな」
アリス「」
縁壱「どうするのだ?入るのか、入らないのか」
アリス「頂きます...」
縁壱「しっかり身体を温めると良い」
アリスは風呂場へ姿を消す。
慧音「流石に言い過ぎではなかろうか...?」
縁壱「...どうだろうかな」
ガラッ
巌勝「縁壱」
縁壱「あっ、兄上どうされましたか?そんなずぶ濡れに...」
巌勝「傘を貸してくれ!」
縁壱「申し訳ありません、傘が今は一つも無いのです...」
巌勝「あれ程あった傘が無いのか!?」
縁壱「はい...」
巌勝「困ったなぁ...」
雨はどんどん強くなってゆく。
縁壱「とりあえず、お茶の用意をしてきます」
・・・
・・
・
アリス「縁壱ありがとう、さっぱりしたわ♪」
縁壱「お前さんの服は慧音殿に頼んで今乾かしてもらっている」
慧音「あ、上がったか、服は乾いているぞ、着替えてくると良い」
慧音「そういえば縁壱殿の服を着ていたな」
縁壱「寝間着だな、あの白いのは」
慧音「そうだったのか...あの寝間着はどうすれば良い?」
縁壱「私が洗っておく、洗い場に置いててくれれば良い」
慧音「分かった」
巌勝「雨が止まぬな...」
縁壱「あ...」
巌勝「?どうした」
縁壱「傘は昨日、傘を忘れた子供達に貸しました...ここに遊びに来ていたので」
巌勝「沢山置いていた傘が無かったのはそう言う事だったのか」
慧音「それはそうとも、どうやって帰ろうかな」
縁壱「もう少し待っても雨が止まぬなら泊まって行くと良い」
慧音「良いのか?」
縁壱「私は別に構わぬ、兄上もどうでしょうか?」
巌勝「うむ、お言葉に甘えよう」
アリス「着替えたわ」
縁壱「アリスよ、このまま少し待っても雨が止まぬなら今日は泊まって行くと良い」
アリス「良いの?」
縁壱「構わぬ」
アリス「やった!」
縁壱「(なぜそんなに喜ぶのだ?)」
巌勝「(アリスは縁壱が好きなのだな...まぁ頑張って縁壱を振り向かせるが良い、影ながら応援しよう)」
縁壱「さて、晩飯は何にするかな...そう言えば鹿肉と鴨があったな」
巌勝「鹿と鴨?」
縁壱「何でも、妖怪の山という所に行ったからその土産として紫殿から頂いたのです」
巌勝「ほぅ」
縁壱「よし、今日は鍋にするか」
巌勝「下準備は私も手伝おう」
縁壱「助かります、アリス達はゆっくりしていると良い」
アリス「お言葉に甘えるわね」
慧音「すまない」
縁壱「よし、一先ず完成だな、もう少し待たれよ」
巌勝「縁壱、この酒は開けて良いか?」
縁壱「良いですよ、丁度今日はそれを呑んでみようと考えておりましたので」
巌勝「分かった、では一口貰おう ムムッ!?これは旨いぞ!」
縁壱「どれどれ... ! 旨い...!」
慧音「私も あ、美味しい...!」
アリス「確かに美味しいわねこのお酒」
縁壱「もう一杯だけ呑むだけにします私は」
巌勝「なに?」
縁壱「幻想入りしてからか、酒を呑む機会が凄く多いので少しは自制しなければ...身体が悪くなっては遅いので」汗
巌勝「確かにこの前は樽ごと酒を呑んでいたからなお前は...」汗
慧音「地底の鬼並みに呑むのだな縁壱殿は」汗
継国兄弟「鬼?」
鬼と言う言葉に敏感な巌勝と縁壱、まぁ無理もない。
慧音「あぁ、ただ縁壱殿達が認識している鬼とは違うぞ?人は喰ったりしないから安心すると良い」
縁壱「そうか」
巌勝「人に危害を及ぼさないなら良い、斬る理由は無い」
縁壱「人に危害を及ぼしまくっていた兄上がそれを仰るのは...」
巌勝「縁壱!出来るだけその話は触れないでくれ!それは過去の話だ!今は違うぞ!私は人として生き、人として死ぬと決めたのだ!男に二言は無い!」
縁壱「あの鬼舞辻無惨が来てもですね?」
巌勝「勿論だ!」
アリス「鬼舞辻無惨って?」
縁壱「あぁ、そう言えばアリスには言っていなかったな...食いながら話す内容でない、食後に話そう」
ー食後ー
縁壱「私の知る限りを話すとしよう、まず、鬼舞辻無惨とは鬼の教祖と呼ばれている、奴の血を浴びた者は適性しなければ死ぬか、鬼となるかと言われている。
奴らの食料は人間、人の血肉を喰らって餓えを凌ぎ力を身につけるのだ。
人を喰らえば食らった数に比例して鬼は力を増してゆく、この中で一番強い鬼を十二鬼月、上弦や下弦と呼ばれる。
兄上も一度は鬼になった事を知っているだろう、兄上はその十二鬼月最強と言われた上弦の壱だ」
「「!?」」
巌勝「事実だ」
縁壱「アリスは一度ばかり魔法の森で見ている筈だ、その上弦の壱を」
アリス「確か...目が六つあって着物を着てた鬼の事?」
縁壱「そうだ」
巌勝「それは鬼になった時の私だな」
アリス「見た目はそんなに変わらないわね、変わるとしたら目の数?」
縁壱「それには個体差があるようでな、鬼によっては見た目は変わらなかったり、或いは人の形を留めなくなったりと、鬼舞辻の見た目だが、私が見た時は普通の人間と大差は無かった、見分けるとすれば目の色と髪型と言った所か」
巌勝「無惨さm...ンンッ、無惨は真っ赤な目にワカメみたいな髪型をしている」
縁壱「兄上、今無惨の事を無惨様って言おうとしてましたね」
巌勝「...仕方あるまい、鬼になって400年以上もの間、ずっと無惨様と言っていたのだ」
縁壱「まぁ良いでしょう」
巌勝「一応、十二鬼月について私からも話しておこう、十二鬼月とは鬼舞辻無惨が自ら選別した直属の配下、“最強”の十二体の鬼を指す。
鬼の素養にも優劣があり、優れている鬼はより多くの血肉を本能的に求め、人を喰らう事が出来るのだ」
慧音「鬼になるに素養があるのか...」
巌勝「あぁ、私はそこまで詳しくは知らなかったが素養があるらしい、鬼は本来、身体を維持する為には最低限の人を喰らう事が必要であって、逆に素養の無い鬼は短期間に一定量以上の人数を喰らおうとしても身体が受け付けようとしない、食っても吐き戻すだけだ。
これらの鬼は人を喰う事により力を増すだけでなく、無惨からさらなる血を授けられる事により急速に力を増す事が出来た」
アリス「その無惨の血ってそんなに凄いの?」
縁壱「無惨の血を浴びただけで人は鬼になるか、体が適応せずに死ぬかの二択だ」
巌勝「続けよう、無惨の血は浴びるか飲むかして摂取し、摂取した直後は凄まじい痛み...と言えば良いか、とにかく、身体に途轍もない程の衝撃が走るのだ。
中でも十二鬼月は数百人の単位で人を喰らう素養があり、その力は通常の鬼を殺す鬼殺隊士では文字通り『刃が立たない』のだ。
鬼は潜在的に強さへの渇望、無惨への完全なる忠誠を刷り込まれている他、十二鬼月となった者には、ある程度の自由裁量...例えばだが、群れを作る等そう言った行動が許される事から、十二鬼月に選別される事を至上の名誉となっているとの事だ。
しかしだ、最高幹部と言えば聞こえは良いが、本心は無惨が自らの姿や能力を鬼殺隊士の目に晒す事無く鬼殺隊を壊滅させる為に見出した所詮は捨て手駒に過ぎない。
実際にその起源も、戦国の時代に現れた始まりの呼吸の剣士達、私や縁壱に対抗して、無惨が強力な鬼を求めたのが始まりだ。
加えて完全な実力主義な為に、選別された後も更なる力の鬼が現れる。
素養を無惨に見限られた場合は容赦なくその席位を剥奪されて、無惨の機嫌次第では問答無用で処刑される事もある」
縁壱「処刑ですか...!?確かに奴が人非道なのは知っていますが...」
巌勝「あぁ、縁壱が死んで300年後だったか...無惨は下弦を解体した事がある、確か...下弦の壱は無惨に気に入られて血を注がれた筈だったな、まぁ、十二鬼月は内部でさらに“上弦”の鬼が六体と“下弦”の鬼が六体と分かれており、最強たる主席は“上弦の壱”、つまりは私、そして最弱である末席は“下弦の陸’’となる。
十二鬼月に選別された鬼はその目に証となる席位を刻まれるが、上弦が両目に刻まれる。
右目に“上弦”・左目に“参”のに対して、下弦は片目のみに刻まれていた、確か...左目に下伍とかだったか...両者はハッキリとした差別化がされている。
数字の昇格と降格は無惨によって定められている。
しかし例外として、下位の鬼が上位の鬼に対して“入れ替わりの血戦”と呼ばれる一対一の勝負を申し出て、勝利した場合はその位を上位のものに置換する事が可能であった。
確か上弦の参であった鬼が一つ上の上弦の弐に挑んで見事勝ち取った事がある。
まぁ、流石に私には勝てなかったようだがな。
特に上弦以降の昇格は全てこれで決定されるが故に、席位は一切の疑いを挟む余地すらない実力順となっていた。
よって、上弦と下弦では実力に天地ほどの差があり、同じ十二鬼月でも、下弦の鬼達は上弦の鬼達に見下され蔑まれていた、私は別に見下したり等はしなかったがな。
また、上弦の鬼のみが鬼への勧誘が鬼舞辻無惨直々に認められていた、これは上弦の鬼が無惨の血の濃度が最も濃い為に、人間を鬼に変えやすいという理由もあるのだ。
また、鬼は同族嫌悪という性質もあるのだが、鬼は基本的には互いに階級を巡って争うライバルでしかない為、同じ十二鬼月の構成員同士の関係はとても良好とは言い難い。
そもそも無惨からの命が無い時はそれぞれが自由に行動しており、基本的には互いに集まったり関わったりする事も少ない故に、構成員同士の横の繋がり自体も非常に希薄でな、一つの集団としては殆ど機能しない」
縁壱「私が生きて鬼狩りをしていた時は集団で行動しているのを滅多に見ませんでしたね」
巌勝「百年以上顔ぶれが変わっていない上弦に対して下弦は説明した通り、無惨の機嫌次第で降格や処刑、鬼殺隊に殺られる事もある為に、鬼の入れ替わりが激しいのだ」
縁壱「鬼は無惨の事を、名前を出しただけで呪いが発動して死ぬ」
アリス「何故かしら?」
巌勝「理由は簡単だ、己の素性を知られない為、配下には呪いを掛けていたのだ、無惨の血には無惨の細胞があり、それが身体を破壊して死に追いやると言う事だ、私は何故か呪いが掛けられなかった」
慧音「説明が長過ぎて分からん...」
アリス「眠くなりそうな位に難しいわね...」
巌勝「無理もない、無惨は常に上から目線、己が出来ない事を棚に上げてそれを配下にさせる屑そのものであったからな...側近で仕えて鬼であった私もどれだけ苦労したか...」
縁壱「とにかく、私や兄上が幻想入りしたのならば、鬼舞辻無惨も幻想入りする可能性は0残念ながらでは無いと言う事だ」
巌勝「また勧誘されそうだな...」
縁壱「大丈夫です、見つけ次第バラバラに切り裂いて御覧にいれます、後、鬼舞辻無惨は自身の肉体を分裂する事も出来る、私が見ただけでも数にして1800はバラバラになる」
「「1800!!!」」
縁壱「全ては斬れなかった...」
巌勝「だが無惨はかなりの期間、思うように動けなかった、日の呼吸の適性者を殺していたのは殆ど私一人だ、お前が与えた傷は永遠に無惨の体に残っていたぞ」
縁壱「とにかく、あの腐れ外道である鬼舞辻無惨はいかなる理由であろうと、幻想郷が無惨を受け入れようとしても、絶対に生かしてはいけない、あやつは存在してはいけないのだ、アリス達も見つけたら即座に教えて欲しい、痣の影響故に後数年、もしくは数ヵ月後にもこの世から去るやもしれぬが、まだヤツの頸を斬らぬ限り死にきれぬ...!次は絶対に、刺し違えようと殺す...!」
アリス「わ、分かったわ...(そこまで本気なの?)」
慧音「私も分かった」
縁壱「何だか不味い話をしてしまったな...話題を変えよう、出来るだけ明るい内容にな」
・・・
・・
・
ー夜明け前ー
縁壱「...ん」
一番に目を覚ました縁壱は目元を擦りつつ身体を起こし、辺りを見渡す。
縁壱「(いつの間にか雑魚寝していたか...兄上も雑魚寝している...何か布を掛けておかねばな...昨日よりは酷くないものの、雨はまだ止まぬか、仕方ない今日も鍛練は無しだな、ここ最近、刀をあまり振るっていないから腕は落ちているだろう...困ったものだ)」
縁壱「(とりあえず、風呂に入ってから朝食の準備でもするか)」
重い腰を上げて先に風呂に入り、そして台所へ向かう縁壱。
火を焚き、綺麗な水で米を研いで釜で炊き、炊き上がる迄の間に卵焼きと味噌汁をササッと手際よく作り始める。
鮭と青菜のオカズも準備、それはもちろん人数分。
準備を終えた頃には雨も止み、雲の合間から太陽が見えてきた。
縁壱「...よし、出来た(ちょうど日も出てきたな)」
巌勝「すまぬ、先程起きた」
縁壱「おはようございます兄上、今朝食が出来たばかりですが食べられますか?」
巌勝「そうだな...昨日は風呂に入らず寝てしまったから風呂の後で食べよう、まだ二人も寝ているわけだ、起こすにも可哀想なのでな」
縁壱「分かりました、風呂は沸かしてます、私も入りましたので」
巌勝「そうか、私が風呂から上がったら二人を起こしてくれ」
縁壱「分かりました、ごゆっくり」
・・・
・・
・
巌勝「上がったぞ」ホヤホヤ
縁壱「では二人を起こしてきます」
縁壱は慧音とアリスが寝ている客室に向かい襖を軽く叩き、反応を伺う。
縁壱「(反応無し、か まだ寝ているなこれは)」
スッ
縁壱「二人とも、朝だ 朝食が出来ておる、冷めぬうちに食べてくれ」
慧音「ん...、もう朝か...」
縁壱「慧音殿は朝が強いと思っていたがな」
慧音「いつも寝ている所と違って昨日はいつもより遅くに眠れてな...」
縁壱「そうだったか、朝食を済ませたらもう少し寝てても良いぞ」
慧音「いや、今日は授業があるからな...さて、目も覚めたし、ご飯食べますか」
アリス「後5分...」
縁壱「ダメだ、飯が冷えてしまう」
観念したのか、背伸びして目を覚ます。
縁壱「顔を冷水で洗ってこい、それで目が覚める」
アリス「アレ嫌...」
縁壱「私が後ろから刀を片手に追い回して人里を走り回るか、大人しく顔を洗うか、どっちにするか?好きな方を選べ」
アリス「...顔洗ってきます」
縁壱「宜しい」
ー10分後ー
一同「いただきます」
食事中
食後
「「「御馳走様でした」」」
縁壱「お粗末様でした」
慧音「縁壱殿、雰囲気が無いのはすまない...私の夫、つまりは主夫にならないか?稼ぎは良い方だし...」
縁壱「慧音殿、すまぬが再婚はせぬぞ、死んだ元妻の うた にあの世で顔向け出来なくなる、そして収入は悪いが私が遥かに上だ」
巌勝「(硬てぇなコイツ...)」
※月収は縁壱>>>慧音>その他etc.の順である。
慧音「むぅ...(頭突きでも授業人気でもそして収入でも勝てないのか...!やだもう凹む...)」
縁壱「求婚は申し訳ないが受けるつもりはない、私の気が余程の事が無い限りは...」
慧音「(つまりそれはチャンスがあるという訳だな...?訳なんだな!?既成事実もあるな...!)」
アリス「(これは...縁壱大好きだし、こんな私でもいける...?いけるよね?)」
巌勝「(ん?なんか雰囲気が変わったな...)」
縁壱「いや、やはり駄目だ...私より、兄上はどうだろうか?とても良い男なのは保証しよう」
巌勝「(なーんで私を売るのかなコイツは)」
アリス「確かに...確かに巌勝もイイ男よ、だけど...私は縁壱が好きなの!」
慧音「私もだ(妹紅すまん、私が先に縁壱殿を頂くとするぞ、いつまでも元教え子達に「先生まだ結婚しないの?」と言われたくないのだ!)」
巌勝「この色男め、こんな別嬪二人に告白されておきながら、この期に及んでまだ黙っておくのか?(頼むからタヒんでくれ)」嫉妬
縁壱「...」
縁壱「では」
縁壱は音を出さずにその場から消えた。
「「「あ!逃げた!?」」」
縁壱「さて、逃げたは良いがどうするか...」
あの場には居たくないと逃げ出し、縁壱は人里に飛び込んだ。
縁壱「慧音殿には顔合わせしづらい...今日は授業あるしそれで顔合わせもまたする...困ったな...まぁイイか」
「あ!縁壱兄ちゃん!」
「おはよー!」
「おはようございます!」
縁壱「あぁお前達、おはよう」
「今日は道場開けるの?」
縁壱「今日は休みにしようと考えていた...だが、お前達がしたいなら開けるぞ」
「「「「したい!」」」」
縁壱「分かった、寺子屋が終わり次第、開けておこう、但し課せた課題は手を抜くなよ?」
「「「「はーい!!」」」」
縁壱「イイ返事だ」
「先に(寺子屋)行ってるねー!」
「また後でー!」
子供達は寺子屋へ突っ走る。
縁壱「(子供の笑顔とは良いものだ、心が洗われる)...さて、寺子屋へ向かうとするか」
寺子屋
縁壱「さっきはすまなかった」
慧音「いや、別に気にしないでほしい、私も悪かった」
縁壱「そう言って貰えるだけで助かる」
慧音「そうだ、教えておきたいことがある」
縁壱「?」
慧音「今日から巌勝殿も教師として仕事をしてもらうのだ」
縁壱「だから兄上が居られたのか、担当はなんだ?」
慧音「主に私と同じく、国語と算数だ、時々だが体育もしてもらおうと思う」
巌勝「まさか子供に物を教えるとはな」
慧音「自分で言うのも何だが、何分忙しい身でな...縁壱殿は巌勝殿が困った時は助けてやってほしい」
縁壱「無論そのつもりだ、兄上、何か不明な点がありますれば何卒お声かけ下さい」
巌勝「すまぬが頼む」
慧音「さて、そろそろ授業を始めよう」
縁壱「私の受け持つ保健体育に何故霊夢達と慧音殿が参加するのか?」
慧音「後学のためだ」即答
縁壱「...そうか...」
縁壱は深く考えるのを辞めた。
・・・・
・・・
・・
・
縁壱「・・・であるからして、この機能は生物が生きていく上で重要である、それが次のページだ」
・・・
・・
・
縁壱「ここの部分に・・・と書いているな? 〇〇〇、答えよ」
「はい!・・・です!」
縁壱「正解だ、・・・が働く事により・・・・で、・・・・となる訳だ」
・・・
・・
・
縁壱「今日の授業はここまで、復習して覚える様に」
「「「「「はーい!!!!」」」」」
「「「それじゃ縁壱先生また後で!」」」
縁壱「あぁ、道場の鍵は開けておる、準備をしておきなさい」
・・
・
縁壱「片付けは終えた、すまぬが後は宜しく頼む」
慧音「あぁ、お疲れ様」
巌勝「任せておけ」
縁壱「ではお先に失礼」
道場
縁壱「お前達、待たせたな、すまない」
「だいじょーぶ!」
「柔軟体操と走り込み終わったよ!」
縁壱「そうか、では素振りを先週の倍の2000回だ、自分にあった速度でやると良いだろう、仲間同士で手合わせも良し、私と手合わせも良し」
「「「「はーい!」」」」
素振りを黙々とこなす子も居れば、同士で手合わせする子も。
縁壱「(この子達は筋も良く、才能もある、いずれはこの私や兄上を軽々と超える剣士になれるだろう...その備わった力を弱き者の為に使ってくれる事を願うまでだ)」ホワホワ
縁壱はもう一つ、考える。
縁壱「(伴侶、か...うた があの世で待ってくれているのに再婚など、やはり私には裏切る様な真似、出来ない...アリスや慧音殿が勇気を持って私に告白してくれた。
それは嬉しき事...だが、それに応じる事は難しいのだ...私は痣持ちの忌み者、相手に不幸をもたらしてしまう...私は大切なものを持つ事は出来ない。
私は、普通に家族で小さな家で暮らしていければそれで良い、そんな事すら許されていない。
この幻想郷という世界でも...恐らくそうだろう。
前世は齢80過ぎまで生きる事は出来た、だがこの後世だとどうだ?25までしか生きられないかもしれぬ。
だとすれば後5~6年かその位か?
兄上も同じ位だろう、双子であるからな。
自分が再び伴侶を娶り子宝に恵まれても、我が子が成長し大人になった姿を見る事は出来ないかもしれぬ。
別に私が死ぬ事は別に何の恐怖もない、だが大切なものを奪われる事が、そして家族を置いて先に天に召されるのが...とても怖いのだ。
だが、彼女達にも出来るだけの事はしてあげよう)」
・・・
・・
・
寺子屋
巌勝「慧音殿、こっちの片付けは終わった」
慧音「私も今終わった所だ」
巌勝「もう空が暗いな、月が見えている」
慧音「...おかしい」
巌勝「おかしい?何がだ?」
慧音「空を見上げるに今日は満月だろう?」
巌勝「確かに満月だが...何が言いたい?」
慧音「私がワーハクタクとなる事は知っておるだろう?「耳にした事があるな」それは満月の時だ」
巌勝「...なるほど、そう言う事か」
慧音「そう言う事だ、空に浮かぶあの月」
「「本物の満月ではない」」
巌勝「となると、これは異変か」
慧音「あぁ、間違いなく異変だろう」
巌勝「人への影響はどうなる?」
慧音「恐らくだが、悪影響は無いと思う、だが対処はする」
同時刻
博麗神社
霊夢「...あの月はおかしいわね」
魔理沙「どう見たって普通の月じゃないのか?」
霊夢「満月は数日後よ、まだ少し欠けている筈、異変よこれは」
魔理沙「オッシャ!なら解決しに行くぜ!」
霊夢「そうね、行きましょう」
道場
縁壱「...月がおかしい」
「どーしたの縁にぃちゃん?」
縁壱「お空に浮かぶおあの月様があるだろう?「うん」何か違和感を覚えたのだ」
「そーなんだ」
縁壱「お前達、今日はもう帰りなさい、寄り道してはいかんぞ?」
「「「はーい!」」」
子供達が全員帰宅した事を確認してから道場を閉め、慧音の所へ向かう。
縁壱「慧音殿、兄上」
巌勝「来たか縁壱」
慧音「ここに戻ってきたと言う事は、縁壱殿も気付いたか」
縁壱「月の事であろう?「「そうだ」」やはりか...」
慧音「妹紅の所へ行こう、アイツの知ってる奴の仕業かもしれん」
巌勝「今回の異変から私も加勢する事にした」
縁壱「なんと、兄上が居れば心強い、百人力です」
巌勝「買い被り過ぎだぞ縁壱、私はお前よりも弱い、だが弱いなりに頑張らせて貰おう」
三人は妹紅のもとへ向かった。
縁壱「子供の成長を見るのが楽しくて仕方がない」
巌勝「そうか」
縁壱「と言う訳で兄上、子供を作って下さい」
巌勝「...は?」
縁壱「叔父上と私は呼ばれたいのです」( ´ー`)フンスッ
巌勝「」頭抱え