冷凍睡眠を抜けると、そこはハーレムだった   作:黒川伝説・ハプスブルク

2 / 10
オリスト続く上にキャラ崩壊気味というより一部完全崩壊してますがどうかお許しを…


眠る事になる前:2065年

 

 

 

 

 

2065年

とある月曜日の朝。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます、ご主人様。」

 

「………うん、ああ、おはようございます。」

 

 

 

紅蓮さんが来たのは日曜日の夜のこと。

彼女はすぐに機能の説明をしようとしていたが、しかしながら俺はもう眠かったし、嬉しさと衝撃がカフェオレのようになった感情を落ち着ける為にも説明は翌朝朝食を食べながらしてもらうことにした。

ところがどっこい。

朝っぱらから衝撃的な体験をしたあまり、俺は朝食どころではなくなってしまった。

 

昨日の夜はちゃんと1人で寝たハズだ。

だってのに、起きたら下着姿の紅蓮さんが俺のベッドに入り込んでいたモンだから度肝を抜かれた。

それもただ入り込んだだけじゃない。

俺ぁ紅蓮さんの上で寝ていた。

文字通り、紅蓮さんの豊満ボデーの上に乗っかって寝ていたのである。

 

 

 

「どうしました?…ご気分が優れないのですか?」

 

「いや…うん…あ〜…色々とね。…何で…まずは何で、俺が紅蓮さんの上に乗っかって寝てたのか説明してもらえないかい?…ひょっとして紅蓮さんの機能と関係ある?」

 

「はい」

 

「じゃ、説明して?」

 

「それでは。私、C77紅蓮(改)の機能についてご説明させていただきます。」

 

 

とりあえず、紅蓮さんには服を着て貰った。

あんなストリッパーみたいな格好じゃ目のやり場に困るからだ。

俺は紳士のつもりだし、これからも紳士でいたい。

だから服を着てもらう。

 

 

「機能も何も、あなたは俺を護衛する為に来てくだすったんじゃあないの?」

 

「はい…ですがご主人様の元に来る前に、思春期特有の諸事情を考慮した仕様に改修を施されました。」

 

 

本当に考慮する気あったのか?

のっけから思春期全開の高校生の目の前にあんなストリッパーみたいな衣装で現れといて?

その上夜中に寝床に忍び込んでおいて?

到底信じられん。

しかしながら、これから毎日警護を受ける相手なのだから特徴を把握しておくこともまた重要に思える。

とりあえず、話だけ聞くか。

 

 

「で…その機能ってのは?」

 

「まず、こちらをご覧くださ」

 

おおおおおちょちょちょちょちょちょちょ何してんのよ脱ぐな脱ぐな脱ぐな脱ぐな。

 

 

紅蓮さんがせっかく着た上着を脱ぎ始めたので大慌てでそれを止める。

 

 

「なぜ止めるのですか?…男性の場合、喜ばれる事が多いのですが…」

 

「いや、あのね。そういうのはもちっと段階を踏んでいただけないと喜べないのよ。面倒臭い男で申し訳ない。」

 

「いえ…警護対象の研究が不足していた私のミスです。それでは、衣類を着用した状態でご説明します。」

 

「そうして。」

 

「まず私の豊満ムチチムチボディですが、従来のバイオロイドと比較にならないムチチムチさにより、ご主人様の快眠をお約束できます。」

 

「………」

 

「………」

 

「………なんて?

 

「私の豊満ムチチムチ」

 

「いや、そうじゃなくてね。快眠を保障するって、どういうこと?」

 

「?…ですから、ご主人様には私の豊満ムチチムチボディの上でお休みいただく事が前提となります。」

 

 

…これは推測に過ぎないが。

たぶん大元のC77紅蓮はこんなにぶっ壊れては無いと思う。

叔父さんが何を考えたのかは分からないが、かなり大部分…特に脳内…を弄られてるような気がしてくるぞコレ。

 

 

「ご主人様が私の身体の上でお休みになる事で、2つのメリットが生まれます。1つは一日の疲れをしっかりと取っていただけること。私の寝心地について、シ●ンズ社製マットレスと同等の快眠性が研究により証明されています。2つ目は夜間襲撃に対する即応性が高まる事。私が常に側から離れない事で、ご主人様の安全はより大きく担保されます。」

 

 

思考回路おかしくない?

そもそも誰がどうやって快眠性の研究なんてしたんだろうか。

仮に研究をしたとして、その結果を前面に押し出してくるだろうか普通。

この前助けられた時の、ピシッとしたスーツ姿のデキる前線指揮官感MAXな紅蓮さんは何処へやら。

今目の前にいるのは同じ皮を被った性的サービスバイオロイドと言っても過言ではない気がする。

 

 

 

「………分かった、とりあえず、その機能は分かった。他にはどんな機能があるの?」

 

 

紅蓮(改)はその両の手で、ぶら下げているあまりに巨大な2つのメロンを抱え上げて見せる。

もう何を言い出すのかは大方想像がついたし、紅蓮(改)の(改)はきっと"改良"の改ではなくて"改造"の改なのだろうと思った。

 

 

「このムチチムチボディにより、非常時にはここに入っている栄養液をご摂取いただけま」

 

「もういい。もういいわ。ソッチ系の機能はもういいから、もっと実用的な方面について自己紹介していただける?警護面での長所とかさあ。」

 

「了解致しました。私は警護任務を仰せつかるにあたり、専用の装備のみならずあらゆる火器を扱えるようにアップグレードされています。」

 

「そう、それそれ。そういうの。」

 

「また、将来的に警察幹部を目指されるご主人様の為」

 

「おおおういちょっと待てや。何勝手に警察幹部目指させようとしとんねや。」

 

「叔父様からはそのようにお聞きしておりますが…?」

 

「あのね、紅蓮さん。何もかも額面通りに受け取る必要はないんですよ。それは叔父さんの望みであって、決して俺の望みじゃない。俺は税金泥棒かつ窓際部門チックな職に…」

 

「ぐすっ」

 

 

あれれどうしたの紅蓮さん?

まるで息子が堕落しきってるのを「こんな風に育てた覚えはないのに」的な表情で悲しむオカンそのものの反応じゃないですかぁ?

 

 

「ご主人様…ッ!警察官はとても忙しく、給料も高いとは言えませんが…うぅッ…それでも、市民を守るという誇り高い職業でやりがいも」

 

「分かった分かった分かりました。分かりましたからとりあえず、泣き止んでいただけません?」

 

 

そういや紅蓮さん、元々警察の対テロ部隊を率いてたんだもんね。

だからといって、あざとさ全開春のあざとさパン祭りみたいな勢いで人の将来に干渉しないで欲しい。

叔父さん本当に彼女に何したのよ?

先ほどの貞操観念ベルリンの壁か〜ら〜のあざとさフルスロットルは流石に目に余るものがあるよ?

 

 

「お坊ちゃん、そろそろ学校へ行く時間ですよ?」

 

 

こちらもこちらで一体どんなプログラムを仕込まれたのか想像もつかない県警払下ろしミス・セーフティが、未だに泣き止まない紅蓮さんと俺のいる部屋にノックもなしに入ってそう告げる。

彼女達は2体いるので、それぞれ番号を振っていた。

このセーフティは通称『』。

ラン●ーがウチの庭先で暴れたあの日、俺が帰ってくるまで寝腐っていた方である。

 

 

「!?…どうしたんですか紅蓮さん!…お坊ちゃん、女の人を泣かせるなんて最低ですよ!」

 

「喧しいわ!ただ単にあざとさを見せつけられてるだけだ、誤解すんじゃねえ!」

 

「うわ逆ギレ!…これではお坊ちゃんの将来も心配です。こんな風に育たれてしまうなんて…ゴ両親ハ草場ノ陰デ泣イテヲルゾ」

 

「まだバリバリ生きとるわ勝手に殺すんじゃねえ!!…はぁ、もう全く。学校に行こう。セーフティの奴はちゃんと車を準備してるんだろうな?」

 

 

 

俺は通学カバンを片手に、二階の自室からこの前アル・●チーノとロバート・デ・●ーロの銃撃戦並みに銃弾が飛び交っていたリビングを抜けて玄関へと向かう。

紅蓮さんはウチのリビングがヒー●の名シーンみたいになっていた日に初めてあった時着ていたようなスーツ姿で、俺のすぐ後をついてくる。

どうやらこれからフルタイムで紅蓮さんに警護されるらしく、学校側の許可も取っているらしい。

もう、何というか。

その辺だけはバッチリしてんのね。

 

 

 

玄関先には古めかしいドイツ製のセダンが止まっている。

運転手を務めるセーフティ②が、再三の注意にも関わらず運転席の側でタバコをふかしていやがった。

 

 

「おっ、やべ。」

 

 

セーフティ②はタバコを大慌てで地面に捨てて、靴底で火を揉み消した。

俺はこのポンコツバイオロイドのせいで両親の別荘のポーチの綺麗な白タイルが炭で汚れた事に苛立ちを覚えつつも、もうこんなのは日常茶飯事となっているので黙ってそのままセダンの後部座席に乗り込んだ。

セーフティ①は助手席に滑り込み、後部座席の俺の隣には紅蓮さんが座る。

 

 

「すいませんね、若旦那。またポーチを汚しちまって。」

 

「もう諦めたよ、②。車を出せ、学校に遅刻する。」

 

 

セーフティ②に至っては口調までセーフティモデルのそれとはかけ離れていやがった。

元々セーフティモデルバイオロイドは優秀な警官となれるように設計されているハズなのだが、こいつらは伝説サイエンス社がライセンス生産したせいか余りにもイレギュラーが過ぎる。

 

 

「へえ。急ぎますぜ、若旦那。」

 

「ああ急げ。だが事故は起こすなよ?」

 

「その点はご安心ください。これでも県警時代は周到な張り込みと粘り強い捜査で数々の速度違反者を」

 

「ただのネズミ執りっつーんだよ、それは!いいから車を出しやがれ!!」

 

 

 

ポンコツバイオロイドその②は性格と口調には難があったものの、車の運転技術に於いてはそれらの代償を凌駕するものがあった。

セダンは搭乗者達に一切の不快を与える事なく発進し、別荘のポーチを問題なく滑り出る。

セダンはやがて幹線道路に乗り上げて、順調なドライブを続けていく。

 

 

その後は特に問題もなく、大音量で

 

『♪バ〜ニラッ、バニラ、バ〜ニラ、エーワンッ!バ〜ニラ、バニラ、高〜性〜能〜☆』

 

って曲を流しながら爆走する宣伝車とすれ違った事以外面白い事もなかった。

 

新型のバトルメイド・プロジェクトバイオロイドか。

今度親父に頼んで買ってもらうのもいいかもしれない。

セーフティ2体に調理能力があるとは思えないし、紅蓮さんも純戦闘型バイオロイドっぽいし。

 

 

そんな事を考えていると学校に着いたようで、俺と紅蓮さんはセダンの後部座席から降りる。

 

 

「帰りはいつ通り自分で帰る。お前らは掃除でもしてろ。」

 

「分かりました、お坊ちゃん。」

 

 

セーフティ①がそう言って、②がセダンを発進させたがあいつらがこの指示に従った事は一度もない。

俺が学校から帰ってする事といえばため息を吐きながらセーフティ①を叩き起こし、呑んだくれているセーフティ②を引っ張って3人一緒にお掃除する事と決まっているのだ。

これじゃあどちらがご主人様か分かりゃしない。

 

 

「ご主人様、これより私は直接警護の為の準備を致します。少しの間警護の任務から離れる事をご了承下さい。」

 

「おお! さすがだぞ! 武装したバイオロイドが常に近くにいたら目立って仕方がないことを ばっちり 理解 しているんだな!」

 

「お褒めいただき恐縮です。もし何か異常がございましたら、このブザーを鳴らしてください。」

 

 

渡されたのは防犯ブザー。

100年前から児童たちを犯罪者の魔の手から守ってきたアイテムである。

紅蓮さんが更衣室に向かっていき、そして帰ってくるまでの間、俺は防犯ブザーを片手に彼女を待つ。

教師っぽく変装して担任の先生的ポジションで警護してくれるに違いない!

叔父さんが色々弄ってて心配だったけど、やはり元は優秀なバイオロイドなんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ〜、今日は皆んなに転校生を紹介します。それでは七十七さん、お願いします。」

 

「皆さん初めまして!黒川高校から転校してきました、七十七 紅蓮です。どうぞよろしくお願いします!」

 

 

 

なんでそうなるんだよおおおおおお!?

違和感!!

圧倒的違和感!!

もう違和感しかねえよ紅蓮さん!!

キツいよ、マジで!!

その見かけで現役JKはキツいって!!!

そもそも学校指定制服がキツいっていってるモン!!!

マジでキツ過ぎるって言ってるモン!!!

 

 

満面の笑みで自己紹介をした紅蓮さんに、同じクラスの学友達は惜しみない拍手を送る。

いやなんでお前ら揃いも揃って気づかねえんだよ。

明らかにおかしいだろうが。

時代に乗り遅れたセー●ームーンみたくなってんだろうが。

何で違和感なく溶け込ませてんの?

何で誰も不思議に思わないの?

何でそのままラ●ン交換とかしてんの特に女子ィッ!!!

 

 

 

「ええ〜、紅蓮さんは俺君の隣の席になります。」

 

 

おいこら作者、さっそく弊害出てんぞ。

めんどくさがって俺の名前決めなかったが故に脂ギッシュな中年担任が俺の事を俺君としか呼べねえよ。

何なんだよ俺君って。

どんな手抜きSSだよ、これ。

 

 

紅蓮さんは俺の隣に座ると、こちらを向いてウインクをする。

いや、何も成功してないからね。

この時点で違和感抱かれてないの奇跡としか言いようがないから。

モーセが紅海渡るくらいの奇跡だよ?

 

 

 

「ええ〜、実はですね。今日はもう1人転校生がいます。光線さん、お願いします。」

 

「初めまして、08高校から転校してきました、光線 エミと申します。早く新しい環境

に慣れて、任務ゲフゲフお友達をたくさん作りたいと思っています。よろしくお願いしますね?」

 

 

違和感ッ!!!

圧倒的違和感ッ!!!

 

紅蓮さんが時代に乗り遅れたセーラー●ーンならコイツは時代に乗り遅れたセーラー●ィーナスッ!!

周囲の学友達が惜しみない拍手を送る所からしてご存知ないのかもしれないが、俺はこのバイオロイドが何者かを知っている。

『エイミー・レイザー』

いつか親父の書斎のデスクに、このモデルのバイオロイドの資料が転がっていたのを見た事があった。

諜報・暗殺任務に秀でた優秀なバイオロイド…のはずだが。

アプローチから大失敗してない?

 

 

 

「光線さんも俺君の隣の席になります。…皆さん新しい仲間と仲良くなって、一緒に勉学に励んでいきましょう。それでは、今日のホームルームを終わります。」

 

 

規律、気をつけ、礼。

太古の昔から決められた儀式をこなした後、光線エミ又の名をエイミー・レイザーは俺の方を見て笑顔を向けた。

認識しやがった。

 

 

俺はエイミー・レイザーから顔を背けて紅蓮さんの方を見る。

あの、紅蓮さん。

さっそく俺の安全を害しかねないバイオロイドがやって来やがったんですがね。

ちゃんと守ってくださいね。

 

そう思いながら見た紅蓮さんの表情は、全く別のことを思い描いていることが容易に見て取れた。

 

「……彼女…ひょっとして…恋のライヴァル?」

 

 

2人とも一回工場に戻した方が良いような気がする。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。