エンジンシティに向かう道すがらユウリちゃんと色々話をした。
聞けばダンデの弟と共にダンデから推薦状を貰ったのだという。
ダンデが誰かを推薦したというのは今まで聞いたことがない。ダンデはユウリちゃんにどれほどの才能を見いだしたのだろうか。
ダンデの弟のホップくん?とも話してみたいものだ。
「コルチさんはエンジンジムのトレーナーなんですか?」
「僕?僕はこう見えてジムリーダーをしてるんだ」
「え!?す、すいません…失礼な事を…」
「いやいや!マイナーリーグの最下位を独走してるからね。知らなくて当然さ!気にしないでよ。」
そうこうしてる内にエンジンジムまで着くと褐色肌の少年がこっちを見るなり手を振ってきた。もしかして俺のファンかな?照れ照れ
「おーいユウリ!こっちだぞ!どこ行ってたんだ?」
違ったわ。ユウリの知り合いのようだ
「ホップ!実はリング落としちゃってさっきまで探してたんだ。」
「えぇ!?大丈夫か!?リングないとエントリーできないぞ!?」
大げさにのけ反るホップくん。リアクションが大きくて見ているだけで空気が明るくなるいい子だな…癒される…
「もう見つかったから大丈夫!この人が拾ってくれてたんだ!」
「初めましてホップくん。コルチと言います。よろしくね。」
「初めまして!オレの名前はホップ!って…」
「「?」」
ホップくんが俺をみて目を丸くしている?もしかして顔になんか付いてる?
「もしかしてワームジムのジムリーダーのコルチさん!?」
「え?」
急に詰めよってきたホップくんにびっくりして後ずさる。ん?今俺のこと知ってる口振りだったけどもしかして本当にファンだったのか?
「ホップ知ってるの?」
「もちろんだぞ!コルチさんはメジャーリーグに3回も昇格してるスゴいジムリーダーなんだ!アニキも昔戦ったことがあるって言ってたぞ!」
「ああジムチャレンジャーの時だからまだチャンピオンではなかったけどダンデともバトルしたね。懐かしい」
ボロ負けだったけどね!
どうやら本当に知っているみたいだ。普段は知名度の低さを自虐ネタにしているがやっぱり知られてるのは嬉しいな…
「でもコルチさんはずっと最下位だって…」
「う…た、確かに最近はちょっと調子が悪いみたいだけどスゴいトレーナーなのは本当だぞ!」
や、優しい…!なんて優しい子なんだホップくん!
「ははは、ありがとうホップ君。そんなに誉めてられるのは久しぶりで嬉しいよ。でもそろそろエントリーの締め切りだから急いだ方がいいんじゃないか?」
「「あ!」」
二人がエントリーが済んでいないことを思い出して慌てて受付に駆け込んでいくのを手を振って見送る。エネルギッシュだなぁ…
それにしても…
「あれがチャンピオンの弟…」
正直初めてダンデを前にしたときの威圧感は感じられなかった。とても優しい良い子でジムチャレンジにも詳しそうだったがバトルに向いているとは思えない。
「苦労しそうだなぁ…」
チャンピオンの弟がジムチャレンジに参加する。その期待とプレッシャーがどれほどのものになるか想像もつかない。ホップ君がそれらをはね除けられることを願うばかりだ…
スタジアムに入り関係者席への通路を歩いていると一人の女性とかち合う
「げ」
オリーブさんだ…ただでさえちょっと苦手なのに今はローズさんの伝言を無視したばかりだ。とても気まずい
「コルチさん。ローズ委員長からの伝言は聞きましたよね?」
「いや実は━」
「聞きましたよね?」
「はい」
ふえぇ…ごめんなさいなのぉ…
「はぁ…開会式の後応接室へ来て下さい。いいですね?」
「腹痛の予定が「いいですね?」はい!行かせていただきます!」
怒らないでなのぉ…