何話か続きます。
〜現大陸・とある小さな村〜
ここは村の中にある広場。砂利で出来ている。広さは…現代の我々の感覚で言えば、そこらの学校のグラウンドより一回り小さいくらいだろう。その広場の外周の内、半分は森に覆われ、もう半分は民家に覆われている。日は高く、長閑な風景が広がっている。いつも、子供達が楽しそうに遊んでいる場所だ。
軽快な童唄が聞こえてくる…5,6歳ぐらいの幼い声だろうか。それが、二つ。
「きょだいりゅーのぜつめーにより〜♪」
「でんせつはよーみがえる〜♪」
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〜現大陸・ドンドルマ・街付近の砦〜
同刻。野原と岩の群のみが広がる殺伐とした風景の中に、一つの砦がそびえ立っていた。石が積み上げられ、正面には巨大な槍 ── 撃龍槍 ── が見える。その周りには木で作られた櫓が幾つかあり、それらは野原を囲み込むように建っている。その一部は砦へと繋がっている。
そんな戦場のような景色の中に、一匹の古龍がいる…いや、「そびえ立っている」。その姿、まさに山の如し。赤褐色のかの龍の名は、ラオシャンロン。刺々しい見た目のそれは砦をじっと見つめた後、四足歩行の姿勢になった。そして、這いつくばるように歩み始めたのだった。
その龍の足元、砦内、砦の上、櫓の上──実に様々なところで、ハンター達の怒号が飛び交っていた。
「もっと攻撃しろ!」
「やってる! ビクともしねえ!」
「小さくてもダメージを与えるんだ!」
「鬼人の粉塵だ! 攻撃力を上げるんだ!」
彼ら ── ハンター ── は、モンスターと呼ばれる怪物共を倒すことを生業にしている。命懸けの仕事に、生きがいを感じている。
そうこうしている内に、ラオシャンロンはどんどん歩みを進めていく。そしてとうとう、砦の真正面に着いてしまった。
ラオシャンロンは立ち上がり、耳を劈くような咆哮する。咆哮が止むと、一際大きな声が響いた。
「大砲、用意!」
その声と同時に、咆哮に耳を塞いでいた足元のハンター達が退避する。
「撃てー!!」
各櫓に備え付けられた大砲が、同時に火を噴く。その回数、3回。ラオシャンロンに全ての弾が直撃し、かの龍は怯む。間髪入れず、声が再び響き渡る。
「撃龍槍、撃て!」
その声と共に、砦内にいた一人のハンターが大きな木製のレバーを引いた。
瞬間──機械的な轟音と共に、正面の撃龍槍 ── 柱のような鉄製の巨大な二本の槍 ──が射出された。二本の凶槍が、ラオシャンロンの胴体を貫く。
撃龍槍はすぐに引っ込み、ラオシャンロンの胴体から二筋の鮮血が吹き出す。
ラオシャンロンは断末魔をあげながら倒れるのだった──
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〜新大陸・幽境の谷〜
同刻。円筒形の深い谷にて。三層構成になっており、壁面は岩肌が露出している。一層目である地上付近は、ベースキャンプ以外に何も見当たらず、これまた殺伐とした風景だ。
二層目に降りると、地上の光がほとんど差さなくなる。また、生き物の抜け殻のようなものがそこかしこの岩肌に付着している。薄い膜で、白色の布切れのようである。布切れのようなものだけではなく、生き物の頭のようなものまである。
その抜け殻の持ち主は、ゼノ・ジーヴァ。かの龍はここで成体となった後、ハンター達と対峙することになるが…それは少し前のお話。
話は戻る。抜け殻の比較的多い二層目から更に下って、三層目。とうとう谷底に行き着いた。それまでの殺伐とした風景からは一転として……
「天災のど真ん中」であった。
陽の光が差さず真っ暗なはずの谷底は、とてつもなく明るかった。ここにも先程の抜け殻が幾つかあったが、それらは全て燃え盛っている。平坦な円形の広い地面の外側に見える丸いもの ── ゼノ・ジーヴァの産まれ落ちた繭 ── まで燃えている。地面もまた、煌々とした火を掲げている。
生物の生存することを許さないような景色の中に、一匹の龍と数人のハンターがいた。
龍の名は、アルバトリオン。天を貫くように高々と掲げられた一対の角。全身に生えている凶暴な逆鱗。死神の着るようなボロボロのローブを体現した邪悪な翼。どれをとっても、異形と形容するに相応しい容貌をしている。
相対するは、四人のハンター。彼らは、新大陸の調査のために現大陸から呼ばれた選りすぐりのハンター。ここにいるのは、その中でも更に選りすぐり…新大陸の白き風と呼ばれるハンター達である。軽やかなステップを得意とする片手剣使い、重量級の攻撃を得意とするハンマー使い、旋律によって味方のサポートや強化を行う狩猟笛使い、そして敵の攻撃を引きつけるランス使い。全員、男だ。
両雄、一瞬睨み合った後──戦いの火蓋が切って落とされた。
先に動いたのはアルバトリオン。炎を口に溜め、前方一直線に噴射する。それを片手剣使いは避けた後、ジャストラッシュ ── 属性値の高い連撃 ── を叩き込んでいく。その後方ではハンマー使いが力を溜めていた。アルバトリオンは攻撃を受けながらもそれを見逃さず、口から水の弾を放つ。それをもろに受けたハンマー使い。アルバトリオンはそれを見て、火の弾を続けて放つ。実は、さっきの水はただの水ではなかった。火の弾も着弾すると、ハンマー使いはたちまち燃え上がった。水に引火したのだ。ハンマー使いは火を消そうと回避行動を何度も行った。狩猟笛使いが慌てて生命の粉塵 ── 他人を回復する吸い薬 ── を撒く。
そんな激しい攻防をしばらく繰り返していると、アルバトリオンに新たな動きがあった。赤黒い龍のオーラを纏うようにして、咆哮したのだ。その声と同時に、アルバトリオンに赤黒い雷が落ちた。そして、アルバトリオンの形態が変わった。「火形態」から「龍形態」。先程までとは打って変わって、龍雷を纏った突進に氷塊の生成、雷の連撃。その姿、まさに天災の如し。
それでもハンター達は挫けなかった。ランス使いが、攻撃を上手くいなして味方の苦労を軽減する。片手剣使いが、攻撃の合間の小さな隙に攻撃を差し込む。ハンマー使いと狩猟笛使いが、地を揺らす一撃を食らわす。
天を貫くような角は二本とも折れ、足の逆鱗はボロボロ。誰が見ても残された体力が僅かだと分かるくらい、アルバトリオンが疲弊した頃。ランス使いが異変に気づいた。
「皆、俺の後ろに隠れろ!」
多くは叫べなかった。しかし、たったその一言だけでハンター全員がランス使いの言わんとしていることを理解した。ハンター達がひとかたまりになると同時に、アルバトリオンは円形の地面の中央に向かって駆けた。
──こんな虫ケラに滅せられるくらいなら、全て破壊セヨ。
アルバトリオンが四肢で構える。炎の衝撃波。すぐ後に膨大な属性エネルギーが継続的に噴出される。元々燃え上がっていた抜け殻は、消失してしまった。地面が徐々に溶けてゆく。
「エスカトンジャッジメント」。
最後には炎の衝撃波が再び放たれた。
最後の審判をハンター達は何とか乗り切った。辛うじて原型を留めている地面で、ランス使いが必死に盾で衝撃波を防ぎつつ、その他のハンターが生命の粉塵を撒き続けていたのだ。
そして、アルバトリオンは断末魔をあげながら倒れた──
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山のような龍……即ち、物量。そんなモノ、ヤキツクセ。
天災のような龍……即ち、災害。そんなモノ、ホロボセ。
オソレルガイイ。
「運命」のメザメを──
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〜新大陸・調査拠点アステラ・流通エリア〜
見たことも無い木々が生い茂る「古代樹の森」の近くに、その拠点はあった。海辺の近くにある岩場に木製の建造物が立ち並び、一際目立つ幾つかの建物には、船の形がそのまま使われているという異質な場所であった。そこには多くのハンターや編纂者、研究者など様々な人物がいる。今日も今日とて、人々の声が飛び交い、活気に溢れている。
そこに、たった今調査から帰ってきた男ハンターがいた。ランスを担いでいる。
「よう、青い星! お疲れ」
そのハンターに労いの声をかけたのは、エイデンと呼ばれる男ハンター。顔も声も爽やかである。ムキムキ、という程ではないがガタイはよく、茶色と橙色の中間の色をした、特徴的な髪型をしている。装備はEXレイア。こないだのアルバトリオン討伐戦では、片手剣を装備していた。
「総司令が呼んでたぞ。一緒に行こう!」
予想だにしなかった誘いに、青い星と呼ばれるハンターは身体を少し揺らしてびっくりした。茶色い短髪も揺れた。しかし気を取り直すと、エイデンと共に総司令の待つ司令エリアに向かったのだった。その青い瞳に期待の光が宿る。
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〜新大陸・調査拠点アステラ・司令エリア〜
エイデンと例のハンターが向かった先では、既に新大陸に生きるハンター達が集結していた。そして、全く見た事のない人物もいた。その様子から、これは只事ではないとすぐに分かった。
「皆、集まっているか」
その一言で、それまでざわざわしていた場が一気に静かになった。
彼こそが、総司令。齢六十超えにして、その肉体は頑強なものであった。左半身は若干の不自由により、不自由を補強する装備を身につけている。それでも、その勇ましい顔はしわが刻まれているというのに若々しい。
「この度、現大陸より客人が訪れた。紹介を」
総司令が言い終わると同時に、全く見た事のない人物は一歩前に出た。銀色の鎧の上に白いマントを羽織っている。肌は黒く、その髪は編み込まれている。そして、男性であった。彼はその渋い声で話し始めた。
「将軍である。今回私が来たのは、他でもない。近々、国や機関を超えた討伐隊が組まれることになった。そこに……む、君はいつぞやの!」
将軍が目を見開いた。その視線の先にいたのは、エイデンであった。
「お久しぶりでございます。現大陸にてかつて行われた作戦でご一緒しましたね」
「そうだな…いや、今は思い出に浸っている時間はない。話の続きだ。討伐隊に、君達新大陸の調査団も加わってもらうことになった」
すると、一人の女性ハンターが手を上げた。
「そこまでして、一体何を討伐するのですか?」
「ふむ、そうだな……。話題を変えよう。君達は、『黒龍伝説』を知っているか?」
その質問には、受付嬢が答えた。特殊なゴーグルをつけた彼女は、青い星と呼ばれるハンターの編纂者をしている。美人とは言えないが、とても明るい性格が顔にも表れている。明るい茶色の調査服を着ている。
「はい、シュレイド城と一匹の古龍にまつわる御伽噺ですよね。真偽のほどは定かではありませんが、かつて栄華を極めたシュレイド地方の城、そしてその周辺が、たった一夜でとある古龍に滅ぼされたと聞きます」
「うむ。記録は僅かながら残っている。記録によると『地は揺れ』『木々は焼け』『小鳥と竜は消え』『日は消え』『古の災いは消え』とある。かの龍の名は…」
「黒龍ミラボレアスだ」
その名に、一同がざわついた。男性ハンターが声を上げる。
「御伽噺の龍は、実在していたのですか!?」
「ああ、そうらしい。数日前から、シュレイド地方で異常な振動、生物の異常行動が観測されているそうだ。生物は、まるで何者かから逃げるようにシュレイド地方を去っていったそうだ」
すると、今度はもう一人の編纂者……エイデンの相棒である女性が質問をした。彼女は、緑の調査服を着ていて、ウェーブのかかった肩までかかる黒髪である。切れ長の目をしており、可愛いと言うよりは美人の部類に入る。
「出現は、いつ頃なのですか?」
「伝承によれば、数ヶ月後。だが、シュレイド城を滅ぼしたということも鑑みて、早めに討伐隊を組むことになった。以上だ」
将軍がそう結ぶと、総司令が声を発した。
「一週間後に、この新大陸を出発する。この場の全員でだ。他に質問は?」
質問はなく、この会は解散となった。
一週間後、彼らは「黒龍」という現象を初めて目にする。
今回のアプデは力入りまくってましたね……ミラボレアスは倒せましたでしょうか?
私はリア友と二人で全武器+防具+重ね着作り終えました。大変だったよ(白目)
ちなみに武器は友達がスラアク、私が笛です。だからなんだという話なんですがね(真顔)