ライダーがいないので、ショッカーを作りました。 作:オールF
捜索掲示板で紹介されてて喜ばしい限りです。
ショッカーの行った日本への攻勢計画は、俺の計画通り仮面ライダーの手によって見事に阻まれていた。
ショッカーの資金調達と新エネルギーの発見を名目にした死神カメレオンによる宝石強奪作戦。世界で最高峰純度と輝きを持つ宝石にして、特殊なエネルギーを秘めているとされる魔宝石の奪い合いは宝石庫に潜んでいた仮面ライダーによって、阻止され死神カメレオンはライダーキックとライダーチョップを受けて倒れた。
続いて新規労働力確保のためという名目で失踪事件を起こさせた蜂女。催眠音波の誘導装置が取り付けられたメガネを買った人間を誘い、毒ガス製造工場へ誘導したものの、工場を仮面ライダーに発見され、蜂女にライダーキックが炸裂した。
全世界の金を奪うために出動したコブラ男は左腕につけたコブラの口から毒ガスを噴射してあらゆる物質を溶解させる能力を持っていたが、当たらなければどうということはなく、1度は仮面ライダーの前に倒れるも、ショッカー科学陣の力で復活。ここで再生怪人のノウハウを得て、原作通りコブラ男の強化にも成功したがライダー返しという技を身につけた仮面ライダーには勝てなかった。
立て続けにやられていった怪人たちを見て、オールフォーワンから煽りが入ったがこれも計画通りと悟られる訳にいかないため、かつて敗北した怪人たちの戦闘データをコンピュータで解析し、長所だけをよりすぐった怪人、ゲバコンドルを生み出すことになった。まぁ、ただ生み出すだけなら簡単だったのだが、ゲバコンドルを最強にするには若い女の生き血が必要という設定があったので、結婚式のために訪れる新婦達からゲバコンドルが血を奪っていた。しかし、ここでも仮面ライダーの邪魔が入る。ただ、意外だったのはこの世界にも滝和也が存在したことである。本郷猛との関係は不明だが、原作通り結婚式中にゲバコンドルが現れてそこに仮面ライダーが危機に割って入る。ここから本来ならゲバコンドルに仮面ライダーは1度倒されるのだが、予想以上に仮面ライダーが強かったのか、ゲバコンドルが吸血した量が少なかったのか、滝和也というFBIのせいか、ゲバコンドルはあっさりと死んだ。ちなみにこの回から藤岡さんがバイク事故で出演できなくなるのだが、この世界の本郷猛は藤岡さんでもなければ、バイク事故も経験していないため健在である。個人的に喜ばしい反面、ショッカーは追い詰められており、最強怪人と宣って出した怪人がやられてしまったため本格的に強い怪人を作らざるを得なくなった。だって、電光ライダーキック見たいじゃん?
ということで、最強怪人トカゲロンとその取り巻きである再生怪人作成のための時間稼ぎに生み出したのがヤモゲラスである。原作では動物を瞬時に骨にするデンジャーライトの性能実験とさらに強力にするために白川博士を攫うという作戦なのだが、この世界に緑川博士はいたのに白川博士はいなかった。なんで滝はいるのに細々としたキャラは居ないんだよ。なお、この回は藤岡さん不在のためルリ子さんが大活躍するのだが、この世界にルリ子さんはいないし、本郷猛は健在なので普通に倒された。というか、ヤモゲラスには悪いが適当に作りすぎたせいでハチャメチャに弱かった。シードラゴンシリーズかよ。
しかし、彼の死は無駄ではなかった。この世界にも少数ではあるがサッカー選手はおり、その中から世界的に注目を浴びる選手、田本健を誘拐することに成功した。彼をベースにトカゲの力をぶち込んだ結果生まれたのが、キック力だけなら仮面ライダーをも超える怪人トカゲロンである。だが、キック力のみ強くても仮面ライダーには勝てないからと再生怪人達も用意してオールフォーワンには「勝ったなガハハ」と言っておいたが、俺にはトカゲロンと再生怪人たちがトカゲロンの蹴ったバリア破壊ボールが仮面ライダーによって蹴り返されて爆死する未来が見えていた。まぁ、再生怪人はライダーのパンチ数発で死ぬんですけども。
東洋原子力研究所の強力なバリアを破壊するため、また仮面ライダーを倒すために張り切るトカゲロンを憂いに満ちた目で送り出した俺は彼の活躍を小型カメラから送られてくる映像を介して見守っていた。
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東洋原子力研究所を襲い、東京を放射能まみれにしようと企むショッカー! それを阻止せんと現れた仮面ライダーに変身した本郷猛だったが、今までの怪人とは一線を画す強さを持ったトカゲロンに、必殺のライダーキックを受け止められ、今まで怪人達を打ち倒してきた技を使うも、それもトカゲロンには何の効果もなかった。
そして、トカゲロンの必殺シュートをまともに喰らって重傷を負わされた仮面ライダーは変身解除に追い込まれてしまう。あやうし! 仮面ライダー!
「やった! 勝ったぞ! 俺は仮面ライダーに勝ったァー!」
勝利の雄叫びを上げるトカゲロン。だが、そこへ駆けつけたのは都内で活躍するヒーロー達であった。
「大丈夫か君!」
「な、なんなんだあのヴィランは……!」
東洋原子力研究所周辺で争う声がするという通報を受けてやってきたヒーローたちはトカゲロンと傷だらけになって倒れている本郷猛を見て酷く狼狽した。
「長いことヒーローをやっているが、なんだあいつは……」
雰囲気でわかる。あのヴィランは強いと。それにトカゲをモチーフにしたトカゲロンのフォルムは非人間を思わせるような恐ろしさを秘めており、それが人間に備わる生存本能に「戦うな」と強く呼びかけていた。しかし、市民を守るためにヒーローは立ち上がらなければならない。
「ここは俺が相手をする! 君はその青年を病院に!」
「えっ、でも……!」
「いいから早く行け!」
1人で戦うのは無謀だと後輩ヒーローは口にしようとしたが、ここで全滅して生存者がいなくなるよりはと本郷猛を背負うと戦場から駆け出す。しかし、背中に響く声は先輩ヒーローの悲痛な叫び声だけだった。本郷を病院に送り届けてから翌日、全身骨折と出血多量という直視することが難しい状態で発見されたのは先輩ヒーロー、自分と本郷を逃してくれた先輩ヒーローであった。
「く、クソ……! 何がヒーローだ! 何が、人を助ける、ためだ!」
後輩ヒーローが顔を涙で濡らしている頃、本郷猛は病院から抜け出していた。早くトカゲロンを倒さなければ東京が大変なことになってしまう。これ以上死人を出すわけにもいかないと、本郷猛はトカゲロンに打ち勝つために立花藤兵衛と共に特訓を行った。
そして、先輩ヒーローの仇を取るため、単身で東洋原子力研究所を守っていた後輩ヒーローのピンチに仮面ライダーが駆けつけた。
「なんだ、仮面ライダー。また死にに来たか!」
「ショッカー! お前たちがやろうとしていることはもう分かっている!」
「フフ、だからどうした!」
「もちろん、俺が止めてやる!」
トカゲロンへと向かおうとしたその時、仮面ライダーに四方八方から様々な攻撃が襲いかかる。動きを阻害する白くネバネバした糸が腕に絡み、足に痺れを起こさせる毒針が刺さり、小さなサソリたちが自身の足を食いちぎろうと近づいてくる。さらに緑色の触手が太ももへと伸びてきた。また首元には鋭利な鎌が迫り、何も無いところからは長く細い舌が仮面ライダーの胸装甲を貫こうと接近している。そして、それらの攻撃を行う怪人達の周りには先日倒したばかりの蜂女、コブラ男、ゲバコンドル、そしてヤモゲラスが今か今かとトカゲロンの攻撃指示を待っていた。
「とうっ!」
危機的状況を脱するためライダージャンプで跳躍した仮面ライダーは、手足に絡まった糸や触手を振りほどき、近くまで迫っていた舌や鎌の攻撃から逃れると、距離をとるために高台へと着地するも、飛行能力のある蝙蝠男が襲いかかってくる。
「キキキキキッー!」
「ウヒュー!」
蝙蝠男の攻撃を躱すと、不意打ちにゲバコンドルの爪がライダーの肩を抉る。一体一体は大したことの無い再生怪人とはいえ、これだけの数を1人で相手にするのは難しいと仮面ライダーはどうやって倒していくかを考えた。しかし、悠長に一体ずつ倒しているとトカゲロンのバリア破壊ボールが研究所へと蹴りこまれてしまう。どうしたものかと考えている時にも、再生怪人たちの攻撃は続いていく。中身はかつて倒した同級生でなくても、能力は変わりないサソリ男の攻撃をいなし、腕に触手を這わせてきたサラセニアンを蹴り倒す。だが、次々に仕掛けられる攻撃に仮面ライダーも手を焼いていた。その時だった。
「キィーッ!?」
突如として蜂女が悲鳴をあげながら高台から転げ落ちていったのだ。何事かと仮面ライダーは蜂女が先程まで立っていた場所を見た。するとそこに居たのは───────。
「私が、来た!」
筋肉隆々な肉体に触覚のように立った金色の髪、そして恐れを知らないような笑顔を浮かべたオールマイトは仮面ライダーと目を合わせると口を開いた。
「仮面ライダー! ここは私たちに任せろ!」
「私たち……?」
仮面ライダーが首を傾げようとすると、仮面ライダーを取り囲んでいた怪人たちが悲鳴を上げていく。そして、その出処を見れば本郷猛でも知っているようなネームバリューの高いヒーロー達が再生怪人を相手に奮戦しているのだ。
「これは……!」
「ほん……仮面ライダー!」
驚きの声を上げると崖下から聞きなれた声が仮面ライダーの耳に届いた。視線の先には仮面ライダーに協力すると最近、親交を持った滝和也と本郷猛にとってのおやっさん、立花藤兵衛が手を振っていた。
まさかこの2人がヒーローたちを呼んでくれたのかと仮面ライダーが驚愕しているとゲバコンドルを取り押さえながらオールマイトが口を開く。
「行け! 仮面ライダー! あの怪人を止めるんだ!」
「……おう!」
頷いた仮面ライダーは再びライダージャンプでトカゲロンの前へと立つ。しかし、その距離はやや遠く、トカゲロンは「何がしたいんだ仮面ライダー」と嘲笑うとさらに煽るようにして続けた。
「まさか俺の必殺シュートを止めるって言うのか? 昨日止められなかったお前に止められるとでも?」
仮面ライダーは答えない。だが、いつでも来いという気迫がトカゲロンにも伝わってくる。洗脳されたとはいえ、強者に立ち向かうことを生きがいとしていた田本健の気質が残っており、面白いと口角を上げた。
「行くぞ! 今度こそ死ね! 仮面ライダー!」
大きく勢いをつけた足から放たれたシュートは、バリア破壊ボールの重量をものともせずに20m離れた東洋原子力研究所へと向かっていく。シュートが放たれた瞬間、仮面ライダーは跳躍していた。
(思い出せ……!)
やられた自分に失望することなく、さらなる力をつけるために、新たなる必殺技を生み出すのに付き合ってくれた立花藤兵衛の思いを。
(刻みつけろ……!)
自身を改造した後悔に蝕まれながらも、人類のために戦えと言って死んでいった恩師の言葉を。
(何のために俺はいるのかを……!)
滝が呼んできてくれたヒーロー達が再生怪人を抑えてくれている。それは何のためかを。
「人間の自由と平和のために、お前たちを倒すためだ!」
稲妻が迸る。文字通り仮面ライダーの右足にバチバチとエネルギーの奔流が集合し、その一撃がトカゲロンの放った必殺シュートに込められたパワーと激突する。
「電光ライダーキック!!」
必殺シュートを超えるパワーがバリア破壊ボールへと注がれ、ボールはシュートを放ったトカゲロンの方へと加速しながら返っていく。
「……見事だ、仮面ライダー」
出来れば、もっと違う形で戦いたかったとトカゲロンは瞳を閉じて自分の敗北を受け入れると共に、バリア破壊ボールが腹部へとぶち込まれる。バリアを破壊するために注がれたエネルギーと、それを打ち返すために注がれたエネルギーの篭ったボールはトカゲロンの腹部で破裂し、彼の身体を爆発させた。
「今だ! デトロイト……スマッシュ!!」
一方、再生怪人たちもオールマイトや他のヒーローの必殺技を受けて爆散していく。九州、四国を襲ったヒーロー狩りを行っているとされるショッカーへの反撃に成功したヒーローたちは歓声を上げた。1人の死者を出したものの、東京を救い、名だたるヒーローたちが力を合わせての勝利に喜ばない者はいない。
「やったな、仮面ライダー!」
勝利の感動を分かち合おうとオールマイトは仮面ライダーの方へと近づくが、返ってきた答えは暗いものだった。
「いやまだだ」
ショッカーがいる限り、俺たちは戦わなくてはならない。仮面ライダーはショッカーの攻撃がまだ終わらないことを予見していた。次はトカゲロンを超える怪人を作ってくるかもしれない。喜んでいる場合では無いのだと仮面ライダーはマフラーを風に靡かせながらバイクへと跨った。
「だが、ありがとう。君たちのおかげで俺はショッカーの怪人を倒すことが出来た」
また会おう。オールマイト。
仮面ライダーはそう言い残してバイクで走り去った。
ライダーはトカゲロンのバリア破壊を阻止し、再生怪人達もヒーロー達の手によって倒された。ここに危機は去った。しかし、仮面ライダーとオールマイトの果てしなき戦いは続くのである。
明日藤岡さんが映画に主演されるみたいなので、記念投稿でした。
次回から2号編……か、そろそろヒロアカ原作に入りたい……!
でも10年くらい経っちゃうんだよな……こっから10年後っていうと……「ゼクロス!」「俺は太陽の子! 仮面ライダー ブラァック! アァルエックスッ!」
1号、2号に10年くらい戦わせるのもありよりのあり。
大首領死なないかしら……?
ヒーロー戦記
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