ライダーがいないので、ショッカーを作りました。 作:オールF
仮面ライダーになりたいに藤岡さん、宮内さんが出演されて2話のCパートの悪魔のショッカーにテンション上がって書いてしまいました。
久しぶりなので色々と穴がありますが、続きとなります。
よろしくお願いします。
『オレが! チャンピオンだぁー!!』
仮面ライダー2号こと、一文字隼人を倒したピラザウルスが高らかにそう宣言するが、一文字隼人が死んでいないことを俺は確信していた。
死んだふりややられた振りは仮面ライダーのみならず、大抵の主人公ならやってのけられる芸当だ。
ジョジョの奇妙な冒険、第3部の主人公もそうだ。
心臓の鼓動が止まっているかを確認してくる敵に対して、自身の能力を使って心臓の動きを止めて反撃の一手に繋げるための時間を作ったのだ。
しかし、サボテグロンの時といい、実に仮面ライダー本編に近い展開が多くて俺は高揚していた。
歌でも1曲歌いたい良い気分だとはまさにこの事だろう。
一文字隼人が相手する2体目の改造人間。
それに必殺のライダーキックが効かず、撤退を余儀なくされる。
だが、一文字隼人は諦めない。
ピラザウルスを倒すための手段を講じるためにその時を待っている。
その時とは。
明後日に行われる世界タイトルマッチ。
そこは日本と相手方のお偉いさんも来賓客としてやって来て、試合を観戦する。
そう、サタンマスクことピラザウルスの試合を。
ピラザウルスは試合中に変身すると「死の霧」で会場の人間全てを巻き込んだ殺人テロを行うことになっている。
会場の客数は満員で8000人とあるから、全滅となれば死体の山となるが、死の霧を浴びたものは肉も骨も残らず死ぬことになる。
自分で集めた科学者たちに作らせておきながら、恐ろしいものを作ったと思う。
これを人間に害の無い程度に抑えて、殺虫スプレーにしたり、バルサンのように使っているが小バエや蚊に当たれば瞬殺で、ゴキブリたちも俺の知らないところで息を引き取っているのだろう。
『危ない敵だった。ライダーキックが効かないとは……』
塩塚製薬とか作ろうかと悩んでいると、ピラザウルスや戦闘員たちが立ち去ったのを見計らって変身を解除した一文字隼人が出てきた。
『しかし、ショッカーのやつら……一体何が目的なんだ……』
そんなの最強最高のヒーローになったダブルライダーに殺してもらうことだが?
とは部下や同盟を組んでいるアホォにも言えないため、世界征服のためとなる。
今回の作戦だと国のリーダーたちを殺して国が乱れてる間にショッカーの支配化を進めるのが狙いとなっている。
どう進めるかは決めていない。
何故ならばこの作戦は成功しないからだ。
仮面ライダーがいるからな。
『サタンマスク! 仮面ライダーが相手だ!』
『そらっ! みんな! 早く逃げるんだ!』
世界タイトルマッチのさ中、ピラザウルスがその正体を現すと共にマントを翻した仮面ライダーが登場する。
会場には立花藤兵衛の姿もあり、彼の一声で会場の人間たちは一目散に出口を目指していく。
普通の客たちはピラザウルスの異形さに恐れ戦き、逃げるばかりだが国のトップ連中は違った。
『あのベルトのマークは、ショッカーか!』
『ショッカー? あ、あの日本全国の科学者やホームレス失踪事件に関わっているというやつらか!』
スーツを着た高官の1人がピラザウルスの腰に巻かれたベルトのマークを見て声を上げると、その隣の男も驚いた顔をする。
『ここは不味い! 早く避難を!』
『おい! ウチのリカルドはどうした! それになんだ! あのマスクマンは!!』
危機的状況を察したSPがピラザウルスの対戦相手の安否など聞かずに大統領を避難させる。
『行かせるな! ピラザウルスの死の霧を!』
『イーッ!』
会場から出ようとする観客を逃がさまいとピラザウルスのトレーナーや配下につけた戦闘員たちが出口を塞ぐ。
改造人間として常人の3倍の力を持つ彼らのバリケードは如何なる猛者でも容易く破れない。
他の出口では立花藤兵衛が奮戦しているが、戦闘員の数に押され気味になっている。
『道を開けろぉ!』
『イーッ!』
『ぐあっ!?』
『邪魔だよお前ら!』
『イイーッ!』
『ごふっ!!』
『パパァ!』
『あなた!』
自分の命のため、家族のためにと戦闘員に挑む者もいたが素手では戦闘員ですらも歯が立たない。
それでも父親は戦闘員にしがみつき、妻と子が逃げられるように道を作るため戦闘員をおそうとする。
『ぐ、お、ぉぉ……に、逃げっ』
『イーッ!』
しつこいと戦闘員が父親の命を刈り取ろうと手刀を振り上げる。
『パパーっ!! やめて、パパを殺さないで!』
娘が悲鳴をあげる。
父親の作ろうとした道を通らず、父親の命を奪おうとする覆面の男たちに声を荒らげる。
『誰か! 誰か助けて! パパを! みんなを! 誰か助けて!!!』
『イー? イ──ッ!』
助けを求める女児の声がうるさく、戦闘員の1人が娘へと駆け寄ったその時だった。
『私が!!』
ぐしゃりと、岩のような拳が戦闘員の頭部にめり込み、女児へと向かっていた方とは反対に吹き飛ばず。
金色の頭髪とアンテナのように伸びた2本の髪。
筋肉隆々でまるでスーパーマンのような衣装を身に纏うそのヒーローを俺は、会場の人間たちは知っていた。
『オ、オールマイト!!』
『もう大丈夫! なぜかって!? 私が来た!!』
戦闘員の1人を倒し、綺麗な白い歯を見せて笑うオールマイトに女児と夫婦だけでなく周囲にいた人たちも歓喜する。
『オールマイト! オールマイトだ!』
『オールマイトが助けにきてくれたぞ!!』
ヒーローのビルボードランキングで1位を取り、その名を日本に、いや既に世界に轟かせていたオールマイトの登場に誰もが希望の表情をしていた。
『なに!? オールマイトだと!! オールマイトを殺せ!!』
『イ──ッ!!』
トレーナーが驚愕した声を上げると同時にトレーナーの指示でオールマイトに複数の戦闘員が襲いかかる。
『遅いッ!』
『イッ!?』
『イーッ!?』
『イ──ッ!!』
1人の戦闘員の顎にフックを入れると怯んだ戦闘員の腹部に蹴りを入れ、その勢いで他の戦闘員も巻き込んでいく。
『さぁ! 早く避難を!』
『みんな逃げるんだ!』
出口近くの戦闘員が片付くとオールマイトが避難を促し、立花藤兵衛のところも戦闘員の何人かがオールマイトのところに向かったため数が減り、残りを片付けたらしく人々を誘導していた。
『オールマイト! あの怪物もやっつけてよ!』
子供の1人がリングの上にいるピラザウルスを指さして声をあげる。
そこでは仮面ライダー2号とピラザウルスが互いの技と力をぶつけ合い、一進一退の攻防を繰り広げていた。
改造人間同士の熾烈な戦いに、オールマイトは自分のステージではないことを一瞬で理解した。
『いや、アイツは仮面ライダーに任せるよ』
『仮面ライダー?』
そういえばそんなこと言ってたようなとつぶやく少年に、オールマイトは優しく微笑んだ。
『ああ、平和と人類の味方、仮面ライダー。彼は私と同じ、ヒーローだ』
オールマイトは少年にそう言うと『さあ、お母さんのところへ!』と少年の背中を押し、会場の外へと行くように促す。
会場の観客の半分ほどが逃げたところで、計画の頓挫を確信しつつも諦めきれないとトレーナーが命令を出す。
『なあぁぁぁぁっ!! これ以上邪魔されてたまるかぁ! ピラザウルス! 死の霧を吐けぇ!!』
『ッ!! ええい、どけ!!』
『させるかっ!!』
トレーナーの命令にピラザウルスは死の霧を吐こうとするも、それを阻止せんと仮面ライダーが掴みかかる。
『いい! やれ! 仮面ライダーごと! 今ならオールマイトも殺れる!! 早くしろ! ピラザウルス!!』
死の霧の巻き添えを喰らわないためにガスマスクをつけながらトレーナーが叫ぶと、その姿は否が応でもオールマイトの目に付いた。
『キミが首謀者か!?』
『ちっ! 鬱陶しいぞ正義の味方!』
戦闘員のほとんどがオールマイトに倒され、残りも立花藤兵衛や首脳陣に付き添っていたSPたちが抑えているため、トレーナーは舌打ちしながらもオールマイトに向き直る。
『このぉ!』
『速いが! 改造人間ほどじゃないな!』
一応トレーナーも改造手術受けてるんだけどな。
だが、オールマイトの敵では無いというのは事実だ。
トレーナーも腹パンされてノックアウト。
『よし! これでお客さんたちは全員……』
避難させた。
そう思っていたオールマイトだったが、立花藤兵衛が叫んだ。
『おーい! オールマイト! リングのそばに子供が!』
『何っ!?』
『兄ちゃん! 兄ちゃん! やめてくれよ! 帰ろうよ! 兄ちゃん!』
見れば、仮面ライダーとピラザウルスの取っ組み合いの直ぐ傍で清が懇願していた。
『兄ちゃん!』と泣きながらピラザウルスの足を揺さぶっていた。
泣きじゃくりながらも兄を止めようと必死なのだろう。
だが、それは諸刃の剣だった。
『どけ! 黙れ! クソガキぃ!!』
『うわっ!?』
ピラザウルスが清の顔に拳を振るう。
無論本気ではない。
だがそれでも改造人間の膂力によって殴られた清は数メートル吹き飛び、地面に転がる。
『いっ……てぇ……』
『貴様ッ!!』
『黙れっ! お前ら全員、死ねッ!!』
清の身を案じて仮面ライダーの手が緩む、それを見逃すピラザウルスではなかった。
『立花の親父さん! オールマイト! その子を連れて逃げるんだ!』
『仮面ライダー、君は!?』
直感でピラザウルスがしようとしていることを理解した仮面ライダーはすぐさま立花藤兵衛とオールマイトに指示を出す。
仮面ライダーの言葉を聞き、オールマイトはトレーナーのつけているガスマスクを外すとそれを直ぐに清へと被せる。
『そら、オールマイト! これを使え!』
『おお! ありがとう!』
藤兵衛も戦闘員が持っていたものをつけ、更にもうひとつをオールマイトへ投げ渡した。
『クソガキもろとも消えろぉ!! 死ねぇ!!』
ピラザウルスが額についた毒ガスの発射口を開く。
そこから放たれる毒ガスは生物の生を容易く奪うだろう。
『仮面ライダ────!!』
ガスマスクをつけていない仮面ライダーにオールマイトが雄叫びを上げる。
だが既に毒ガスは噴射された。会場内を悪魔の霧が包み込む。
倒れていた戦闘員たちはもちろん、マスクを失ったトレーナーも瞬く間に身体を溶解させられていく。
会場にいたものは全員がその毒ガスにより溶けて跡形もなくなると踏んでいたピラザウルスだったが、ある点において予想外が起きた。
『な、何故だっ!? 何故効いていない!?』
なんと仮面ライダーは毒ガスをまともに浴びたというのに生きていたのだ。
本来であればあり得ないことだ。
ピラザウルスは愕然とした顔で仮面ライダーを見る。
『仮面ライダー! 無事か!!』
『ああ!』
オールマイトの問いかけに仮面ライダーはファイテングポーズを決め、闘志を顕にする。
『ッ!! な、なぜ!! 貴様ーっ!!』
信じられない思いでピラザウルスは吠える。
『ピラザウルス! 決着をつけるぞ!』
『俺が! 俺が世界最強なんだーッ!』
勝負を焦ったピラザウルスが飛び上がり、仮面ライダーもまた跳躍する。
『ウルトラ、パンチ!!!』
『ライダァァァーパァァァーンチッ!』
空中に浮かぶ仮面ライダーは左拳を、ピラザウルスは右手を。
互いに向かってくる敵へと向けて突き出した。
俺の記憶ではピラザウルスはライダーキックで倒されるはずだが、このピラザウルスはショッカー科学陣が強くしすぎてライダーキックを跳ね返す肉体を持っている。
ただ硬いのは胴体のみで、他の部分は普通の改造人間のそれと変わらない。
それを一文字隼人は見破ったのかは分からないが、彼の力の拳はピラザウルスの顔面へと突き刺さり、反対にピラザウルスの拳は仮面ライダーの腹部装甲に傷をつける。
強烈なクロスカウンターとなった拳の威力により両者は弾き飛ばされ、地面に激突する。
『うぅっ!!』
リングに背中を打ち付けた仮面ライダーは痛みで呻く。
その間によろめきながらも、リングのポーンを支えに起き上がったピラザウルスは倒れ伏した仮面ライダーを見る。
『かった!! おれが!! チャン、ピオン、だ……』
高らかに宣言するはずだった。
だが既にピラザウルスの改造組織は破壊されていた。
それでもなおピラザウルスが動けたのは、改造人間の性か。
あるいは武人としての意地か。
大の字になって倒れたピラザウルスはショッカーの改造人間の役目を終えて、その身を爆発、あるいは溶解させて消えるはずだった。
しかし、ライダーパンチが彼の自爆装置をも破壊したためか、ピラザウルスとしての役目を終えたのみで、その身体は草加昇のものへと戻っていく。
『兄ちゃん!? 兄ちゃん!!』
『お、あ……う……き、きよし……?』
『そうだよ! おれだよ! 清だよ! にいちゃ、兄ちゃん!!』
草加昇の姿に戻り、生きていることに歓喜する清は草加昇の身体に抱き着く。
その光景を仮面ライダー、オールマイト、立花藤兵衛は温かく見守ると、オールマイトが口を開いた。
『2人とこの件は私に任せてくれ。悪いようにはしない』
『え? いいのか?』
藤兵衛にオールマイトは頷いた。
『ありがとう、オールマイト』
仮面ライダーはそう言うと会場から姿を消す。
公式にヒーローであるオールマイトと違い、仮面ライダーは表舞台に現れることはできない。
『さて、キミ達には色々と聞くことがあるんだが……まずは病院だな』
オールマイトは微笑むと草加兄弟を抱きかかえて、会場から去っていった。
最初はなんだこのアメコミみたいなやつはと思ったが、中々に良い奴じゃないか。
滝枠がいないからちょうどいいかもしれないな。
2号用に改造人間と作戦は用意してある。
全部終わる頃には新1号への改造プランも固まっているだろう。
だが、その前にあのアフォが俺の思惑に気付きそうだが。
「まぁその時はその時か」
誰にも俺の夢は邪魔させない。
この俺の仮面ライダーに倒されたいという夢を。
ピラザウルスの仕事は政府の要人暗殺で仮面ライダーはついでで、でもくさかのぼるというプロレスラーが手に入ったから欲が出た感じ
劇中と結構違う展開になりましたが終わったのでこれでよし
タイトルマッチのハコにしては小さすぎない?とかそういう野暮な突っ込みはナシ。
続きを書くかは分からないのでプロットだけでも公開しようか悩んでますが
元々この話もかなりダイジェストにしてダブルライダー集結からのアフォorアジャーラ戦にしようとしてたんですがね。
ちゃんと書きたい欲に負けました。
書いていない間も高評価やら感想もしていただいてありがたい限りです。
また次回があればお会いしましょう