海渡る願い   作:哨戒艦艇

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ゲーム内で持っていない艦娘も多数いるので、その子がとんな感じの子なのかわからず、細かい描写ができなさそうで困っています。瑞鶴って名前の子なんですけどね。


第15話

 執務室に戻り、戦果報告と資材帳簿をつけて伸びをする。大淀に君も今日の業務を終えるようにと声をかける。本日もお疲れ様でしたと執務室の前で解散し、自分の部屋に向かいシャワーでお風呂をすますと食堂に向かおうとするが足を止める。食堂は今夕ご飯のためにごった返しているだろう。そんな中に私が行ったら皆がおいしくご飯を食べれないなと考え部屋に戻る。困ったものだ。少し時間をずらしていくかと考えているとコンコンと扉をたたく音のあとに赤城の声が聞こえる。お迎えに参りました提督。と声がするのでドアを開けるとお昼にみた戦闘時の恰好とは真逆のラフな格好をしていた。この鎮守府では食事前に風呂に入って1日の汚れと疲れをとってからご飯を食べてもらうように指示をだしている。ボロボロの服のまま飯を食わすのはさすがに忍びないしな。赤城の新しい服を見る限りではどうやら発注していた寝まきやジャージ等の動きやすい服などは届いているみたいだ。色やデザインなどの好みはわからなかったので無難なものしか選べなかったが、おいおいは自分達で買いに行ったりできるようにする予定なのでそれまでは我慢してもらおう。

 

 佐賀山の隠していたお金があるため、当面のこういった金銭面の心配はいらない。あとは不自然にならぬよう大淀に帳簿をいじってもらうだけだ。最初にこの提案をした大淀は不正なのでは・・?と心配していたが責任は自分がすべてとるし何よりもともと艦娘が受けとる予定だった金だ。お前達のために使って何が悪いとやや強引な形で押し切る形となったが、満足している姿をみるとこれでよかったのだろう。私もお昼の出撃でお昼ごはんを食べ損ねたのでお腹がペコペコなのです。はにかみながら自分のお腹を両手でさする。こうしてみるとやはり普通の女性と変わらない。だが艤装という謎の兵器を操り妖精とともに戦っている姿をみるとやはり人間とは違うのであろう。艤装と呼ばれるものは非常に重く、人間にはとても軽々しく扱えるものではなかった。だが今は彼女たちは軍人であり、私の部下だ。守ってやらねば。食事もほどほどにな。と会話しながら廊下を歩いく。

 

 

 なによこれ・・・曙は驚愕していた。潮がやけにうれしそうに一緒にご飯食べよ?と声をかけてきた理由がようやくわかった。そしてなによりも風呂。湯舟につかるのは初めての経験だった。あんなにも気持ちいいものだとは思ってもいなかった。シャワーだけの生活には恐らくもう戻れないだろう。今日はおかしいことばかりだ。出撃から戻ってくると明らかに違った様子の提督が自分たちを迎えてくれると私達をねぎらい、そして施設の拡張、弾薬や燃料の補給。そして抗議の声をあげていた神通さんを許すなど意味がわからないことだらけだった。正直あの時神通さんが先に声を上げていなかったら私もつっかかっていたかもしれない。きっと神通さんは私達が爆発しないためにも代表となる形で抗議してくれたのかもしれない。もちろん自分の中に不満もあったかもしれない。それでも解体されるリスクを考えたらあの場面での抗議は相当な勇気が必要だったはずだ。感謝しなければならない。出撃任務がなかった潮は先にこの新しい食堂でお昼ご飯を食べたのだがそれがよほどおいしかったのだろう。きっと曙ちゃんも気に入るよ。と何度も何度もいってくるのでわかったからわかったからとあやすと列にならぶ。なんでもお昼は唐揚げ定食というものが出たらしい。パリッとしててジュワっとしててとってもおいしんだよ!と説明してくれた潮。こんなに嬉しそうな顔をした潮をみるのはいつぶりだろう。

 

 

 先に並んでいた吹雪や白雪にどんな感じなの?と声をかけ晩御飯の内容を聞いた、今日の晩御飯はカレーというものらしい。何やら嗅いだだけでお腹がすいてくる奇妙な感覚に包まれていたが、その正体がこれか。前に並んでいる吹雪と白雪の会話も私達と変わらない。大人しい白雪が吹雪にお昼ご飯の内容を語っていた。どの子も同じようなものか。と笑いながら順番を待つ。違うのは吹雪は白雪の内容に食いついて、興味津々の様子で合いの手をうっている。こんないい性格の子になりたいなと思いつつ自分の隣の子に視線を向けると、そこには背伸びして厨房の様子を覗く潮。ちょっとがめついわよと潮をつつくとえへへ、ごめん。と笑顔で返してくれる。私達には私達のベストな距離感があるなとお互いに笑顔になった。

 

 「なにこれちょーうまいじゃーん!!」

 

 

 「千歳お姉ぇ!これ美味しいよ!」

 

 

 あちらこちらで声があがる。僕も妹の夕立と並び順番を待つ。なんだかすごいいい匂いっぽーいっ。といつもの口ぐせをぽいぽいと連呼していた。ぽいんじゃなくていい匂いなんだよ。伊良湖さんと間宮さんがカウンターごしに今日もお疲れ様!と声をかけて差し出したお盆に器をのせていってくれる。これが例のカレーというものか。お米にどろどろとした茶色いものがかかっている。そしてこれは野菜やお肉だろうか。食べやすい形と大きさに切り分けられた具が、ご飯のとなりをごろごろと皿のふちにむかって転がっていく。サラダとスープ、それに切り分けられた数種類の果物の小鉢をもらってこぼさないように空いている席にもっていく。夕立の分のお水をコップに注いでもっていくと、夕立のもってきたカレーは僕のカレーよりもなんだがこんもりとしている。大盛りというやつか。そんなに食べれるの?と声をかけると大丈夫っぽい!とあいかわらずぽいぽい言っている。

 

 じゃあ食べようかと2人で手をあわせ、スプーンで適量をすくい、口にもっていく。僕がおいしいねこれ!っと言おうと夕立に声をかけようとする前に、夕立はおいし~い!っと少し大きな声おあげていた。ぽいを付けないなんて相当なことだ。たしかにとてもおいしい。これがおいしいという事なのか。スプーンを止められない自分にびっくりしている。間にスープやサラダをはさむことで口の中のカレーの油を調和しさっぱりとしてくれることでカレーを飽きずにたべることができる。やがてキンキンっとスプーンがサラの底にぶつかる音が聞こえるようになると、大盛りを頼まなかったことに後悔する。僕って結構食べることができたんだ、と思いながら夕立をみる。相変わらずおいしそうにたべる可愛い妹だ。

 

 量の違いに少し後悔するも、まぁいいさ。と気を取り直し、果物に手を伸ばす。梨とみかんと食堂前と配膳前の看板に書いてあったのでそういう名前の果物なのだろう。だがどっちがどっちなのかはわからない。けれど、どっちでもいいのだ。何故ならどっちも甘くておいしいのだから。1日をこんな風に終えることができるなんて思ってもいなかった。きっと明日はいい日になる。今日よりももっと。さらにおかわりをしに行く夕立を眺めつつ、僕は今ある幸福を抱きしめた。




話を進めたい自分vs艦娘の描写を細かく書きたい自分の戦い。
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