海渡る願い   作:哨戒艦艇

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もっと文章について勉強する必要があるなぁと思う今日この頃。書くからには読みやすい文章をかけるようになりたいですね。


第22話

夕食の準備がある厨房組と、まもなく訓練から帰ってくる水雷戦隊の艤装のメンテ準備がある工廠組は部屋を後にし、残された5人と私で話し合う。話題はこの鎮守府をどうやって存続させるかについてだ。

 

 

 「君たちの中には聞いたことがある者もいるかも知れんが、念のためもう一度説明させてもらう。この鎮守府が解体される可能性があることについてだ。解体理由については目立った戦果があがらず、艦娘の存在を疑問視する声が本部で上がってきている。割に合わないのであれば予算を他に回すべきとの意見もちらほらとな。これを私はどうしても避けたいと思っている。解決案を君たちとともに話し合い、まとめていきたい。」

 

 

 そんなことになっていたのですね。と鳳翔が驚く、加賀も情報が遮断された生活を送っていたのだから知っているよしもないだろう。さらに私は話を続ける。

 

 

 「今までは損害の上に戦果を上げてはいたが、前回の海戦で私は君たちの力の可能性を感じた。このままの調子で被害なく戦果をあげていけば、本部側としてもこの艦隊の有用性に気づくはずだ。本部で解体が決定する前に一定の戦果をあげて存続を認めてもらうようにする。と同時に、佐賀山の人格が復活する可能性への備えとして佐賀山時代の不正をまとめて報告しようと思っている。」

 

 

 「待て、提督よ。本部側は提督の人格が入れ替わっていることは知らないのだろう?それだと提督がしょっぴかれるだけになってしまうぞ。そんなことになれば、提督の言っていた鎮守府の存続どころか、提督自身の身が危うくなってしまう。私は真船洋太郎と言う人間についていくと誓ったのだ。無茶をしないでくれ。」

 

 

 「長門の意見はもっともだ。もちろんそうなる可能性はある。ゆえに君たちの力が必要だ。プランはこうだ。今から一定期間、多大な戦果をあげる。そうすると本部も当然なにがあったのかと思い、こちらに連絡を直接とってくるだろう。その時に私の正体を明かす。と同時に中身が入れ替わった信憑性を上げるために、佐賀山時代の不正を報告する。今私が考えている案はこんな感じだ。何か意見はあるか?」

 

 

 「佐賀山提督時代はよろしくなかったけれども、真船提督に変わった途端、戦果があがるようになったので、このまま存続を認めてほしい。ということですね。ですがその案だと中身が入れ替わったことを報告しなくてもいいような気はしますが?」

 

 

 鳳翔が簡潔にまとめて話してくれる。かみ砕いて要約してくれるので非常にありがたい。

 

 

 「確かに鳳翔の言う通りだ。だが佐賀山の記憶が私にはない以上、佐賀山の本部との交友関係がわからぬ。いずれぼろが出てしまうだろう。そうなった時に色々と問題がでてきては困る。それに佐賀山の復活対策も兼ねているからな。復活したときのことを考えて、本部とのパイプをつないでおき、もしもの時に対処できるようにしたいという思惑がある。パイプづくりも狙いの一つだ。」

 

 

 「提督の考えはわかりました。ですがその案は綱渡りをしているのも同然です。本部の人間が手のひらを返し、真船のことなど知らぬ存ぜぬ、で押し切られてしまえば世間には、佐賀山が不正を働いた、という事実だけが残り、提督が佐賀山として処罰を受ける可能性があります。弱みを握られたままの状態になってしまうのはよろしくないかと。」

 

 

 赤城はこちらの身を案じてなにか別の案はないでしょうか。と代案を模索していた。とてもありがたいことだ。だが私としては最優先でこの子達を守ってあげたい。私のことなどどうでもいいのだ。

 

 

 「だが私の存在を認めてもらいつつ、鎮守府存続、佐賀山対策を行うとなればこれが現状ベストだと思う。唯一の難点は信頼できる上司を見極めなくてはならないことだな。佐賀山が復活したときに直接抑えられ、更迭できるぐらい権限が強く、なおかつ君たちの存在に理解を示してくれる人だ。今は戦闘詳報の提出のみで済んでいるので、そのあいだにこちらも動いていく必要がある。まずは先ほど言った通り、戦果をあげていくことだ。よろしく頼むぞ。」

 

 

 提督。貴方という人は。加賀がそう呟いてこちらを見つめている。まぁ仕方ないだろう。これ以上の私のおつむではこれが精いっぱいだ。もっといい案もあるかもしれないが、艦娘達が危険な目にあう必要はない。大淀に知っている限りの交友関係と本部の人間の情報をあつめてもらうよう指示をだすと茶菓子の封を開ける。堅苦しいことは苦手なのだ。餌やりでもやって癒されるとするか。話し合いが終わったのを察して妖精達がわらわらと集まりだす。よしよしよく我慢できてたな。えらいぞ。そう呟きながらお菓子を食べやすい大きさにわけ、与えていく。妖精がみえるというのもアドバンテージの一つだな。しかし妖精は他の人間に見えないらしいので証明は難しそうだ。本部の人間と話し合うとなった時に、厨房や工廠の様子を見てもらうのもいいかもしれない。直接的には証明にならないかもしれないが、こういったことも指示ができるとわかってもらえば有利に話し合いを進めることができるかもしれない。考えることは山積みだ。

 

 

 「わかりました。あの環境から救っていただいた私を含め、提督の身を案じている者が少なくないことだけは理解いただけるかしら。決して無茶をしないでください。」

 

 

 加賀は、はぁっとため息をついた後に言葉を続けた。わかっているさ。大丈夫だよ。と返事を返す。わかっているのかわかっていないんだか。そんな顔をしながら赤城や鳳翔とともに部屋を出ていった。すこしずつ砕けた感じになってきているのをみるに、心に余裕がでてきているのだろう。この調子で自分らしさ、が戻ってくれればと願いつつ、餌を与える。やがてお菓子がなくなったことに残念がり、しゅんっとなっている妖精達。また今度な。と撫でてやると多少機嫌はなおったみたいだ。

 

 

 「提督よ。くれぐれも無茶をするなよ。いつでも私たちを頼ってくれ。後、空母組の人数は増えてきているのに戦艦組は会議に増やしてくれないのか?提督さえよければ陸奥も今度から連れてくるぞ。陸奥はな。-----」

 

 

 そういって陸奥と呼ばれる艦娘のセールストークをうけ、わかったわかったといい流す。むっとした顔になり、約束だぞ。と言い残し去っていく。今回の会議では、赤城には加賀という存在がいるが、長門にはいなかった。気心しれる者が隣にいないのが少し寂しかったのだろう。意外と乙女チックなところがある可愛いやつだな。大淀が私と長門が会話中に集めてくれていたのか、本部の人間の資料を差し出してくれた。仕事が早くて助かる。一つ一つ吟味しながら、こちら側から接触する人間を慎重に絞っていく。最悪私の命がかかっているのだからな。しっかり選ばねば。

 

 時間がたち、鎮守府が少しずつ騒がしくなっていく。訓練から帰ってきた者たちが遠くではしゃいでいるのだろう。間もなく川内と神通が今日の訓練内容と消費した燃料、弾薬などの報告をしてくると執務室を去っていった。いつのまにか差し込んできた夕日を眺め、書類の整理をする。今日は終わろうか。大淀に声をかける。今日の晩御飯も楽しみだ。執務室を後にし、部屋に戻る。今日こそは1人でご飯を、と考えていた時に部屋をノックする音が聞こえる。提督、長門だ。陸奥もつれてきた。一緒に食事をどうか?とドア越しに聞こえた声に、今晩も赤城の時みたいな二の舞になるのか。と半ばあきらめつつ、返事を返す。では食堂に向かうとするか。美女からのディナーの誘いは断れないからな。




以外に押しに弱い真船。
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