海渡る願い   作:哨戒艦艇

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第29話の内容を少し修正しております。


第30話

 発艦して編隊を組みながら航空部隊は青空を進む。そろそろだな。と翔鶴隊の隊長妖精は頃合いをみてみなに声を届ける。

 

 『まもなく会敵予想空域に入る。各員気を抜くな。見張りを厳に!』

 

 了解!という多くの返事が無線ごしに響き、緊迫した空気になっていく。やがてはるか遠くにこちらに向かって飛んでくる群れを見つけた。急いで艦隊に打電し、戦闘用意の声とともに、それぞれ増槽を投棄し身軽になった戦闘機。しっかり守ってくれや!と龍驤隊の者らしきパイロット達からの要望を聞き届けると、任せておけと返事を返した後に深呼吸をする。ここでしっかり敵を叩き、何としても艦隊や攻撃隊を護らなければ。そう思っているうちに敵も次々と増槽らしきものを投下し、散開してくるのが見えた。

 

 『我々五航戦は敵に組み付く!隼鷹隊と龍驤隊はこちらの攻撃機の護衛を優先してくれ!各員生きて会おう!』

 

 そう指示をだし、突っ込んできた敵戦闘機にこちらも向かっていく。奴らの好きにさせてたまるか!それぞれの戦闘機が入り乱れての乱戦になる。敵も攻撃隊を護ろうと必死だ。艦爆、艦攻機を狙おうとする暇を与えてはくれない。翔鶴隊と瑞鶴隊のパイロット達は、はやる気持ちも抑えつつ、冷静に対処していく。

 

 『しつこいんだよ!お前らにかまっている暇なんてねぇんだ!』

 

 巧みな操縦で敵を撃ち落としていく瑞鶴隊のパイロット。あの模擬戦に比べればこんなもの!と開戦前に緊張していた様子はすでに消え去り、次々と敵を撃ち落としていく。研ぎ澄まされた思考が視界をクリアにしていく。面白いように敵の行動がてにとるようにわかる。一航戦の先輩達はきっとこういう感覚で戦っているのだろうか。戦場が一人のパイロットを育て上げていく瞬間だった。

 

 『敵の攻撃にビビッて編隊を崩すなや!はぐれたやつから狙いうちにされていくで!それに護衛の戦闘機もいくらかついとる。焦らずに狙ってきた敵を後部機銃の集中砲火で墜とすんや!最悪やられそうになったら爆弾や魚雷を投棄してでも母艦に帰投して帰るようにしとき!命あってのもんやからな!』

 

 前回と違い、初めての敵からの追撃に焦っているのか動きが悪い五航戦の攻撃機達。それを見かねた龍驤隊の爆撃機隊長が無線で激をとばし、落ち着くように言い聞かせる。いくらかの効果があったのか、了解!と返事が聞こえると、被弾しつつも、何が何でもと爆弾を離さずについてきていた数機の攻撃機は隊列を離れ母艦に戻って行った。敵も魚雷や爆弾を投棄した敵を狙う暇なぞないのか、再びこちらの編隊にむけて進路を変えようとするも、護衛の龍驤機や隼鷹機に落とされていく。全ての追撃部隊を墜とすと後は敵直掩機だな。そしてそのあとにいよいよ本番だ。無念の脱落した味方攻撃機の意思を引き継ぎ、、敵艦隊にむけて進んでいった。

 

 『ようし。この時をまっていたぜ。味方艦隊には指一本触れさせるんじゃねぇぞ!各機敵の撃墜ではなく、撃退を最優先とせよ!魚雷、爆弾を投棄した敵の追撃など不要だ!艦隊を護るぞ!』

 

 直掩部隊として艦に残っていた半数の部隊は敵艦隊と交戦の電報を受け取ると、翔鶴及び瑞鶴はすばやく発艦させ、迎撃態勢を取らせていた。なんとか突破してきた敵攻撃部隊にさらに襲い掛かる直掩部隊。敵護衛部隊はすでに先行して戦っている第一次戦闘機部隊によって壊滅させられているため、ボーナスステージ状態となっていた。

 『敵攻撃機に組み付くときはあまり距離を詰めすぎると撃墜した機体の破片や燃料がとんでくるから注意しろって言われてたが・・まさにその通りだな』

次々と襲い掛かる紫電改二の前になすすべなく狩られていく敵攻撃機。一方的な状況にも拘わらず、パイロット達は先輩の教えを忠実に守り、油断なく敵を叩いていく。 幾分かの数を取りこぼしてしまったことに悔しさを覚えつつ、残りの敵攻撃機の数を打電し、離脱する。後は艦隊が撃墜してくれることを祈るのみだ。先輩達だったら・・とタラればを考えてしまうが、できることはやったのだ。あとは結果を待つのみだ。

 

 「どうやら敵が少数突破してきたらしい。敵機を迎撃し万全の状態で艦隊決戦に挑むぞ!」

 

 報告を共有した艦隊は敵攻撃機に備え、長門を中心に警戒を強める。やがて敵攻撃機がこちらに編隊を組み飛んでくるのが見えた。

 

 『四時方向より敵編隊確認!数は12機!艦攻部隊です!距離およそ12000高度1700、速度300にて接近中!』

 

 『同じく八時方面より敵編隊確認!距離およそ12000!数は15機!同じく艦攻!』高度1500、速度300にて接近中!』

 

 敵はどうやら時間差で挟み撃ちを狙っているらしい。右舷を第一、左舷を第二水雷戦隊を中心に迎撃態勢をとるように指示し、三式弾の装填を急ぐ。提督のおかげでフル稼働の工廠でつくられた三式弾は戦艦、重巡に配備ずみだ。絶え間ない弾幕で海に沈んでもらう!十分に敵をひきつけて撃ち始めるよう指示し待ち構える。やがて敵機が射程圏内に入ると、一斉射を開始した。

 

 『やったれやったれ!敵を近づけさせるな!弾は撃ち放題だ!間もなく機銃の射程圏内にも入るぞ!何が何でも撃ち落とせ!』

 

 砲と妖精達の怒号が響く中、次々と飛んでいく弾はやがて敵艦攻機をとらえ撃墜し海に叩き付けられる。全てを撃墜すると、休んでいる暇はないと急いで装填し、反対側からやってくる敵にむけて砲塔を旋回させる。すでに反対側の敵攻撃機は何機か投下体勢をとっている状態だった。

 

 『なんとしても撃ち落とせ!ここで敵の魚雷で沈んだら笑いもんになるぞ!主砲も敵を狙え!直接当てられなくても水柱をあげてたたきおとしてやりゃあいいんだ!撃て撃て!』

 

 敵攻撃機に魚雷投下される直前に何とか撃ち落とす。それでも対応が遅れた最後の数機の意地とでもいうべき投下された雷撃がこちらに向かって伸びてくる。敵機雷跡ぃ!!っと妖精の声に反応し、回避運動をとり魚雷を見事にかわした。過ぎ去っていく魚雷を見ながら日頃の訓練が役に立ったと胸をなでおろす艦娘達であった。敵艦攻隊壊滅に成功した艦隊は歓声をあげて進軍していく。後はこちらの攻撃部隊の戦果を期待しよう。長門はさらに気を引き締めるよう艦隊をまとめると進撃していくのであった。

 

 

 

 




こういう風にしたいという構図はあるのですがそれに文章力が追いつかない。
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