コツコツコツと足音が少しずつ近づいてくる。そして私の前に立つと綺麗な敬礼をして自己紹介をしてきた。
「陽炎型一番艦、陽炎です!よろしくお願いします!」
「陽炎型九番艦、天津風。着任です。」
とても元気な子だ。挨拶を終え握手して私も自己紹介をする。互いの紹介が終わった後陽炎はあたりを見回した時に発見した不知火に手を軽く振っていた。普段あまり感情を表にださない不知火が喜んでいるのをみると相当嬉しかったのだろう。それに続く天津風は陽炎型というが制服が陽炎や不知火と違う。それに足元には島風がいつもつれている連装砲ちゃん?らしき謎の生命体がいる。なにか関係があるのだろうか?続いて五十鈴、阿武隈、球磨、木曾と軽巡ラッシュだ。これはうれしい結果となった。そして第一陣組最後の窯が建造終了の合図をだす。窯の中からゆっくりとあるいてきたのはまさかの水着の艦娘だった。
「はじめまして。伊号第百六十八潜水艦です!よろしくおねがいします!」
「よろしく頼む。ところでその名前だと少し呼びづらいのでなにか別の呼び方はないかな?例えばゴーヤみたいな。」
「ゴーヤもこの鎮守府にいるんですか?そうですね・・。ではイムヤって呼んでください。私も自身のことをイムヤと呼びますので。」
なんとも長い呼び名にならなくてよかった。握手を終え後ろを振り返ると妖精達が再び建造に励んでいる。まだまだ艦娘の寮には余裕がある。この調子で少しずつ艦隊を増やしていかねばな。そう考えているうちにあっという間に模型が出来上がったのか、台に乗せられた模型が窯に入れられていく。もはや艦の形をみて想像するよりも後ろのギャラリーの反応を見たほうが何となくやってくる艦娘の種類がわかるまである気がする。その証拠に長波が反応していた。つまりこの中に長波の姉妹艦がいるわけか。気長に待つとしよう。建造はまだ行う予定だ。前回と同じ妖精達に謝礼のお菓子を配ると待ってましたと言わんばかりに群がってきた。仲良くわけろよと声をかけるとおいしそうに食べてくつろいでいる。後ろでいいなぁ~という声が駆逐艦の群れの中から聞こえてくるがそれを無視する。お前達は昨日嫌というほど私の財布を痛めつけてくれた罰だ。せいぜいそこで羨ましがっていろ。そうこうしているうちに建造が終了したようだ。コツコツと歩行音が聞こえ私の前に立つ艦娘。先頭は綺麗な緑色の髪をしている子だ。
「夕雲型一番艦、夕雲、着任しました。提督。よろしくおねがいします。」
「同じく夕雲型十六番艦の朝霜!よろしくお願いします!」
「夕雲型十九番艦、清霜です!よろしくお願いです!」
何やら夕雲型?のオンパレードだ。夕雲は長女?なだけあってしっかりしてそうな雰囲気だ。反対に朝霜と清霜は元気いっぱいだ。むしろ元気が余っている感じがある。そして遅れて秋月と照月がでてきた。この二人はまた別で秋月型の類らしい。ネームシップ艦が今日は沢山出てくる。何とも不思議な日だ。そしてさらに遅れて足柄がでてきた。妙高の姉妹艦だな。なかなかガッツありそうな話し方をしていた。だが一番恐ろしいのは彼女が那智の妹ということだ。姉妹が似てないことを祈るのみ。そして最後の窯からやってきたのは、これまでみたことない制服を着た眼鏡をかけた女性だった。
「練習巡洋艦、香取です。提督、よろしくお願いしますね。」
・・・なんともささる人にはささりそうな属性を持っていそうな艦娘だ。あいにく私はそういう趣味は持ち合わせていないので間に合っている。それにしても練習巡洋艦?聞いたことない区分だ。香取に聞いてみると、元々は海軍兵学校を卒業した新兵をのせて遠洋航海用の艦としてつくられたそうだ。
「つまり今の君は新兵、つまり新人の艦娘の指導役としてうってつけなのではないか?」
「はい。至らないところはあるとは思いますが、そういった面ではお役に立てるかと。」
これは思わぬ収穫だ。新人の艦娘は香取に任せてある程度練度が高まってきた子達は川内、神通にまかせればいい。分業することにより訓練も捗るだろう。後ろを振り返るとニッコリとほほ笑む神通と顔が青ざめている駆逐組。しっかり働いてもらうからな。そんな中、朝霜と清霜は頭に?マークが浮かんでいるかのような不思議がっている顔をしている。きっと神通の訓練を味わえば二人もきっとあんな風にげっそりした顔になると思うと涙が出てきそうになる。純粋な心をいつまでも忘れないでほしい。
今回も沢山の仲間が艦隊に加わった。野次馬たちに第二次建造組を鎮守府案内するようにお願いすると嬉しそうに話しながら歩いて行った。部屋割りも色々と考えなければならないな。まぁそこは大淀に任せれば大丈夫だろう。明石と夕張に感謝すると、執務室に向かう。新たに加わった艦娘達が大淀と話しており、大淀の書いている名簿に記帳されていた。その流れに便乗し部屋割りも新しく考えてやってくれとお願いすると了解しました、と頼もしい返事が返ってくる。大淀が頑張ってくれているうちに残りの業務を終わらせよう。私はデスクワークに戻ると黙々とこなしていく。
いつもまにかもうすぐ日が沈むようだ。今日もあっという間だった。大淀も早いうちに部屋割りを終えたようで書類を終わらせていた。今日もお疲れ様。と声をかけ執務室を二人ででる。私はそのまま自分の部屋に戻ると風呂に入り食堂にむかう。食堂では今日着任した子達もいるようで賑わっていた。
「提督も一緒に食べるっぽい!」
夕立がそう言いながら順番待ちでまだ空になっているお盆でげしげしとつついてくる。何故攻撃してくるのかはわからないがわかったわかったと了承し一緒にご飯を食べる。時雨や睦月なども自然と集まってきて大所帯になる。あれこれ質問を受けながら楽しい食事をとることができた。確かににぎやかだが、こうなると抜け出すのも至難の業だな。ようやく解放された私は部屋に戻る。あれこれやりたいことはあるが、装備が整わない限り次のステップに進めない。しばらくは工廠組に苦労をかけるな。今度漁船護衛についての打ち合わせを外でやる際に、彼女達が行きたがっていた〇ークマンについでにつれていってやるか。布団をかぶりながら明日もいい日になるようにと思いながら私は眠りにおちていった。
新しい艦娘が続々着任。作品で特別ひいきするわけではないですが、個人的に清霜はお気に入り艦娘の中の一人だったりします。