海渡る願い   作:哨戒艦艇

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原稿を間違えて消してしまい、11月1日の投稿に間に合いませんでした。急いで書いたので誤字脱字があるかもしれません。後日訂正したいと思います。


第7話

 赤城に追加のお菓子を渡すとおいしそうに食べていた。大淀と鎮守府内をどう回るか話し合いながら準備をする。長門にお前はどうすると声をかけようとすると赤城のお菓子を羨ましそうに眺めている。お前も欲しいのか。

 

 

 「長門よ。お前もおかわりが欲しいのか?欲しければやるぞ。遠慮するな。」

 

 

 「いや・・・その・・別に欲しいわけでは・・」

 

 

 コイツ嘘つくのが下手だな。遠慮するなと菓子を渡すと恥ずかしそうに感謝する。と受け取り食べていた。凛々しい見た目とは裏腹に可愛いところがあるじゃないか。今度甘味でも奢ってやろう。そのためには厨房を改善しなければ。そうなると厨房から視察をしていったほうがよさそうだ。まずは厨房に向かうと伝えるとお供します。と大淀が後に続く。一度やってみたかったんだよこのシチュエーション。秘書とともに廊下を歩く姿はまるでドラマのワンシーンのようだ。

 

 食堂につくまでは誰にも会うことはなかった。ひどく活気がない建物だ。そうつぶやくと状況が状況ですから。と大淀が返す。この状況を変えるためには根本的なところから変える必要がある。

 

 

「間宮さんいらっしゃいますか?」

 

 

 大淀が間宮と呼ばれる女性を呼ぶと奥の方からはーいっと返事が聞こえる。声の主がくる前に厨房をのぞいていると、1人の割烹着らしきものを着た女性がいた。こちらの存在に気が付き、慌てて出てくる。

 

 

 「気づくのが遅れて申し訳ありません。なにか厨房に気になることでもあるのでしょうか?」

 

 

 そう言って出てきたのは例にもれず美しい容姿の女性だった。これが食堂のおばちゃんだというのか?レベルが高すぎる。むしろお姉さんではないか。心を落ち着かせながら特に用事はない、かまわず仕事を続けてくれというと困惑した様子で厨房に戻っていく。しかし戻ったとしても仕事がないのだろう。明らかに暇そうな様子だったしな。かといって私の前でぶらぶらとするわけにもいかないのでどうすればいいのか困っている。一通り厨房の確認を終えると間宮に再び声をかける。

 

 

 「間宮よ。仕事がないのであれば今から執務室にくるように。」

 

 

 そういうと間宮は青ざめた様子ではい・・っと力ない返事をした。なんか私が悪いやつみたいになっているではないか。全く心外だ。だが間宮本人にとっては死刑宣告にも等しい言葉だったのだろう。明らかに委縮し、泣きそうな顔をしている。事前に大淀と話し合った結果、間宮も私におきた出来事を話すことに決めた。食事、工廠、主力艦、この3点にはこちらの意図を理解しもらい、戦闘にでる艦娘をサポートしてもらう必要がある。大淀に間宮を落ち着かせるように言いながら私は先に戻ると伝え足早に戻る。戻る途中で数人の艦娘と出会った。彼女達は私を見つけるといなや、きれいな敬礼をしてきた。だがその目は恐れを抱き、じっとしている。まるで嵐が去っていくのを待つかのように。早くこの状況を変えねばならぬ。だが焦ってはいけない。確実に少しずつ事をなすべきだ。艦娘に手をあげてご苦労。と声をかけ通り過ぎ私は執務室に戻った。今後の戦闘方針について赤城と長門は話しあっていたようだ。

 

 

 「失礼します。間宮さんをお連れしました。」

 

 

 失礼します。と大淀に続いてやってきた間宮。大淀と話して少し落ち着いたのだろう。ある程度は固さはとれているがまだ不安げな様子だ。しかし長門と赤城がいるこの状況を推測するになにか罰を与えられるのではないのだろうと察したみたいだ。間宮を椅子に座らせ皆と同じように脅しをかける。秘密を厳守できるか。できないのであれば解体だと。間宮はうなずくことしかできなかった。恐ろしいことを言われている気がするのになぜこうも皆は落ち着いているのか不思議でならなかった。がその考えは提督からの話でどこかに吹き飛んでしまった。

 

 

 説明をひとしきり終えると間宮は考えこんでいた。実際に妖精を認識し触っているのであれば嘘ではないのかもしれない。仮に嘘だったとしても今要望をだせば願いは通るのではないか。そう思った間宮は提督に向かって声を発した。震えていた体はいつの間にか止まっていた。

 

 

「ではわたしからもお願いがあります。厨房の拡張及び新設備の導入、そして艦娘への食事提供の許可をお願いします。毎日希望を見いだせない顔をしているみんなを見送るのはもう嫌なんです。私は給糧艦という立場上戦う事はできません。私にできるのは食事をつくり、みんなを励ますことぐらいしかできないのです。今の食事はレーションのみです。これでは存分に腕を振るうことができません。私も皆のお役に立ちたいのです!」 

 

 

 「その件についてはすべて許可をする。元々間宮の了承がとれれば拡張する予定だったのだ。美味しい食事は人生の楽しみの一つだ。それは艦娘だっておなじだろう。すでにここに2人もいるのだからな。食事だけでなく、甘味も作ってもらっても構わない。美味しい食事。甘味のために戦い、帰ってくるというささやかな願いでもいいのだ。君たちには希望を持ってもらいたい。」

 

 

 食い気がある2人をからかう。2人は恥ずかしがっていたがすぐにある言葉に反応して目を輝かせていた。1人は食事というワード、もう1人は甘味だ。非常にわかりやすい。間宮にありがとうございますと感謝される。業者に食材等の発注をかけるように大淀と話し合って決めてくれと誘導すると早速要望を伝えている。あとは『住』だな。寮のほうもなかなか悲惨と言っていた。この目で確認し改善していかなければならない。

 

 

『甘味か・・・胸が熱いな・・・』

 

 

 そんなに楽しみなのかお前は。




雪風改二楽しみですね。うなぎフェスに参加された方はお疲れ様でした。
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