【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
ライデンやハヤトらがラカンとMD部隊に足止めされる中、この地域の防衛を担っていたマクロスが、ターニャや部下たちを回収してから戦線から勝手に離脱し始めた。しかも、敵陣の方へ進んでいく。これは敵前逃亡である。
『姉さん、マクロスが!』
「勝手に前進? どういうこと!?」
『そんなの、僕が知るわけないでしょ』
付近で防衛戦を行っていたスピアヘッドに乗ってロナは、マクロスが敵陣に向けて前進しているのを目撃し、それを姉に報告した。リオンに機関砲を撃ち続けて撃墜した弟と同じ戦闘機に乗るラナは、どうして前進していることに驚きの声を上げる。
一度補給し、他の部隊に合流して防衛戦を行っていたジェットストライカー装備のダガーLに乗るジョウ・エグザやヘビーガンに乗って単独で暴れ回るリューゴ・バーニングも、それを目撃していた。
「なんで前進している? ここの防衛は、あの艦が無いと支えられないんだぞ! CP、あの艦は何か言っているのか!?」
『なんだぁ? 俺と同じく暴れ回るつもりか? 獲物は寄越さんぞ!』
ジョウは何でマクロスが前進しているのかをコマンドポストに問い、リューゴは自分の獲物を横取りするつもりかと慌て始め、随伴しようと向かい始める。
補給を終えて前線に戻ってきたヘビーガンに乗るルビー・ヘルナンデスも、Gキャノンに乗るアルヴィナ・ウラジーミロヴナ・パヴロヴァもそれを目撃しており、敵前逃亡では無いかと疑う。実際、そうであるが。
「あれって、敵前逃亡ですよね? 撃ち落とします?」
『現状の兵装では無理。同盟軍に任せるのが妥当』
敵前逃亡なので、ルビーがマクロスを沈めるのかと問えば、アルヴィナは質量が大き過ぎるので、現状の兵装では撃沈は困難だと答え、同盟軍の集中砲火に任せるのが妥当だと答える。
『だ、駄目だ! 抑えきれない! 突破され…』
『なんでマクロスが離れるんだ!? あいつ等、一体どうかしたのか!?』
『後退を! 後退の許可を! わぁぁぁ!!』
「俺の獲物を横取りする気だろう」
無線機からは友軍の将兵の悲鳴が聞こえる中、リューゴが駆るヘビーガンはマクロスに随伴しようと前進を続ける。途中で邪魔な敵機が前に出て来るが、リューゴの技量は高いので、反射的に前に出た数機をビームライフルで撃墜した。
「これで何機目だ? もう腹いっぱいだぜ!」
敵機数機を撃破した後、リューゴは数えるのが面倒になったと口にしつつ、マクロスの近くまで来たが、ここに来てグフイグナイテッドの近接攻撃を側面より受け、マクロスに激突した。
「うわぁぁぁ!? クソっ、死ねるかよ!」
激突した後、まだ動く左手で甲板を掴み、コクピットのハッチを緊急パージして機体より脱出する。そのままマクロスに飛び付いて張り付き、被弾して空いた穴に入って艦内に退避した。
『こちらCP、司令部よりあれは敵前逃亡艦と認定された。直ちに撃沈せよとのことだ。まぁ、同盟軍が勝手にやってくれるだろう。お前たちは基地の防衛に専念しろ』
「撃沈しろだと? なら、俺はここで戦死だ」
『はっ? 何を言ってんだお前』
「ジョウ・エグザは、ここで死んだ」
『何っ!? 貴様も敵前逃亡か! 各機、エグザ機を…』
負傷した戦友を載せたまま前進しているマクロスを撃沈しろとの命令に対し、仲間を見捨てられないジョウは自分は戦死したと口にする。
再編の際に組み込まれた僚機のパイロットが意味を問う中、ジョウは自分はここで戦死したと答えてからマクロスへと向かった。直ぐに今の上司がジョウを敵前逃亡犯として処罰するように告げたが、同盟軍の攻撃によって隊長機と他多数が撃墜される。
ルビーもアルヴィナもジョウの行動を見て、辞めようと思っていた統合連邦を辞める機会だと判断して後に続いた。
『なんでついてくる? お前たちも敵前逃亡犯になるぞ』
「連邦を辞めるには、良い機会ですので。貴方と一緒にあのマクロスに乗ります」
『右に同じく』
『フン、勝手にしろ』
ルビーが乗るヘビーガンとアルヴィナの乗るGキャノンが随伴してきたので、ジョウが訳を問えば、連邦を辞めるにはいい機会だからついて来たと彼女らは答えた。
これにジョウは了承して、共にマクロスへと向かった二人だけではない、ラナとロナも統合連邦を辞めたかったようだ。
『お前たち、何をしている!? 速くそこの敵前逃亡者を撃墜しろ! 聞いているのか!?』
ジョウ達の後ろに付けば、しつこく撃墜しろと言ってくるCPに対し、ラナは無線機のチャンネルを切ってついて来て良いかと問う。
「私たちも一緒に良いかな? あのマクロスが前進したってことは、何かあるようだし」
『何か裏があるみたいだからね。行って確かめないと』
ルビーとアルヴィナの機体が兵装を向ける中、ラナに続き、ロナはマクロスの前進に何かあると思って姉に続いたと答えた。思わぬ援軍に、ジョウは敵前逃亡者になると告げる。
「お前たちも敵前逃亡になるぞ」
『敵前逃亡? もう良いかな。徴兵されて、勝手気ままにやったらこんな激戦区に放り込まれたし』
『明らかに僕たちを殺そうとしているからね。もう統合連邦は辞めて、バルキリー乗りに転職しようと思うんだ』
「勝手な理由だな。まぁ良い、勝手に来い。途中で撃墜されても助けないぞ」
『ありがとさん!』
これに二人の姉弟は統合連邦軍を辞めてバルキリー乗りに転職すると答え、ジョウが承諾してその後に続いた。彼らが編隊を組んでマクロスに向けて飛ぶ中、進行方向より無数の同盟軍機が彼らに向かってくる。
「来るぞ! 各機、編隊を崩すな!」
『了解!』
目前に立ちはだかる多数の敵機に対し、彼らは臆することなく、マクロスを目指すために挑んだ。
凄まじい弾幕に晒される中、彼らは躱しながら反撃を行い、一機、また一機と落としながら進んでいく。ルビーが背後の敵機を撃破し、アルヴィナのGキャノンがガトリング砲を撃ちながら進む中、VF-1JバルキリーとVF-1Aの編隊が現れ、自分らを攻撃していた敵部隊を一掃した。
『あんたら何? 追撃?』
敵部隊を一掃した後、編隊長が乗るVF-1Jがバトロイド形態に変形してからジョウのダガーLに触れ、直接通信で追撃なのかと問うてくる。これにジョウは、そちらに合流したいと返答する。
「そちらに合流したい! 貴官らがなぜ前進して突破を図る理由も知りたくて」
『変な気ね。まぁ良いわ、突破を手伝いなさい!』
『あっさり受け入れましたね。何かあるかも』
『可能性大』
そのジョウの返答に、編隊長は合流を容認して襲い掛かる同盟軍機の迎撃に向かった。
ルビーはあっさりと自分たちを受け入れたことに、何か裏があることを言えば、アルヴィナは大いにその可能性があると言う。これにアナはこの地獄のような場所から離脱できるなら、何でもいいと答える。
「なんでも良いんじゃないの。ここから抜け出せるなら」
『そうだね。上層部は僕らのことを囮にする気だし』
弟のロナも姉と同意見であった。どうやら、自分らが全滅確定の囮にされている気付いたようだ。それで連邦軍を辞める気になったらしい。その後、彼らはマクロスの難民部隊と共に突破を図ろうと奮戦した。
リューゴを初め、ジョウ、アナとロナ、ルビーにアルヴィナがマクロスと合流する三十分前、先にマクロスに乗船し、手紙で信用されて艦橋まで来ていたターニャは艦長にサイクロプスのことを報告する。
尚、部下たちはマクロスに収容されており、あの激戦区にも関わらず、誰一人欠けることなくマクロスに辿り着いていた。これにはターニャも、生前の二〇三大隊以上だと舌を巻いた。
「そんな…! 嘘でしょ…? 約束では、この防衛戦を我々の勝利にすれば、受け入れ先を…」
「言っておきますが、今述べた情報は、私が基地内に潜入して入手した情報です。基地司令部に問いたたしても無駄ですよ。既にもぬけの殻です」
自分らの種族では下であり、魔法が取り柄だけでのロリータより聞かされた言葉に耳を疑うマクロスの艦長であったが、そのロリータ族であるターニャの言葉は、数百年も生きるイヴ人以上の説得力があった。更にターニャは基地内で撮影した写真を見せ、自分らが守る基地の司令部は、自分らを置いて既に逃げ出したことを伝える。
「え、援軍が…」
「援軍など来ませんよ。あなた方は敵を誘き寄せるための餌だ! そして守備隊は全滅し、頃合いを見た司令部は破棄を兼ねて基地の地下奥深くに仕掛けられたサイクロップスを作動させる。それが彼らのシナリオです。全く、疑いもせずにこんな命令に従うなど。守備軍の編成を見れば、直ぐに分かるはずですが」
編成からして、上層部の目論見が同盟軍の主力軍の壊滅させるのが目的の囮であることも伝えれば、艦長は顔を青ざめさせ、どうすれば良いのかと参謀を見る。艦長に見られた参謀は暫し悩んだ後、ターニャにこの場合どうすれば良いかを聞く。
「使者殿…ここは…」
「聞くほどのことか? 既に分かっているはずだ。敵陣を突破し、基地より半径十キロメートル以内まで逃げるのだ。この地点に貴官らを迎えるための艦隊が待機している! 出迎えの艦隊は救出に来るような勇気は持ち合わせていない。こちらから、向かうしか無いのだ!」
「あの数を現状の戦力で…!」
「とても無茶だわ! 包囲されて潰される!」
敵陣を突破して逃げる他ない事をターニャが伝えれば、マクロスの乗員らは包囲されて袋叩きに遭うと返して突破を断る。幾らマクロスとはいえ、あの数の突破は至難の業である。突破しなければ、サイクロプスに巻き込まれてしまう。
「それしかないのだ! 私の隊が前衛を務める。貴官らは、左右や後方より来る敵を一掃すれば良い」
「…分かりました。これを他の友軍に伝えても?」
自分の魔導士隊が前衛を務めるとターニャが説得すれば、艦長は難民や他の船員たちの生存を賭けて従った。それと他の守備軍にこの事実を伝えるべきかどうかを問えば、ターニャはそれを却下する。理由は、基地の守備軍が敵の注意を引いてくれるからである。
「何を言います。守備軍が基地を死守してくれるおかげで、こちらに戦力が向いていないのですぞ。それをみすみす不意にするなど…一緒に心中するおつもりか?」
「確かに! 我々イヴ人を奴隷にしていた人間共なんかの為に、死ぬ必要性なんてありません!」
このターニャの言葉に、イヴ人らの乗員らは納得した。自分らと同じく捨て駒にされた事は同情するが、先祖たちが人間に奴隷にされていた過去を思い出し、心中など馬鹿らしいと思ったのだ。若い乗員が納得して言えば、艦長を含めるイヴ人らは同意して突破に賛成する。
「そうですね。我々イヴ人を囮にした連邦政府の為に、戦う必要性はもうありません。これが分かっていれば、この戦闘で戦死した同胞たちは、死なずに済んだのに。では、デグレチャフ中佐殿。安住の地への案内、お願いします」
「その意気です。安住の地への道は、険しいですぞ。戦力はどれくらい残っているのです?」
艦長の決断を褒めた後、ターニャはどれくらいの戦力が残っているのかを問う。これに参謀は、現状の戦力を機器で確認してから答える。
「八十パーセント程が残っています。戦力を集中すれば、十分に突破は可能かと」
「そうか。では、マクロスキャノンやフォールド航法は? 撃てないので?」
次にマクロスキャノンと超光速航行装置の使用状況を問えば、ターニャが思った通りの答えが返って来る。
「マクロスキャノンは撃てません。フォールド航法も修理中で、完了には三日を要します」
「なるほど、だから撃たないのか。では、私が代わりにやるしかないな。とにかく、他の隊に悟られないように。敵前逃亡と見なされるので」
「了解。全艦及び出撃中のバルキリー隊並び防空部隊に通達! 我、突破を決断。持ち場を離れ、直ちに集結せよ! 他の隊には知らせるな!」
どちらも修理中であることが分かれば、ターニャはその代わりを務めると答えた。同時に突破を他の守備軍に悟られないように告げ、突破口を開くべく、再び激戦の空へ出撃する。ターニャが出て行った後、艦長は防衛戦闘を行っている全部隊に集結命令を出した。
「あの巨大戦艦が敵陣に前進している! まさか突破する気か!?」
エイリフ・バーライトを救出して付近の救護所へと運び、機体から降りたブル・ヴィンは、自分から遠目の方で防戦していたマクロスが前進しているのを見て驚きの声を上げる。
ターニャが艦長を説得し、戦力を集中させて突破させた頃のようだ。マクロス前方に展開している同盟軍部隊はターニャ率いる魔導士部隊によって掃討されつつあり、その開いた突破口を目指してマクロスが前進した。
これに同盟軍は左右側面よりマクロスに襲い掛かろうとするが、側面に展開していた艦載機に抑えられていた。これにジョウ達も加わって、防御が鉄壁となっている。
ヴィンの声でマクロスが基地より離れようとしているのを知ったエイリフは、遂に基地に何らかの自爆装置が仕掛けられていることに気付く。流石にサイクロプスとは思っていないが、守備軍の人員編成で、ようやく確信に至ったようだ。
「そうか。我々は餌か…」
「なに、餌だと? どういう意味なのか?」
気付いたエイリフが朦朧とする意識の中でつぶやく中、ヴィンはどういう意味なのかを問う。
「おそらく、何らかの自爆装置が基地の地下奥深くに仕掛けられている。同盟軍はこの基地の攻略に地球にある戦力の大半を投入している。上層部は戦力を奪う為に、我々は生贄にされたのだ」
「これほど重要な拠点なのに、守備軍の編成にUNSCとISAが無く、徴収兵や敗残兵、懲罰部隊に傭兵、そして我々だけなのは、我々を囮にする気だからか!」
エイリフの答えに、事実を知ったヴィンは怒りの余り、近くの壁に拳を打ち付けた。軍事顧問として従事し、戦った者に対する敬意がこの仕打ちは、流石に怒りを覚える。同時に、エイリフは上層部にとって都合の悪い人間も、基地の守備軍に組み込まれていることを伝える。
「それに上層部にとって都合の悪い一部の将兵も含まれている。それが私だろう。和平派は、ブルーコスモスやこの戦争を陰で操る者にとって目障りなことこの上ない」
「我々も都合の悪い者の方へ含まれてるのだろうな…! でっ、どうする? 脱出するのか? すれば、我らは敵前逃亡者だぞ」
これにヴィン等サンヘイリ族も含まれていると言えば、脱出するかどうかを聞いてきた。
脱出を選べば、自分らは敵前逃亡者として追われる身となるだろう。しかしここに留まっていれば、サイクロプスの餌食となる。生き残る選択肢は、当然の如く前者しかない。
「脱出だよ、私もまだ死にたくないのでな。私の命令に従う者だけを、出来る限り連れて行こう。おそらく攻撃されるだろう。エリート族の者たちは?」
当然の如く前者を選んだエイリフはヴィンに脱出するのかを問えば、上層部の自分たちに対する仕打ちに怒りを覚えるサンヘイリオスの剣の遠征隊隊長は、脱出すると答えた。
「当然だ、我々も脱出する。故郷へは、同盟軍より艦を奪って帰ることにしよう」
「決まりだな。では、無線機で志願者を募る。ペリカンを用意させる。貴官らは?」
「52式、お前たちで言えば、ファントムで脱出する。既に呼び寄せた。脱出の準備だ! モラム、重装備は捨てて行け!」
サンヘリオスの剣も脱出すると答えれば、無線機の受話器を持ったエイリフはどのような手段で問うと、ヴィンは兵員輸送機であるファントムで脱出すると答えた。それを伝えるため、無線機で副官に伝え、ここを守るレイスに乗るリウス・モラムに脱出するとことを伝える。
「さて、何人従うんだ…? こちらエイリフ・バーライト准将だ。守備軍将兵全員に聴いてもらいたいことがある…」
無線機の受話器を握りながら、エイリフは何人従ってくれるか不安になりつつも、基地より脱出する志願者を募り始めた。
次かその次で終わる予定です。
さて、次の舞台…IS世界にでもしようかな…?