【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
※リオンテイルさん、誤字報告サンクス。
自分らが囮にされていることに気付いたエイリフ・バーライト准将とブル・ヴィンは、基地の防衛を放棄して脱出する事を決断した。
その際にエイリフは、共に脱出する志願者を無線機で募る。脱出は基地の防衛を放棄し、敵前逃亡者となり、追われる身となるので、従う者は殆ど居なかった。無論、彼らは後に同盟軍の猛攻で散るか、サイクロプスの自爆で死亡することになるが。
従ったのは以下の通り。
リュウ・パーシー中尉
辻凪あやめ少尉
リンネ・ネハーン伍長
パーア・プリン中佐
ゼルム
ジャン・L・フェイローン中尉
ステパン・ルスラーノヴィチ・ドラグノフ准尉
ティムキン上等兵
エメルダ軍曹
カルマ・フォルセティ
ジークハルト・クリーガー少尉
ユキチ・アラザキ
タコスケ
他の脱出に賛同した将兵複数
リウス・モラムはサンヘリオスの剣の遠征隊全員がヴィンの指示で脱出しているので、その中には含まれていない。同じくゲル・スオラムは、戦死したと判断された。
尚、ラナ伍長、ロナ伍長、ジョウ・エグザ少尉、リューゴ・バーニング准尉、ルビー・ヘルナンデス曹長、アルヴィナ・ウラジーミロヴナ・パヴロヴァ曹長は先にマクロスに合流したので、含まれていない。
脱出部隊はマクロスに合流した方が良いと判断し、まだ海上に居るマクロスを目指して飛び立った。
「いくつかの部隊が集結している? ようやく気付いたか。殿は任せろ!」
負傷したエイリフと他の負傷兵を載せて飛ぶペリカン輸送機数機と、ヴィンの量産型ヒュッケバインMk-Ⅱと同型機数機を護衛に飛ぶファントム数機を見て、アルトロンガンダムで両軍を相手にしていた
サイクロプスに気付き、脱出を図ろうとするエイリフらに気付いたシャン・ツンは、直ちに脱走兵の始末を命じる。
「気付いたようだな。だが、逃さん! 前将兵に通達! バーラント准将とその共謀者共は脱走を図ろうとしている! 直ちに処罰せよ! 裁判などいらん!!」
基地司令官に化けて指示を出せば、付近で同盟軍と交戦していた連邦軍部隊は、基地より脱出を図ろうとするエイリフたちに攻撃を始める。
ジェガンJ型やドートレス、ストライクダガー、スコープドックが脱出しようとするエイリフたちを攻撃する中、五飛のアルトロンガンダムはドラゴンハングを放ち、数機を一度に撃破した後、空高く飛んで数機の前に立ち、驚いている敵部隊に向けて容赦なくビームトラインデントを振るい、全機を切り裂く。
爆発の連鎖が巻き起こる中、シャンは並のパイロット、それも防衛側の連邦では勝てないと判断する。
「やはり守備軍の雑兵では歯が立たんか。なれば、優勢な同盟軍にやらせるまでよ」
同盟軍にエイリフ等と五飛を排除させることを決めたシャンは、連邦軍の基地司令官から同盟軍の将官に変身し、攻撃側の同盟軍部隊に指示を出す。
「こちらベッデ・ウマン中将だ。敵将官が脱出を図ろうとしている! 直ちに排除せよ!」
この指示が出されれば、同盟軍の将兵らは何の疑いもなしにエイリフたちを攻撃し始める。
雨あられの攻撃に、何機かが被弾して落ちていく。その激しい攻撃で、リュウが乗るジェガンJ型は左腕を喪った。
『うわぁぁぁ!!』
「なんで攻撃してくるのよ!? 主目標は基地でしょ!」
ジェムズガンに乗るリンネはビームシールドを張って攻撃を防ぎながら、自分らに攻撃を集中してくる同盟軍に文句を言う。彼らの主目標は基地であって、逃げようとする自分たちではないはずなのだが、これはシャンの指示であり、その指示を出している者をエイリフたちは知らない。否、知る由もない。
地上の脱出部隊も攻撃が集中し、そこでもリュウと同じように被弾する物が続出する。ユキチ・アラザキのF-4Jが足を破壊されて身動きが取れなくなった。
「ぐぁ!? あ、足をやられた! 脱出する!!」
『援護! 援護!』
『了解、回収する! しっかりと掴まれ!』
足をやられたユキチはまだ動く右手の火器で、自分の機体の足を破壊した敵機を撃破した後、無線機で上空の脱出部隊に報告する。それを受け、まだ人を乗せられるペリカンが降下し、ユキチを回収した。その援護はタコスケが乗るスコープドックが行う。
ユキチを回収し終えれば、ペリカンを撃墜しようと迫りくるリオン数機を、カルマ・フォルセティが駆る量産型ゲシュペンストMk-Ⅱがジェットマグナムで迎撃を行い、迫ってきた全機を撃墜する。
「畜生が! お前らの目標は基地だろうが!」
そう文句を言いつつ、再び先陣を切って邪魔な敵機の掃討を続けた。
「クソっ! この集中砲火じゃ、シールドが持たない!」
『泣き言を言うな! 俺だって言いたい!』
一方で、負傷兵と機を失ったパイロットたちを乗せたペリカンやファントム等の脱出部隊を、ジークハルト・クリーガーのジェムズガンと一緒に護衛する特殊なシールドを装備したGキャノンに乗るティムキンは同盟軍の集中砲火にシールドが持たないと弱音を吐く。これにジークハルトも言いたいと言うが、マクロスに合流するまで耐えるほか無いと言ってミサイルを撃ち込もうとするセラフ級戦闘機に二発のビームを撃ち込んで撃墜する。
『一体、俺たちが何をやったって言うんだ? これほどの戦力を割いてくるなんて』
「そんなもん、俺が知るかってんだ! このワン公が!!」
地上で先行するネイビーカラーのスコープドックに乗るゼルムは、目前の数機の敵機をガトリングガンとヘビィマシンガンで一掃してから同盟軍が執拗に自分たちを追撃してくることに疑問を口にすれば、改造された陸戦強襲型ガンタンクに乗るステパン・ルスラーノヴィチ・ドラグノフはバクゥを含める数十機の敵機を両手のガトリングガンと連装砲で一掃し、知らないと答える。
「もう限界、弾が! それに推進剤も! どうやら、機体を棄てる時が来たようね…!」
辻凪あやめが乗るF-4Jは、歴戦の戦闘で弾薬を損耗していた。これ以上戦闘を続ければ弾切れを起こし、推進剤もほとんど残っていない。それが無くなれば、機体を放棄する他ないと判断する。
手練れ等が乗るそれぞれの機体が群がって来る同盟軍機を迎撃する中、輸送機の上方で警戒するブル・ヴィンの量産型ヒュッケバインMk-Ⅱに、
『隊長、真上に敵機!』
「そんなに我々を始末したいのか! 黒幕は!!」
リウスの知らせでビームセイバーを持って迫りくるRFドムに対し、ヴィンはそのビームの刃を躱してから執拗に自分らを殺そうとしてくる黒幕に対する怒りを燃やしつつ、機体のエナジーソードを抜いて敵機のコクピットに突き刺した。コクピットを突き刺されて機能を停止した敵機を、別の方向から仕掛けて来るディンに向けて投げ付け、左手で素早く持ったエナジーガンを撃ち込んで纏めて撃破する。
「余程、あの者たちが鬱陶しいようだな!」
地上で彼らの背後を守る五飛も、連邦から同盟軍に変わった追撃部隊の迎撃に追われていた。
何機落としても次から次へと湧いて出て来る。同盟軍に制圧された区画を進む度に、その数は増える一方だ。サイクロプスの効果範囲内であるが、基地より離れれば連邦軍機は残骸ばかりとなり、目に見える全ての敵機は同盟軍の物と変わる。
「さて、基地は後どれくらい持つか…!」
揺れるペリカンの兵員室にて、担架の上で横たわるエイリフは基地の守備軍がどれくらい持つかどうか心配する。
守備軍が全滅し、基地が完全に同盟軍の手に落ちれば、予め基地より脱出していた上層部はサイクロプスを起動する事だろう。それまでにマクロスと合流し、基地から半径十キロメートルより離れられるかどうかが勝負だ。
果たして、彼らは脱出できるのだろうか?
「なんでこんなに来るんです!?」
『この船、大きいから』
一方で、ヘビーガンに乗ってマクロスで突破戦を行っていたルビー・ヘルナンデスは、マクロスに落としても切りがなく群がって来る敵部隊に文句を言う中、Gキャノンに乗るアルヴィナ・ウラジーミロヴナ・パヴロヴァはマクロスが大き過ぎるからと口にする。
それでも包囲して襲ってくる敵部隊を迎撃する中、海上から撃ってくるRFズゴックやグーンを仕留めたアルヴィナのGキャノンの背後より、SFSのグゥルに乗ったブレイズウィザード装備のザクウォーリアがヒートホークを持って迫る。それに気付いたルビーは、直ぐに来ていることをアルヴィナに知らせる。
『アルヴィナ! 背後から敵機が!!』
「っ!? キャァァァ!」
気付いたアルヴィナはその敵機を迎撃しようとしたが、振り向く前に背中を切り裂かれ、マクロスの上に墜落した。
「私は…まだ…生きてる…!」
撃墜されてマクロスに墜落したアルヴィナであるが、幸い生きており、自力で脱出して甲板で迎撃を行っていたイヴ人の将兵らに回収された。
「アルヴィナ! よくも!!」
アルヴィナを撃墜して自分も落とそうとしてくるザクウォーリアに対し、仲間の仇討ちに燃えるルビーが急速接近して体当たりを行い、素早く抜いたビームサーベルで胴体を切り裂いて撃墜した。
「くっ、どれくらい持ちこたえられる!?」
手練れが乗るGキャノンが脱落して戦力が低下する中、ジェットストライカー装備のダガーLに乗るジョウ・エグザは、同盟軍の圧倒的な物量を前に撃墜されていくVF-1バルキリーやVF-11サンダーボルトを見て突破できるかどうか不安になる。
ビームカービンで何機か撃墜するも、敵軍は湧いてくるかの如く増える一方だ。既にマクロスの甲板の上は、撃破された両軍の航空機や機動兵器の残骸で埋め尽くされている。それが生身で迎撃戦をする歩兵たちの姿を隠すのに役立っているが、まだ熱を持って爆発する可能性がある物があるので、返って被害が拡大する恐れがある。
『駄目だ姉さん! 機関砲が十秒で撃ち切ってしまうくらいしか残ってない! ミサイルも全弾撃っちゃったよ!』
「こっちも機関砲はカラカラで、ミサイルは一発だけ! あっちの船は補給とかしてくれるのかな?」
スピアヘッドに乗り、敵機を機関砲で撃墜したロナは同じ機体に乗る姉のラナに弾切れ寸前であることを伝える。これにラナは落ち着きながらマクロスは自機の補給を行ってくれるかどうか疑問を抱く中、弟のロナの機体にグフイグナイテッドが接近し、ヒートロッドでエンジン部を攻撃する。
『うわっ!? いつの間に!』
「えっ!? ロナ!? うちの可愛い弟に、何をしてるの!!」
この予想外な攻撃に、エンジン部に被弾したロナは直ぐに脱出する。弟を撃墜されたラナは冷静さを失い、ミサイルを弟のスピアヘッドを撃墜したグフイグナイテッドに撃ち込んだ。
放たれたミサイルにグフイグナイテッドは回避しきれずに命中したが、撃墜には至らず、直ぐに後方へと下がっていく。撃墜されて脱出したロナは、パラシュート降下でマクロスの甲板の上に降り立ち、パラシュートを外してから急いで船内へと避難した。その様子を、ラナはキャノピー越しで確認していた。
「良かった、無事で…! さて、どうするかな…」
弟の生存を確認した後、スピアヘッドの全ての兵装を使い尽くしたため、マクロスを見た。どうやら、まだ残っているバルキリーがあると睨んでいるようだ。
「主よ、目前の障害を取り除きたまえ!」
前衛に立ち、部下の護衛を受けながら強力な爆裂術式を唱えていたターニャは、素早く詠唱してそれをマクロス前方に群がっている同盟軍部隊に向けて放つ。マクロスキャノンには劣るが、半分以上の威力であり、前方に展開していた同盟軍部隊は消滅した。
「す、凄い…!」
「呆けてる場合か! 敵はまだ居る! 各員、基地から十キロメートルは離れるまで油断するな!!」
「は、はい!」
護衛を行っていた魔導士はターニャが唱えた爆裂術式で多数の敵部隊が消滅したことに驚くが、幼い上司に言われて気を取り戻し、尚も向かってくる敵機の迎撃に当たる。
あれほど強力な爆裂術式を撃ち込んだのにも関わらず、同盟軍は怯むことなく過剰な物量をマクロスに差し向けて来る。これには流石のターニャでさえ、弱音を吐いてしまうほどだ。そう言っても、生前も何度か吐いたことがあるが。
「まだ来るのか…! あれほどの損害、撤退命令が出るほどだぞ!? それ程の物量を投入していると言うことか!」
同盟軍が投入した戦力は、先ほどの爆裂術式の損害が軽微と思えるほどの物とターニャは判断する。それでも、生き残って任務を全うするためには戦う他に無かった。
その頃、同盟軍の攻撃開始前から基地より脱出していた基地司令官や連邦軍の上層部、UNSCとISAを含める他多数将兵を乗せた潜水艦の船内では、もう十分にサイクロプスの効果範囲内より抜け出せたのか、事情を知っている士官らは安心してサイクロプスのことを話していた。
「本当か? その話」
「あぁ、本当だよ。あの基地は囮だ。優等生組な俺たちは運が良い」
潜水艦の倉庫内で話しているため、聞こえないと思っているようだ。その話は近くで体育座りしている連邦海軍に属する女性士官、マリア・フレッチャーに聞こえており、彼女は耳を澄ませた。
「守備軍は確か…」
「
「使い捨て? 三百万だなんて大損じゃないか。戦線縮小ものだぜ」
「あぁ、UCAの第6軍の殆どは引きこもりだよ。お前の故郷の言葉で言えば、親のすねかじりって奴だな。ネット右翼ってのもある。各コロニーでネットで右翼的な書き込みをしてる奴を集めたって話だ」
「ネット右翼?」
「政治ネタをネットで検索して調べて、それを知って自分らが学者より偉いと思ってる奴らさ。食うために士官になったお前には信じられない話だろうな」
このUNSC陸軍とISA陸軍の士官の会話から、引きこもりと言う言葉を聞いて、マリアは自身が自宅の部屋に引きこもっていた時期を思い出した。自分と同じ境遇の者たちが徴兵されたのかと思ったが、マリアはネットで右翼的な書き込みをした経験は一切ない。現実を見たくないと思って敬遠していた。彼らの話からして、そんな書き込みをしていた者たちが徴兵されたそうだ。
「やれやれ、羨ましいもんだぜ。俺なんて引きこもることすら出来ないほど貧乏だったんだぞ。親に養ってもらって、好き放題できるなんて凄い贅沢だよ、全く!」
「俺は中産階級出身だけどな。その手の書き込みがある掲示板を親父に見られたら、こんな書き込みをする奴は、どの時代も負け犬だって言ってたよ。それで頑張って、今はUNSC陸軍の将校さ。連中も頑張れば、士官くらいにはなれると思うんだがね」
「それをやらず、現実から逃げてるからそうなったんだろ。話が逸れたな。それで、引きこもりやら都合の悪い連中の守備軍が守る基地に何が仕掛けられてんだ?」
話が逸れたのか、ISAの陸軍士官は話を戻せと言う。これにUNSC陸軍士官は勿体ぶらず、サイクロプスのことを口にする。
「サイクロプスだよ。俺は電子工学専門じゃねぇから良く分からんが、基地の半径十キロメートルを馬鹿でけぇ電子レンジの中身にするそうだ。それを浴びせられた俺たち生物は、ポップコーンの粒のように弾けるそうだ」
「人がポップコーンの粒のように弾けるだって? 想像しただけでもキツイぜ。吐き気がしそうだ」
「だから俺たち優等生組を先に脱出させたんだよ。ご丁寧に基地司令官殿も司令部スタッフ達と共にこの潜水艦にご乗船されてる。もう基地はエイリアン共の手中に収まってる頃だ。今頃、起動作業に入ってる頃だ」
都合の悪い者たちと聞いて、マリアはあの守備軍にラナとロナの二人が配置されていることを思い出した。マリアは二人がアイドルだった時代の頃からのファンであり、軍に徴兵された際は奇跡だと思ったが、まさか始末されるとは思っても見なかった。直ぐに話していた士官たちに、その話は事実かどうかを問い詰める。
「あの、そ、その話って…?」
小声で話していたが、自分らの話を聞かれた二人は驚いた表情を見せた。
最後に出てきたマリア・フレッチャーは、次の章で出そうかな?
次回でこの章の最終回となります。