【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
「傍観者より報告。サイクロプス、目覚めの時と」
「俺の名はエイジ、アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ!」
「安全圏まで急げ! そこで迎えの艦隊が救援に来る!」
「この犠牲で、我らが母星である地球奪還が叶うことを…!」
「青き清浄なる世界の為に…!」
デ、デデーン♪
「追い付いた! こちらファルコン、貴官と合流したい! 収容を求む!!」
同盟軍の執拗な追撃を受けながらも、マクロスに届く距離まで辿り着いたエイリフ等の脱出部隊は無線機で収容を求めた。
上空の部隊がマクロスに追いつく中、地上の部隊の方では海の中を移動できないため、止まってしまう。同盟軍の追跡部隊が迫る中、五飛のアルトロンガンダムがそれを押し止める。
「ちっ、ペリカン、俺たち地上組を運べるか?」
もう少しで脱出できると言うのに、機体が海の方へ移動できないので、ステパンが代表して問えば、ファルコン以外のペリカンのパイロットは無理だと答えた。
『駄目だ! そんな馬鹿でかい戦車を運べるほど、こいつは万能じゃない! 三機以上があればの話だがな!』
「まぁ、MSで運ぶってのも手だが…俺の為に防空戦力を割くのは得策じゃねぇ。やはり、爆破する他ないか」
この陸戦強襲型ガンタンクを運ぶには、ペリカンが最低でも三機は必要であると言う答えが返ってくれば、ステパンはMSやPTに運ばせる手を思い付いたが、そのためにペリカンやファントムなどの脱出部隊の護衛を減らすのは申し訳ないと思い、自機を爆破することに決定した。
一方でゼルムのスコープドックカスタムは、戦闘力が半減したリュウのジェガンJ型の残った右腕に抱えられており、向かってくる敵機の迎撃を行っていた。
爆破準備をしている最中、リュウのジェガンJ型に抱えられているゼルムのスコープドックを見て、ステパンはATのような小型な機体は良いと愚痴をこぼす。
「たくっ、ATってのは良いもんだな! おい、誰か乗せてくれ!」
爆破準備が終わった後、ステパンはまだ乗せられるファントムに搭乗させて貰った。タコスケのスコープドックも弾薬が切れたあやめのF-4Jに抱えられ、マクロスに合流せんと飛ぼうとする。
殿は五飛のアルトロンガンダムが務めてくれており、地上からの追撃はペリカンやファントムには届くこと無かった。
一方でエイリフ等が収容の許可を求められたマクロスでは、少しでも脱出の際に戦ってくれる兵員を欲しているマクロスの艦長はそれを受け入れた。
「こちら
『当然だ。まだ動ける負傷者と手の空いた者を銃座に回そう。戦闘可能な機体もある!』
戦闘は可能かと問うてくるマクロスの艦長に対し、エイリフ等ファルコンは自分らについて来た者たちの戦闘は可能であると答えた。
乗艦の許可が下りれば、直ぐに脱出部隊ファルコンはマクロスへと直行した。その後をヴィン達が敵と交戦しながらついていく。マクロス側が寄越したVF-1バルキリー一小隊の加勢を受けつつ、先に負傷兵や戦闘可能な人員を乗せたペリカンやファントムが着艦していく。
次にリュウのジェガンJ型やあやめのF-4J戦術機が着陸すれば、降ろされた二機のスコープドックは甲板へと回り、デストロイドと共に防空戦に参加する。
『その機体、戦闘可能?』
「俺のは右腕が…」
『そう、ならライフルは持てるのね。砲台代わりになってちょうだい』
「了解」
リュウはマクロスの管制官から戦闘は可能かと問われれば、まだ残っている右腕を見て可能だと答えた。これに管制官は墜落してきた連邦軍機より回収したビームライフルを使うように指示を出し、リュウはそれに応じて同型機のライフルを取り、砲台代わりとなって防空戦に参加する。
『その戦術機は?』
「戦術機…!? 知ってるんですか!?」
『貴方、異世界より迷い込んだ淵ね。でも、今は話している暇はないわ。戦闘は可能?』
「弾薬も推進剤もありません…すみません!」
戦術機と言われた際、あやめは自分の世界のことを知っているのかと思わず聞いてしまったが、今は話している場合では無いと一蹴され、戦闘が可能かどうかを問われる。これにあやめは弾薬も無く、推進剤も枯渇寸前であることを偽ることなく答えた。それが分かれば、管制官は機体から降りて、こちらが用意した予備の機体であるジムⅡに乗るように指示を出す。
『そう、ならばRMS-179ジムⅡに乗りなさい。何か思い入れがあるようね。残して置いて上げるわ』
「っ!? ありがとうございます!」
予備機に乗れと言われ、前の世界の機体を棄てる他ないと思っていたが、管制官の配慮によって残されることとなった。その配慮にあやめは感謝しつつ、機体から降りて用意されたジムⅡに乗り込む。機体を喪った、あるいは放棄した者たちもマクロス側が用意したジムⅡに乗り込み、防戦に参加していた。
「なんだあいつ等? こちらフェアリーリーダー。弥栄、何故か連邦軍が合流している。どういうことか?」
前方でマクロスの突破口を配下の部隊と共に開いているターニャは、同行する連邦軍の部隊が居ることを艦長に問うた。
ターニャは脱出に合流した連邦軍の将兵が、蜂起してマクロスを乗っ取りかねないと懸念してだ。
『戦力が低下して来た為に迎え入れました。地下に仕掛けられた物に気付いた者は、迎え入れなければ、突破は出来ませんよ?』
「そうですか。では、安全圏まで脱出した後、連邦の脱走兵共の処遇について協議しましょう」
この問いに艦長は戦力補充に持って来いだったので受け入れたと答えれば、ターニャは後でシージャックを起こそうとする彼らに対する処遇を後でやると言って、戦闘に戻った。
『こちら第72戦車大隊! 我、余剰戦力無し! 繰り返す、我、余剰戦力無し! 救援を求む!!』
『第12防空隊応答せよ! 第11防空隊並び第13防空隊の通信途絶! 空は敵だらけだ! 誰か残っていないのか!?』
『こちら最終防衛ライン! 突破された! 突破されたぞ! もう維持が出来ない!! 助けてくれ!!』
ターニャ等のマクロスと合流したヴィン等がサイクロプスの範囲内から必死で逃げようとする中、生贄にされたことを知らず、命令を守って防戦していた連邦の各参加勢力の部隊であったが、既に壊滅寸前であった。
防衛線当初、総兵力数三百六十万も居た防衛軍であったが、惑星同盟軍の地球方面軍の総力を挙げた攻撃により、既に六十万以上に下回っていた。もう完全に防衛線は壊滅しきっており、基地内部は既に同盟軍の侵攻部隊が雪崩れ込んできている。
マクロスの方へ差し向けた戦力は余剰の方であり、完全に基地は機能不全に陥っていた。内部では捕虜を取らない同盟軍の残虐性を知ってか、死に物狂いで抵抗する将兵たちが居る。だが、彼らは上層部が作動させるサイクロプスの効果範囲内に敵の主戦力を引き付けるための囮であることを知らない。おそらく、死んでも知る由もないだろう。
こうして、その守備軍の全滅確定の報告は、範囲内より脱出していた上層部を乗せた潜水艦に齎された。
「艦長、傍観者より報告。サイクロプス、目覚めの時と」
通信手が同盟軍の侵攻を受ける基地を監視していた隠密部隊との暗号通信を受信し、それを潜水艦の艦長へと報告する。暗号通信を聞いた艦長は、直ちに伝令にそれを上層部に報告するように命令する。
「そうか。伝令、直ちにこれを報告しろ」
「イエッサー!」
伝令は敬礼してから艦橋を出て上層部らが居る士官用の居住区へ向かい、会議室で待っている上層部らにそれを伝える。
会議室は士官、それも左官以上の階級の者ばかりであり、会議室の出入り口を守っているのは兵では無く下士官クラスの兵士達である。中央に座り、コーヒーを飲みながら伝令を聞いた司令官は、サイクロプス作動装置を見た。会議室の中には、シャン・ツンが化けていた基地司令官の姿もあった。
「目覚めの時か。そろそろ頃合いですな」
「早いな。情報では、同盟軍は九百万と言う大兵力を持って基地を攻撃したそうだな。三百六十万では二日も持たんのか?」
伝令を聞いた作戦参謀が頃合いだと口にすれば、司令官はあれほどの大兵力の守備軍なのに、たった一日で既に全滅寸前なのはどうしてなのかと情報参謀に問う。
「守備軍の殆どは徴兵されて訓練を終えたばかりの新兵、否、微集兵と言った方が良いでしょう。傭兵と懲罰部隊の集まりです。敵軍はこの作戦の為に、主力軍の大半を投入したようで」
「それなら、三百六十万の元を取れるな。一気にこちらに戦局が傾くぞ。これで地球奪還の悲願が叶う」
「反抗作戦日は今のところ未定ですが、既にUNSCとISAの主力部隊を集結させております。機動歩兵、ODST、各参加勢力の精鋭部隊も集結並び編成が終わり次第、いつでも大規模攻勢に参加可能です」
「うむ、完璧だ。これで地球から、あの忌々しいエイリアン共を一匹残らず放り出すことができる」
これに情報参謀は資料を見ながら同盟軍は主力軍の大半を基地攻撃に投入したと答えれば、司令官は三百万以上の元が取れる戦果になると豪語する。それに続き、もう一人の地上軍の将官は大規模反抗作戦に必要な戦力を集結させていることを告げた。
同盟軍の地球方面軍の戦力を奪い尽くし、更には奪還のための反抗作戦も用意されていることを知り、司令官は上機嫌になって地球奪還の悲願が叶うと思い始める。それは、ヴィンデルの気分次第なのだが。
「では、そろそろ作動準備に入るか。用意しろ」
地球奪還の時が叶うと分かった司令官は、サイクロプス起動準備を装置を持って居る士官に命じた。
「後どれくらいで脱出できる!?」
一方でまだサイクロプスの効果範囲内に居るマクロスとターニャ等は、必死で群がって追撃してくる同盟軍機を迎撃していた。纏めて数機を追尾魔法で仕留めたターニャは、後どれくらいで脱出できるのかとマクロスの艦長に問う。
『もう少しです! もう少しで効果範囲内より抜けられます!』
「それまで持ちそうにないぞ!!」
もう少しで抜けられると答えたが、ターニャは部隊の被害状況で抜けられる前にやられると叫ぶ。
敵の数は基地より離れれば離れる程に増えており、周りを埋め尽くすくらいに増えていた。基地の方を見れば、もう連邦軍は壊滅寸前なのか、爆発と砲火の数は時間が経つごとに減っている。もう脱出していた上層部が、いつ作動させてもおかしくない状況だ。
おそらくシャン・ツンとその手下たちは既にテレポートの類で脱出している頃だろう。ターニャはそう思いながら、生き残るために目に見える敵機を落とし続けた。
「これ、凄いね!」
『うん! やっぱりバルキリーは最高だったね!』
ターニャが必死に敵を倒し続ける中、ラナとロナは予備のVF-1Aバルキリーに無断で乗り、敵機を落とし続けていた。流石に人型のバトロイド形態は無理であるが、鳥人間形態のガウォーク、戦闘機形態のファイターの操縦は完璧である。既に両者合わせて二十機相当の敵機を落としている。
「こんな博物館送りの旧式機に乗せやがって! 畜生が!!」
一方でヴィンやエイリフ等より先にマクロスに乗艦したリューゴ・バーニングは、ジムⅡに乗せられて対空砲代わりに敵機を迎撃していた。一機を落としてからリューゴは旧式機に乗せられたことに対する悪態を付く。
バルキリーを駆るラナとロナを始めたその上空では、ダガーLに乗るジョウ・エグザ、ジェムズガンに乗るリンネ・ネハーン、同型機に乗るジークハルト・クリーガー、ヘビーガンに乗るルビー・ヘルナンデス、Gキャノンガードカスタムに乗るティムキン、量産型ゲシュペンストMk-Ⅱに乗るカルマ・フォルセティ、量産型ヒュッケバインMk-Ⅱに乗るブル・ヴィンが防空戦を行っている。
専用のスコープドックに乗るゼルムとタコスケは対空射撃を行っていた。機体を乗り換えたあやめと、機体を喪ったエメルダ、ジャン・L・フェイローン、ステパン・ルスラーノヴィチ・ドラグノフはリューゴと同じく予備機のジムⅡに乗り込み、対空砲代わりをやっている。パーア・プリンとリウス・モラムは、対空迎撃型のデストロイドであるディフェンダーに乗り込んで防空戦に参加していた。
負傷したエイリフ・バーライトとユキチ・アラザキは他の負傷兵たちと共にペリカンの機内で寝かされている状態である。各々が脱出の為に死力を尽くす中、マクロスの艦橋に一機の同盟軍機であるバクトの接近を許してしまう。
『敵機がブリッジに!?』
「なんだと!? クソっ、間に合わん!!」
バクトの接近を知らせた艦長の言葉にターニャは急いで戻ろうとしたが、そこからでは間に合わなかった。
もうマクロスはやられるとその場にいる誰もが思っていたが、ここに来てターニャが属する組織ではない救援が現れた。ラカン等に足止めされていたアウドムラ隊より派遣されたエイジが乗るレイズナーMkⅡである。
「レイ、V-MAXIMUM発動!!」
『レディ!』
エイジがそのシステム発動を機体AIであるレイに命じれば、レイズナーMkⅡは機動性を高め、蒼き流星となってマクロスの艦橋へ攻撃しようとするバクトの元へ飛んでいく。
蒼き流星の名の通りに凄まじい速さであり、数秒単位でバクトの元へたどり着き、体当たりを仕掛けて攻撃する前に弾き飛ばした。この光景を見ていた者たちは茫然とする中、自身専用のSPTであるレイズナーMkⅡに乗るエイジは、マクロス上空の方へ飛んでいき、基地を攻撃する同盟軍や防衛する連邦軍に向け、地下奥深くにサイクロプスが仕掛けられていることを無線機の全チャンネル放送を使って知らせる。
『俺の名はエイジ、アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ! 同盟軍並び連邦軍の全兵士たちに告げる! あの基地には恐ろしい自爆装置が仕掛けられている! 今まさにそれが作動しようとしている! 直ぐに半径十キロメートル内より離れなければ、あなた方は強いガンマ線を浴びせられて破裂してしまう! 聞こえているなら直ぐに基地から十キロメートルは離れるんだ!!』
そうエイジは両軍の将兵に必死に訴え掛けたが、返ってきた答えはビームであった。どうやら五飛と同じく、でまかせを言っていると認識されているらしい。
「なぜ攻撃するんだ!? このままでは本当に死ぬんだぞ!!」
「フン、誰も聞かんよ。今更来たところで、我らの目標は既に止められんのよ!」
攻撃を受けるエイジは必死で両軍の兵士にサイクロプスのことを伝えるが、遠くで見ているシャンの言う通り、聞く者は誰も居なかった。それを知って逃げている者たちは、ターニャとマクロス、ヴィンとエイリフくらいである。
「奴らは既に俺たちの言うことを聞く者は居ない。残念ながら、この者たちと脱出する他ないのだ!」
『くっ! せっかく突破して来て、助けようとしたのに…!』
基地からエイリフとヴィン達の脱出の殿を務めた五飛のアルトロンガンダムがマクロスへ合流し、エイジに双方の将兵にはもう伝わらないことを告げた。
これにエイジは歯を食いしばりながら悔しがり、マクロスや自機に攻撃してくる同盟軍機の迎撃を行う。エイジは殺さないようにしており、自分やマクロスを攻撃してくる敵機に対しては、戦闘力を奪う程度に済ませていた。無論、脱出させるために、エンジン部やスラスターなどは破壊していない。
エイジのレイズナーMkⅡや五飛のアルトロンガンダムの増援を得たマクロスは、サイクロプスの有効範囲内より楽に脱出することに成功した。
『基地より半径十キロメートル以内より脱出に成功!』
「油断するな! まだ敵の追撃は続いている! レイズナーやガンダムが居るからって安心するな!」
通信手は基地より十キロメートル離れたことを全員に知らせたが、敵の追撃はまだ続いている。それをターニャが追撃機を撃墜した後に伝えれば、全員が気を引き締める。
『基地から連邦軍の反応途絶! 全滅したか、降伏した模様!』
『発動の時は近いな!』
「安全圏まで急げ! そこで迎えの艦隊が救援に来る!」
基地より着々と離れていく中、もう基地に居る連邦軍は全滅したのか、基地の抵抗が殆どなくなっていた。サイクロプスの発動の時は近い。マクロスのレーダー手からの知らせで分かったヴィンが言えば、ターニャは安全圏まで行くように伝えた。やがて基地の抵抗が無くなれば、地下の奥深くに仕掛けられたサイクロプスの発動を知らせる報告が、レーダー手よりなされる。
『っ!? 基地地下奥深くに高エネルギー反応! これは…!?』
「おそらくサイクロプスだろう…! クソっ、止められなかった…!」
レーダー手からの報告でサイクロプス発動が分かれば、エイジは止められなかったことを悔やんだ。
報告から数秒後、基地の地下奥深くに仕掛けられ、作動したサイクロプスは強力なマイクロ波を有効範囲内に放った。
サイクロプス起動開始数分前、潜水艦内の会議室にて、起動開始前に安全装置を解除し終えた将官二人は起動キーを鍵穴に差し込み、同時に回すために互いの顔を見る。
「この犠牲で、我らが母星である地球奪還が叶うことを…!」
「青き清浄なる世界の為に…! 3、2…1…!」
一人は母星である地球の奪還を願いを込めて。もう一人は青き清浄なる世界の為に。互いに似た願いを込め、同時に息を合わせてキーを回し、サイクロプスを起動させた。
起動の電波は直ぐに基地の地下奥深くに仕掛けられたサイクロプスに届き、それを受信したサイクロプスは起動し、誘き寄せられた惑星同盟軍の主力軍と残っている連邦軍の守備軍に向け、無差別に生物の体内の水分を過熱・沸騰させ、燃料や弾薬も過熱させるマイクロ波を浴びせた。
尺が長くなりましたので、ここまでです。
サイクロプスの描写は、次回からになります。