【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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コンラート・ブーツホルツ
ガイエス平原での決戦でターニャに敗れ、瀕死の重傷を負ったブーツホルツであるが、スミスに密かに回収されていた。
身体の半分が吹き飛んでいる為、パイロットにはなれないとされていたが、ブーツホルツ本人は部下の仇とパイロットしての自分を殺したターニャに復讐すべく、スミスが提案した人造魔導士化改造手術を了承する。
人体に最新式の演算宝珠と飛行ユニットを埋め込み、人造航空魔導士として復活した。
例えるなら、ドクター・ゲロが作った人造人間。
これでブーツホルツもドラゴンボール級の空中戦をこなせ、ターニャと互角以上の戦闘力を持つことが出来た。

紺碧の艦隊好きな方は注意かな。


復活のブーツホルツ

 ガイエス平原にて、ターニャとの空戦に敗北したコンラート・ブーツホルツは、乗機であるバルキリーのVF-22AシュトゥルムフォーゲルⅡを撃墜されて戦死したはずであった。

 戦闘後、密かにロー・スミスに回収されて生き延びていたが、この生存はブーツホルツにとって屈辱的であった。共に戦場を飛んだ部下たちは皆殺しにされ、挙句に自分の身体の半分は喪失していた。生きているのが奇跡であるが、再生手術を施したところで、パイロットしての復帰は叶わず、ブーツホルツからすれば死んだほうがマシである。

 自殺しようにも、残った右手は全く動かない。そんな屍同然のブーツホルツに、悪魔の如くスミスは囁いた。

 

「パイロットに復帰したいか? なら、人造魔導士手術を受けろ。手術は必ず成功する。その条件として、任務は必ず果たして貰おう。どんな任務でも文句を言わずにやれば、パイロットに戻れる。悪くない条件だろ?」

 

 それは悪魔との契約に等しかったが、死に体のブーツホルツにとっては天から差し出された糸に等しかった。

 パイロットに戻れるなら、悪魔に魂を売る覚悟がブーツホルツにはあった。彼はスミスの条件を呑み、身体の失った部分を演算宝珠と飛行ユニットなどの機械で補い、人造航空魔導士として復活した。

 

「ターニャ・デグレチャフ、俺は地獄から蘇ったぞ! 俺はパイロットに戻れるのなら、悪魔にだって魂を売ってやる! お前はその通過点に過ぎんが、部下たちと俺の身体の仇は取らせてもらう! 覚悟しろ、ターニャ・デグレチャフ!!」

 

 人造航空魔導士として復活したブーツホルツは数々の非合法や困難な任務をこなし、遂に復讐対象であるターニャと対峙する機会が来た。

 それが、帝国再建委員会が百合帝国再建を賭けた大帝国討伐作戦である。これにブーツホルツは復讐の機械と捉え、スミスに言われるも無く参加した。

 

 

 

『ブーツホルツ、聞こえるか? 例の物は大丈夫か?』

 

 北側の海岸線より侵攻したワルキューレの部隊に随伴するブーツホルツは、スミスからの通信機越しの問いに、海上の方を見ながら答える。

 今のブーツホルツは体内に演算宝珠と共に内蔵した飛行ユニットの機能により、空中を浮遊していた。それに左目の義眼とそれを強化する付属ユニットのおかげで双眼鏡いらずだ。左腕の義手は戦闘用で、チャージすることによって強力な魔弾を発射することが出来る。まさに戦闘用サイボーグだ。

 

「あぁ、今のところはな。護衛をやっているイヴ人の艦隊は滅茶苦茶だが」

 

 そのブーツホルツの回答通り、海上の状況は悲惨であった。

 本国防衛の為に大帝国本土へと帰ってきた超戦艦日本武尊型五隻と戦艦三隻、巡洋艦七隻、駆逐艦十二隻を初めとする大帝国海軍最強の艦隊は、北側から侵攻する陸軍部隊を載せた輸送船団を守るワルキューレ海軍の護衛艦隊を圧倒的な火力で蹂躙していた。

 護衛艦隊も護衛空母や巡洋艦などのそれなりの火力と航空戦力を持っているが、超戦艦日本武尊の冗談半分な対空砲火によって艦載機は撃墜されるばかりだ。例え航空戦力であっても、近付くことなく迎撃され、海中に放たれた対艦魚雷でも、馬鹿げた魚雷防御によって防がれる。

 戦艦などデカい的にしてしまうヴァルキュリア・アーマー(VA)ですら、バルキリーと同様に的のように落とされていく。まるでハエ叩きだ。

 輸送船団に張り付いているミサイル駆逐艦やフリゲートなどが放つ対艦ミサイルも、五隻の日本武尊の対空砲火やミサイルで撃ち落とされ、無駄弾にしかならない。

 

「恐ろしい化け物戦艦だ。戦艦を一発か二発で沈める対艦ミサイルどころか、バルキリーもVAも撃ち落とされるばかりだ」

 

 ブーツホルツは日本武尊の恐ろしさに、自分一人で勝てるかどうか心配になる。あのターニャでも、五隻の日本武尊に勝てないとされるだろう。

 事実、ミサイルや機動兵器を有する通常艦隊や機動艦隊が古き大艦巨砲主義の艦隊に一方的にやられている。海は無数の残骸が浮かぶ難破船エリアと化し、多数の兵器の残骸とその搭乗者らの死体で覆われようとしている。

 潜水艦隊も海中から敵の最強艦隊を殲滅戦と試みるが、向こうも潜水艦隊も出動させており、ワルキューレ海軍の潜水艦や水中用機動兵器を次々と海の藻屑にしていた。

 

「上陸地点も悲惨だ。俺一人で対処するのは、骨が折れるぞ」

 

 上陸地点も海上と同様に悲惨で、浜辺が血で真っ赤に染まるほどであった。

 一個師団を丸ごと吹き飛ばしそうな戦艦や巡洋艦の艦砲射撃で上陸や陸揚げされる陸軍の部隊が被害を受けており、爆発の連鎖が巻き起こっている。その所為か、浜辺には手足や人体の一部が散乱している。まさに地獄絵図だ。

 ちなみに、上陸した陸軍部隊と海軍の護衛艦隊や機動艦隊、輸送船団の人員は全てイヴ人だ。帝国再建委員会が人間を弾避けにして前進させる中、ワルキューレは互いに殺し合わないイヴ人を盾としている。

 

『そのためにお前をここに配置したんだ。日本武尊を一人で沈めなければ、あの幼女に扮している化け物には勝てんぞ。何としても例の物を守るんだ』

 

「行ってくれるな。そいつが五隻も居るんだ。おまけに潜水艦もセットでな。しかし、あの地獄すら生温い世界とは、比べ物にもならない…ッ!」

 

 スミスの無茶にブーツホルツは眉をひそめるが、戦争しか残っていない世界での任務を思い出し、今の状況はあの世界と比べ物にならないと口にする。口振りから察するに、あの世界へ行ったブーツホルツは地獄すら生温いという状況下で、任務を遂行したのだろう。

 

「安心しろ。お前の大事な積み荷には、指一本触れさせん。そこで安心して、配達されるのを待っているが良いさ!」

 

 そう通信の向こう側に居るスミスに告げた後、ブーツホルツは無線機を切って、上陸部隊を砲撃する艦隊の始末に向かった。戦艦三隻と巡洋艦七隻の砲撃艦隊の護衛には、複数の駆逐艦やフリゲートが対空防御として付いており、高速接近してくるブーツホルツに向け、対空機銃の雨を浴びせる。これをブーツホルツは見えているかの如く全て躱し切り、左目の義眼からレーザーを発射して一気に数隻もの駆逐艦とフリゲートを轟沈させる。

 

「フン、あれに比べれば雨風のような物だ」

 

 対空機銃の嵐を雨風程度と表したブーツホルツは、次々と駆逐艦やフリゲートを沈めていき、やがては上陸部隊を砲撃する戦艦や巡洋艦に向かう。凄まじい対空砲火に遭うも、駆逐艦やフリゲートと比べれば軽い物だ。弾幕をすり抜けた後、左目の義眼のレーザーを撃ち込んで沈めていく。巡洋艦や戦艦などが高角砲を撃って来るが、魔法障壁を張って防ぎ切り、全ての巡洋艦を沈め尽くした。

 

「やはり戦艦には威力不足か。なら、こいつだ」

 

 戦艦に撃ち込んでも沈めきれないので、ブーツホルツは左腕の義手に備わっているパルスレーザーを撃ち込んだ。パルスレーザーは戦艦を一撃で沈めるほどの威力を有しており、一発で戦艦が真っ二つに叩き割れた。続けざまにパルスレーザーを撃ち、残り二隻の戦艦を沈めた。

 沈みゆく艦艇より乗員等が脱出するが、一方的にやられた恨みなのか、陸からの攻撃を受けて虐殺されている。ブーツホルツは気にも留めず、日本武尊の排除に向かった。

 

「普通の戦艦とは違ってデカすぎるな。まるで航空母艦だ。なら、海中のデカい潜水艦を対艦ロケットの代わりに!」

 

 一方的に護衛艦隊を攻撃する五隻の日本武尊に対し、ブーツホルツはあの巨艦を沈めるのは苦労すると思っていたが、右目の義眼のセンサーに捉えた海中の大型潜水艦富嶽型と潜伊3001亀天型を見付けた時に、あるアイデアを思い出した。

 それは、その大型潜水艦を対艦ロケット代わりに、日本武尊に投げ付けるという奇抜で荒々しい物であった。それを実行すべく、ブーツホルツは海中へと潜り、用の無い潜水艦を破壊しながら富嶽号や亀天号へと接近する。人造魔導士として生まれ変わったブーツホルツは、空中だけでなく、水中の中でも活動が可能なのだ。

 

「な、なんだ!? アァァっ!!」

 

 富嶽号に乗る乗員らは突然の揺れに右往左往し、艦内を転がり回る中、ブーツホルツは力を振り絞って大型潜水艦を会場まで持ち上げ、それを護衛艦隊を襲う日本武尊に向けて投げ付ける。

 

「沈めィ!!」

 

 力を振り絞って投げられた富嶽号は、真っ直ぐと日本武尊の方へと飛んでいき、巨大な船体へ命中した。半分のサイズとはいえ、海中に居たはずの潜水艦が何故か浮上し、こっちに飛んで来たことは日本武尊の船員たちは驚いた事だろう。勢いよく投げられた富嶽号は日本武尊の頑丈な甲板を突き破り、機関室まで届いたのか、大爆発を起こして轟沈した。

 

「まずは一隻目! 次!」

 

 一隻目が派手に沈んでいく中、ブーツホルツは再び水中に潜って次なる標的を亀天号に定め、それを海上まで持ち上げ、それを二隻目の日本武尊に向けて投げ付けて轟沈させた。

 それを後二回ほど続ければ、海中の敵潜水艦隊は全滅し、投げられる潜水艦が無くなった。後一隻は、自力で沈めるほか無いようだ。

 

「対艦ロケット切れか。ならば、全力で沈めるまでよ!」

 

 海中に向けて対潜水艦攻撃を行う日本武尊に対しブーツホルツは海上を飛び出し、得意の空中戦で挑む。海中からでも攻撃が可能であるが、航空魔導士なので、空中戦でこそ真価を発揮する。それを数年以上もこの身体で戦ってきたブーツホルツが一番理解しており、日本武尊の対空弾幕を躱しながら接近する。

 三式弾と呼ばれる対空散弾を主砲から発射する日本武尊であるが、それは魔法障壁で全て防がれ、一気に接近され、甲板への侵入を許してしまう。

 

「あの訳の分からん航空魔導士が甲板に降りたぞ! 殺せ!!」

 

「ふっ、水兵共か」

 

 甲板に降り立ったブーツホルツに対し、水兵らは小火器と角材などで襲い掛かるが、人造人間である彼に通じるはずもなく、素手や足、義眼のレーザーに義手で排除されるばかりだ。甲板が迎え撃とうとした水兵らの鮮血で赤く染まる中、ブーツホルツは左腕の義手に力を籠め、それを甲板に向けて叩き込み、日本武尊は真っ二つに叩き割った。

 

「物足りんな。まぁ、良いウォーミングアップになったが」

 

 スミスの切り札を輸送する輸送船団を守るため、日本武尊五隻を初めとする大帝国海軍最強の艦隊を壊滅させたブーツホルツは空中へと浮遊し、対ターニャ戦への良いウォーミングアップになったと口にする。

 

「た、助けてくれ!」

 

「止めろ! うわぁ!?」

 

「止めてくれぇーッ!」

 

 壊滅した大帝国の最強艦隊であったが、生存者たちはいた。だが、陸と同様に一方的にやられた恨みもあり、残る生存者らにワルキューレ海軍は無慈悲に攻撃を加える。あれほどの同胞らが殺されたのだ。無理も無いが、やり過ぎである。が、ブーツホルツは全く意に返さず、ただスミスが待ち望む物を積んでいる大型タンカーを見ていた。

 

「デカいな。やはりスーパーロボット(特機)級か」

 

 正規空母くらいはあるであろう大型タンカーに積まれている物からして、スーパーロボットと判断する。やはり大帝国のラインハルト皇帝打倒の切り札として使うのだろう。そう思ったブーツホルツは自分の身体のメンテナンスを行うべく、輸送船団の中に居る自分の母艦へと帰投した。

 戦闘が終了した後、ワルキューレ海軍の艦隊は救助が必要な自軍の将兵等の救出作業を行った。大帝国海軍側の生存者は一人残らず皆殺しにされており、ただ死体だけが浮いていた。

 

 

 

 大帝国の北側に位置する海域でブーツホルツが大帝国海軍の最強艦隊を撃破した頃、ターニャの戦闘団は碌に戦力補充もされず、周辺の制圧任務に行っていた。

 小さな町とそこに駐屯していた大帝国部隊を制圧した第十三航空魔導士大隊の一個中隊は、上官のアーペントラウフェンが居ないことを言い事に略奪行為を働いている。成人男性などが居るはずだが、一人残らず兵士として動員されたのか居ない。老人は昔ながらの癖で無謀にも抵抗したが、勝てるはずもなく殺害された。

 

「ほ、ホヒーッ!? く、来るなァ! ぶち殺すぞォーッ!!」

 

 脇に持てるだけの財産を抱えた商会大番頭は迫るキテス・サイコロに対し、驚きながらも護身用のピストルを抜き、撃つぞと脅しを掛ける。だが、相手は戦闘訓練を受けた、それも航空魔導士なので、ピストルを持つ右腕を吹き飛ばされた。

 

「ぎ、ギニャァァァッ!? 腕が、俺の腕がァーッ!?」

 

「軍人にピストルを向けるたァ、良い度胸してんなァテメェ。便衣兵として処分されてぇかァ、えぇ?」

 

 右腕を引き千切れるほどに吹き飛ばされてのた打ち回る大番頭に、キテスは便衣兵として処分されたいのかと問う。これに大番頭は金はやるから殺さないでくれと命乞いを始める。

 

「ギェヤァァァッ!? こ、殺さないでくれェ! か、金はやる! ど、どうか命だけはァァァッ!!」

 

「ほぅ、金か? なら、紙幣なんか出すんじゃねぇぞ。もうこの国は終わったも同然だからなァ。もう紙幣なんぞ紙くず同然よ。言うこと分かるよなァ?」

 

「は、はいぃぃぃッ! 分かりますぅ! どうぞ持って行ってくださいィィィッ!!」

 

 命乞いをする大番頭に、キテスは紙幣は紙くず同然だから金目の物を出せとG3A4自動小銃を向けながら脅せば、口で宝石付きの指輪やありとあらゆる金目の物を外して差し出し始める。そんな大番頭に気分を良くするキテスであるが、昇進を望んでいるので生かす理由は無かった。

 

「こ、これでお命は…」

 

「はぁ? 便衣兵を生かす訳ねぇだろ?」

 

「は、話が違う…」

 

「分からねぇのかカス。テメェは便衣兵なんだよ。ピストル持ってたの忘れたか?」

 

「や、止めてぇ…!」

 

 銃口を向けて殺そうとしてくるキテスに話が違うと失禁しながら抗議する大番頭であるが、彼は便衣兵として最初から始末するつもりであり、引き金に指を掛けていた。それでも必死に命乞いをする大番頭だが、キテスは生かすどころか拘束するつもりも無いので、引き金を引いて射殺した。

 

(くせ)ェ野郎だな。とにかく、陸軍のイヴ人共が来る前に、奪える金目の物は奪っておくか」

 

 大番頭を便衣兵として射殺したキテスは陸軍のイヴ人部隊が来る前に、奪える金目の物は奪うべく、町中を飛び回った。




次回から本格的に応募キャラが登場するかな。
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