【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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名前:ソロコフ
性別:男
年齢:28歳
階級:曹長
所属:皇帝親衛隊 首都防空隊
武器:ルッグン
概要:予備部隊の人員であるルッグンの機長。正直暇すぎて「小人閑居して不善をなす」の典型になってしまっている。
キャラ提供は神谷主水さん

名前:ノヴァーナ・アプト
性別:女
年齢:28歳
階級:中尉
所属:監視部隊
乗機:VF-31Cジークフリート(色は黒)
概要:イヴ人にしてフリードリヒ・カール・ロベルト・フォン・ラジヴィウの長女。
割と多いハーフ系であり、騎兵馬鹿のフリードリヒがイヴ人娼婦との間に作った子供であるが、当のフリードリヒは全く覚えていない。当の本人も父親がフリードリヒであることに気付いておらず、ただ任務でやっている。
キャラ提供はG-20さん

名前:ソリル・ディゼル
年齢:122歳
階級:中尉
所属:フェアリー戦闘団 監視部隊
乗機:YF-29Bパーツィバル
概要:ごく一般的なイヴ人を自称する監視部隊の士官。つまり、典型的なイヴ人以外を見下す差別主義者。
キャラ提供は秋音色の空さん


ハーレムアーミー

 四方八方の防衛線が崩壊し、首都に帝国再建委員会とワルキューレが迫る中、北部戦線で姿を見せなかったブーツホルツは、変装して首都に潜入していた。

 任務はバウムガルデンに乗っ取られた大帝国軍が反撃に出た理由を探るためだ。追い詰められていると言うのに、玉砕するかの如く大反撃に出たのは、何らかの戦力を隠しているとスミスは睨んだのだ。それに応じ、ブーツホルツは田舎より避難して来た大男に変装し、首都へ潜入した。

 

「おい、そこの馬鹿でけぇの。てめぇ、何処から来たぁ?」

 

 真昼間にも関わらず、酒瓶を片手にうろつき回る親衛隊の制服を着た兵士、ソコロフに見付かってしまう。相手は酔っているが、自分の正体がばれる恐れがあるので、素直に答える。

 

「お、おらぁ、都会は初めてでして。道に迷っちまったんですよ。兵隊さん、案内ぇしてくれねぇですかぁ?」

 

 道案内を頼むブーツホルツであったが、暇を持て余していたソコロフがそれに応じる事は無かった。

 

「う、うるへぇぞ! この首都防空隊所属のソコロフ曹長に向かって、にゃんだ!? おめぇ、なんで徴兵されずにここにいんだァ? さては、脱走兵だなァ!?」

 

「(ばれたか? いや、奴は酔ってへべれけだ。誤魔化しは効くはず)」

 

 ソコロフと言う名の親衛隊の兵士にからまれたブーツホルツは、相手がへべれけであることが分かれば、誤魔化しが通じると判断し、酔った相手に対し嘘で答えた。

 

「えぇ、オラも徴兵令が届いて来たんですけど、田舎から出て来たばかりに、場所がイマイチ分からなくて…」

 

「くぇーっ! これだから田舎者は困るんだよォ! そんじゃあ、制裁だけに済ませるかァ」

 

「制裁? あのぉ、オラは道に迷っただけで…」

 

 道に迷っただけなのに制裁を加えると言うソコロフに問うブーツホルツに、酔った兵士は懐から棍棒を出す。

 

「うるへぇ! この正義の国じゃ規則は絶対にゃのだァ! 時間も守れず、地図も読めねぇクズは身体で分からせねぇとにゃあ…!」

 

「ひょぇぇぇっ!? ぶ、打たないでェ!!」

 

 棍棒で殴り掛かろうとするソコロフに対し、即座に制圧できるはずであるが、正体を隠すために田舎者のフリをする。それでもソコロフは殴ろうとしていた。

 

「(むっ、こいつは!?)」

 

 だが、それは新たにやってきた親衛隊の士官によって阻止された。その男はソコロフの背後から現れ、サーベルを抜き、目にも止まらぬ速さで酔った男を斬った。恐るべき速さでソコロフを斬り、挙句に気付かせない男の剣裁きに、ブーツホルツは驚愕する。

 

「んぁ? グビッ。 にゃ、にゃんだテメェは…?」

 

「親衛隊であろう者が、昼間から酒浸りとは許せねぇな。まぁ、とっくに処断したが」

 

「しょ、処断したァ? 俺はにゃんでも…にゃっ!?」

 

 自分が斬られた事にも気付かないソコロフであったが、気付く頃には既に身体が両断されており、斬られた上半身の部分は断末魔を挙げた後、地面に崩れ落ちた。

 

「(何という剣裁き! いや、こいつは低級の能力者だ。気付かぬかどうか、試してやるか)」

 

 ソコロフを斬り殺した親衛隊の男に、ブーツホルツは剣豪ではなく能力者と断定。感知する能力が無いかどうか試すべく、田舎者のフリを続ける。

 

「あ、ありがとうごぜぇます! オラ、その兵隊さんにからまれちまって…」

 

「怪しい奴め! 俺は首都警備連隊のドゴス隊長だ! お前を帝都不法侵入の疑いで逮捕する!」

 

 だが、首都警備部隊の隊長なるドゴスを騙すことは出来なかったようだ。そのままドゴスは右手に持ったサーベルを片手に近付いて来る。

 

「やもえん。少しやり辛くなるが…!」

 

 向かってくるドゴスに対し、ブーツホルツは覚悟を決めて戦闘態勢を取った。

 

 

 

 ブーツホルツが首都に潜入し、正義の帝国が大反撃に出た理由を探る中、西側から攻撃する帝国再建委員会は目前にあるその首都に総攻撃を仕掛けるべく、準備を進めていた。

 

「いよいよ首都攻略、いや、皇帝ラインハルトの首を討ち取る時だな。兵員の補充が進んでいる。やはり、我が戦闘団を先端にする気か」

 

 進軍を停止し、そこで補給を受ける本隊と合流したターニャとその戦闘団は、兵員と装備の補充を受けていた。補充される人員は人間の将兵だけで、主に第十三航空魔導士大隊と陸軍機甲連隊が補充されている。おそらくこの戦役で壊滅した部隊の生き残りを補充しているのだろう。そうターニャは睨む。

 

「しかも純潔部隊まで居る。どうやら上は本気のようだ」

 

 ターニャは補充部隊の中に、イヴ人の純潔部隊が居るのが分かった。通常のイヴ人部隊の中でも、兵站を度外視した装備を持ち込んでいるのが純潔部隊だ。自分らとは比べ物にならない物で、決してターニャの隊には送られないであろうガンダムタイプ数機も見える。

 

「武力介入でもしそうだな。それに悪魔みたいなのも居る。新作のガンダムか?」

 

 純潔部隊が装備するガンダムを見て、ターニャは見た通りのことを口にする。

 豪勢に並べられているガンダムタイプの中に、ターニャが知るガンダムエクシア等の太陽炉搭載型のガンダムもはじめ、ダブルオーガンダムまである。それにガンダム・フレーム数機もあった。

 バルキリーも同様で、自分の監視部隊以上にYF-29ディランダルにVF-31カイロスやジークフリートシリーズも駐機されている。それを見たターニャは、決して自分の隊には配備されない物と認識する。

 

「父親に挨拶しなくていいの?」

 

「えっ? 父親じゃないよ」

 

 監視部隊の一員で、自分の機体である黒いVF-31Cジークフリートの近くに座るノヴァーナ・アプトに、同僚の一人が第十三大隊のフリードリヒに挨拶しないのかと問う。これに父親ではないと返し、煙草の箱から一本取ってから口に咥え、一服しようとライターを取り出す。

 

「そうよね、初めて知ったんだから」

 

「まぁ、私にとっては死のうが生き残ろうが知ったことないし。吸う?」

 

「うん」

 

 血縁では父親がフリードリヒで間違いないが、ここで初めて知ったのだ。少し動揺しているが、今さら父親だと言われたところで、どう接するか分からない。ノヴァーナが吸うのかと問えば、同僚は差し出された煙草の箱から一本取って共に吸った。

 

「でっ、異端児はどのように?」

 

「噂通りの戦闘狂です。人狼と化した敵兵をサッカーボールみたいに蹴り、敵陣の弾薬庫を吹き飛ばしました」

 

「本当にロリータ族なのかしら? 誇張でなくて?」

 

「見たままの通りです」

 

 別の場所では、監視部隊の一人であるソリル・ディゼル中尉は純潔部隊の一員らしい士官にターニャの事を報告していた。先ほどのターニャの戦闘の事を報告すれば、士官は誇張なのかと疑って問う。それにソリルは誇張でないと答え、自分のYF-29Bパーツィバルから取り出したガンカメラの映像を見せ、真実であることを伝えた。当然ながら、士官はターニャの常識を逸脱した戦闘ぶりに言葉を失う。

 

「あいつ等も居るのか…全力で首を取り、国家再建を成し遂げようと言うのか」

 

 ターニャは増援部隊の中に、あのヴィンデルの世界における共に遠征任務を行っていた面々が居る事が分かり、帝国再建委員会は本気で国家再建を果たさんとしていることを改めて理解する。

 リィズ・ホーエンシュタインを初め、燕結芽(つばくろ・ゆめ)、ジェノサイダーセイジを自称する千葉セイジも含まれていた。他にも見知らぬ顔が何人か見える。男が何人か居るので、おそらくイヴ人部隊ではない。何処からか連れて来た何かしらの能力を持つ人間部隊だろう。隊長は魔力か能力を持つイヴ人であるようだが。それとカヤ率いるシェイファー・ハウンド戦闘団も居た。

 

「あいつ等が前に出せば良い物を。なんで私の隊が露払いなのだ」

 

 人間やイヴ人の能力者等を見たターニャは、自分の戦闘団がその露払い担当であることに不満を漏らした。あの一団は一個軍団以上の戦闘力だ。あれにガンダムや高性能バルキリー、不知火や武御雷、F-22Aラプター、Su-47ビェールクト戦術機等で編成されたイヴ人純潔機動兵器部隊を加えれば、軍集団に近い戦闘力となるだろう。

 

「ちっ、こっちには旧型機ばかりを寄越しおって。初代ガンダムやMSVのザクとジムなんぞ、ただの的だわ」

 

 一個師団以上の戦闘力はあるターニャの戦闘団であるが、本人はそれを理解していないようだ。陸軍混成機甲連隊に増員された旧型MSを見れば、そう思うのは無理もない。ザクとジムの豊富なバリエーションが揃っているが、一年戦争で使われた物ばかりである。明らかに自分ら戦闘団を盾にする気だ。

 

「お膳立てをしろと言うのだろうが、そうはいかない。奴らより先に、私があのクソチート野郎の首を刎ねれば良い事だ」

 

 自分ら戦闘団を盾にする気満々なイヴ人純潔部隊と能力者部隊に対し、ターニャは先に皇帝ラインハルトの首を刎ねれば良いと彼らを見ながら口にした。ここでラインハルトの首を討ち取れば、昇進は間違いないのだ。

 かくして、ターニャは安全な後方へ転属すべく、皇帝ラインハルトを討つ決心を固めた。

 

 

 

「フッ、他愛もない。スペースマリーンどころか、オルクにも劣る」

 

 一方、首都に潜入していたブーツホルツは親衛隊のドゴス隊長に正体を見破られ、戦闘状態となったが、傷一つ負うことなく勝利していた。否、圧勝していた。ドゴス隊長は得物のサーベルを折られた挙句、腹に大穴を開けられて死に絶えている。

 ドゴス隊長は常人を圧倒する能力を秘めているが、ブーツホルツからすれば低級の位であり、地獄のような世界でドゴスレベルの能力者を一度に大勢も相手にした彼からすれば、それらに劣る存在である。

 

「さて、これでやり辛くなったな。では、こいつに化けてでも…」

 

 人造魔導士である自分の身体に内蔵された機能を使い、ドゴス隊長に擬態しようとしたブーツホルツであるが、次なる新手で彼の潜入任務は失敗に終わった。

 

「むっ! 何奴!?」

 

 その気配に気づいたブーツホルツは、左腕の義手に搭載されたパルスレーザーの砲口を、気配のした方向へ向けた。そこに居たのは、十数名の女性兵士を率いる一人の青年であった。

 

「(なんだあの女兵士たちの服装は? この国は男尊女卑だと聞いたが。ヒールにミニスカート、それに露出度が高過ぎてとても戦闘向きではない。奴の愛人か?)」

 

 ブーツホルツは青年を囲う様にいる女性兵士らの服装を見て、兵士ではなく仮装した女性と思った。そう思うのは無理もない。華奢な身体つきに露出度の高い軍服とミニスカート、軍靴はヒールと言う物だ。それにライフルや拳銃らしき銃火器も持っていない。年齢も十代後半から二十代前半と言った若い女性たちだ。

 青年はパルスレーザーの砲口に臆するどころか余裕を見せ、ドゴス隊長に擬態しても何の情報も得られないと告げる。

 

「そんな雑魚に化けても、僕らの秘密は調べられないよ」

 

「そう悠長に喋っている場合か!」

 

 悠長に告げる青年に対し、ブーツホルツは何かしらの攻撃が来る前に排除すべく、パルスレーザーを発射した。並の人間なら肉片か焼死体と化しているだろうが、青年と周りの女性兵士たちは全くの無傷で、魔法障壁で防御されたようだ。これにブーツホルツは即座に距離を取り、左目の義眼の機能で相手を調べつつ何者かと問う。

 

「魔法障壁!? 何者だ貴様!」

 

「いきなり攻撃しておいて失礼と思うが、そのクエスチョンには答えないとね。僕はクルス来夏(くなつ)。正義の軍団所属、ハーレムアーミーの指揮官さ。そしてこれが僕の部下たちであり、理想の花嫁のハーレムアーミー達さ」

 

「この反応、貴様能力者だな? それにこいつ等は…そうか、貴様の使い魔たちか」

 

 その問いにクルス来夏と名乗る青年は、自身の能力「ハーレムアーミー」を自慢し、同時に花嫁たちだと紹介する。義眼の分析でクルスが能力者で、周囲の女性兵士たちが彼の使い魔であると分かった。

 

「使い魔? 人聞きが悪い! 彼女たちは僕の理想の女の子たちであり、理想の花嫁たちなんだ! 欠点だらけで口煩くて意地汚い三次元の女と一緒にしないで欲しいね! それと外見だけのイヴ人共も含めてね!」

 

「貴様、女性蔑視主義者(インセル)か。男尊女卑なのは間違いないな。呆れた奴だ。貴様は理想の女たちを捏造し、ハーレムを楽しむのに使うとは。能力の使い所を間違えた大馬鹿で陰険野郎だ。将軍や司令官なら喉から手が出るほどの能力だが、それを人形を愛でるのに使うとは…何と勿体ない! 将軍や司令官が見れば泣くぜ! こんな奴に使われるとな!」

 

 自身の能力であるハーレムアーミーで召喚した女性兵士たちを使い魔と表したブーツホルツに対し、クルスはその召喚した女性兵士らを自分の理想の女性であり、理想の花嫁たちであると主張した後、現実の女性や女性だけの種族であるイヴ人に対する嫌悪感を露にした。その常人なら避けるようなクルスの主張に対し、ブーツホルツは能力の使い所を間違えてる大馬鹿な陰険野郎と煽り返す。

 ブーツホルツの言う通り、クルスは能力の使い方を間違っていた。正確に言うなら、クルスには相応しくない能力と言える。軍人や参謀、将軍に相応しい能力だろう。

 ハーレムアーミーは自分の意のままに操れる使い魔をどれほど召喚できるか不明だが、戦略や戦術に長けた人間がこの能力を持てば、自分の意のままに動く組織を作るのに使う事だろう。そうすれば、命令に何の疑念や疑問を抱かない使い魔(へいし)たちによる軍隊の完成だ。これに軍事的知識が加われば、無敵と言っても過言ではない軍隊の完成である。数々の将軍や参謀、司令官らが喉から手が出るほど欲しい能力に違いない事は確かだ。

 ブーツホルツのこの指摘を交えた煽りはクルスを激昂させるには十分であり、馬鹿だと言われた彼は即座に配下のハーレムアーミーの三体にブーツホルツを攻撃させる。

 

「こ、この僕が大馬鹿野郎で陰険野郎だと…! それにこの素晴らしい僕には勿体ないだと!? これだから古臭い考えの男は大っ嫌いなんだ! 僕とその理想の花嫁たちを馬鹿にする奴は万死に値する!! ハーレムソルジャーたち、奴を八つ裂きにしろ!!」

 

「フン、やはり餓鬼だな! 煽られれば直ぐに怒る! 事実そうだろうが!」

 

「キャァァァッ!!」

 

 煽った程度で激昂して攻撃するクルスに対し、ブーツホルツはハーレムアーミーのソルジャー三体が繰り出すケリを躱しつつ反撃する。強烈な蹴りを一体のハーレムソルジャーの脇腹に叩き込んでやれば、華奢な腰のハーレムソルジャーは真っ二つに叩き割れ、内蔵を垂らしながら倒れる。そのハーレムソルジャーの惨たらしい遺体は、血痕共々煙のように消え去る。使い魔たちは実体はあるが、倒されればゲームで倒された敵のように消えるようだ。

 

「なっ!? よくも!」

 

「おい、その程度の反応か? みんな貴様の大事な嫁さんなんだろ? 旦那がその程度でどうするんだ! ほらっ、もう一体!」

 

 一体のハーレムソルジャーを倒されて悔しがるクルトに、ブーツホルツは煽りながら二体目を右拳の突きで腹を貫いて倒す。直ぐに引き抜き、三体目を続けて左腕の義手で叩き潰した。

 

「な、なんてことを!」

 

「勿体ない! 実に勿体ない!! そのハーレムアーミーとやらはお前には勿体ない能力だ! お前のような大馬鹿の陰険野郎ではなく、参謀や将軍が持つべき能力だな!」

 

「ぬぅぅ…! 許さないッ! この僕を馬鹿にしやがって!! ハーレムソルジャー、ハーレムトルーパー、ハーレムヘビィ! あのクソサイボーグをスクラップにしろォ!!」

 

 改めてハーレムアーミーこと「自分だけの軍隊(マイ・アーミー)」は参謀や将軍に相応しい能力であるとブーツホルツが煽るように告げれば、クルスの怒りは頂点となってハーレムアーミーを過剰召喚して攻撃させる。数はおよそ数百体であり、軍隊で言えば一個中隊規模の兵士が一斉にブーツホルツに襲い掛かる。

 

「(あの餓鬼なら小隊規模が限界と思ったが、中隊以上の戦力を出せるとは。流石の俺でもこれは厳しい。ここは一旦退くか)」

 

 なぜブーツホルツがクルスを煽り倒すかは、ハーレムアーミーの限界召喚数を探るためである。クルス程度なら小隊規模が限度だと思っていたが、中隊規模を召還したことで、召喚規模は未知数であると判断。このまま留まっていれば数に押されて敗北は確定なので、迷わずに撤退を選択した。周囲衝撃波魔法を使って群がるハーレムソルジャーたちを吹き飛ばし、上空に飛翔したブーツホルツは告げる。

 

「なんだぁ? 逃げるのか、腰抜け目」

 

「逃げる? 違うな、見逃してやるのさ。次の戦いで貴様は敗北だ。それを覚えておくが良い!」

 

 ブーツホルツは撤退しようとする自分を煽るクルスに向け、次はお前の負けだと告げて全速で飛ばし、首都から脱出した。

 

「フッ、次は僕が負けるだって? それはこっちの台詞さ。君たちは僕たち世界帝国(ヴェルト・ライヒ)の前に敗北する運命なのさ。精々粋がっているが良いさ」

 

 首都から脱出したブーツホルツに対し、クルスは自分らが世界帝国の方が勝つと自信気に告げる。

 

 かくして、四つの勢力、否、森に潜む者も含めた五つの勢力による首都決戦の火蓋が着られようとしていた。




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