【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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今回で生贄たち編は終わりです。

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キャラクターをご提供いただき、ありがとうございました!


生贄たちの行く末

 潜水艦で脱出していた上層部が起動させたサイクロプスは強力なマイクロ波を発し、周囲の生物の水分と連邦や同盟が使う兵器の燃料や弾薬類を過熱し始めた。

 言うなれば、基地の半径十キロメートル内が巨大な電子レンジと化したのだ。有効範囲内に居る全ての生物と兵器は、電子レンジの中に入れられた物と同じく加熱され、沸騰していく。

 

「なんだ、モニターの様子が? それに機器も?」

 

 ヘルガスト軍のパイロットが乗るRFズゴックのモニターがマイクロ波の影響を受け、ノイズが走り始める。そればかりか機器にも影響が出て機能を停止していた。サイクロプスが発動したとは知らず、その兵士の体内の水分が沸騰し、水蒸気が全身の皮膚を身に付けている衣服共々突き破って爆発した。

 例えるなら、身体が破裂したのだ。基地より半径十キロメートル内に居る者たちが、その兵士と同じく次々と破裂して死んでいく。

 まるで沸騰して破裂するポップコーンの粒のように。

 人型兵器を初めとした各種兵器も、搭載されている燃料と弾薬の所為で次々と爆発する。辺り一面がマイクロ波によって地獄絵図と化す中、基地にある各種の機材は爆発していき、基地全体は崩壊する。搭乗者が破裂し、機器が死んで動かずに基地内部に佇んでいた兵器の残骸は、上から落ちて来る残骸の下敷きとなって爆発する。

 海上でも有効範囲内に居た艦艇や潜水艦、水陸両用MSも地上や基地内部の将兵や兵器群と同じ末路を辿り、爆発して海と共に蒸発していく。有効範囲内の海は蒸発して水蒸気となっていた。海を喪った台地には、連邦軍の艦艇と同盟軍の潜水艦の残骸が横たわっている。水陸両用の機動兵器も同様だ。

 サイクロプスが自身の効果で自壊するころには、有効範囲内に居た全ての生物と兵器が破壊され、物言わぬ残骸と化していた。

 

「フハハハ! 凄い、凄いぞ! 数千万以上の魂が我が肉体に染み渡るッ!! 全盛期の我に戻っておるッ!!」

 

 サイクロプスで死亡した数千万の魂を、基地の遥か上空で吸収したシャン・ツンの肉体は全盛期の頃まで戻っていた。白髪は無くなり、見る見るうちに若返っていく。その様子をシャンは歓喜し、高笑いを始める。これがシャンの目的であり、大量の魂を得て若返るためにこの世界の影の支配者であるヴィンデルと手を組んだのだ。

 隣にいる同盟者であるクァン・チーもその魂を吸収しており、更なる力を蓄えている。その手先であるラカン・ダカランと無人機軍団を前に、足止めを受けていたアウドムラ隊を率いる雷神の神ライデンは、それを見てシャン・ツンとクァン・チーの死の同盟は強大な力を得たと認知する。

 

「遅かったか…! これでシャン・ツンとクァン・チーは更なる力を得る事となる…! この戦い、益々我らの不利となる!!」

 

「貴方が言うのなら、やはり戦力の立て直しが必要のようだ。展開中の各部隊に通達! 撤退だ! 直ちに撤退して合流ポイントに向かう! 敵の追跡には十分に注意しろ!」

 

 ライデンの言葉に、戦力の立て直しと増員が必要と感じた同じく艦橋に居たハヤト・コバヤシは、展開中の各部隊に命じて撤退を命じた。それに応じてアウドムラより発艦していた部隊は母艦に帰投し、戦士たちの集結拠点へと撤退する。

 

『逃げる気か!? 逃がさんぞ! 皆殺しだ!!』

 

「追撃は不要だ。主君の元へ撤退する」

 

『なにぃ!? 今なら皆殺しに出来るんだぞ!?』

 

「なら貴様をここで殺してやろう。それが嫌なら、命令に従ってもらう」

 

『ちっ、エイジは取り逃がす、奴らには手を出せねぇ! 全くついてないぜ!』

 

 彼らを足止めしていたラカンは追撃を行わず、追撃をしようとするゴステロを脅して共に主君であるシャンの元へ無人機軍団と共に帰投した。

 

 

 

「全く、とんでもない者を連れてきましたね。我々はあの人間たちを受け入れるつもりは無いのですが」

 

 サイクロプスの有効範囲より脱出し、待機していた救援艦隊に合流したターニャとマクロスの難民部隊、そしてヴィン等脱出部隊は救援艦隊の提督より叱責を受けていた。

 この救援艦隊の人員は全てイヴ人で構成されており、艦艇編成は八百メートルサイズのマクロス級を旗艦にして、マクロスより四分の一サイズのマクロス・クォーター級三隻、護衛空母二隻にフリゲート六隻、難民の受け入れに備えた輸送艦を含める数隻と言う目立つ物だ。*1

 話を戻し、救援艦隊の提督より代表して叱責を受けているのは、難民船のマクロスの救出を命じられたターニャである。この叱責にターニャは、ヴィンやリューゴにエイリフ等は勝手にやって来たと答える。尚、エイジと五飛は既に離脱している後である。

 

「小官に言われましても、勝手について来たのは彼らの方です。追い払いますか? それともここで全員銃殺刑にします?」

 

「追い払う? 何を言うんです! 彼らが居なければ、我々難民団は全滅しておりました! 彼らを我々神聖百合帝国軍の義勇兵か労働者として受け入れる義務があると思います!」

 

 ターニャは提督に答えた後、ヴィン等を初めとする連邦軍の脱走兵らを追い払うか銃殺刑にするかと問えば、難民船の艦長はそれに強く反対し、彼らを自軍に迎え入れるべきだと説く。

 確かに彼らにはもう帰るところはない。正式な発表での彼らは、あの基地で戦死したことになっていることだろう。だが、ターニャはサンヘイリ族の件を考慮しており、彼らが故郷に帰りたい余り、船を乗っ取りかねない危険性を告げる。

 

「迎え入れる? あの脱走兵の集団にはエリート族が居るのですぞ。シージャックを起こす危険性がある。人間ではない彼らを牢屋にでも入れて置けば良いのでは?」

 

「貴方ね!」

 

「もういいです。とにかく、そのエリートと言う異星人は我らに忠誠を誓うことは無いでしょう。彼らが忠誠を誓わずに故郷へ帰りたいと願うならば、それなりの働きをさせるまでです。とにかく、今は難民たちを我が艦隊の輸送艦に収容し、一刻も早く安全なノイエ・ラントに送り届けるべきです」

 

 目前のターニャと難民船の艦長は口論を始めようとしたので、提督はそれを止めた。サンヘイリ族が故郷へ帰りたいと願うなら、それを条件に仕事をさせると告げ、今は難民たちを送り届けるのが先だと言った。

 次に、ヴィン等サンヘイリ族を除くリュウやエイリフ等をどうするかの課題に入る。

 

「さて、人間の脱走兵の集団についてですが。迎え入れるべきかどうかは、上層部に決めさせます。貴方の判断では決められませんよ?」

 

 脱走兵である彼らを迎え入れるのは、上層部の判断に任せることを提督が伝えれば、艦長は黙ったままであった。ターニャもその件に関しては黙秘を貫いている。理由は単に面倒だからである。

 

「では、難民たちを輸送艦に乗艦させ次第、数隻の護衛艦を付けてノイエ・ラントへ帰投させます」

 

 脱走兵の集団の件は上層部の判断に任せれば、提督はようやく帰れると思っているターニャに向けて新しい指令を伝える。

 

「デグレチャフ少佐、貴方には我々と共にまだこの世界でやって貰わなければならないことがあります」

 

「なんですと…!?」

 

 この新たな指令にターニャは驚愕の表情を見せた。その任務とは…?

 

 

 

 サイクロプス発動後、自身の牙城にてその威力を映像より見ていたヴィンデル・マウザーは笑みを浮かべていた。

 

「これで同盟軍の地球方面軍の戦力の大半は消し飛んだな。いや、破裂したと言うのが正しいだろう。この一つ目の巨人の目覚めが、新たな戦いの狼煙となる」

 

 ヴィンデルはサイクロプス発動が新たな戦いの狼煙となると断言した。

 事実、連邦軍はこの自爆装置発動を自軍では無く同盟軍の新兵器による攻撃だと主張しており、連邦の勢力圏内の自軍や自国民の戦意向上を図っている。

 逆に同盟軍は味方をも巻き込んだ卑劣な自爆攻撃だと主張しているが、地球方面軍の損害は到底回復不能な状態であり、士気低下は免れない。瓦解するのを防ぐため、方面軍司令部はやもえず戦線縮小を行うだろう。

 この機会を逃す連邦軍では無い。既に大規模反抗作戦の為の戦力の終結を終えており、後は装備を整えてから攻勢を始める。これも全て、ヴィンデルの思惑通りである。

 

「地球での戦いは、この大規模反抗作戦で一旦終わるだろう。次は太陽系の争奪戦が始まる。それも楽しみであるが、今はあのISと言うパワードスーツがどれほどの戦闘力を持ち合わせているのか興味が湧いた」

 

 地球での戦いは同盟軍の敗北に終わると予想し、次は太陽系の争奪戦が行われるとも予想したヴィンデルであるが、今の彼の興味はIS、インフィニット・ストラトス*2と呼ばれるパワードスーツの方にあった。

 左手に画面の映像にはそのISと言うパワードスーツを纏った少女が映っており、同じISを纏った少女と交戦しているのが分かる。

 

「どれほどの戦闘力であるか見極める必要性がある。場合によっては、特機(スーパーロボット)以上かもしれん。メイソン騎士団の奴らにでも探らせるか」

 

 ヴィンデルはISの戦闘力を見極め、従来の機動兵器を上回るスーパーロボットと同等の物と判断すれば、自分の楽園であるこの世界に新兵器として連邦や同盟の双方に投入させるつもりだ。それとISの存在する世界にも戦争を起こすつもりでいる。

 その戦闘力を図るべく、ヴィンデルはISのある世界と行き来できる勢力であり、思想は違えど、自分と同じように腐敗した現政権を打ち倒すと言う目的で結成されたメイソン騎士団にコンタクトを取った。*3

 このメイソン騎士団はワルキューレと呼ばれる数々の世界を植民地と言うか支配している軍事勢力に属している軍閥であり、様々な並行世界や異世界に介入して戦争を引き起こせるようになった彼にとって異世界で初めて同盟を結んだ組織である。

 当のメイソン騎士団はヴィンデルをどう思っているか不明であるが、敵方の軍閥であるアガサ騎士団*4に被害をもたらす兵器を供給してくれるので、体の良い同盟者と言ったところだろう。彼らとコンタクトをする際にヴィンデルはシャドウミラー*5と名乗って接している。

 

「聞こえるかモーリック十三世よ。私だ、ヴィンデルだ。貴殿に話がある」

 

 メイソン騎士団にISの鹵獲とそれが存在する世界に戦争を起こさせるべく、映像通信に映る赤と黒の鷲の紋章を背景にして玉座にふんぞり返っている黒髭で王冠を被った大男、モーリック十三世とコンタクトを取った。

 

『何ようであるか、ヴィンデル。余はアガサの者共を叩き殺すので忙しいのだ。もっとも、(けい)が面白い兵器を余の軍団に寄越すなら別だが』

 

「無論、送ろう。貴殿には世話になっている。要件はISと言う兵器の鹵獲だ。それに戦争も起こして貰おう」

 

 モーリック十三世は不機嫌に何ようかと問えば、ヴィンデルは自分の世界の兵器を供給することを条件に、ISの鹵獲とそれが存在する世界で戦争を起こすように告げる。既にISを知っているようで、モーリック十三世の表情は更に不機嫌になる。

 

『IS? アガサの者共がVA(ヴァルキュリア・アーマー)と呼んでおる女しか着用できん鎧だな。既にその手は試したよ、アガサの者共の抵抗を受けて失敗した。次に発明者にMSやKMF(ナイトメアフレーム)*6を装備した騎士を差し向けたが、どう言うわけかたった一人に壊滅させられた。ただの小娘一人にだ』

 

 既にIS鹵獲を試していたが、敵方のアガサ騎士団の抵抗を前に失敗した。次の手段であるISの開発者である篠ノ之束(しののの・たばね)を誘拐すると言う手段に出たが、機動兵器であるMSやKMFをもってしても、彼女の異常な身体能力を前に返り討ちにされた。

 束と言う開発者に、ヴィンデルは即座にシャン・ツンやクァン・チーのような超人の類で認識する。

 

「超人か。貴殿らの騎士の力をもってしても、敵わぬ相手と言うわけか。では、対策として配下の超人を派遣しよう。バニッシュトもな」

 

『バニッシュト? 何者ぞ?』

 

「貴殿らと似たような軍勢さ。楽しみにしているが良い」

 

 ヴィンデルが自身の配下の超人たちを束対策の為に派遣すると約束した後、モーリック十三世はバニッシュトなる部隊について問う。これにヴィンデルはメイソン騎士団と同等の者たちであると答え、楽しみにしていろと答えた。

 

「以上だ。では、頼んだぞ」

 

『我がテロウィン家では、我らに援助を惜しまぬ者の願いは、出来るだけ叶えろと耳にタコができるくらい言われておる。卿の願い、叶えてしんぜよう』

 

 自分の家訓に応じて、援助してくれるヴィンデルの要望は出来るだけ叶えると約束したモーリック十三世は映像通信を切った。

 

 かくして、ヴィンデルの策略により、新たな戦いが平和な世界で起ころうとしていた。

 

 

 

 視点は宇宙へと脱出し、新しい任務を実行しようとするイヴ人の救援艦隊へと戻る。

 

「諸君らに問う。諸君らが我らイヴ人の為に戦い生き残るか、それとも拒否して冷たくて暗い宇宙に放り出されるか。どちらを選ぶ?」

 

 艦隊旗艦のマクロス級艦内のブリーフィングルームにて、作戦参謀は集められた者たちに向け、奴隷として働かされているイヴ人の救出作戦に参加するかどうかの意思を問う。

 

 集められたのは以下の通り。

 リュウ・パーシー

 ブル・ヴィン

 辻凪あやめ

 ラナ

 ロナ

 ジョウ・エグザ

 リューゴ・バーニング

 リンネ・ネハーン

 パーア・プリン

 ゼルム

 ジャン・L・フェイローン

 ステパン・ルスーラノヴィチ・ドグラノフ

 ティムキン

 エメルダ

 カルマ・フォルセティ

 ジークハルト・クリーガー

 ルビー・ヘルナンデス

 アルヴィナ・ウラジーミロヴナ・パヴロヴァ

 ユキチ・アラザキ

 タコスケ

 リウス・モラム

 エイリフ・バーライト

 その他脱走兵多数

 

 サイクロプスより生き延びた者たちが集められた彼らは、己の実力を見せるために生きてイヴ人に従属するか、宇宙に放り出される選択を迫られていた。

 この件に関し、ヴィンは生き延びた部下たちを見て、母星であるサインヘリオスに帰れると言う選択肢はないかどうかを問う。

 

「少し質問したい。良いか?」

 

「なんだ?」

 

「作戦に参加し、貴官らの同胞らを救出すれば、我らサンヘイリ族に母星に帰れる船を用意してくれるのか?」

 

 その問いに対し、作戦参謀はヴィンを睨みつつ約束は守ると答える。

 

「用意してやろう。救出が成功すればの話だ」

 

「成功すればだと? 無論、成功させるとも。大船に乗ったつもりでいろ」

 

 自分らの実力を疑う作戦参謀に対し、ヴィンは自信満々に成功させると告げた。

 

「他の者たちはどうか?」

 

 サンヘイリ族以外の人間たちに問えば、彼らはもう自分たちは戦死認定されていると判断して、イヴ人に忠誠を誓うと宣言する。

 

「もう我々は戦死している身です。あなた方に忠誠を誓います」

 

「自分も」

 

「僕も」

 

「私も!」

 

 次々と傘下に入ると言ってくる脱走兵たちに対し、作戦参謀は狙い通りであると思って作戦に参加するかどうかを改めて問う。

 

「では、作戦に参加するのだな。では、歓迎しよう。手土産に、我らが同胞を搾取し、性奴隷にする悪鬼共が住まう星より救出するのだ!」

 

『はっ!』

 

 こうして、サイクロプスより生き延びた生贄たちはイヴ人救出のための作戦に参加することを決めた。ヴィン等サンヘイリ族は忠誠を誓わなかったが、母星に帰ることを条件に作戦に参加することとなった。

 その後、彼らは救援艦隊が用意した機動兵器に乗り込み、自分らが忠誠を誓った、あるいは故郷へ帰るために多数のイヴ人が奴隷とされている惑星に向けて出撃した。

*1
全部合わせて二十隻。難民のマクロス級を含めれば、二十一隻。

*2
ATよりも小型で、重力下であろうが鳥のように自在に飛び回れる。だが、女性しか纏えない。

*3
メイソン騎士団はモーリック・テロウィンと言う人物によって結成された。

*4
王党派の騎士団。メイソン騎士団と敵対する理由は、正式な継承者であるダヌム・アルゴンに王にするため。

*5
かつて自分が指揮していた部隊。隊員は手駒である。

*6
ATと同等のサイズであるが、機動力はKMFが遥かに高く、装備によって空中戦も可能。




次回はご提供された未搭乗キャラクターが登場する番外編を投稿したいと思います。

そんで次回のキャラクター募集に関しては、募集開始日は未定ながら、舞台は巷で話題なインフィニット・ストラトスの世界となっております。

気軽にご参加くださいませ~
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