【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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名前:マイーラ・シエルトフ
年齢:201歳
階級:少尉
所属:帝国再建委員会(フェアリー戦闘団)
武器:HK33突撃銃
概要:ショートヘアのボーイッシュのイヴ人の航空魔導士。口調はキツイが戦場での視野を広く状況解析担当の通信兵。お守りとして胸元に弾丸のネックレスをかけている。
キャラ提供はわかものさん

名前:ナザーリオ・キャッテル
性別:男
年齢:48歳
階級:アガサ騎士団料理長
所属:アガサ騎士団
乗機:グスタフ・GNドライヴカスタム(ゾイド)
概要:騎士団員の腹と心を満たす料理人。元々は旅の料理人だったが気が付いたら騎士団で腕を振るっており詳細は、周りはおろか本人さえ良くわかっていない。
基本戦闘には参加しないが元々の装甲にビームコーティングを施し更に機体後方に二機のGNドライヴを追加装備する事でGNフィールドの使用と慣性(質量)制御的な効果による見ため以上の機動力で撤退時の殿やいざと言うときはTRANS-AMによる体当たりもする。
トレーラーは基本2台を運搬し、内容も機体や物資を運ぶ荷台型と三階建て(一階:居住区 二階:食堂 三階:風呂やトイレといった水回り)の兵舎型だが、向かう場所や状況によっては各種クレーンを装備した簡易ドッグ型や大小様々な砲を搭載した移動トーチカ型・バルキリー系のミサイルを大量に撃ち出すポット型も存在している。
キャラ提供はkinonoさん


首都決戦(バトルシティ)その4

 地上でも乱戦状態が繰り広げられる中、皇帝ラインハルトと右腕のバウムガルデンが居る大帝国軍の本陣に、アガサ騎士団の勇者、メイソン騎士団のレッドホークとグエンスが迫る。

 

「止めろォ! 皇帝陛下に近付けるな!」

 

 多数の魔導騎士を随伴させて突撃してくるレッドホークとグエンスを止めるべく、アードリアンは親衛隊や大帝国軍の将兵や能力者等が立ち塞がるが、レッドホークが放った斬撃で一度に数百人が惨殺される。凄まじい血と肉片の雨が降り注ぐ中、そこからメイソン騎士団討伐部隊を率いる長が飛び出し、向かってくる。

 

「おのれぇ! 首都防空軍司令官ゲルルフが相手だ!!」

 

 今度はジオン軍のMSであるゲルググのような甲冑を身に纏う首都防空司令官であるゲルルフが立ち向かうも、グエンスのパルチザンであっさりと両断された。

 

「フッ、これが大帝国の幹部か? 弱いな!」

 

 あっさりとやられたゲルルフにグエンスは嘲笑い、そのまま皇帝ラインハルトの元へ向かう。次に立ち向かうのは、正義の軍団の一人である七呂太郎であった。彼は皇帝と同じく転生者であり、能力も授与されていた。無論、能力を与えて転生させたのはあのゴットカオスである。

 

「へっ、そんな雑魚共殺したところで、この神に選ばれた俺の力で…」

 

 自分は神に選ばれた存在だから向かってくるグエンスを楽に倒せると思い、余裕を見せながらその前に立ちはだかったが、言い終える前に顔面に強烈な蹴りを叩き込まれた。蹴りを受けた七呂は吹き飛ばされ、地面に叩き付けられる。

 

「なんだこいつは? 神に選ばれたとか抜かしていたが」

 

「王子、石ころ風情よりも」

 

「分かっている。あいつの首が優先だろ?」

 

 七呂を叩き付けたグエンスは少し気にしていたようだが、向かってきた親衛隊数名を一瞬にして殺害したレッドホークに皇帝ラインハルトの首が優先と言われ、右腕のバウムガルデンと共にこちらを見る標的にパルチザンの尖端を向けた。これにラインハルトは苛立つが、バウムガルデンは一切動じず、周りの者に両名を攻撃しないように告げる。

 

「貴公らは下がれ。一人ならまだしも、お主らではあの両名には敵わん」

 

「な、何ゆえに!?」

 

「分からんのか? あれは段違いだ。貴公らが束になって掛かったところで、屍を晒すだけよ。反対側から迫るアガサの勇者のようにな」

 

 メイソン騎士団が送り込んだレッドホークとグエンスの両名が揃えば敵わないと言われて激怒する配下らに対し、バウムガルデンは反対側から単独で配下たちを吹き飛ばしながら迫るアガサ騎士団の勇者と同様に、あの二名も自分とラインハルトと同じ強者であると告げる。

 それにグエンスは褒め、今までにラインハルトのような転生者を幾人も殺してきたと自慢し、挙句に煽り始める。この間にレッドホークは、グエンスの背後を狙おうとする正義の軍団と親衛隊の対処に回っていた。おかげでグエンスはラインハルトとの戦いに集中できているのだ。

 

「ほぅ、良く分かってるな。俺は今まで神を自称する邪神が送り込んだ転生者を何十人も始末して来た。どいつもこいつも、人様から貰った能力で粋がる馬鹿ばかりだったよ。まぁ、そこの金髪の馬鹿と同様に、どうせ碌な奴じゃないのは確かだがな」

 

「テメェ…! 俺たちを搾取するリア充が…!」

 

「はぁ、いつも言うな。その手の馬鹿は。俺はリア充に搾取されてる。金も女も、運も活躍もみんなかっさらわれた被害者だと! はっ、実に下らん! 被害妄想はそこまでにしろ。何も無い上に行動もしない奴から何を奪えって言うんだ? どうせお前の前世も理屈も同じだろ? お前は我々メイソン騎士団の強大さを示すためのトロフィーなんだよ! それがお前の存在意義だ!!」

 

「ぬぅぅ~! うぅぅぅ! 殺してやるぅ!!」

 

「陛下! そのような安い挑発に乗ってはなりませんぞ!」

 

 このグエンスの見下すような煽りは、ラインハルトを怒らせるには十分であった。バウムガルデンの静止の声を聞かず、ラインハルトは一直線にグエンスに向けて突っ込む。そのラインハルトの様子は今までに見せていた余裕とは違い、激昂する子供のようであった。

 

「こう挑発してやれば、直ぐに怒って馬鹿正直に突っ込んでくる! お前らは力に振り回され過ぎなんだよ!」

 

 圧倒的な力を与えられて転生したラインハルトの突撃にグエンスは臆することなく受け流し、空かさずに隙だらけの背後にパルチザンを突き立てる。だが、頑丈さも凄まじく、グエンスのパルチザンの刺突はラインハルトの肌どころか衣服すら貫けない。

 

「無駄だ! お前のヘボな槍なんぞ!」

 

「ちっ、無駄に硬くしやがって!」

 

 刃を通さないラインハルトにグエンスは苛立ちを覚える中、二名は常人離れした激しい空中戦を繰り広げる。

 

「アガサ騎士団の勇者か! 我が正義の軍団の名を広めるに十分な相手だな!」

 

 バウムガルデンの言うことも聞かず、正義の軍団の一人で九番目の男、片眼鏡を掛けた中年であるグンターは友軍を蹴散らしながら単独で迫るアガサ騎士団の勇者に挑むが、振るわれた剣で真っ二つに両断された。

 

「ほへっ!?」

 

「愚か者め! 己の力量も考えず、この私に挑むとは!」

 

 力量も考えずに自分に挑んで真っ二つにされたグンターを叱りつつ、勇者は剣先を向けながらラインハルトの方へ突っ込む。

 

「悪逆皇帝ラインハルト! 貴様に討たれた我が兄妹たちの仇、ここで取らせてもらう!」

 

 威風堂々に宣言し、グエンスと交戦状態のラインハルトに今まで討たれてきたアガサ騎士団の騎士たちの仇を取ろうとする。だが、それはバウムガルデンの太刀筋に阻止された。

 

「むっ!? 貴様は右腕のバウムガルデン! 貴公に用は無いぞ!」

 

「そうは困るな。あの道化にはまだ退場されては困るのだよ…!」

 

「道化? 貴公、主君を道化呼ばわりとはどういうことだ!?」

 

「フフフッ、敵将相手に説教とは面白い男だ。まぁ、数多の敵と戦い、感覚も鋭くなっている貴様には隠し切れんな。我が正体を!」

 

 両手剣で勇者の持つ剣で鍔迫り合いを行いながらバウムガルデンは、自身の主君である皇帝ラインハルトにも明かさなかった自分の正体を全く隠すことも無く明かし始めた。自身の太刀筋と力では、アガサ騎士団の中で最強にして歴戦錬磨の騎士である勇者に見破られてしまうと判断したからだ。それを知った勇者は左手の盾で打撃を行い、剣で防御するバウムガルデンを吹き飛ばす。

 

「貴公、主君にも正体を隠すとは、何を企んでおる!?」

 

「なに、我が願望を果たすだけだ。それまで道化には壇上で踊り続けてもらうまでよ。願望を果せば、四百年ぶりに我が故郷へ凱旋する。言うなれば、家に帰るための準備だ。人としては当然の事であろう?」

 

「それだけの為に、数多の人間を欺いたのか!」

 

 吹き飛ばした後に主君を欺く理由を問えば、バウムガルデンは世界征服を果たすまでラインハルトに躍らせ続け、それを果たせば故郷へ帰ると返した。この時にバウムガルデンは自分が四百年以上も生きていると言うことを明かしているが、勇者はその強大な力で余り驚きもしない。

 その理由に勇者はたったそれだけのことで転生者も含めるこの世界の者たちを欺いたのかと、獅子の咆哮のような衝撃波による怒りの攻撃を行う。バウムガルデンは強烈な衝撃波を容易く一蹴し、斬りかかる。

 

「外道共を気に掛けるとはお人好しな! 私はただ囁き、彼奴等がそれを勝手に聞いて暴走しただけの事よ!」

 

 自分の事を詐欺師だと言う勇者に対し、バウムガルデンはただ囁いただけだと返しながら両手剣を振り降ろした。それを勇者は盾で防ぎ、右手の勇者の剣を突き刺す。それもバウムガルデンは読んでおり、躱して両手剣を打ち込んだ。

 あっさりと敵に正体を明かしているバウムガルデンであるが、その主君である皇帝ラインハルトはそれに全く気付かず、自分を嘲り笑うグエンスとの戦いに躍起になっていた。

 

「クソ~! あのクソ野郎は!? 居た!!」

 

 グエンスに地面に叩き付けられた七呂であったが、転生による特典のおかげか生きていた。目覚めて早々に自分の主君であるラインハルトと交戦しているグエンスを見付けた七呂は、主君の事を気にせずに派手なデザインの拳銃を何処からともなく取り出し、それを乱射し始める。

 

「死ねぇ!!」

 

 射線上にラインハルトも居るが、今の七呂にとってはお構いなしだ。飛んでくる多数の魔弾に気付いたグエンスは避けつつ、躱し切れない分は魔法障壁を張って防いだ。

 

「カス野郎が! しぶとい奴だ!」

 

「クソっ、邪魔だ死ねぇ!」

 

「へっ…!?」

 

 七呂の頑丈さに攻撃を防ぎながら苛立つグエンスであったが、そのお構いなしの攻撃はラインハルトの怒りに更に油を注いでしまった。激怒したラインハルトは見境なしに攻撃する七呂に、右手から強烈なビームを撃ち込んで蒸発させたのだ。それにグエンスは驚愕ではなく、臣下を八つ当たりのように殺すラインハルトを嗤う。

 

「はっはっはっ! 本当に短気な奴だ! 誤射されたと言う理由で部下を殺しやがった! 本当にお前らは馬鹿で愚かで身勝手だな!!」

 

「くゥゥゥ! うぅぅぅ!!」

 

 自身の心を論撃で傷付けられたラインハルトは激昂す余り周りが見えなくなり、奇声を上げながらグエンスに襲い掛かる。獣のような攻撃をグエンスは冷静にいなしつつ、ラインハルトに徐々にダメージを与えていく。

 

「王子に加勢は必要ないみたいだな」

 

 グエンスが圧倒的な力を持つラインハルト相手に優勢に立っていることで、レッドホークは加勢の必要はないと判断し、目前の敵に集中する。

 彼の相手は自分自身、ではなく能力を使って自分に擬態したロット・ロットであった。姿のみならず、動きもレッドホークその物である。他の者たちと戦っている最中に動きを読み込まれ、完全にコピーされてしまった。擬態したロット・ロットの実力は戦闘力もコピーしたらしく、レッドホークは鏡の自分と戦っている感覚に陥る。

 

「いつも宿敵は自分というが、まさか戦う羽目になるとはな」

 

 自分こそがライバルと表し、常に鍛錬して来たレッドホークであるが、自分自身と戦う羽目になるとは思わなかった。自分の剣術と動きで攻撃してくるロット・ロットに、レッドホークは両翼を羽ばたき、強風を発生させて吹き飛ばす。それから擬態する能力に警戒して敢えて抜かなかった右腰の鞘に納めてある剣を抜き、二刀流を見せる。

 

「実戦での二刀流は久方ぶりだが、鍛錬を怠らなかったのが功を奏したか。どうやら、擬態にはかなり読み込むのが必要なようだ」

 

 二刀流であったことに驚きの表情を見せるロット・ロットに、レッドホークは擬態の条件をある程度を見破る。それでもロット・ロットは今までのレッドホークの動きで攻撃してくる。

 

「この二刀流も真似ようと言うか。その意気込みは良し! だが、常に私は先へ行くのだ! 鏡である貴様を倒してな!!」

 

 見たことも無い二刀流でも怯まずに攻撃してくるロット・ロットに、老練の騎士であるレッドホークは両手に握る剣の刃を交差させ、自身の成長の為に必ず倒すと宣言した。

 

 

 

「あそこだけ次元が違い過ぎない? アタシ等の戦闘団長殿もあの人造魔導士と常識外れ戦いをしてるけどさ…あっちが断然やばいよ」

 

 皇帝ラインハルトを討ち取るべく、皇帝の牙城へと進撃したターニャの戦闘団であったが、ワルキューレの派兵軍とそれに属するミッシングリンク隊の連合部隊に阻まれ、動きが止まっていた。一番高い戦闘力を誇るターニャは人造魔導士として復活したブーツホルツに足止めされ、他の者たちもミッシングリンク隊のアイオーンと元気ら、ワルキューレのカーラにシーン等と言った手練れの者たちとの交戦を余儀なくされている。

 その様子を大帝国軍より占拠した監視塔で見ていた戦闘団に属する航空魔導士にして空軍通信将校であるマイーラ・シエルトフは、皇帝ラインハルトとバウムガルデンと激闘を繰り広げるメイソン騎士団のグエンスにレッドホーク、アガサ騎士団の勇者の方がヤバいと双眼鏡を見ながら口にした。

 事実、彼らの激闘の余波で周りの航空魔導士のみならず、機動兵器まで吹き飛ばされる始末だ。迂闊に近づくようなら、死ぬことは間違いない。そこへ帝国再建委員会屈指の戦闘力を持つ精鋭部隊がターニャの戦闘団を置き去りにして向かっている。これにマイーラは人知を超えた者たちに勝てるかどうか不安になっていた。

 

「はぁ、それにしても大帝国軍って奴らは自分の首都を守る気あるのかね? 守るべきはずの民間人ごと攻撃してるよ」

 

 次にマイーラは地上の方へ視線を向け、そこで行われている悲惨な光景を見て呆れていた。彼女の目に映るのは、侵攻してくるワルキューレやアガサ騎士団、メイソン騎士団に対して守るべき民間人も構わずに防戦する大帝国軍の将兵たちであった。

 

『き、貴様ら! 守るべき民を巻き込んで何とも思わんのか!?』

 

 アロサウルス型の中型ゾイドであるアロザウターに乗るアガサ騎士団の兵士による拡声器越しの問い掛けに対し、自分らが本来守るべきはずの民間人諸とも攻撃する大帝国軍の将兵の一人は、恐るべき返答をする。

 

『フン、敵国の民間人の心配とはな! 女子供など消耗品だ! 他所から攫えば良い話だ!』

 

『く、この外道め!』

 

「な、なんて奴らだ! 女子供を物のように…! 許せねぇ!」

 

 自分らを正義と表する大帝国とは思えぬ返答に、アガサ騎士団の騎士たちは動揺を覚える。大帝国こと正義の帝国、否、世界帝国にとって女性や子供は物であり、消耗品であったのだ。それを聞いていたマイーラも寒気を覚え、同時に怒りも抱いた。だが、今の自分は護衛を命じられた通信兵であり、この監視塔を占拠した戦闘団に随伴する空軍通信中隊を守らねばならない。マイーラは大帝国の女性や子供が殺されていく様子をただ見守る他になかった。

 

「急げ! 巻き込まれたくなければ速く地下やこちらの用意した避難場所へ行くんだ!」

 

 民間人の避難はワルキューレやアガサ騎士団が行っており、わざわざ自分らが出る幕はない。マイーラも昆虫型ゾイドのグスタフが牽引する兵舎型トレーラーに収容される民間人らを見て、安心して胸をなでおろした。

 

「二時方向より大帝国軍!」

 

「ちっ、守るべき民間人より敵を優先か!」

 

 別方向を監視していた航空魔導士の報告で、マイーラは監視塔を奪還しに来た大帝国軍の歩兵部隊の迎撃を行う。民間人を守らず、戦闘を優先する大帝国軍に激怒しながらも、HK33突撃銃の銃口を向け、単発で突っ込んでくる敵歩兵を上から狙撃する。一人、二人と倒れていく中、大帝国軍は損害に構わずに大勢で突っ込んでいた。

 

「ここも巻き込まれるんじゃないだろうな?」

 

 兵舎型トレーラー二両とトーチカ型やミサイル型トレーラーを牽引する自身のグスタフにて、アガサ騎士団に属するナザーリオ・キャッテルは、自分らに近い距離で銃撃戦を行うマイーラたち帝国再建委員会の通信中隊をキャノピー越しで見ながら、巻き込まれるのではないかと不安を口にした。

 アガサ騎士団は騎士道精神に則り、首都に残る民間人を避難させるために余所者のナザーリオを含める輸送隊を動員し、輸送用や兵舎型のトレーラーに収容していた。本来は敵方である大帝国軍がやらねばならない仕事であるはずだが、あろうことか必要なことをやらず、戦闘を優先しているので、アガサ騎士団やワルキューレが行っていた。

 

「こっちだ! 急げ!」

 

「なんで大帝国軍の奴らがやらないんだ? 畜生め」

 

 ハルバートを片手に民間人をこちらに誘導するアガサ騎士団の重歩兵を見て、敵国の大帝国が避難誘導を行わないことにナザーリオは疑問を口にする。理由は大帝国こと世界帝国が女性や子供の事をいつでも補充が可能な物扱いし、軽視していることにあるが、今の彼は知らないことだ。

 民間人を戦闘区域外へと移送するアガサ騎士団の輸送隊の護衛はハルバートや身を隠せる程の盾と片手剣で武装した重歩兵のみならず、弓やボウガンで武装した弓兵、グレイズとグレイズ・シルトを合わせ十数機、ライオン型の大型ゾイドであるシールドライガー六機、KMF十数機、上空ではプテラノドン型空戦ゾイドであるプテラス数機が常に警戒している。更には空戦も可能なKMFヴィンセント数十機も加わり、大規模な物となっている。それにワルキューレから引き抜いた恐竜型小型ゾイドのゴドスやオオカミ型中型ゾイドのコマンドウルフで編成された陸軍機甲連隊も加わっているので、師団規模の機甲部隊に襲われても問題ない数だ。

 

「へへへっ! まずは弱そうなのからだ! ケーキの如く獲物が並んでやがるぜ!!」

 

 そんな大規模な輸送隊に、襲撃を仕掛ける者がいた。それは正義の軍団の十番手であるハイモだ。彼は戦いにおいて弱い敵から倒すのがセオリーと考えており、市外に居る避難民を避難させようとしているアガサ騎士団の輸送隊は、ハイモにとっては格好の獲物であった。ハイモは傘下の親衛隊機甲部隊を率いて輸送隊を襲う。地上からの正規軍も輸送隊目掛けて突撃していた。

 

『敵能力者接近! 地上から敵機甲部隊!』

 

『なんて奴らだ! 民を攻撃するなんて!!』

 

「嘘だろ!? トーチカ型トレーラー並びミサイル型トレーラー起動!」

 

 自国民を代わりに戦闘区域外まで輸送しようとしているにも関わらず、獲物の狙うかのように襲い掛かる大帝国軍にアガサ騎士団の輸送隊は困惑していた。随伴するワルキューレの陸軍部隊も応戦する中、ナザーリオは自分のグスタフが牽引しているトーチカ型とミサイル型トレーラーを起動し、向かってくる敵部隊に向けて迎撃を始める。それらのトレーラーは無人であり、敵味方の区別もついているので、近付いて来る大帝国軍を搭載武装で迎撃する。

 地上と空から迫る敵を護衛部隊と共に迎撃するナザーリオのグスタフであったが、正義の軍団の一人であるハイモはその弾幕をすり抜け、輸送隊へと迫る。

 

「無駄だ! 機関砲やミサイルの次に矢など!」

 

「て、敵の能力者だ! 射殺せ!!」

 

 迫るハイモに重歩兵が備え、弓兵などが弓やボウガンで迎撃を試みるが、ハイモはそれを弾き飛ばしながら迫り、ハルバートで斬りかかる重歩兵らを拳や蹴りで蹴散らす。

 

『なんて強いんだ!? 民間人を限界まで乗せたグスタフは戦闘区域外まで直ちに発進! 奴は強過ぎるぞ! 守り切れん!!』

 

『対能力者要員を! 奴は手強い!』

 

「クソっ、速く乗せるんだ! 殺されるぞ!!」

 

 味方を蹴散らしながら輸送隊を狙うハイモに、民間人を満載したトレーラーを牽引する何機かのグスタフ逃げるように発進する。まだ民間人を乗せているナザーリオは、民間人らに速く乗るように急かした。それに応じ、重歩兵や槍を持つ兵士らは民間人らを急いでトレーラーに乗せていく。

 

「へへへ、馬鹿な奴らよ! そんな価値の無い弱者共の為に犠牲になろうなどと!」

 

 代わりに民間人を避難させようとするアガサ騎士団を嘲笑うかの如く、ハイモは必死に止めようとしてくる敵兵たちを蹴散らしながらナザーリオが属する輸送隊に迫っていた。




前半長くなったな…

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