【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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名前:志々雄飛翔(ししお・ひしょう)
性別:男
年齢:15歳
階級:騎士見習い
所属:アガサ騎士団
乗機:シールドライガー
概要 別の話で登場した盾松 修人や元気と同じ世界の出身で元気同様にザールの襲撃で異世界転移してこの世界に来た。
その後、シールドライガーに主として認められて臨時騎士見習いとなり、アガサ騎士団に入る。
自分と同じく異世界転移している盾松 修人の友人であり元気は、後輩にあたる。何時か彼らと再会して元の世界に帰ることを夢見ている。
流石にライガーゼロ・ファルコンはチート過ぎるので、シールドライガーに変えさせて頂いた。ごめんなさい、M Yさん。
キャラ提供はM Yさん

名前:ヴェストゥム
性別:男
年齢:33歳
階級:大尉
所属:フェアリー戦闘団 陸軍混成連隊
乗機:ジム・スパルタン
概要:元々は帝国再建委員会に攻め込まれた世界の国で軍人をやっていたが、その国が滅ぼされ、下級兵士として強制徴兵される。
元は陸軍中佐であったが、イヴ人将兵数十人を殺害した罪で大尉にまで降格され、旧型機に乗せられている。
こんな状態にも関わらず、脱走は一切しない。
キャラ提供は神谷主水さん

名前:ミレイナ
性別:女
年齢:外見年齢20手前
階級:なし
所属:ハーレムアーミー
武器:神聖魔法、魔導鎧
概要:純白に金色の装飾のドレスのような甲冑を身に纏った金髪の聖女のような見た目をしている。
元は小さい教会でシスターとして悩み相談などをしていたが、町に買い物に出た際に運悪くクルス来夏に見初められてしまい、洗脳を受けてしまった。洗脳の影響で元の碧眼は赤く染まっている。
ハーレムアーミーの中でも古株の一人でクルス来夏の所謂『お気に入り』であり、度重なる強化を行われており、他のハーレムアーミーとは一線を画する能力を持っている。
純粋な戦闘力はそれなり程度だが、その分サポートに特化しており、特に防御能力は正義の軍団にも匹敵する。
キャラ提供はRararaさん


首都決戦(バトルシティ)その7

「なんて奴だ…! ブーツホルツを倒しちまったぞ!?」

 

 自分の身長を二メートルまで上げるお気に入りのファイテックスを破壊されながらも、ブーツホルツを倒し、皇帝ラインハルトを討ち取りに向かったターニャを見たスミスは驚きの声を上げる。

 

「あれだけ強化してやったのに、この様とは! テッカマンドッグにキャシャーンレディ、標的とあのクソったれを倒せ!!」

 

 これにスミスは奥の手を使った。それはヤッターワンとクイーシャであった。だが、ターニャにあっさりとやられた一機と一人が出来るはずがない。そう思われていたが、ヤッターワンとクイーシャは仮の姿であったのだ。

 

「ワォーン! ぺガス、テックセクター!!」

 

 スミスの命を受けたと同時にある物を口の中に投げ込まれたヤッターワンは、ドッキリびっくりメカとは違う輝きを全身に纏う。それから変身を叫んだ後、ヤッターワンは左右二つに割れ、そこから屈強な鋼鉄の鎧に身を包んだ宇宙の騎士、テッカマンが現れる。

 

「テッカマンドッグ!」

 

 ヤッターワンの正体は宇宙の騎士テッカマンであった。その名もテッカマンドッグである。

 モビルアーマーのハシュマルに次ぐスミスの秘匿戦力であり、正体を隠すためにヤッターワンに偽装していたのだ。ターニャに対する切り札であるブーツホルツが破れたのを見たスミスは、この時に備えて隠していた遂にヤッターワンとキャシャーンレディの偽装を解いたのだ。

 元のヤッターワンはぺガスに変形し、飛翔して飛行を開始する。

 

「行くぞ、ぺガス!」

 

「ラーサー!」

 

 そのままテッカマンドッグはぺガスの上に飛び乗り、皇帝ラインハルトを討ち取るために飛んでいく。

 

「そうか、私はキャシャーンレディだったんだ」

 

「ウキキ!」

 

 スミスより封印を解かれ、自分の正体を思い出したクイーシャことキャシャーンレディは、バナナを右肩に乗せた。クイーシャの姿はキャシャーンレディを隠すためのホログラム映像に過ぎなかったのだ。

 無論、仮の姿の経歴は偽物であり、偽装の為に敢えてキャシャーンレディとしての記憶を忘れ、自分の事をクイーシャと思い込んで過ごしていた。バナナは覚えていたようだが、喋れないので記憶を改善されずに済んだようだ。

 

「目標、ターニャ・フォン・デグレチャフ。あれね」

 

「死ねぃ! ぶわっ!?」

 

 自分の標的であるターニャを始末するべく、大帝国軍のグライダー兵より搭乗者を蹴り落とし、グライダーを奪った。

 

「足は確保した。これより標的の始末を開始する」

 

 グライダーを奪ったキャシャーンレディは、グライダーをわずかな時間で手足のように扱い、ターニャの追撃を開始した。

 

 

 

志々雄(ししお)騎士見習い! 何処へ行くか!?』

 

 アガサ騎士団に属するある一機のシールドライガーが戦列を離れ、戦闘団と交戦しているミッシングリンク隊と南部・頭部方面軍の方へ向かっていた。

 上官である騎士が乗るシールドライガーが追うが、そのシールドライガーは止まらない。

 静止の声を無視して無断でターニャの戦闘団と交戦している友軍の方へ向かうシールドライガーを駆る騎士、否、少年の名は志々雄飛翔(ししお・ひしょう)。修人や元気と同じ世界出身者だ。

 ザールの襲撃で別の世界に転移し、アガサ騎士団に拾われ、いま搭乗しているシールドライガーに主と認められ、臨時騎士見習いとしてアガサ騎士団に入団したようだ。

 だが、入って間もなく、この派遣が初陣である。そればかりか元気が搭乗機と能力ゆえにミッシングリンク隊に無理やり編入され、戦わされていると聞くや否や、無断で戦列を離れて向かっているのだ。

 

『なんだ? アガサ騎士団のシールドライガーがこっちに。ここは奴らが居ないんじゃないのか?』

 

 ミッシングリンク隊と戦闘団が交戦する区画では、アガサ騎士団は誰一人も居なかった。そんな区画に急にアガサ騎士団所属のシールドライガーが現れたのだから、ミッシングリンク隊所属のアームスレイブのM9ガーンズバックに乗るパイロットは、僚機と共に所持しているライフルを向ける。

 

『そこのアガサ騎士団所属機、止まれ! ここはワルキューレの戦闘区画だ! 幾ら友軍の貴様らでも勝手は許されんぞ!!』

 

 警告するM9のパイロットであったが、志々雄は聞く耳持たずに突っ込み、あろうことか火器まで撃ち込んだ。

 

「元気を、後輩を利用した代償は高くつくぞ!!」

 

『うわっ!? 馬鹿かこいつ!』

 

 後輩である元気を助けようと思う余り、志々雄は周りが見えなくなっていた。撃ってきたシールドライガーに、M9二機はライフルで反撃する。これを志々雄は避けつつ、Eシールドを展開しながらの体当たりを仕掛けて突破し、元気が居る場所へと急行する。

 

「撃ちやがったぞ! 本部、発砲して良いか!? 向こうはお構いなしに撃ってるぞ!」

 

 キツネ型の中型ゾイドであるシャドーフォックスに乗るミッシングリンク隊の隊員は、アガサ騎士団所属の志々雄がなりふり構わずに射撃兵装を撃って来ていると報告し、本部に指示を仰いだ。

 

『アガサの連中が撃ってきただと? 何処の馬鹿だ?』

 

「単機で馬鹿みたいに突っ込んでいます。ガンダムXとの交戦エリアに進行中の模様。動きは素人に近いです!」

 

『そうか。ならば破壊してしまえ! パイロットは殺すなよ! 奴らは新兵も抑えられんのか!』

 

 本部に居るスミスからの指示は、乗機のみの破壊であった。暴走する志々雄にスミスは新兵を抑えられないアガサ騎士団に苛立つ。もっとも、無断で突っ込んでいるのは志々雄の方であり、アガサ騎士団に非は無いのだが。

 

『止まれ! 志々雄騎士見習い! 破門するぞ!!』

 

「うっ!? 邪魔するな!」

 

 発砲許可を受けたシャドーフォックス四機は、背中の旋回式ガトリング砲を撃ち込み、志々雄のシールドライガーを追撃するが、彼は被弾しながらもスラスターを吹かせて強引に振り切り、元気のガンダムXが戦闘団の陸軍混成機甲連隊と交戦しているエリアに飛び込んだ。

 

「元気、無事か!?」

 

『そ、その声は志々雄さん! 志々雄さんじゃないか!』

 

「いま解放してやっからな! 待ってろ!」

 

 強引にシャドーフォックスを振り切った志々雄は、元気のガンダムXと合流することが出来た。そんな志々雄のシールドライガーの背後より、ロギュウ・バルベルトが駆る陸戦用ジムがビームサーベルで斬りかかる。

 

『食らぇーッ! ドワッ!?』

 

 だが、志々雄は気付いており、シールドライガーの後ろ脚による蹴りで吹き飛ばし、ロギュウの陸戦用ジムを戦闘不能にする。他にも挑んでくる混成機甲連隊の機動兵器は居たが、元気のガンダムXによる攻撃やGビットに撃破されるだけだ。

 

「くそっ、数が多いぜ!」

 

『これじゃあ、脱出どころじゃない!』

 

『なんでシールドライガーがここに!? アガサの連中は何を考えてんだ!?』

 

 脱出しようとする志々雄と元気であるが、スミスやミッシングリンク隊は全く増援を寄越さないので、包囲されて突破できない。僚機と共にリィのGファルコンと交戦しているランドマン・ロディを駆るラドラルは、志々雄のシールドライガーの乱入に動揺していた。

 そんな互いに背中を合わせ、残り九機となったGビットに周囲警戒をしながら脱出の機会を探る二人に、戦闘団に属するジム・スパルタン三機による小隊が襲い掛かる。手持ちのミニガンによる奇襲攻撃で三機のGビットを撃破すれば、本体であろう元気のガンダムXが対応する前に、弾丸の雨を浴びせる。

 

『うわぁぁぁ!?』

 

「元気!?」

 

 ミニガンの掃射でも、ガンダリュウム合金のおかげで撃破には至らないが、怯んでしまう。それを防ぐために志々雄のシールドライガーがEシールドを張って掃射を防いだ。これにジム・スパルタンを駆り、その小隊を率いるヴェストゥムは舌打ちする。

 

「ちっ、あいつ等もガンダムであっちもガンダムかよ!」

 

 苛立ちながらも直ぐにミニガンの掃射を止め、反撃してくる前に直ぐに二機の同型機と共に下がり、探索の為に向かってきたGビット二機を奇襲で更に撃破する。これでGビットは残り四機だ。

 

「あいつは何処だ!?」

 

『あいつ等だけじゃねぇ! 他にもいるぞ!!』

 

 敵はジム・スパルタン三機だけでなく、ザクⅡJC型やザクⅡF2型、陸戦用ジム、ジム改などの雑多な旧型機が、元気と志々雄に攻撃を加えて来る。それに二人は必死に応戦するのであった。

 

『隊長、他の奴らは何時まで持ちますかね?』

 

「知るか。ともかく、あのガンダムの首を手土産に、メイソンの奴らに寝返らねぇとな」

 

『おいおい、聞かれたらどうすんだ!? 爆破されちまうぞ!』

 

「安心しろ。奴らはそれどころじゃねェ」

 

 部下よりほかの連中は何時まで持つのかと問えば、ヴェストゥムは全滅しようが知ったことが無いと返し、そればかりか元気のガンダムXの首を手土産に、メイソン騎士団に寝返ろうとしていた。それをもう一人が盗聴を警戒して爆破されると注意したが、ヴェストゥムには監視部隊はそれどころじゃないと分かっているので、安心して口にできると返す。

 ヴェストゥムは元々中佐であり、所属も帝国再建委員会ではなく軍の特殊部隊に属していたが、委員会の領土奪還という名の侵攻で祖国を滅ぼされ、大尉にまで降格され、強制徴兵されて無理やり戦わされている。ある程度を戦果を挙げれば退役できるのだが、それを委員会が守るかどうか不透明である。旧型機のジム・スパルタンに乗っているのはその為で、メイソン騎士団に鞍替えを実行しようとしているのも、不当な扱いに耐え兼ねての物である。

 

『へへへっ! なら、あいつ等が全滅した後で仕掛けますか?』

 

「その通りだ。奴らには俺たちの推進剤の節約をしてもらう。あいつの首を取り、メイソンと合流するためにな」

 

 それが分かれば、部下は嬉しそうに攻撃している味方が全滅してから仕掛けるのかと問う。これにヴェストゥムはその通りと告げ、ガンダムXとシールドライガーに接近しそうなワルキューレの機を警戒した。

 

「あべし!」

 

 上空では、ミッシングリンク隊と南部・東部方面軍の合同部隊による波状攻撃で、第十三航空魔導士大隊の石動十太が散った。

 

「クソっ、俺たちだけでどうにかしろだなんて! 無茶苦茶だ!!」

 

 ターニャがいなくなった後でも特務大隊は命令通りに各々の判断で戦闘を継続していたが、第十三大隊はそうは行かず、所属する真下はFAL自動小銃を乱射し、恐慌状態に陥る。

 

「落ち着け! デグレチャフ戦闘団長殿が標的を討ち取るまで耐えるんだ!!」

 

 大隊長であるアーペントラウフェンは指示を出しながら交戦するも、誰も聞くはずもなく、挙句に脱走する者がいたが、逃げられるはずもなく後方から迫るメイソン騎士団やあらゆる方向から続々と出て来るVF-8ローガンに敵航空魔導士に殺害される。

 

「私も運命も、これまでですかね?」

 

 ゴズンも次々と落とされていく味方を見て、自分もここまでかと死を悟るが、ただでは死なないという思いもあるので、背後より斬りかかるメイソン騎士団の航空魔導騎士を左手に持った手斧で殺害し、片手でMG5分隊支援火器を掃射する。更に撃墜数を増やすが、敵は尚も増え続けるばかりだ。

 

「新手です!」

 

「こんな時に!!」

 

「オラぁ! 黄色人種(イエローモンキー)黒人(ニガー)共が!! 白人の聖地に土足で入るんじゃねぇ!!」

 

 そんな大混戦状態の戦闘団に、新たな敵が迫ってきた。それは正義の軍団の三番手、クラウン・ホワイト・キングであった。白い頭巾を被って顔を隠し、全身白尽くめの男だ。手にはAR-15系統のライフルを握られている。率いる配下の軍団も同じ格好をして同じライフルを所持しており、白人以外の人種に対する蔑称を使っていることから、まるでアメリカの白人至上主義団体である。

 しかもクラウン含めて全員が航空魔導士のように飛んでおり、異様さを際立たせている。クラウン率いる白人至上主義者たちの到来をフリーデリーケが知らせれば、アーデは敵航空魔導士を仕留めた後、G36A突撃銃を向け、フルオート射撃を浴びせた。

 

「へっへっへっ、こんな奴らが俺の相手とはラッキーだぜ! 流石はラッキーナンバーの男!」

 

 自分の事を一番幸運な男であると自慢する正義の軍団の七番手、ラッキー・ボーイもクラウンに続いて戦闘団に攻撃しようとしていた。だが、ラッキー・ボーイに取って今日は不運(アンラッキー)であった。

 止まっている所を、アーペントラウフェンが持つパンツァーファストⅢ対戦車火器の照準が向けられていたのだ。当に狙われているラッキー・ボーイはそれに全く気付いていない。

 

「何がラッキー・ボーイだ!」

 

 照準が合えば直ぐに引き金を引き、ロケット弾を発射した。発射されたロケット弾はラッキー・ボーイに向けて飛んでいくが、自分に向かって飛んでくるロケット弾に気付かず、誰から倒そうかと迷っていた。

 

「決めたぞ。弱そうなおま…」

 

 ラッキー・ボーイが狙ったのは、自分から見て弱そうなユーゴであった。だが、動く前にロケット弾が命中し、ラッキー・ボーイは粉々に吹き飛ぶ。

 

「なんだ、ラッキー・ボーイの奴が死んだか! 奴はアホだからな!」

 

 同じ正義の軍団の一人が死んだにも関わらず、クラウンは全く気にも留めず、アーデらに攻撃を続けていた。

 

 

 

 西部や南部、東部で激戦が繰り広げられる中、ハシュマルがダインスレイブを受けて停止していたが、ワルキューレの北部方面軍は構わずにその物量に物を言わせて首都進攻を続ける。

 地上では多数の戦術機が到来し、首都を守るどころか見境なしに発砲する大帝国軍に突撃砲の弾を浴びせる。更に後続の戦車部隊が来ているので、圧されているのだが、大帝国軍は狂信的に前進を続けて損害を増やすばかりだ。上空からもバルキリーや爆撃機の大群が飛来しており、大帝国軍は溶けるように戦力を減らす。

 

「あいつ等、なんでこんなにも…!」

 

 無闇に突撃を続ける大帝国軍に強制徴兵された老人から少年を見て、上空の航空機群に随伴する専用VAのクリームヒルトを纏うレオナは哀れんでいた。だが、味方を無駄に突撃させて敵の弾薬を消費させている単機で正体が突撃してくる。それは正義の軍団の八番手であるサクラダであった。

 

「フン、女子供に負けるとは、使えん男共よ! そんな敵軍なんぞ、ワシ一人で殲滅してくれるわ!」

 

 武者甲冑に身を包んで飛行する巨漢であるサクラダは、そのまま何の策も無しに北部方面軍に突撃する。女子供の軍隊に策を講じる必要性も無いと判断してだ。だが、レオナのクリームヒルトが放ったグラムによる砲撃で、後方に控える自分の軍ごと消し炭にされてしまう。

 

「えっ!? しょんにゃぁ…」

 

 間抜けな断末魔を上げながらサクラダは消滅した。そのままエネルギーは射線に居る全ての者を消し去りながら皇帝の宮殿へと向かって行くが、突如となく出現したドーム状の結界によって防がれる。

 

「あれは…!? 防御に適した能力者?」

 

 レオナがグラムを防いだドーム状の結界を見て、何らかの能力者であると認識する中、そのドーム状の中心に居るのは、純白に金色の装飾を施したドレスのような甲冑を身に纏う金髪の聖女のような女性と、あのハーレムアーミーのクルス来夏であった。

 

「三次元女共ではなく、中身が醜いイヴ人共か。大勢で押し掛けるとは下賤だね。ミレイナ、聖盾で薙ぎ払うんだ」

 

「はい、来夏様」

 

 自分は何もせず、クルスはミレイナと呼ばれる防御結界を張る女性に命じれば、赤い虚ろな目をしている彼女はそれに従い、聖盾を攻撃に使い、先行して空爆を行おうとしたバルキリーと攻撃機数十機を一気に撃墜する。

 

 ミレイナはクルスがハーレムアーミーの能力で呼び出した理想の女の子ではなく、正真正銘の彼が嫌っているはずの三次元の女である人間だ。元は小さな教会でシスターとして悩み相談などをしていたが、買い物で出かけている最中に運悪くクルスに見初められてしまい、特殊な薬を飲まされて洗脳されてしまう。

 嫌っている三次元の女にしてはクルスの好みの外見をしていた所為かお気に入りにされ、度重なる強化で他のハーレムアーミー、理想その物の花嫁であるハーレムジェネラルとは一線を画する能力を持っている。純粋な戦闘力は無いが、サポートに特化しており、その防御力は正義の軍団にも匹敵する。

 

「み、味方が…!?」

 

「さ、三十機が一度に…!?」

 

「こ、これが能力者の力なの…!?」

 

 他のVAを身に纏う隊員が驚きの声を上げる中、レオナは初の対能力者戦闘に恐怖する。一度に数十機もの航空機を撃墜する能力者が相手なのだ。恐怖を覚えるのは至極当然である。

 

「さて、口煩くて馬鹿でブサイクな三次元女共と見た目だけのイヴ人共を殲滅しよう。僕の理想の花嫁たちで構成されたこのハーレムアーミーでね!!」

 

『イエッサー! 総司令官殿!!』

 

 またしても自分の能力を自慢しながら、クルスは配下のハーレムアーミーに数十機の味方を落とされて動揺する北部方面軍に攻撃を命じた。

 その数はブーツホルツと交戦した時よりも多く、総数五万体の軍団規模であった。しかも召喚されたハーレムソルジャーはワルキューレが認定する低級能力者レベルであり、精鋭の兵士に匹敵する。それも飛べるのだがから、徴兵されたイヴ人が大部分を占めている北部方面軍では、蹂躙されるのは目に見えていた。

 

「死んじゃいなよ! 三次元女!!」

 

「くっ! これが人、いや、能力者の力なの!?」

 

 ハーレムソルジャーの攻撃を受けたレオナは、生身の状態での攻撃の強さに驚きの声を上げる。他のVAであるノルドの装着者たちは一方的にやられており、バルキリーですら容易く撃破されるばかりだ。地上の方も次々と倒され、損害は時間が経つごとに増えていく。

 

「アハハハッ! しょせん三次元女は美貌でも魅力でも、力でも二次元には勝てないのさ!!」

 

 自分のハーレムアーミーがワルキューレの北部方面軍を蹂躙するのを見て、クルスは高笑いしていた。

 

「それでも! あの子たちと私の未来の為、負けられない!!」

 

 身体能力ではハーレムアーミーが上であるが、それでも自分と孤児たちの未来を守るため、レオナは自分を攻撃するハーレムソルジャーを吹き飛ばし、本体であるクルスへと突撃した。




これで全員登場したかな?

次回からは、それぞれの戦いに決着をつけていく予定です。
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