【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

151 / 223
名前:スパルタン・バッシュ1
性別:男
年齢:?(肉体年齢は20代後半)
階級:中尉(元)
所属:スパルタンV
乗機:GAT-707E フォビドゥンヴォーテクス
概要:元海兵隊のエースパイロットであったが、地球奪還作戦の北米戦線において死にかけたところをクッソ怪しい男に回収され、そのまま人体改造を受けた。その結果、機体内における深海の圧にも耐えうる体を手に入れた。

名前:スパルタン・バッシュ2(バッシュ・クリルマン)
性別:男
年齢:?
階級:大尉
所属:スパルタンV
乗機:レイダー制式仕様
概要:地球奪還作戦では太平洋戦線で活躍した海軍エースパイロットのひとり。しかしある島で楽しく原住民ごと敵陣地を殲滅してしまったかどで軍法会議を受け、銃殺を待つ身であったところに羽翼正義からの誘いを受け人体改造を施された。
凶暴ではあるが他のスパルタンVに比べたらいくらかまともなので、通常の部隊との連携を前提に正義麾下の正規軍MS大隊長としてレイダー制式仕様を与えられた。

名前:スパルタン・ギルティ
性別:男
年齢:44歳
階級:無
所属:スパルタンV
乗機:GAT-X105E+AQM/E-X04 ストライクE・ガンバレルタイプ
概要:数々の解放地における、降伏した自由惑星同盟軍兵士の殺害や強盗・放火など5犯に問われ死刑宣告を喰らうほどのクライムジャンキー。
空間認識能力に異常に優れ、また「眼が良すぎた」ため研究所に無理やり連れて行かれてクソみたいな量の薬物を投与された結果、空間認識能力はそのままに、人格を失ったマシーンのようななにかになってしまった。

名前:バーツ・アルフォンソ
性別:男
年齢:45歳
階級:少将
所属:連邦地上軍第13強襲艦隊司令官(羽翼正義麾下)
乗艦:スペングラー級強襲揚陸艦「アドミラル・ラムゼー」
概要:正義元帥にスパルタン・バッシュを押し付けられた苦労人。しかし当のバッシュが案外部隊に良い意味で馴染んでいるという報告を受け安堵している。

名前:アルベルト・オイカワ
性別:男
年齢:30
階級:中尉
所属:連邦地上軍第13強襲艦隊
乗機:105ダガー(ジェットストライカー)
概要:スパルタン・バッシュの相棒役。
キャラ提供は神谷主水さん

名前:スパルタン・タイプカリスト
性別:??
年齢:??
階級:無
所属:スパルタンⅤ
ミニョルアーマー:ベーシックカラー、但しバイザー部分からは緑色の液体が蠢いているのが見える。
概要:ゲームLIVE A LIVE(ライブアライブ) 近未来編にて登場した「液体人間」の技術を使用して生産されたスパルタン。
スパルタン施術をした複数の人間を液体人間化させて混ぜ合わせた上で、スパルタン一体分に必要な分を汲み上げてタイプカリスト用の特注ミニョルアーマーに注入するという手法で作られている。
一定値の性能のスパルタンを揃える、という目的においてはベースとなる液体人間溶液が完成してしまえば、後は適度に液体人間を補充するだけで容易にスパルタンVの数を増やせるが、飛び抜けた個体は生まれず自主性に乏しい。
とはいえ他のスパルタンに指揮される小隊員としてなら費用対効果で辛うじてプラス、なのでそれなりの数が作られて他のスパルタン指揮下に配備されている。
キャラ提供はリオンテイルさん

名前:スパルタン・ゴウダ(剛田 厳十郎)
性別:男
年齢:25
階級:大佐
所属:スパルタンⅤ
ミニョルアーマー:通常のものよりもふた回り程大きな鎧武者のような見た目をしていて、内蔵した様々な重火器と二本の大太刀を武器もしている。(見た目はだいたいドラグナーのギルガザムネ)
概要:羽翼元帥の信望者であり、簡単に言えばジェネリックイオク様。(元帥の視界には全く入っていない)
階級もコネ等で手に入れたものであり、本人も戦闘力はあっても頭の方は対して良くない。

名前:スパルタン・ルシファー
性別:男
年齢:23
階級:無
所属:スパルタンV
ミニョルアーマー:仮面ライダールシファーに似ている
概要:元半グレ集団のリーダーであり、同じく元半グレのスパルタンV
達を率いている。卑劣な性格で、人質や肉盾等を平気で行う

名前:スパルタン・アバドン
性別:男
年齢:21
階級:無
所属:スパルタンV
ミニョルアーマー:仮面ライダーアバドンに似ている
概要:上記の半グレ仲間の一人。中身はチンピラ
キャラ提供はRararaさん

名前:スパルタン・レイニー(レイニー・ラグナス)
性別:女
年齢:16歳
階級:准尉
所属:スパルタンⅤ(元囚人)
乗機:量産型F91・スパルタンⅤ仕様(白の部分を灰色に…モチーフはハリソン専用F91)
概要:スパルタンⅤに属する少女。元は両親を殺害した囚人とされているが、真実は父親が母親と自身と無理心中を図ったが…母親が彼女を庇い亡くなり、彼女自身は無我夢中で父親を殺めてしまった。
裁判では実刑を処され、比較的軽度であったが、MS適性が優秀だった為、減刑を交換条件としてスパルタンⅤになった。
キャラ提供はエイゼさん

名前:スパルタン・バレット(本名ゲンヤ・ヒムロ)
性別:男
年齢:28
階級:元少佐
所属:スパルタンV
乗機:νガンダムHWS(νガンダム(ff)の様にトリコロールのマーキングが施されている)
概要:スパルタンVに所属する男で容姿はヒューマンバグ大学の戸狩玄弥の若い頃の姿の目を青にした感じ。元は連邦軍少佐だったが軍内の権力争いに巻き込まれた結果、無実の罪で投獄されてしまう。だが、20代で佐官に至る程の実力などを見込まれ、司法取引の形で釈放を条件にスパルタンVになった。
キャラ提供は月見きつねうどんさん


出撃、スパルタンⅤ

 羽翼正義元帥隷下の部隊をもってしても、ゲイムランド軍の防衛線を突破できなかった。これに羽翼は、遂にスパルタンⅤの投入を決定する。

 

「ようやく出撃か。奴らが操作するドローンくらい倒せなければ、奴には勝てないな」

 

 専用の機器を使ってスパルタン・カイザのミニョルアーマーを装着したマサト・クサカは、出撃命令に応じて専用のヘルメットを脇に抱えた。

 

「そう言えば、あの出戻りは何処なんだろうな。ヘルブラザーズにでも聞くか」

 

 同じ元ONIでスパルタンⅤにも関わらず、この場に姿を見せないシドの事が気になってか、カイザは偶然にも近くに居たミニョルアーマーを身に着け終えた地獄兄弟(ヘルブラザーズ)ことスパルタン・キックとパンチに問う。

 

「なぁ、あのシドって奴の事、知らないかな? 姿が見えないんだが」

 

 見下すような態度で聞いたため、パンチとキックは眉をひそめたが、ここでやり合うつもりは無いのか、悪態を付きながらも正直に答えた。

 

「相変わらずイラつく奴だな。あいつが何処にいるかなんて俺は知らねぇよ。知ってか、弟よ?」

 

「俺が知るわけねぇだろ、兄貴。シドの奴は俺らのことを馬鹿にしてて話さないんだ」

 

 地獄兄弟は同じヴィンデルから送り出されたスパルタンⅤであるが、シドは兄弟のことを信用していないのか、あるいは口が軽い事を知ってか、何処へ向かうのか告げずに行ったようだ。この地獄兄弟の答えに、カイザは怖気付いたか、羽翼元帥とは違う人物からの指示を受けていると判断する。

 

「フン、戦闘用ドローン相手にビビッて逃げたか、誰かの指示を受けて行動しているようだな」

 

「どういうこったよ?」

 

「暴れる事しか能がない単細胞の君たちじゃ理解できないさ。そこの欲しい玩具を貰った子供みたいに燥いでいる馬鹿共と同じなんだよ、お前らは」

 

「てめぇ、俺たち地獄兄弟を馬鹿にしているのか!?」

 

 シドが誰かの指示を受けて行動していると言うカイザに対し、兄のキックはどういうことなのかと問う。これにカイザは、馬鹿な地獄兄弟には理解できないと返した。自分らを見下すカイザに対し、弟のキックは激怒して胸倉を掴もうとするが、兄に止められる。

 

「止せ弟、こいつの挑発に乗るんじゃねぇ」

 

「でもよ兄貴!」

 

「誤射に見せ掛けりゃ良い事だ。冷静になれ、弟」

 

 激怒する弟のパンチを宥めた後、キックは睨み付けながらカイザに、ミニョルアーマーを纏った子供のように燥ぐ燥いでいる四人のスパルタンⅤと一緒にするなと告げる。

 

「それよりカイザさんよ、俺たちをあんなザコ共と一緒にするんじゃねぇ。あぁ言う奴らは、俺ら地獄兄弟が散々ぶっ潰してきた半グレのザコ共だ。連中、初めてだから。この戦いで全滅するだろうよ」

 

 キックはミニョルアーマーを纏って燥ぐスパルタン・ルシファーやアバドンを初めとする四人のスパルタンⅤが、元半グレであると見抜いていた。

 地獄兄弟は治安の悪い地域で育ち、狂犬ぶりの戦いようから裏社会でその名を轟かせていた。故に裏社会は麻薬ディーラーに身を落としたシド以上に詳しく、自分と同じような暴力しか取り柄の無い人物の区別は見るだけで判断できる。地獄兄弟にとって半グレなど、群れるだけのザコなのだ。

 

「あれ、地獄兄弟か?」

 

「あぁ、地獄兄弟だぜ! ここで殺しちまおうか?」

 

 地獄兄弟から雑魚扱いされていることにも気付かず、ルシファーとアバドンはその存在に気付き、アーマーを身に纏った今の自分たちなら殺せると豪語していた。

 

「先に殺されてぇか!? こらぁ!!」

 

 これに強く反応したパンチは、先にルシファーとアバドンを殺してやると言うが、リーダーであるスパルタン・ソルジャーに諫められる。

 

「双方とも、ここでの戦闘は禁止だ。応じなければ、軍規違反で処罰する」

 

「なんだこら? てめぇ、偉そうに指図してんじゃねぇぞ! 殺すぞコラ!」

 

「やれやれ、一般応募なんてやるから駄目なんだよ。あんな馬鹿共に高価な装備を与えるなんて、元帥閣下の見込みは甘いな」

 

 ソルジャーの警告に対し、ルシファーは腹を立てて殺すと脅し始める。そんな光景を見ていたカイザは、一般応募すれば、ルシファーのような連中が出て来るのが分かった羽翼元帥の判断に疑問を抱いた。

 

「それは脅しか? お前がサインした契約書には、いかなる命令にも服従すると記してあったはずだが」

 

「意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇぞゴラァ!」

 

「やんのかこら! あぁん!?」

 

 カイザが離れた後もルシファーやアバドンは、契約違反だと言うソルジャーに突っかかる。それをキックとパンチは見ているだけだ。自分の指示を聞かないルシファーとアバドンに対し、ソルジャーは命令に逆らうスパルタンⅤの懲罰装置を起動する。

 

「グワァァァッ!? な、なんだこりゃあ!?」

 

「お前たち二名は規約違反を犯した。これも契約書に書いてあったはずだが?」

 

「止めろォ! 止めないと殺すぞぉ!!」

 

「私の命令に従うのであれば、止めても良いが?」

 

 余りの痛みに絶叫する規約違反の両スパルタンⅤに対し、ソルジャーは命令に従うのであれば、止めると告げる。

 

「わ、分かった! 分かったから止めてくれ!!」

 

「了承した。次に逆らった場合、洗脳処置を施す。銃殺刑に処されないだけ、適合者であるお前たちはマシだ」

 

 激痛に襲われる両スパルタンⅤはそれに応じ、指示に従うと約束した。これが確認されれば、ソルジャーは次からは洗脳処置を施すと脅して懲罰装置を停止する。

 

「フフフ、悪党どもに正義の鉄槌を下す時だ。いい歳をしてゲームをする奴など、電力を無駄に浪費し、周りに迷惑を掛ける悪党以外に何者でもない! 一人残らず血祭りに上げてやる!!」

 

 数分後、スパルタンⅤは出撃し始めた。

 先んじて出撃するのは、スパルタン・デラックスマンだ。身勝手な自身の正義を振りかざし、開かれた母艦のハンガーより飛び出した。スパルタンⅤが身に纏うミニョルアーマーは、盗まれたISの技術が使われており、自由飛行が可能だ。赤と白のヒーローのような出で立ちのアーマーを身に纏うデラックスマンは、ヒーローのようなポーズを取りながらゲイムランドを目指して飛んだ。

 

「各員、任務内容はゲイムランド軍並びそれに協力している武装勢力の殲滅である。それ以外の物への攻撃は、上層部の許可なく許されない。肝に銘じておくように」

 

 デラックスマンの後に続き、他のミニョルアーマーを纏う事が許された適合者らも出撃しようとハンガーへ集まる。ソルジャーは出撃前に、上からの命令通りに動くように各スパルタンⅤに告げれば、出撃を開始した。

 

「スパルタンⅤの全アーマーチーム、直ちに出撃せよ!」

 

 そのソルジャーの指示が出れば、ミニョルアーマーを身に纏ったスパルタンⅤは続々とハンガーを飛び出し、ゲイムランド軍へ向けて飛行する。専用のヘルメットを被ってカイザとなったクサカもまた、続々と出撃するスパルタンⅤに続いて出撃した。

 

 

 

「提督、元帥閣下よりスパルタンⅤ出撃命令です!」

 

「遂に来たか。よし、バッシュ1並び2、ギルティを出撃させろ!」

 

 海上に展開する艦隊の中にもスパルタンⅤはいた。ミニョルアーマーの適合者では無かったが、身体能力は大きく強化されている為、高価な機動兵器のパイロットに任命された。

 展開する水上艦隊の一つである連邦地上軍第十三強襲艦隊の旗艦であるスペングラー級強襲揚陸艦「アドミラル・ラムゼー」にて、羽翼正義の指令の下、提督であるバーツ・アルフォンソ海軍少将は自分の艦に乗艦しているスパルタンⅤを出撃させろと指示を出す。

 

『スパルタン・バッシュ1並び2、ギルティは直ちに出撃せよ』

 

「ハッチ、開けろぉ!」

 

 アドミラル・ラムゼーのハンガー内で出撃のアナウンスが響けば、収容されている水陸両用MSであるフォビドゥンヴォーテクスとレイダー制式仕様、ガンバレルストライカー装備のストライクEが起動し、二つの眼を光らせる。

 それと同時にハッチが開き、ベルトコンベアで自動的に発信位置に進められると、即座に出撃を開始する。元海兵隊のエースパイロットであったスパルタン・バッシュ1が駆るフォビドゥンヴォーテクスは水中へと潜り、海軍のエースパイロットであるスパルタン・バッシュ2が駆るレイダー制式仕様は飛行形態へと変形し、上空を飛んだ。

 飛行能力を持たないガンバレルストライカー装備のストライクEを駆るギルティは、上空を飛行するバッシュ2のレイダー制式仕様の上に機体を乗せた。

 

『オイカワ中尉、小隊と共にスパルタン・バッシュとギルティに随伴しろ!』

 

「了解! アルベルト・オイカワ中尉、105ダガー出撃します!」

 

 その後を追うように、アドミラル・ラムゼーの飛行甲板に立つ四機のジェットストライカー装備の105ダガーの小隊は、管制官からの指示を受けて出撃する。小隊を率いるアルベルト・オイカワ中尉は、出撃すると告げてから機体のジェットストライカーのスラスターを吹かせ、三機の同型機を引き連れ、先に出撃したガンダムタイプを駆るスパルタンⅤの後へ続いた。

 

『スパルタン・レイニー、直ちに出撃せよ』

 

「スパルタン・レイニー、F91出撃します」

 

 羽翼元帥指揮下の水上艦隊の中にある正規空母にもスパルタンⅤは居り、成人済みなスパルタンⅤが多い中で未成年の十六歳の少女であるスパルタン・レイニーは、リフトで飛行甲板に上げられ、カタパルト前まで自力で歩いている白い部分が灰色な量産型F91に乗っていた。

 カタパルトに両足を装着させれば、管制官からの指示に従ってレイニーは自機と共に、出撃していく他の連邦軍機と共に空母から出撃する。

 

「なんで子供がスパルタンになってるんだ? Ⅴは餓鬼でも応募してんのか?」

 

 羽翼元帥隷下の将兵等はスパルタンは皆成人だと思っており、ジャベリンに乗る一人のパイロットは、まだ十六歳の少女であるレイニーがスパルタンⅤなことに疑問を抱く。それに同型機に乗る同僚が、まだ少女であるレイニー・ラグナスがスパルタンⅤになった理由を明かす。

 

「なんでも、両親を()っちまったそうだ。当の本人は親父が無理心中をやって、お袋が庇って死んだ後、親父を無我夢中で殺したと言っているが」

 

『けっ、どうせ(ヤク)が欲しさの余り、どっちとも自分で殺したんだろ』

 

 レイニーの供述では、父親が無理心中を行い、それで母親が自分を庇って殺害され、襲い掛かる父親に抵抗している内に、無我夢中になって殺害したと言っているが、ジャベリンのパイロットは彼女が薬物中毒者で、金を出さないから殺害したと偏見で決め付けた。

 

『お前、それは飛躍し過ぎじゃないのか?』

 

『まぁ、疑わしいな。減刑目当てに志願した罪人の言う事なんて』

 

「そうだ、罪人なんぞと一緒に戦えるか。盾にしちまおうぜ!」

 

『罪人風情がガンダムタイプに乗ろうだなんて烏滸がましい! レイニーを前に出させろ! 敵の火点を見付けるため、奴を囮にする!』

 

 その一人の偏見に同調してか、出撃した連邦軍の機動兵器らはワザと速度を落とし、レイニーの量産型F91を前に出させる。

 

「あれ、どうして速度が遅く…? 本部へ、どうしてみんな…」

 

『速く前に出ろ、スパルタン・レイニー! 出なければ、敵前逃亡罪として撃墜する!』

 

 自分を前に出させるように速度を落とす部隊に、レイニーは無線連絡で問おうとしたが、前に出ろと言われる。そればかりか、今すぐ従わなければ、敵前逃亡罪として撃墜するとまで脅してきた。これにレイニーは従う他に無く、スラスターを吹かせて集団の前に出た。

 

「スパルタン・バレット、νガンダム出るぞ!」

 

 もう一隻の正規空母より、ケッサリアに乗ったトリコロールのマーキングが施されたνガンダムHWS装備型が出撃した。大気圏内で運用されているのか、六基のフィンファンネルは搭載されていない。

 そのガンダムに乗るのは、スパルタン・バレットと呼ばれる本名、ゲンヤ・ヒムロだ。元は連邦軍少佐であるが、郡内の権力争いに巻き込まれ、無実の罪で投獄される。だが、司法取引で釈放を条件に、スパルタンⅤに志願してスパルタンとなる。ミニョルアーマーの適性が無い為、高級機であるνガンダムを与えられた。

 

 

 

「よく生き延びたな!」

 

「お、おい! 俺の嫁は? 俺の嫁は無事か…!?」

 

「はっ?」

 

 一方の地上では、前線で負傷したUCA軍の負傷兵は二人の歩兵に担がれながら、後方の野戦病院へと運ばれていた。出迎える迎えは、良く生き延びたと負傷兵を褒めるが、彼は自分の嫁が何処だと騒ぎ始めた。これに衛生兵は、負傷したショックで混乱しているのではないかと診断を始めようとするが、両脇を抱えていた歩兵は、負傷兵の懐からある物を出して安心させる。

 

「お前の嫁は無事だよ! ここは安全だから、大人しくして置け!」

 

「あ、ありがとう…!」

 

「なんだ人形か。変わった奴だ、そんな気色悪い物を読めと言うだなんて」

 

 戦友が嫁と表して大事にしている物が無事であることを伝えれば、負傷兵は涙を流す。彼が嫁と表していた物は、美少女フィギュアであった。これに衛生兵は呆れつつ、負傷兵を抱き抱えて野戦病院へ運ぼうとしたが、二名の歩兵と負傷兵は驚いた表情を浮かべたまま固まっていた。

 

「ど、どうした?」

 

「う、うわぁ…!」

 

「な、なんだあんたは!?」

 

 何かを見て驚いているので、それが何なのかと問えば、彼らは自分の背後を指差した。後ろを振り返れば、巨大な鎧武者がそこに居た。

 三日月の角がある兜を被っており、まるで伊達政宗の武者甲冑のようだ。腰には二本の大太刀を携えている。どうやら、彼もまたスパルタンⅤであるようだ。

 

「ぐわっ!?」

 

「な、何を…!? わっ!?」

 

 鎧武者は衛生兵を弾き飛ばすように退かした後、美少女フィギュアを取り上げ、あろうことかそれを握り潰した。

 

「な、なんてことをするんだ!」

 

「お、俺の嫁が…!」

 

「嫁だと? こんなガラクタを嫁と表するなど、甘ったれているな!」

 

 同僚が怒り、負傷兵は自分の宝物である美少女フィギュアを握り潰されたことに絶望する。そんな負傷兵に対し、鎧武者は激怒して彼の頭部を大きな手で掴んで持ち上げた。

 

「う、うわっ! な、何をするんだ!?」

 

「なんてことを! 離しやがれ!」

 

「降ろせ! 彼は負傷者なんだぞ!!」

 

 突如となく甘ったれていると言って負傷兵の頭を掴んで持ち上げる鎧武者に対し、周りは止めようとするが、当の本人は周りを気にすることなく自分の怒りを対象にぶつける。

 

「甘ったれている以前に、萌えなどと言う日本社会に衰退をもたらした憎むべき電子麻薬(デジタルドラッグ)に夢中になるなど、軍人どころか人として失格! 大人になってこんな非現実で退廃的な物に現を抜かす貴様は、再教育するかこの場で処分するしかない! さぁ、選べ!!」

 

 負傷兵の趣味に鎧武者は自分の思想で危険と見なし、再教育を受けるかこの場で殺されるかと強い力で締め付けながら問うてきた。負傷している上に、握り潰す勢いで自分の頭部を掴んでくる鎧武者に、負傷兵は暴れて助けを呼んだ。

 

「た、助けてくれ! 殺される!!」

 

「畜生が! 離さないと撃つぞ!」

 

 この叫びを聞いて、二名の歩兵と周りに居たUCA軍の将兵等は手にしているライフルの銃口を向けた。四方八方より銃口を向けられているにも関わらず、鎧武者は恐れるどころか、一切の警告にも応じずに負傷兵と頭部を掴んでいた。

 

「こ、こいつ! ハチの巣にされたいか!?」

 

「フン、この人間として失格な愚図を庇うとは。貴様らもこいつと同様に、再教育か殺処分が必要なようだな」

 

「何を勝手なことを! 彼は負傷兵なんだぞ!? そんな下らない考えよりも、彼を治療する方が先だぞ!」

 

「この大佐である剛田厳十郎ことスパルタン・ゴウダに、その無礼な口を利くとは! 上官侮辱罪で全員処罰する!」

 

 再三の警告に対し、全く応じるどころかUCA軍の将兵等に敵意を向ける。苦しんでいる負傷兵を一刻も早く助ける為、衛生兵は真っ当な意見をぶつけるが、それが鎧武者ことスパルタン・ゴウダを怒らせてしまった。

 彼もまたスパルタンⅤであり、ミニョルアーマーの適性があって戦闘力も高かった為に、スパルタン・ゴウダになれた。羽翼正義元帥の信望者であり、その偏見で歪んだ思想も彼を信望する余り出来た物だ。尚、階級はコネで手に入れた物である。

 激怒したゴウダは負傷兵の頭をリンゴを砕くように潰した後、近くに居た味方のUCA軍の歩兵二名をアーマーの腕力で殴り飛ばした。ゴウダの戦闘力と専用のミニョルアーマーのパワーは絶大で、二名の歩兵は殴られた衝撃で即死する。

 

「う、うわっ! し、死んでいる!? 一撃で、一撃で死んでいるぞ!!」

 

「う、撃て! 撃てぇ!!」

 

 二名の歩兵を殺したことで、スパルタン・ゴウダはUCA軍の敵となった、雨あられとライフルや分隊支援火器、拳銃と言った銃弾の雨を浴びせられるが、ゴウダの鎧武者のようなミニョルアーマーには全く通じない。そればかりか、シールドすら必要としない程だ。

 

「貴様ら、この俺と敵とみなすか! どうせ民主主義者(リベラル)は無能で悪なのだ! 直ちに抹殺する!!」

 

 自分を完全に敵と見なしたUCA軍にゴウダもまた敵と見なし、羽翼元帥と同じ思想を掲げて周囲の味方であるはずの兵士たちの虐殺を開始した。腰の二振りの大太刀を抜くどころか、一切の武器を使わずに手足のみでUCA軍の将兵等を殴り殺していく。僅か十数秒ほどで、ゴウダを敵と見なして撃ってきたUCA軍の将兵等は壊滅した。

 

「あ、悪魔だ…! 一個小隊を、数十秒で…!!」

 

 銃声を聞いて出て来た軍医は、数十秒で自軍の将兵等を皆殺しにしたゴウダを悪魔と呼ぶ。野戦病院には、士官一人を含める三十八人ほどの一個小隊が居た。それをゴウダは十数秒でしかも内蔵兵器や武器を使わずに全滅させたのだ。増援の分隊が駆け付けるも、返り血塗れのゴウダを見て、思わず足がすくんでしまう。

 

『ゴウダ! 剛田大佐! 何をしとるかァ!? はやいとこ出撃せんかァ!!』

 

「おっと、私としたことが。無駄な時間を使ってしまった。あのエマとか言うアバズレよりも、戦果を挙げねば!!」

 

 あの地上部隊の指揮を任されている大将より出撃の催促の無線連絡が入れば、ゴウダはエマに対抗心を抱きながらアーマーのスラスターを吹かせて上昇し、一定の高さまで上がれば前線の方角に頭を向け、そこへ向かって飛んでいった。違う陣営とはいえ、友軍の将兵等を身勝手な理由で殺害する愚行を犯しているが、ゴウダは全く意に介さず、戦果を挙げる事ばかりを考えていた。

 

「い、行った…! あ、あれがスパルタンⅤなのか…!?」

 

 ゴウダが去った後、野戦病院のUCA軍の将兵等は命拾いした。あの大将の催促が無ければ、今ごろゴウダは、野戦病院に居る負傷兵らも排除すべきリベラルと表して手に掛けていた事だろう。

 

 

 

 羽翼元帥が自身の虎の子であるスパルタンⅤの出撃を命じた頃、惑星の衛星軌道上にて、チロプテラ級ステルス艦がゲイムランドを真上にした位置で待機していた。

 このステルス艦の所属はUNSC海軍であり、主に特殊作戦で運用されているのだが、今回はある者の意向で羽翼元帥の本隊とは違う行動を取っている。

 

「液体なんか入れて、本当に役に立つのか?」

 

 他のスパルタンⅤの中に居なかったシドの姿は、チロプテラ級の艦内にあった。

 艦内の待機室にて、人形のように整列している従来のスパルタンと同じミニョルアーマーのヘルメットのバイザー部分をシドは疑問を抱きながら軽く叩いていた。

 そのスパルタンもシドと同じⅤであるが、ヘルメットの中身は液体である。名付けてスパルタン・タイプカリスト。

 ミニョルアーマーの中に、スライム状の液体を注入して作られているのだ。人数はおよそ十六体で、一個分隊を八体とすれば、十六人編成の小隊である。

 

「また何処かの世界の技術を使ってんだろうな。このミニョルアーマーと同じく」

 

 シドは自分が身に着けているミニョルアーマーと同様、タイプカリストの本体である液体は、別世界の技術と見抜く。元ONIの工作員としてのシドが持つ情報の中で、タイプカリストのような技術は存在しないからだ。

 

「まぁ、液体でも入れて数を増やせば、お手軽か」

 

 そうタイプカリストの長所を評価しつつ、シドは自分のミニョルアーマーのヘルメットを被り、出撃準備を始める。

 

「さて、ODST(ヘル・ジャンパー)を気取るつもりはねぇが、こいつを着てれば、地面にキスをすることなく降りれるな」

 

 視線の向こうにあるODST用の降下ポッドを見ながら、ミニョルアーマーなら安心して降りられると言いつつ、降下ポッドの方へ向かった。その後を十六体のタイプカリストが続く。綺麗な二列横隊で。

 背後に居るのはあのヴィンデル・マウザーであり、彼は何らかの目的でシドに十六体のタイプカリストを指揮下に入れ、ある極秘任務を行わせようとしていた。

 

 果たして、その任務とは?




出撃だけとなりました。一人、味方を殺してる奴が居ますが。

戦闘と残りのスパルタンⅤは次回で登場予定です。残りの連邦軍メンバーも。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。