【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争   作:ダス・ライヒ

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名前:グリンダ・フォン・ノートス
性別:イヴ人
年齢:25歳
階級:少尉
所属:新百合帝国軍能力者部隊
武器:無名祭祀書
概要:シュブ=ニグラスを祀り豊作を祈ったりしている神官系の貴族。シュブ=ニグラスについて書かれている豊穣祭祀書(無名祭祀書の断片)の所有者。
豊穣の力を使っているゆるふわロングのお姉さん。黒山羊や触手、鬼械神のバフォメットを召喚して戦うことも。
触手で魔力を他人から奪える。これをやらないと鬼械神はすぐにガス欠になる。黒山羊からも吸収できる。
キャラ提供は(OwO)さん


対峙

 ダリュンが部下たちを鼓舞して大和級戦艦を初めとする羽翼元帥隷下の水上艦隊の砲撃を凌ぎ切った頃、スパルタン・カイザとデルタ等は先回りしていたテノジア軍に逃げ道を塞がれ、ゲブールとその配下の部隊に追い付かれた。

 

「ブハハッ、鬼ごっこはこれまでだ!」

 

 先回りしていたテノジア兵たちを突破しようとしていたカイザたちであったが、シルバリー合金の甲冑に身を包んだ歩兵部隊を突破できず、ゲブールが笑い声を上げながら目と鼻の先まで迫って来る。大きな足音を立てて迫る巨漢の両手には、二つの硬棒が握られていた。

 

「ど、どうすんだよ!?」

 

「やるしかないだろう。既に広い場所に出ているんだ、友軍かUCA軍の応援を呼べ!」

 

 完全に逃げ場が無くなったことで、焦るデルタからの問いに、カイザは苛立ちながらX字型複合兵装のソードモードを起動し、付近の部隊に増援を呼ぶように指示てから剣先を向けた。

 

「ほぅ、そんな棒切れでこのワシと戦おうと言うのか? スパルタンだかなんだか知らんが、このわしの最新式の戦車すら叩き壊す硬棒に砕けぬ物は無いわ!」

 

「フン、木偶の棒が! 俺に挑んだことを後悔させてやる!」

 

「このワシを木偶の棒呼ばわりとは! 生意気な! 叩き殺してくれるわ!!」

 

 煽って来るゲブールにカイザが同じく煽り返してやれば、二つの硬棒を持つ巨漢は激怒して怒り任せにそれを振るってきた。ゲブールが叩き込んだ硬棒は、ダリュンと同じく闘気を纏っていた。ただの硬棒と思っていたカイザであったが、当たるのは危険と判断して紙一重で躱し、地面の割れ具合を見て、硬棒の威力がハッタリでは無い事を知る。

 

「これは、本当のようだな…!」

 

「ブハハハッ! ハッタリでは無いわ! ワシはこの二つの硬棒で、幾百両もの戦車をスクラップにしてきたのよ! いくらその甲冑にシールドなどと言う物がついていようが、ワシの闘気を纏ったこの硬棒の前には、ただの鉄の板も同然だわ!!」

 

 自身の硬棒の威力を自慢するゲブールは、続けてカイザに硬棒を振り下ろす。硬棒が叩き付けた地面の割れ具合から、ミニョルアーマーでも当たれば一溜りも無いことを理解したカイザは、即座に回避行動を取る。それと同時に、ゲブールの巨体ゆえの動きの鈍さを見抜いた。

 

「ちょこまかしおって!」

 

 自慢の硬棒を避け続けるカイザに、ゲブールは苛立って滅多やたらに振り回し始める。その動きは苛立った所為か雑であり、カイザはそれを見逃さずに相手の動きを読んで躱した。一定の距離を取った後、自分の得物の複合兵装の必殺技を起動させる。

 

「どうやら、本当に木偶の棒のようだな」

 

「ぬぅ!? き、貴様ァーッ!!」

 

 複合兵装の必殺技を起動させたカイザは、ゲブールの冷静さを更に失わせるために挑発した。ものの見事に挑発に乗って激昂したゲブールは、二振りの硬棒を振り下ろさんと迫って来る。カイザはこれを狙ってゲブールを怒らせたのだ。

 

「死ねぇぇぇッ!!」

 

「ハァーッ!」

 

 隙だらけになったゲブールが硬棒を振り下ろした瞬間、カイザは同時に当たる瞬間を見計らい、エネルギーを充填させた刀身を叩き込んだ。

 

「な、何ィーッ!?」

 

 体格と怪力、そして闘気を纏った硬棒を振るうゲブールが勝つと思われていたが、そのご自慢の硬棒は、カイザの複合兵装のソードモードによって二つとも砕かれた。砕かれた硬棒を見たゲブールは驚愕するが、まだ巨漢による怪力が残っている。砕かれた硬棒の仇を取ろうと、怪力でカイザを捻り潰さんとする。

 

「おのれ、良くもワシの硬棒を!」

 

「フン、お前はもう死んでいるんだよ」

 

「なっ! 身体が、動かない!?」

 

 迫るゲブールにカイザは臆することなく、エネルギーネットと呼ばれる相手の動きを封じる特殊なエネルギー弾を撃ち込んで敵の動きを止めれば、まだエネルギーが残っているソードモードを逆手に持ち、バツ字になるように二回も振るった。

 

「ひ、ひでぶぅーッ!?」

 

 バツ字に斬られたゲブールの巨体は四等分に別れた。当然ながら、ゲブールは死んでいる。ゲブールを切り裂いたカイザに、テノジア軍の兵士たちは戦慄する。

 

「げ、ゲブール殿が…!?」

 

「すげぇ、流石はクサカ!」

 

 テノジア軍の兵士たちが恐れる中、デルタたちはカイザが期待通りの者であると口にする。

 

「さて、死にたい奴からかかって来るんだな」

 

 ゲブールを倒した後も、カイザは戦闘態勢を解かず、周囲に居るテノジア兵たちをバイザー越しから睨み付けた。

 

 

 

「トォァーッ!」

 

 スパルタン・デラックスマンを包囲したレッドベレー隊のユージ・ニシムラが率いるナイフ投擲隊は攻撃を開始した。先にユージが銅線ワイヤーを雄叫びを挙げながら力一杯振るい、投げたワイヤーをデラックスマンの胴体に絡ませた。

 

「やれィ!」

 

 銅線ワイヤーで相手の動きを封じれば、ユージは包囲している十名のナイフ投擲隊にナイフを投げるように指示を出した。それに応じたデラックスマンを包囲しているナイフ投擲隊は、目にも止まらぬ速さでナイフを取り出し、素早く標的に向けて投げた。

 

「フフフ、ミニョルアーマーのシールドを貫通する威力を誇るシルバリー合金で出来たナイフだ。飛べることは驚いたが、貴様は終わったも当然だ」

 

 この世界のスパルタンに関する情報を入手していたレッドベレー隊は、シルバリー合金で出来たナイフを調達していた。熟練のナイフ使いが十名がそれを持ち、標的に向けて投げれば、並のスパルタンは持たないだろう。そう、並のスパルタンなら。

 

「フン、そんなナイフ如きで、正義の化身たる俺を倒せるとでも思ったか?」

 

「な、何ッ…!?」

 

 スパルタンⅤは、今までのスパルタンとは違っていた。デラックスマンが纏うミニョルアーマーは従来の物とは違い、盗まれたISの技術が使われており、シールドも断然強化されている。

 情報が違うことにユージらは動揺する中、自身を正義の化身と宣うデラックスマンは反撃を行う。その姿、正義のヒーローと言うよりただ殺戮を目的とする殺人兵器でった。

 

『うわぁぁぁっ!!』

 

「じゅ、十人のナイフ投擲隊が…!?」

 

「次は貴様の番だ」

 

 一度、反撃の為に手刀を振れば、デラックスマンを包囲していた十名のナイフ投擲隊は、一瞬にして肉片と化した。それを見たユージが恐怖する中、デラックスマンは標的をそちらへ向ける。

 

「お、おのれぇ! 死ねぃ!!」

 

 殺されるなら先に殺すしかないと即断したユージは、コートのベルトに吊るしてある特別な素材で出来た鞭を取り出し、それを向かってくるデラックスマンに向けて振るった。だが、振るわれた鞭の先はデラックスマンに捕まれてしまう。

 

「う、うわっ…!?」

 

「死ね、悪党め」

 

 掴んだ鞭を強く引き、ユージを自分の元へ引き寄せたデラックスマンは、向かって飛んでくるその顔面に右拳を叩き込んだ。薬物投与による人体強化とミニョルアーマーの筋力補佐機能も加わり、ユージの顔面は右拳に潰され、その拳は後頭部を貫いていた。

 

「さて、次は貴様たちだ」

 

 頭部を拳で貫通されて即死したユージの死体をゴミでも捨てるかのように投げ捨てた後、標的を別の者たちに切り替え、一度空に浮遊してそちらへと向かう。

 その道中には新百合帝国軍の陸軍第13軍団の地区があり、押し寄せる連邦軍と乱入して来たテノジア軍と乱戦状態に陥っていた。そこに怪物と成り果てているデラックスマンが通れば、恐ろしいことになるのは必然だ。

 デラックスマンが全速力で通れば、戦乱状態にあった三つの勢力に属する将兵等と運用する兵器は吹き飛んでいく。特に進路上に運悪くいた機動兵器は、その上半身を吹き飛ばされていた。デラックスマンが属する連邦軍機も吹き飛ばされており、敵味方問わずであった。

 

「す、スパルタン!? こ、こっちに来る!?」

 

 押し寄せる連邦軍機やテノジア軍のカラゴールと交戦していたハイングラを駆るアレン・マクセムは、凄まじい速度で自機に迫るデラックスマンに気付き、その姿を見て恐怖し、手にしているビームライフルの照準をそちらへ向け、むやみやたらに連射する。

 

「無駄だ。貴様のビームなど、この正義の化身たる俺を殺せん!」

 

『う、ウワァァァッ!?』

 

 ISの技術が使われているスパルタンⅤのミニョルアーマーのシールドは、オリジナルよりも強化されており、MSのビームライフルを弾くほど頑強だ。恐怖してビームを乱射するアレンのハイングラに、デラックスマンは速力を挙げて突撃を仕掛け、その胴体を吹き飛ばした。

 胴体は木端微塵に吹き飛んでいるので、アレン・マクセムの死は確実であった。アレンのハイングラを体当たりだけで破壊したデラックスマンは、敵味方問わず突き飛ばしながらある方向へと向かう。

 その方向とは、ターニャとスパルタン・ルシファーが激しく交戦している空域であった。

 

「マクセム!? クソっ、やられたのか!」

 

 無数の敵と乱戦を繰り広げるゴルドスを駆るテズ・マッキャンは、アレンのハイングラの反応が途絶したことを知り、その死を確信する。

 

「クソっ、テノジア軍がどうして来るんだ!?」

 

『このモルガでも、横っ腹に突っ込めば、ゴルドスだって!』

 

「し、しまった!?」

 

 そんなアレンの死を思う暇もなく、テノジア軍のモハメドが駆るモルガが地中から飛び出し、テズのゴルドスの側面より突進を仕掛けて来る。ガイサックやイグアナ型の中型ゾイドであるヘルディガンナー、MSのカラゴールの対処に気を取られていたテズの対応は遅れ、側面からのモルガの突進を諸に受けてしまった。

 

『こ、コンバットシステムが!?」

 

「へへへっ、やったぜ! ゴルドスをやっつけたぞ!! やっ、アァァァッ!?」

 

 テズのゴルドスを転倒させ、戦闘不能に追い込んだモハメドであったが、周囲の索敵警戒を疎かにしてしまい、アリシア・エーデルマンのシャドーフォックスのバルカン砲を受けて撃破された。撃ち込まれたのがコクピットがある頭部であったため、モハメドは貫通した弾丸を諸に受けて愛機のモルガと共に運命を共にする。

 

『お前、逃げたんじゃないのか?』

 

「こんな世界で、何処へ逃げようっての。そのゴルドス、コンバットシステムがフリーズしてんだろ。今のうちに後退しなよ! 援護するから!」

 

『あぁ。そうさせてもらう』

 

 アリシアは自分らの主人であるイヴ人に不満があるので、機体ごと逃げたのではないかと思っていたが、テズは助けに来たことに驚いていた。

 そんなアリシアは、手負いのテズのゴルドスを狙おうとする敵機に、シャドーフォックスのレーザーバルカン砲を撃ち込んで撃破しつつ、援護するから速く後退しろと告げた。その言葉に甘え、テズはまだ動くゴルドスを動かし、集結ポイントへと機体を進める。

 

『お、お前! こんな時に何をしてるんだ!?』

 

「こんな時だからこそ、出来る限りパーツを集めないと!」

 

 後退の最中、破壊された友軍機や敵機の残骸を回収しているデスルターに、交戦しながら下がる同型機が通信で注意する。その火事場泥棒を行うデスルターを操縦しているのは、マナ・イプスだ。同僚からいくら注意されようとも、マナはこんな時だからこそ回収できないと答え、流れ弾が飛んでこようが回収を止めない。

 

「っ!? 邪魔しないで!」

 

 上空からジェットストライカー装備のウィンダム数機が編隊を組んで空襲を仕掛ける中、マナは回収している最中も周囲を警戒しており、ビーム攻撃を行うウィンダムにアサルトライフルを乱射して反撃した。乱射されるアサルトライフルの弾幕に、ウィンダム等は左腕の盾で防ぎながら後退した。

 

 

 

 スパルタン・デラックスマンに荒らされてもまだ激戦が続く中、テノジア軍の攻撃は、UCA軍と交戦中のゾフィー・レオンハルトやエルネスティーネ・シュバルゼッターの戦車隊にも及んでいた。

 

「連隊本部から命令! 前哨基地まで後退しろって! ほら、直ぐに!」

 

 通常兵器と機動兵器、シルバリー合金の刀剣類と矢で攻撃するテノジア軍に、UCA軍は混乱して退却していた。

 大挙して押し寄せるテノジア兵の大群と交戦しているゾフィーは、自分が属している連隊本部から後退命令を受け、操縦手に指定の位置まで後退するように指示を飛ばす。ゾフィーのレオパルド2A7主力戦車は後退しつつ、戦車砲を発射して数十名のテノジア兵を吹き飛ばした。

 数十人の味方を吹き飛ばされようが、テノジア兵たちは怯まず、雄叫びや奇声を発しながら突っ込んでくる。その中には、戦車や突撃銃などで武装した歩兵等も続いていた。後退するたびに、沈黙して黒煙を上げるレオパルド2戦車が増えていく。履帯をやられた車両に関しては、乗員らは碌に抵抗することなく車両を放棄して脱出する。

 

『全車、直ちに前哨基地まで後退!』

 

「こ、後退命令!? は、はい! 直ぐに! 直ぐに後退! 急いで!!」

 

 補助戦力のマルダーやプーマ歩兵戦闘車が破壊されるか歩兵等と共に後退する中、エルネスティーネことエルネが属する戦車中隊にも後退命令が出た為、直ぐに彼女はそれに応じ、操縦手に自車を速く後退させるように指示を飛ばした。

 それに応じてエルネの戦車も所属中隊と共に目標の地点まで後退するが、一番最後となってしまった為に被害は大きく、一両、また一両と撃破されていく。

 

「きゃっ!」

 

「り、履帯に被弾! 動かない!!」

 

「た、直ちに脱出!」

 

 エルネの戦車も押し寄せるテノジア軍戦車の攻撃を受けて被弾し、行動不能となってしまった。当然、エルネらは最後まで抵抗することなく車両を放棄して脱出する。

 他にも後退が遅れた歩兵たちや破壊された戦車から脱出した乗員たちも居たが、テノジア軍の歩兵等に追い付かれ、背中を槍で貫かれるか、背中を剣で切り裂かれたり、矢で射ぬかれる。

 

「ヒィィィ! た、助けてェェェ!!」

 

 同胞らが殺される光景を見て、死の恐怖を感じたエルネは、自分の戦車の乗員らを置いていくように逃走する。持っているライフルで抵抗する歩兵もいたが、シルバリー合金の甲冑に身を包むテノジア軍の歩兵や重歩兵に効くはずもなく、槍で串刺しにされた。

 

 

 

「くそっ、なんだあいつは!?」

 

 新百合帝国に盗まれたこの世界の物を取り戻すため、ヴィンデル・マウザーより奪還命令を受けたスパルタン・シドとカリスト等であったが、敵方の能力者に阻まれていた。

 

「このシェブ=ニグラスのバフォメットの前には無駄ですわ」

 

 女性神官のような服装を身に纏い、左腕に無名祭祀書を抱えた金色のロングヘアーのイヴ人、グリンダ・フォン・ノートスは自分の機鬼神であるバフォメットには敵わないと豪語する。グリンダの脇には黒山羊が居り、彼女の周辺には触手がうねっている。彼女を守るためか、大口径のライフル弾を防ぐこともできる大盾を持った兵士数名が控えている。

 本家ISより強化されているシールドを持つミニョルアーマーを纏うカリストであるが、バフォメットが繰り出す右拳の打撃は防ぎ切れず、一撃でシールドが消失した。シールドを回復させるべく、即座にバフォメットから距離を取ろうとするも、相手がそれを許すはずもなく、二撃目を叩き込まれて戦闘不能に追い込まれる。

 

「ちっ、どっから持って来たんだ!」

 

 カリストを倒したバフォメットを見て、シドは悪態を付きながら手にしている大口径バトルライフルを三発も撃ち込むも、全く通じない。他のカリストが放つライフルやロケットランチャーでさえ、バフォメットには通じなかった。

 

「万全な布陣だな! クソ!」

 

 バフォメットの注意がカリストたちに向いた隙に、シドは召喚者であるグリンダを狙って発砲したが、そのために控えている防弾盾を持ったイヴ人の兵士たちに防がれてしまう。

 グリンダとバフォメットに足止めされている間、この世界で盗まれた物が徐々に遠ざかって行く。それをシドらはただ眺めているだけしか無かったが、ある人物がそれを運んでいる新百合帝国軍兵等を殺害した。

 

「っ! 何者!?」

 

 重要な物を運んでいる味方が殺害されたのを知り、グリンダは周囲にうねらせていた触手を伸ばす。対象を貫く速さで伸ばされた触手だが、伸ばした数本の触手は斬り落とされる。その触手数本を斬り落としたのは、機鬼神ヤルダパオトを召還してこの施設内に侵入したショーマン・ジロックロであった。

 

「ホホホッ! この宝物、頂戴いただきますぞ!」

 

 守りてであるグリンダがシドたちと交戦している隙に、ショーマンは目的の物を奪おうとした。だが、グリンダはバフォメットを即座にそちらへ向かわせた。

 

「す、スパルタンへの対抗手段をこちらへ向けた!? 正気か!?」

 

 これにショーマンは驚き、グリンダの正気を疑う。スパルタンの唯一の対抗手段を自分に向けるなど、愚の骨頂だ。

 だが、ショーマンには予想外の出来事である。彼が召喚したヤルダパオトは不意打ちでこそ真価を発揮する機鬼神であり、バフォメットと正面での戦闘は不利である。即座に逃げようとするショーマンであるが、バフォメットの方が速く、ヤルダパオトを触手で捕まえ、魔力を奪う。

 

「ま、魔力が吸われる!? これ以上は!」

 

 自分のヤルダバオトが触手で捕まったことで、魔力を吸われていることに気付いたショーマンは左腕のコンピューターを操作し、即座に召喚している機鬼神を引っ込め、次なる攻撃を避けるために距離を取った。

 

「今だ! 突っ込め!!」

 

「しまった!」

 

 グリンダが防衛目標の奪還阻止を優先したことで、シドらに攻撃の隙を与えてしまった。カリストを引き連れて突撃してくるシドに、目標の防衛を優先したグリンダは直ぐにバフォメットを向けるも、元ONI工作員であるスパルタンⅤは、カリストを盾にしながら接近する。

 

「こ、この!」

 

「はっ! 慌てろ、慌てろ!」

 

 慌てるグリンダは、味方を盾にしながら接近してくるシドに恐怖してバフォメットに続けて触手攻撃を行わせるが、相手はショーマンとの戦闘を見て、触手は危険と判断したらしく、的確に自分に飛んでくる触手をライフルで撃ち抜きながら接近してくる。バトルライフルの弾が切れた後、シドは拳銃に素早く切り替えて接近を続ける。

 

「あぁ!? 魔力が!」

 

 シドを接近させまいと攻撃を続けるグリンダであったが、ここにきて魔力切れを起こしてしまう。バフォメットを使役する魔力の消耗は相当な物らしく、周囲に生やしている触手で他者から魔力を奪わなくては、直ぐにガス欠してしまう。

 尚、隣にいる黒山羊からも魔力の急襲は可能だが、シドはそれに気付いており、黒山羊にピストルの弾丸を何発も撃ちこんで射殺した。

 

「そ、そんな! 私を守って!!」

 

 弱点を突かれたグリンダは、周囲に控えている防弾盾を持つ兵士たちに自分を守らせようとしたが、シドのみならず、バフォメットの魔力切れで生き残ったカリスト等の接近も許しており、盾を持つ兵士たちは引き裂かれるか射殺されていた。

 

「い、いや…! 死にたく…」

 

 自分を守る味方が全滅し、触手も全て撃ち抜かれ、戦意を喪失してしまったグリンダは命乞いをするが、シドが逃すはずもなく、即座に額を撃ち抜かれて射殺された。

 

「ふぅ、だいぶ減っちまったな。手こずらせやがってよ」

 

 十二体のカリスト中、七体以上がバフォメットによって倒されていた。シドはカリストを盾としか思っていなかったらしく、少し想定外な損害として受け止め、奪還目標の近くに居るショーマンに再装填を終えたバトルライフルの銃口を向ける。

 

「一難去ってまた一難ですか…!」

 

「そう言うこったよ、おっさん。死にたくなければ、そいつを俺らに返しな」

 

 自分の奪取目標を返せと銃口を向けながら告げるシドに、ショーマンは渡すか持って逃げるかの選択を迫られた。

 渡したところで、命乞いをするグリンダを躊躇いも無く射殺するシドが約束を守るとは限らない。どちらを選んだにせよ、シドが自分を殺すのは確実であると判断したショーマンは、左腕の機器を操作してヤルダバオトを召還して臨戦態勢を取る。

 

「あぁ? そいつは、俺とやるって事か?」

 

「貴方の性格からして、素直に渡しても私を生かして帰すとは限りませんからね…!」

 

「ほぅ。そこまで言われちゃあ、素直に殺すしかないな!」

 

 素直に応じても殺されると言って臨戦態勢を取るショーマンに、シドは残ったカリスト等に攻撃命令をを出し、目標を奪い返さんと攻撃を始めた。




これで全員出たかな?

次回からは死亡回っす。
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