【参加者募集中】読者参加型SS スーパーロボット大戦 無限戦争 作:ダス・ライヒ
この世界になぜか来ていた女。今度は武器商人のブラックジャックに拾われ、あることを条件に彼の荷物を回収しに惑星オルドリンへと降り立つ。
搭乗機はライジングフリーダムガンダム
名前:リアーダ・ヘルヘッシモ
性別:男
年齢:17
階級:不明
所属:武器商人「ブラックジャック」私兵部隊
乗機:イモータルジャスティスガンダム
概要:褐色肌の少年。上司であるブラックジャックであろうが、誰にでもため口で喋る礼儀を弁えない少年。性格はZ世代の若者と言うが、コミュ障で余り人と接しようとしないボッチ。
そんなやや自己中心的な性格であるが、パイロットとしての腕前はスーパーエースレベルであり、無限戦争の世界の全機動兵器を乗りこなすほどの技量を有している。
採用応募キャラ
名前:サルモン・スピンラッド
性別:男
年齢:20
階級:不明
所属:武器商人「ブラックジャック」私兵部隊
乗機:ライジングフリーダムガンダム(リミッター付き)
概要:小麦色肌の猿顔の青年。お調子者かつ人を小バカにするのが好きとやや難ありな性格。しかしパイロットの腕はエース級。※スーパーエースまでではない。
機体を稲妻のような軌道で高速接近させて攻撃する独自戦法、「ライトニングアタック」を得意とする。
一人称「わて」、語尾が「~でげす」など喋る癖も強い。
キャラ提供は黒崎 好太郎さん
名前:イオナ・ファイル
性別:女
年齢:16
階級:不明
所属:武器商人「ブラックジャック」私兵部隊
乗機:イモータルジャスティスガンダム
概要:少々小柄で色白な少女。少年兵出身で、前の部隊が自分以外全滅して途方に暮れたところをブラックジャックに拾われる。無表情でほとんど喋らないが、過去の経験から人一倍仲間を大事にし、ジャスティスに任命されるだけあってパイロットとしての腕も確か。
キャラ提供はハナバーナさん
名前:時崎 リオ
性別:女
年齢:19
階級:不明
所属:武器商人「ブラックジャック」私兵部隊
乗機:ライジングフリーダムガンダム(リミッター付き)
概要:病的なまでに白い肌と烏色の長髪に年の割に低身長身長の美少女。強化人間(後のスパルタンⅤ)の実験体の一人として連邦軍に拉致された元一般人。施設の軍人が無能よりだった為になんとか脱走できたが、その際に負った怪我で生死の境をさまよっていたところをブラックジャックに拾われて彼の私兵となる。実験と怪我の影響で片腕を含めた体の一部が機械となっている。
キャラていきょいはRararaさん
名前:シールド立松
性別:男
年齢:15
階級:不明
所属:武器商人「ブラックジャック」私兵部隊
乗機:イモータルジャスティスガンダム
概要:別世界の盾松修人であるが、コーディネーターになっている。
戦災孤児であり、武器商人のブラックジャックに引き取られ、パイロットとしての腕の高さを買われて私兵部隊所属のパイロットなった。
可変MSの適正が高いため、イモータルジャスティスガンダムのパイロットに選ばれた。
キャラ提供はM Yさん
惑星オルドリンの首都における攻防戦が激化する中、その狂気の炎が渦巻く街に、降り立とうとする集団がいた。それは、武器商人ブラックジャックの特別ステルス宇宙船である。
ブラックジャックはある荷物を回収するため、自身の手ごまを激戦区である都市に降ろそうとしていた。
「直ちに出撃用意だ! パイロットは自分の機体に乗れ!」
宇宙船内の
「えっ、もうそんな時間?」
「当たり前だ小僧! さっさとイモータルなんたらに乗り込め!」
整備士らの邪魔にならないところで、携帯らしき端末でゲームをしていた褐色肌の少年は、出撃の時間と聞いて問えば、男は乗り込むように怒鳴りつける。
「俺の機体、イモータルジャスティスガンダムって言うんだけど、おじさん」
「馬鹿! 分かってんだよ! それと目上には、いつも敬語で話せ!」
「んなの、良いじゃん。仲間なんだから」
少年の名はリアーダ・ヘルヘッシモ。上司であるブラックジャックであろうが、誰にでもため口で喋る礼儀を弁えない少年であり、余り人と接しようとしない人見知りだ。そんなリアーダであるが、腕前はブラックジャックが認めるほどであり、イモータルジャスティスを任された。
そんな無礼な少年が口答えするので、大柄な男は敬語で話すように注意したが、リアーダは聞かずに自分の機体であるイモータルジャスティスの方へ、ヘルメットを抱えて泳いでいく。
これに応じてか、待機室にいたライジングとイモータルのパイロットらは部屋から飛び出し、ヘルメットを抱えながらそれぞれの機体へと向かっていった。
「あの女はどこへ行った? ボスがライジングなんたらを任せるくらいの女だ。どこかでサボってんじゃないだろうな?」
もう一機のライジングフリーダムガンダムに乗るパイロットを、大柄な男は何処だと付近に浮かんでいる整備員を捕まえて問い詰める。この問いに整備員は、一番先頭のライジングフリーダムを指差しながら答えた。
「もう乗ってますよ。それに勝手にOSを弄ってます! ブラックジャックさんの許可は取ってるんですか?」
「なんだと!? この化け物MSのOSは、腕利きのナチュラルとコーディネイターがようやく乗れるように、うちのプログラマー五十人が徹夜で作ったOSだぞ! それを無許可で勝手に弄るとは、なんて女だ!」
整備員がOSを変える許可を取っているのかと答えた後に問えば、大柄な男は激怒した。
そのライジングフリーダムは、そのままのOSではとても人が動かせる物ではなかった。コーディネイターですらまともに扱うことが出来ず、腕利きのパイロットですら匙を投げるほどだ。動かせるようにするため、並の人間が動かせるOSを作成する事となる。つまり、扱えるように一部の機能にリミッターを掛けたのだ。
配下にいる腕利きの五十人のプログラマーを動員し、できるだけ性能を下げないように気を使いつつ、徹夜でどうにか動かせるくらいのOSを仕上げた。
そのOSのおかげで、ライジングフリーダムは何とか並の人間が動かせるレベルまで来たが、性能は元より二十パーセントほど落ちてしまった。それでも性能は連邦軍のジムⅣや同盟軍のザクⅣをやや上回るほどの性能を有しており、単機でもそれら複数を相手取ることは可能だ。
複数の敵を照準して放つ必殺のハイマットフルバーストはリミッターで封印されたが、全火器を一斉に放つフルバーストは使用可能である。
そんな徹夜で五十人のプログラマーが苦労して仕上げたOSを、無許可で弄るパイロットは、なんとあのマリ・ヴァセレートであった。
常人を遥かに超える操縦技量を持つマリは、このOSに不満であったらしく、全天周モニターのコクピットのシートに座るなり、端末を取り出してリミッターを外し、元のOSに戻そうと恐ろしい速さの指でキーボードを操作する。
「こらっ! 特別扱いされてるからって、勝手に弄るんじゃねぇ! それを仕上げるのに、五十人が徹夜したんだぞ!」
キーボードを恐ろしい速さで操作するマリを叱る大柄な男だが、彼女は耳を貸さず、ただOSをオリジナルのOSに戻す作業を続ける。
「ボス、あの女また勝手なことを! どうしますか!?」
止めようにも、大柄な男はマリの力を知っているのか、手を出さず、困惑している整備班長の耳から小型無線機を奪い取り、上司であるブラックジャックの指示を仰いだ。
『好きなようにやらせろ。お前もゲイムランドの海戦を見ただろ?』
「あ、あんな無茶苦茶な戦い方をする奴が、動かせるわけがないでしょうが! こいつはそれとは違って…」
『いや、あれはインパルスガンダムの性能を最大限に引き出した戦い方だ。あのインパルスでも、彼女にはついてこれていない。ライジングフリーダムのオリジナルのOSなら、ついてこられるはずだ。性能も最大限に引き出せるだろう』
「そう好きにさせるんですか? どうなっても知りませんよ!」
ブラックジャックの指示は、マリの好きにさせろと言う物であった。
彼はマリが羽翼元帥の水上艦隊に行ったインパルスガンダムによる大立ち回りを気に入っており、彼女ならライジングフリーダムの性能を最大限に引き出せるという理由で、彼女の勝手を許した。それに大柄な男は、どうなっても知らないと答えて無線連絡を切る。
『間もなく出撃予定地点だ。直ちにパイロットは各自の機体に搭乗せよ! 繰り返す…』
「全く、どうして得体のしれない女なんかを拾ったんだか! ボスの考えは今に分かったもんじゃねぇが。取り合えず、拾ってやった恩は返せ!」
出撃予定地点まで迫っているアナウンスを聞き、大柄な男はマリの得体の知れなさに苛立ちつつ、拾った恩を返せと告げてから整備員らと共にライジングフリーダムから離れた。
全整備員が安全な場所まで退避すれば、誘導員らが管制官からの指示に従い、出撃する六機のガンダムの誘導を始める。
『ライジングフリーダム二番機、カタパルトに着け!』
「おぉ、わてが一番手てかぃ!」
管制官からの指示で最初に出撃するのは、ライジングフリーダム二番機のパイロットであるサルモン・スピンラッドであった。一番機に乗るマリが最初に出撃すると思っていたサルモンは驚きながらも、指示に従って操縦桿を動かし、自身の機体をカタパルトへ向かわせる。
『カタパルト装着確認! 進路よし! 出ろ!』
「サルモン・スピンラッド、ライジングフリーダム二番機、行くでげす!」
カタパルトの装着と進路の確保の確認が取れた管制官より出撃命令が出れば、サルモンは変な語尾を言ってからライジングフリーダムと共に出撃した。
『イモータルジャスティス一番機、直ちにカタパルトに着け!』
「なんでジャスティスは一番機からなんだよ?」
『速くしろ小僧! 後が詰まってんだ!』
「はいはい」
次に出撃命令が出たのは、一番機のイモータルジャスティスに乗るリアーダであった。これにリアーダは一番機のライジングフリーダムが後になるのは何故かと問うが、管制官は急かして答えず、彼のイモータルジャスティスをカタパルトに着かせた。
『イモータルジャスティス二番機は一番機発艦後に出撃。いつでも出撃できるように、手前で待機せよ!』
「…ん? 了解」
『分かってるな!?』
「うん…」
二番機のイモータルジャスティスに乗るイオナ・ファイルに空かさず指示を出す管制官だが、彼女は聞いていないような態度を取ったので、怒鳴りながら問えば、指示に応じた。
「めんどくさいけど仕事だしな。まっ、なんとかなるか。時崎リオ、ライジングフリーダム三番機、行きます!」
サルモンのライジングフリーダムが出撃した後、時崎リオのライジングフリーダム三番機が続けざまに出撃した。それに続くように、リアーダのイモータルジャスティスも出撃し、二機のライジングフリーダムの後に続く。
立て続けにイオナのイモータルジャスティスも出撃していく中、三機目のイモータルジャスティスはカタパルトに着いた。
「受けた恩、必ず返すぜ! シールド立松、イモータルジャスティス行きます!」
イモータルジャスティス三番機のパイロット、唯一のコーディネイターであるシールド立松は拾った恩は必ず返すと言ってから出撃していった。
『機体を自分に合うように調整したようだな。まぁ、あの海戦が本物であるなら、連邦や同盟など物の数じゃないはずだ』
「約束は守るわよね?」
『無論だ。そのために勝手を許した。好きに暴れ、私の商品の回収を援護しろ』
「マリ・ヴァセレート、ライジングフリーダムガンダム、行くわよ!」
最後に出撃するのは、マリのオリジナルのOSに調整されたライジングフリーダムだ。自分の目標の達成のため、勝手を許したブラックジャックは大いに期待を寄せる中、マリは彼に約束を守らせた後、機体と共に出撃する。
六機のガンダムは母艦より出撃した後、目標降下地点まで辿り着けば、機体を巡航形態であるモビルアーマー形態へと変形させ、惑星オルドリンへ大気圏突入を行った。
その目標は、惑星オルドリンの主と惑星。現在、連邦軍と同盟軍の激しい攻防戦が行われ、廃墟寸前に陥っている都市だ。
当然、衛星軌道上で交戦中の双方の艦隊に気付かれたが、既に六機のガンダムは惑星に降下した後であり、後の祭りであった。
何故マリ・ヴァセレートが、武器商人であるブラックジャックと行動を共にしているか?
それは、オルドリンの戦いから二週間ほど前にさかのぼらねばならない。
ゲイムランドの連邦軍の包囲網から命辛々と言うか、どうにか脱出に成功したマリ・ヴァセレートは、自力でこのヴィンデル・マウザーが支配する世界から脱出しようとしたが、ここへ来て予想外な敵に襲撃された。
それは、佐奇森神矢であった。この神を自称する男は、ルリ・カポディストリアスの専用IS「マギア・コリツェ」の封印術で小さな小瓶に封印され、永遠に宇宙にさまよっているはずだが、何故か解放され、目前に居る。
ここで一つ疑問がある。どうやってそこから脱出したというのだろうか?
まさか反省し、出てきたというのか?
「あの小娘の保護者だと思ってみたが、まさかこれほど弱いとは。いや、この神が強すぎたのが正しいだろう」
この自惚れた口ぶりからして、反省など一切していない。ルリは神矢に反省を促すため、ちっぽけな小さな小瓶に閉じ込めたのだ。だが、マリを追い詰めて喜ぶ髪を自称する男が、どんな過ちを犯したところで、反省などするはずもないだろう。
何せ神矢は、己が才能に溺れて自身を神だと思っている男だからだ。
解放された神谷は自身が開発したゴッドアーマーをさらに発展させ、最強の兵器に完成させた。早速ISの世界へ赴き、悍ましい復讐を始めたが、そこにはルリの姿も無ければ、協力していたメイソン騎士団やアガサ騎士団の姿も無く、織斑一夏たちが居るだけであった。
当然、神矢は彼らを惨たらしく殺し、特に篠ノ之束や箒を思いつくような残虐な手段で殺害した。ルリがいないので、その次のIS世界へと赴いたが、そこにも彼女の姿はない。
が、何もせずに別のIS世界へ向かうことなく、八つ当たりのような攻撃を行い、そこでも神矢は一夏たちを惨たらしく殺した。次も、その次も飽きるまで一夏たちをありとあらゆる残虐な手段で殺害する。
本命の復讐相手であるルリが見付からない中、神矢はこのヴィンデル・マウザーが支配する世界へ降り立ち、保護者であるマリを攻撃したのであった。
「拍子抜けだ。まぁ、あの小娘と同じ不老不死だ。いくらでも殺せるが、それではつまらんな」
マリの頭部を入念に潰した神矢は、彼女が不老不死であることを知っていた。神矢をちっぽけな小瓶から解放した人物が教えたのだろうか、彼は完全にマリが復活しないように、自身が纏うゴッドアーマーの力でマグマを放ち、定期的に頭を燃やしていた。
「おっと、都合がいいことに、付近に白人至上主義者の阿保共が暮らしている土地があるぞ。そこへ放り込んでやるか。頭をマグマで燃やされた不老不死が、記憶を保っているかどうかの実験だ」
このまま殺し続けてもつまらないと思ってか、神矢はこの付近に白人至上主義を掲げる人々が住む土地を見付け、そこへマリを放り込むことにした。
頭を過剰なまでに潰しているので、マリが記憶を保っているかどうかが、神矢の科学者としての探求心を刺激したのだ。
「そら!」
早速、神矢は頭を潰された死体と化しているマリをその土地に向けて投げた。彼女の死体が放物線を描きながら飛んでいく中、ちゃんと土地に落ちているかどうか、ゴッドアーマーの遠望機能で確認する。
「ホールイン! さて、レズビアンの彼女は白人の阿保共をぶち殺すか?」
実験の成果を確認すべく、神矢はマリの性的嗜好で駆け付けてくる白人至上主義者を殺害するかどうかを見守る。
当然、頭部が完全に再生するよう敢えてマグマの炎を消し、再生しきる時間を与えた。様子を見に来た人々が来る頃には、完全に再生しきっているはずだ。
「ちっ、目を覚まさないか。面倒だが、目を覚ますのを確認するか」
頭部は発見される前に完全に再生したが、気を失っているので期待した成果は見られず仕舞いだ。
白人至上主義者たちの拠点に運ばれた彼女が目を覚まし、どのような反応を見るか確かめるべく、ゴッドアーマーのステルス機能を使い、マリを運んで住居に向かう彼らの後を追う。
マリを乗用車に乗せようとする際、ルリが写っている写真が懐から落ちた。それを、小太りで金髪の男が回収した。
「何やってんだ! 速くしろデブ!」
金髪の小太りの男は仲間たちから酷い扱いを受けているらしく、仲間から怒鳴られた彼は、必死にその後を追った。
「ここは…?」
数時間後、マリは目覚めた。美しい碧眼の瞳には、敵対する者に対しての憎悪の炎は宿っていない。その美しい容姿に見合う美女の瞳の物だ。すなわち、彼女は神矢の執拗な攻撃で記憶を失ったのだ。
「ほぅ、この神のマグマ攻撃は脳に多大なダメージを与え、記憶を喪失させたか。記憶が再生するのは、いつになるか分からんな。それよりこの神がすべきことは…!」
その様子を遠方から見ていた神矢は、マリが記憶喪失となったことで、不老不死の相手は頭部の攻撃が有効であると分かった。
「ルリ・カポディストリアスに対する復讐である! この神をあんなちんけな小瓶なんぞに封印した罪、重いぞ!」
記憶が再生する過程も見てみたいところであるが、今の神矢の目標はルリに対する復讐である。
改めてルリに対して復讐を誓った後、神矢はゴッドアーマーの次元転移機能を使い、復讐相手を探す旅に出た。
「自分が誰だか分からない? そうか、記憶が戻るまでわしの屋敷へ暮らすが良い。暖かく迎えてやろう」
一方で記憶喪失のマリは、この土地の領主にしてそこに住む白人至上主義者の指導者である老人に迎え入れられた。領主は彼女が記憶喪失なことを良いことに、助けた礼として彼女を愛人としたのだ。
記憶を持っていれば、過去のトラウマでこの手の男を嫌悪するマリは、即座に殺していただろうが、今の彼女には元の記憶はない。
元の自分を失ったマリは、ただ老人に言われるがままに夜の相手を行うなど、老人の愛人としての日々を過ごした。
それから一週間は過ぎただろうか。領主である老人は、付近に駐留する連邦軍の高官と企業の幹部らとの結束を図るパーティーで、愛人であるマリを紹介した。
当然、この白人至上主義者が外部とのコネクションを築くために開催するパーティーは、白人以外に参加できない。黄色人種や黒人は、無論ながら会場どころか、その土地に入ることすら許されない。
一歩でも足を踏み入れただけで、白人以外は容赦なく殺害されるからだ。故に土地の周辺には全く人は住んでおらず、立ち入らないようにする看板が幾つも立っている。
そんな危険な土地に、何らかの任務を受けて侵入している者たちがいた。それは、狙撃銃を構える狙撃手と双眼鏡を持って観測を行う観測手の二人組の狙撃班である。二人は巧妙にカモフラージュされた狙撃兵専用のギリースーツを全身に身に纏い、遠距離狙撃を可能とする倍率スコープから標的を眺めていた。
「依頼者は呼ばれなかった腹いせに、俺に奴を狙撃させようとしているのか?」
「そんな小ぃせぇことじゃねぇ。あの爺の
スコープで標的を覗いている狙撃手は、冗談をつぶやきながら照準を合わせる中、その冗談に観測手は生真面目に依頼内容を告げる。
銃身は二脚で地面に固定されているため、狙いがぶれることは無いが、温度と風向きで銃弾が標的から逸れる場合があるので、狙撃手はそれらを計算に入れて標的に確実に当てる必要がある。観測手は狙撃手の代わりにそれらを計算し、狙撃をサポートするのだ。これで狙撃手は、標的の照準に集中することが出来る。
狙撃手と観測手は領主である老人を狙撃するために、この土地に侵入したのだ。ギリースーツのおかげで、付近を定期的に巡回している警備隊に見付かることなく狙撃地点まで辿り着けた。
「そうだったな、済まん」
「それにしても、あの美人の愛人を紹介するためにパーティーを開いたのか? あの標的のジジイ」
「金持ちのパーティーってのは、コネづくりの為だろ? それも兼ねてやってんだろうな」
「まっ、俺らには関係ない世界だ。温度と湿度は…影響なし。風向きも、ほぼない。距離も問題なし。照準を標的のちょい上に」
雑談を躱しながらも、観測手は計算を済ませていた。これに応じ、狙撃手は標的の老人の頭の上に照準を合わせ、引き金に指を掛ける。
「照準を合わせた。今、撃つ…」
『標的変更だ。標的の愛人の眉間を撃ち抜け。追加報酬を出す』
狙撃手は確実に標的を仕留めるチャンスだと思い、狙撃を実行しようとしたが、ここへ来てブラックジャックが無線ジャックを行い、追加報酬を出すと言って、マリに標的を変更するように命じてきた。
「お得意様か。断っても?」
『そうはいかない。応じなければ、奴らにバラす』
「おいおい、白人至上主義者に恩でも売るつもりか?」
『応じなければ、そうするつもりだ。大金だぞ? 受けなければ、パーだ』
「どうする? 俺たちのお得意様は有言実行だ。受けた方がいいぜ。報酬は多分二倍だ」
拒否すれば、標的の白人至上主義者らに居場所を知らせると脅された。ブラックジャックの無茶な依頼に、狙撃手は決断を迫られた。観測手はブラックジャックがお得意先であるのか、受ければ大金だと告げる。もはや、受ける以外に選択肢がない条件だ。当然ながら、狙撃手は照準をマリの頭部に合わせた。つまり、依頼を承諾したのだ。
「受ける。もう計算は済ませてあるな?」
「あぁ、お前が迷っている間に済ませた。こんな依頼、受けない馬鹿がいるか」
「それもそうだな。照準を合わせた」
「よし、今なら当たる。撃て」
ブラックジャックの意味不明な依頼を高額で受けた狙撃手は、計算は済んでいるのかと観測手に問えば、観測手は既に済ませていると返答した。それが分かれば、狙撃手は安全装置を外して引き金に指を掛け、いつでも撃てる状態にすれば、観測手は今なら当たると言って、引き金を引くように告げた。応じる形で狙撃手は引き金に掛けた指を引き、狙撃銃を発砲した。
銃身には消音器が取り付けられ、できる限り銃声は抑えられていた。これにより、パーティー会場には一切銃声は聞こえず、発射された銃弾は標的にしたマリの眉間に命中。入念に選んだ高品質のライフル弾はマリの脳細胞を破壊しながら後頭部を貫き、付近の壁にめり込んでその回転を止めた。
「ヒット。目標ダウン。大儲けだ!」
「これで依頼の二倍? 頭がおかしくなったのか、ブラックジャックは?」
観測手は狙撃に成功したことを知らせ、大儲けが出来たことを喜ぶ。狙撃手の方は意味が分からず、ブラックジャックの思考が狂っていることを疑う。
この二人は、マリのことなど全く知らない。彼女が不老不死であるということさえ、知る由もしないだろう。この後の展開を見なければ…。
回想は後半へ続く